『氾濫』(1959年)
この作品は、増村保造監督、佐分利信他主演の修羅場メロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1959年 大映 日本作品
ランニング・タイム◆97分
原題◆はんらん
プロット◆色々と修羅場がある話しのようです。
音楽◆塚原哲夫
キャスト
佐分利信→主人公の真田左平
沢村貞子→真田左平の夫人 文子
若尾文子→真田左平の娘 たか子
左幸子→妾の西山幸子
川崎敬三→野心的な大学助手 種村恭助
叶順子→種村の幼なじみ 沢井京子
中村伸郎→やり手の久我教授
伊東光一→種村の上司 羽根木教授
三角八郎→種村の同僚 荒田
伊藤雄之助→オカマのお花の師匠 瀬山玄花
船越英二→ロクデナシなピアノ教師 板崎
潮万太郎→社長の三田京太郎
金田一敦子→社長令嬢の三田令子
多々良純→真田左平の部下 吉村
増村保造監督の演出はよいと思います。
全体的にセックスと修羅場とロクデナシの話しになってます。
角川書店発売のDVD
画質はまあまあ。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch
DAIEI VIDEOのタイトル
大映のタイトル
『氾濫』
主人公の真田左平が会社に行き研究所に入る。
部下は多々良純です。
会話によると佐分利信扮する主人公の真田左平は画期的な接着剤を発明して会社を大きくした功労者で今は重役になっているとのこと。
社長室にて。
社長からボーナスをやってるからもっと新しい発明をしろとハッパをかけられる真田左平。
この社長は漫画的なキャラクターになってます。潮万太郎が演じてるらしい。
そんなわけで真田左平がいなくなったら早速こき下ろす社長。
あういうのはカネをやっとけばいいとか。エサをやっとかないととかましてます。
大物な博士の還暦祝賀会にて。
川崎敬三扮する大学助手の種村恭助が登場。
上司の羽根木教授からここに来られるだけでも云々と説教されている。
中村伸郎扮する久我教授も登場。偉そうにしています。
主人公の真田左平もいます。一応研究者として成功しているのでいる。
2次会。バーにて。
羽根木教授が種村を真田左平に紹介する。
真田左平は種村が売り込む論文を評価して論文は英訳した方がいいとアドバイスをしてます。
真田左平の自宅にて。
伊藤雄之助扮するお花の師匠が登場。オカマです。
若尾文子扮する娘の真田たか子も登場。お花の師匠と記念写真を撮る真田一家。ここで回想になります。
回想にて。
接着剤の発明でマスコミの取材攻めを受けてる真田左平。
まだ借家住まいといった感じです。
社長が来て真田左平をヨイショする。
記念写真に戻り回想が終わります。
真田左平は文子夫人にお花教室なんて自宅でやらないでくれと言う。
入れ替わりに生命保険のセールスマンの相手をする真田左平。断ってます。
種村の自宅アパートにて。オンボロです。
壁にマリリン・モンローのヌードボスターが貼ってあります。
そっと出かける種村ですが管理人から家賃の督促をしっかり受ける。
大学の研究室にて。
ここが仕事先の種村。同僚が1人いる。
遅刻したので羽根木教授から叱責されてる種村。あまり気にしない。
教授は例によって研究員をこき使ってます。
それでも種村は徹夜になるからと特別手当を要求してる。
大学にて。
真田たか子が帰宅するとこです。
知り合いの叶順子扮する沢井京子が登場。
会社にて。
真田左平に寄付の強要が来てます。色々とうるさい。
カネはないと断ると小銭を要求して説教して帰る地元のオッサン。
そんなとこに電話が入る。あまり出たくない真田左平。
西山さんと聞いて出る。名字が変わっていた知人でした。
店にて。
真田左平と西山幸子。
西山幸子を演じてるのが左幸子です。いいじゃん。
昔の愛人だったらしい。子連れです。
死んだ夫は自分の子供のように可愛がっていた・・・。
そうなると夫はいない。子供は誰の子?となる。
回想になります。
戦時中で空襲です。
工場勤めの真田左平。成り行きで避難してきた幸子と合流する。
戦時の工場は空襲の標的になるんです。
防空壕で錯乱した幸子を押さえつけたりしてセックスになったらしい。何しろそうなってます。
回想から戻ります。
料亭にて。
真田左平と西山幸子。元教員の西山幸子。
