『大鴉』(1935年)
この作品は、ルイ・フリードランダー監督、ベラ・ルゴシ、ボリス・カーロフ主演のポーの詩を無理やり映画にしたホラーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1935年 Universal Pictures アメリカ作品
ランニング・タイム◆61分
原題◆The Raven
プロット◆横恋慕して色々とある話しのようです。
音楽関係◆他の作品からの流用のようです。
キャスト
ベラ・ルゴシ→色々と問題があるヴォリン博士
ボリス・カーロフ→逃亡中の犯罪者ベイトマン
アイリーン・ウェア→ヒロインのジーン
サミュエル・S・ハインズ→ジーンの父親 サッチャー判事。
レスター・マシューズ→ジーンの婚約者 ジェリー・ホールデン医師
シリル・ソーントン→ヴォリン博士の執事
スペンサー・チャータース→ジェリーの同僚医師ジェフリー
イネズ・コートニー →その恋人 メアリー・バーンズ
イアン・ウォルフ→太ったグラント大佐
メイデル・ターナー→大佐の夫人 ハリエット
ルイ・フリードランダー監督の演出はよいと思います。
全体的に普通のホラーになってます。
この作品は話しが結構難しい。ポーの詩からでっち上げなければならないからです。
しかしハリウッドはそんなことはお手の物だったりします。昔からこうだし今でもそんな感じです。
株式会社ブロードウェイ発売のDVDにて。
画質は普通です。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch
ブロードウェイのタイトル
著作権のアラート
タイトル
Universal Pictures
Karloff and Lugosi
in
The Raven
with
Lester Matthews
Irene Ware
他のキャスト,スタッフの紹介
それからキャスト表まで出ています。
ここでもKarloffとだけで出ている。ベラ・ルゴシはフルネームになってるのに。
雨の夜クルマが走る。
女性が運転してます。あとでわかりますが名前はジーン。
速攻でジーンのクルマは崖下に転落してクラッシュします。
救急車が走ります。
話しは早いし説明セリフ抜きで描写してます。昔の映画はこういうのが上手い。
サイレント映画の延長で演出されてるのがプラスになっている。
病院にて。
重症のジーンをどう治療するかと相談している面々。4人います。
娘の命を救ってくれと頼む父親のサッチャー判事。
ジーンの婚約者のジェリー医師はヴォリン博士を呼ぼうと主張する。
ヴォリン博士の屋敷にて。
壁に鴉のシルエットが見えてます。
そのヴォリン博士とメガネのオッサンが登場。
ヴォリン博士は詩を朗読してオッサンが聞いてます。
そんてとこに執事がジェリー・ホールデン医師からお電話ですと取り次ぐ。
電話のサッチャー判事が頼むがヴォリン博士はアッサリと断ってます。
病院にて。
サッチャー判事は直接ヴォリン博士に会って頼むために出かけます。
ヴォリン博士の屋敷にて。
このヴォリン博士はポーのコレクターで、本だけではなく拷問のアイテムもそろえているらしい。
メガネのオッサンは博物館関係の人らしい。アイテムを借りに来たみたい。
時間が経過して、やって来たサッチャー判事とヴォリン博士。
熱心に頼みこむサッチャー判事。
そんなこんなでようやくやる気を出すヴォリン博士。
病院にて。
ジーンを手術するヴォリン博士。
ヴォリン博士ですがもうジーンに一目ぼれしてる感じ。
ヴォリン博士の屋敷にて。
ピアノを弾いてるヴォリン博士。もう治ってるジーンが来ています。
会話から手術から1ヶ月経ってるらしい。
もうすぐ傷跡は消えると話すヴォリン博士。
ジェリーを助手にしてくれてありがとうと言うジーン。これで結婚出来ますとなる。
それからヴォリン博士はジーンに異常接近するが逃げられる。
明日の夜、私のダンスを見に来てねとなる。
劇場にて。
ジーン・サッチャー嬢、ダンスの夕べ。
ホントにダンスをやってます。ポーの詩の朗読と合わせてダンスをしています。
ボックス席のサッチャー判事とヴォリン博士。
ヴォリン博士はジーンに釘付け。父親のサッチャー判事は困惑してる。
楽屋にて。
ジーンとジェリーが話し込む。
そんなとこにサッチャー判事やヴォリン博士が来ます。
ヴォリン博士の屋敷にて。
書斎の本棚には秘密のドアが仕込んであります。
ちょうどヴォリン博士が出てくるとこを執事が見てしまう。
執事を叱責するヴォリン博士。用件はサッチャー判事が来たとのこと。
ヴォリン博士とサッチャー判事。
娘のジーンの件で来たサッチャー判事。娘はあなたに夢中になってる。そうなの?