種村の自宅アパートにて。
そっと帰宅してる種村。管理人に見つかるが督促ではなく京子さんが来たとか。
京子が来てます。
幼なじみでまだ恋人までは行っていない。
ストッキングを脱ぐシーンをわざわざ入れています。映画監督は変態が多い。
京子が真田左平の娘たか子と知り合いと知る種村。
自宅のダンスパーティに連れていってくれと土下座してる種村。これでコネが出来るとやる気満々になってます。
真田左平の自宅にて。
ピアノの練習をしてるたか子。
船越英二扮するピアノ教師の板崎がいて文子夫人を口説いてます。
すぐに帰ってます。ちょうど旦那が帰ってきてる。
旦那の真田左平は文子夫人に板崎は女好きで3度離婚してるとこき下ろす。
文子夫人はあまり気にしない。
会社にて。
社長が工場を視察して真田左平に早く新発明を作れと催促する。
研究所にて。
多々良純が真田左平にこんな会社はやめた方がいいと言ってます。
大学の研究室にて。
羽根木教授から実験が1日遅れたと手当を値切られている種村。
町にて。
徒歩の種村と沢井京子。
オープンカーが通過してます。ダンスパーティ行くカップルです。
三立化学の社長のお嬢さんだと説明する沢井京子。これは伏線でした。
何だが行く気がなくなってる種村。
自信を持ちなさいと元気づけてる沢井京子。
真田左平の自宅のダンスパーティにて。
種村は沢井京子はほっといて真田たか子にコンタクトする。
何とかコネをと狙っている種村。たか子に自分の論文を英訳してくれませんかと頼み込む。
英文科のたか子は英訳を承知する。
それで沢井京子がすねています。
板崎は相変わらず文子夫人を口説いてます。
天ぷら屋にて。
真田左平と西山幸子。
食事になってます。子供は誰の子と聞く真田左平。
回想になります。
どうやら文子夫人がいない間は同棲していた真田左平と幸子。
文子夫人からの荷物が届いて別れたらしい。
回想から戻ります。
ホテルにて。
真田左平と西山幸子。
普通の愛人関係になっているようです。戦時中に戻ってます。
工場にて。
打ち合わせをしてるとこで社長に呼ばれる真田左平。
主力商品サンダイトの売り上げが落ちたと文句の社長。
旅館にて。
久我教授が愛人といます。バーのママのようです。名前がわからん。
電話してる久我教授。相手は真田左平。なにやら売り込んでる。
喫茶店に。
種村がたか子を待ってます。論文の翻訳を持って来た真田たか子。
またデートしましょうとなる。
真田左平の自宅にて。
文子夫人に口説いている板崎。ようやく帰る。
無理やりキスされた文子夫人が口をゆすいでるとこにたか子が帰宅する。
ビックリといった感じの文子夫人。
工場の研究所にて。
真田左平と部下の多々良純。
新製品開発があまり上手くいっていない。これは失敗だとなります。
種村の自宅アパートにて。
翻訳の論文を読んでる種村。そんなとこに京子が来ます。
何で私がいるのにたか子さんに翻訳を頼んだのと責める京子。
自分はたか子を利用してるだけだと弁解する種村。
で、キスして唾が糸を引いていたりします。結構凄い。
それからセックスに突入したようです。
真田左平の自宅にて。
深夜に帰宅して文子夫人相手に実験が上手くいかないと話す真田左平。
重役も危ないと話すともう貧乏はごめんだと不平の文子夫人。
会社にて。
社長から叱責されてる真田左平。
久我教授が入れ込む燃えない生地の話しになります。
しかしこの研究はあちこちの企業に持ち込まれて結局はものになってないらしい。
真田左平がようやくデスクに戻ったらお客様です
種村が英訳した論文を持ってきました。
喫茶店にて。
お花の師匠と奥様方が来てます。
師匠が飾り付けをした店とのこと。
映画館にて。
種村と真田たか子。
やたらキスシーンがある映画を見ています。
しつこくお触り攻撃を繰り返す種村。知らんぷりのたか子。
寿司屋の2階にて。
前振りで寿司屋の2階は女をものにしやすいとありました。
種村と真田たか子。
最初はあなたが好きですと迫る種村。
断られると逆上して暴力をふるう種村。ひっぱたいて首を絞めてます。それでも頼んでるつもりのようです。
そのままセックスに突入したらしい。ホトンド強姦です。
キャバレーにて。
お花の師匠と奥様方が来てます。
ピアノを弾いてる男は誰なんだ?→藤巻潤か?
ダンスの見せ物からホストを呼んでます。
文子夫人は約束があると途中でいなくなる。
これで1人いくらと手帳に描き込んでるお花の師匠。
バーにて。
真田左平と久我教授。
燃えない生地はダメだと伝える真田左平。
そうなると久我教授は学位を都合するから80万と吹っかけてくる。
段々と値下がりして最終的には50万でもいいとなる。
しかし断って帰る真田左平。
東京国際空港にて。
会社一行が集合してドイツ行きに役員を見送ってます。
ドイツの特許買い取りが目的です。
例によって万歳三唱をやってます。万歳三唱はハイルヒットラーと同じだから禁止すべきだと思える。
ドイツの特許買い取りが成功すると真田左平の重役の地位が危うくなるらしい。
大井町高等学校にて。
ここに来ている真田左平。西山幸子が先生をやっている。
実は迷惑そうな西山幸子。
ホテルにて。
真田左平と西山幸子。
普通に愛人関係になってます。
重役が危ない話しから子供が病気なのでお手当てをやってます。
種村の自宅アパートにて。
京子が来てます。しかし種村とたか子が抱き合っているのを見る。
たか子は帰ります。そうなると修羅場になるわけです。
種村と京子。
たか子と結婚の約束をしたと種村。簡単に京子を振っています。
旅館にて。
久我教授とキャバレーのママ。
キャバレーのママは名前がわからん。出番は結構多い。
独立するからカネをくれと脅迫になってるキャバレーのママ。
色々と大変な久我教授。
それで久我教授は板崎と文子夫人が来ているのを目撃する。
板崎を演じる船越英二は相変わらずいい味を出してます。
真田左平の自宅にて。
たか子と真田左平。
種村の話しをするたか子。真田左平はあまり感心しない。
久我教授の自宅にて。
夫人とは非常に不仲です。ここも修羅場になっています。
どうやら久我教授は有力者の娘と結婚して出世した。それだけの関係らしい。
そんなわけでキャバレーのママに入れ込んだようです。
真田左平の自宅にて。
文子夫人にたか子の相手の話しをする真田左平。
貧乏学者との結婚は自分と同じなので反対の文子夫人。
会社にて。
真田左平に会いに京子が来て種村の話しをする。
種村は出世のためにたか子に迫ってると話す京子。
そんなとこでインターホンで社長からの呼び出しです。
社長室にて。
真田左平と社長。
交渉担当はもうドイツから帰国してます。特許買い取りの契約はとれたようです。
しかしこの特許はそのままでは使えない。改良が必要。
そんなわけで真田左平に改良を特急でやってくれとなりますが断る真田左平。
研究所にて。
真田左平と種村。
種村が来てます。真田左平が電話で呼んだらしい。
京子から聞いた話しをする真田左平。
種村はたか子さんが大好きですと好青年を装う。
条件を2つ出す真田左平。
ここの嘱託になって例の特許の改良をやってくれ。
京子のことになると種村は手切れ金で大丈夫ですと太鼓判を押す種村。
種村は随分と嫌な男です。ロクデナシそのもの。
公衆電話するキャバレーのママ。
相手はもちろん久我教授です。またカネの請求です。
どうにもせっつかれている久我教授はどうする?