しかしジーンはジェリー・ホールデンと婚約中。
そんなこんなで娘に近づくなと言われてしまうヴォリン博士。
興奮したヴォリン博士は娘をよこせと口走る。
サッチャー判事はヴォリン博士を狂人呼ばわりして帰ります。
どこかのアパートにて。
男2人が話し込んでます。そのうちに1人が外に出ています。
顔を隠してる男。それでどうする?
ヴォリン博士の屋敷にて。
ここに来ている顔を隠してる男。普通にヴォリン博士に面会してます。
ヴォリン博士と男。
男の名前はベイトマンと知ってるヴォリン博士。
ベイトマンの依頼は顔を変えてもらいたい。リボルバーまで出してます。
ヴォリン博士はやってもいいがその替わりに仕事をやれと言い出す。
ベイトマンに拷問と殺人の依頼をするヴォリン博士。
殺人で追われる身のベイトマンですがそれは出来ないと断ってます。
何故かベイトマンの身の上話しになってます。
醜いと言われ気持ちが荒み犯罪者になった・・・
そんなこんなで手術をすぐにやろうとなります。
秘密の部屋に入ります。
秘密の部屋にて。
ヴォリン博士とベイトマン。
色々と道具や手術台があります。しかし道具は撮影所のそのへんからかき集めた感じがしないでもない。低予算なのでそうなる。
手術は10分で済むとヴォリン博士。神経をいじって表情を変えるとのこと。外科的手術ではないようです。
手術が始まり麻酔から溶暗となります。
時間が経過しています。
執事を週末まで休ませてるヴォリン博士。
それからベイトマンの顔の包帯を外すヴォリン博士。あまり変わっていないと思ったら顔の半分がマヒしています。驚愕するベイトマン。
ヴォリン博士はとっとと部屋からズラかっていました。
カーテンが開くと鏡が何枚を現われてます。
鏡を見てビックリのベイトマンはリボルバーで鏡を撃つ。
連続して割れる鏡。ここは見事なシーンです。
ヴォリン博士の天窓から覗いてベイトマンをあざ笑う。なかなか凶悪なとこを見せてます。
溶暗となります。
閉じこめたベイトマンに命令を聞けと脅迫するヴォリン博士。
そうすれば元にもどしてやろうともちかける。
しょうがないので命令を聞くことにするベイトマン。
溶暗から手紙のクローズアップショット。
親愛なるジーン。
婚約者と共にわが家で週末を・・・
お父上やご友人もご一緒に・・・
ヴォリン博士より。
クルマで移動中です。
ジーンとジェリー。
ヴォリン博士の屋敷にて。
競馬ゲームで盛り上がってます。
お客はジーンとジェリー、他に夫婦が2組。
太ったオッサンは大佐。
ヒゲの男はジェリーの同僚の医者らしい。
ジーンが髪を直しに2階に行きます。
太ったオッサンの中年夫妻と話しをしてるヴォリン博士。
そんなとこにベイトマンが来ます。来客ですと執事になってるらしい。
顔がアレなベイトマンはお客から来るなと言われたりする。
廊下にて。
サッチャー判事が来ます。ヴォリン博士は話しとなる。
まずは謝罪してるヴォリン博士。
2階にて。
ジーンのとこにベイトマンが来てビックリしたジーンは逃げる。
ジーンが1階まで逃げて来て大騒ぎになります。
ここはヴォリン博士がベイトマンを召使いですと紹介します。
ベイトマンはアラブの盗賊団に捕まって拷問を受けたと適当にホラを吹いてるヴォリン博士。
それからポーの大鴉の話しになります。
ポーはレノーアを求めていた。そしてレノーアがいなくなり狂った・・・
ジーンはベイトマンに謝罪してる。
外は嵐になってます。屋敷の外観はミニチュアです。
こういうのが好きだな。
夜も更けてお客を寝室に案内してるヴォリン博士。
ジーンとジェリー、サッチャー判事で話し込む。