久我教授のオフィスにて。
真田左平が来てます。例のドイツの特許改良の話しをする。
学位のことはしっかりと断ってる真田左平。
そうなるとカネを貸してくれとお願いの久我教授。50万でいいと言う。
カネのことも断わる真田左平。これで恨みを買ってます。逆恨みとも言う。
文子夫人の話しをする久我教授。いよいよ奥の手を出すようです。含みを持たす。
買物をしてる文子夫人。ネクタイを買ってます。
板崎の自宅アパートにて。
ここに入る文子夫人。
しかし板崎は若い女とお馬さんごっこをしていた。
これはビックリの文子夫人。
開き直る板崎。文子夫人に説教をかまして手切れ金までむしり取る。
ネクタイなんていらないと財布ごと頂いてます。たいしたロクデナシぶりです。
種村の自宅アパートにて。
京子が来ます。
その頃種村はたか子とセックスしていた。
たか子が帰って入れ替わって京子が来ます。
学校を辞めて田舎に帰ると京子。真田左平からの手切れ金をもらったからこれを持参金に田舎で結婚する予定。
種村は最後にまた1発とセックスしたいみたい。さすがに断って帰る京子。
あなたを好きなのは私だけ、サヨナラねと去る京子。
大学にて。
研究室に久我教授が来てます。恐縮してる羽根木教授。
種村と話しをする久我教授。手伝いをするからデータを見せろとなってます。
真田左平の手柄を横取りするつもりらしい。金策にもせっぱ詰まってるし。
真田左平の自宅にて。
たか子と文子夫人。
ウェディングドレスや新婚旅行の話しをするたか子。
何だかどうでもいい感じの文子夫人。
ホテルにて
真田左平と西山幸子。
いつもの愛人関係になってます。
重役を辞める話をする真田左平。いつもの子供のお手当てを渡す。
会社にて。
久我教授がいます。種村のデータを使って自分の手柄にしてます。
真に受けた社長は現金50万円を謝礼にする。しっかりと受け取る久我教授。
ここで真田左平が重役を辞任したことも聞く久我教授。
社長の方は真田左平を飼い殺しにする気満々。
真田左平のデスクにて。
整理整頓をしてる女事務員にあいさつの真田左平。
そんなとこに久我教授が来ます。嫌味に文子夫人のことを言う。
喫茶店にて。
種村と真田たか子。
腕時計をプレゼントするたか子。しかし別れ話をする種村。
真田左平が重役を辞任したことを持ち出して結婚は出来ないと話す種村。
技術者は使い捨てにされるだけ。使う側にならないといけないと正論を吐く。
そんなわけでアッサリとたか子を置いて帰る種村。
真田左平の自宅にて。
文子夫人と話し合いになってる真田左平。
あんたのせいよと話し合いになっていない。そのままの状況です。
路上にて。
種村と真田たか子。
世間が悪いんだと開き直る種村。
さすがにそれはひどいと責めるたか子。顔をひっぱたく。
しかしその程度で別れられるなら安い感じの種村。ここから去ります。
西山幸子の自宅アパートにて。
自宅を出てここに転がり込んでいる真田左平。
しかし西山幸子にはここに居させる気も結婚する気もない。
愛人関係でお手当てが貰えるだけでよかったらしい。
しかも息子が病気でもなんでもなく元気だったりします。特別お手当てを出るので病気にしていたとのこと。
そんなわけで追っ払われてここを出る真田左平。
工場にて。
神主が来てます。どうやら新工場の式典らしい。
社長のあいさつになってます。ドイツ特許を改良したさび止めの新商品。
来賓で久我教授もちゃっかり来てます。
種村は婚約者を連れています。京子でもなければたか子でもない。また違うのを見つけてゲットしたらしい。マメな男です。
真田左平の自宅にて。
大学を辞めてニートのたか子。仕事を見つけるわと真田左平に言う。
雰囲気は最悪だけど出かける真田左平にカバンは渡す文子夫人。
会社にて。研究所です。
真田左平と研究員の多々良純。
真田左平に戻ってよかったと言ってくれる多々良純。ビールを注ぐ。
工場にて。
種村と婚約者。どうやら婚約者は社長令嬢らしい。
2人でガスタンクに登ってます。
ガスタンクの天辺でオレは世界の王者だといった感じの種村。
エンドとなります。
そんなわけで色々と修羅場なよい作品でした。
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