サッチャー判事はヴォリン博士は正気でないとこき下ろす。
ジーンとジェリーはそれほど心配はしない、それでも寝室を交換しようとなる。
そんなとこにベイトマンが来ます。何か言いたそう。
しかしヴォリン博士が来てベイトマンを追っ払う
地下室にて。
ヴォリン博士とベイトマン。
ここは拷問具の博物館です。全て作動するんだとご満悦なヴォリン博士。
振り子の拷問具の説明をしてるヴォリン博士。
ヴォリン博士が実演して台の上に寝ころんだとこでベイトマンがスイッチを入れヴォリン博士を拘束する。
あまり慌てていないヴォリン博士。私を殺したら元に戻れないぞと自信満々です。
拘束を外すレバーを動かすベイトマン。
また外の嵐のシーンが入ります。
10:30PM
ジーンの寝室にて。
床の隠しドアを開いてベイトマンが出てきます。
そんなとこに嵐が木が倒れて窓をブチ破る。
ビックリして目が覚めてるジーン。ベイトマンを見てまたビックリ。
ジェリーの部屋に行って助けを求めるジーン。
ジーンと様子を見に来るジェリー。
ジェリーは木が倒れただけだと言う。床のベイトマンは気のせいにしてます。
で、また寝室を交換しようとなります。
ヴォリン博士とベイトマン。
勝手に行ったなとベイトマンを叱責してるヴォリン博士。
そんなとこに太ったオッサンが睡眠薬をもらいに来ます。大佐と呼ばれてる。
11:00PMだ始めるぞとヴォリン博士。
サッチャー判事の寝室にベイトマンが入る。拉致していまます。
そのまま地下室まで連行してる。
ジェリーが気がついてあとをつける。
しかし秘密のドアを閉まって入れない。
地下室にて。
サッチャー判事を振り子の拷問台に拘束するヴォリン博士。
15分でお終いだとご満悦なヴォリン博士。
ジェリーは秘密のドアが開けられない。それでどうする?
地下室にて。
大掛かりなスイッチ板があります。レバーが多数ある。
ヴォリン博士がエレベーターのレバーを動かす。そうなると・・・
ジーンの寝室にて。
何やらおかしな気配を感じるジーン。どうやら部屋ごと下がってるらしい。
ジェリーはジーンの寝室に行く。
ドアを開けたら何もない。危うく転落しそうになるジェリー。
ジェフリーを呼んでます。これがヒゲのオッサンでした。嫁さんも一緒に来る。
何とかしようとする。
まずは警察を呼ぼうと電話をかけようとする。
地下室にて。
スイッチ板のテレフォンのレバーを動かす。そうすると電話は不通になる。
次はシャッターズのレバーを動かす。そうするとジェリー達のいる部屋の窓に鉄板のシャッターが降りる。
ヴォリン博士はベイトマンにジーンを黙らせろと命じる。
ベイトマンとジーン。
ジーンは私があなたを助けるとベイトマンを説得しようとする。
スイッチ板にて。
オフィスドアのレバーを動かすベイトマン。
そうなると秘密のドアを開く、突撃するジェリー一行。
地下室にて。
ジェリー一行3人が来て迎え撃つベイトマン。成り行きでそうなってる。
一段落したとこでヴォリン博士はリボルバーを出す。
これから結婚式だ、判事やは立会人も呼んであるとうそぶく。
ベイトマンにスイッチを入れろと命じるヴォリン博士。
拷問部屋のドアが開きます。ジーンとジェリーをその部屋に入れる。
ベイトマンにドアを閉じさせるヴォリン博士。
拷問部屋にて。
ジーンとジェリー。ここは壁が迫って来て圧死させる仕掛けでした。
これで私はポーを越えたと自画自賛してるヴォリン博士。
ポーは考えるだけだが私は実際にやった。これがアドバンテージだと主張してる。
ベイトマンがヴォリン博士にこれはどういうわけだ?と聞く。
四方の壁が迫り圧死させると得意なヴォリン博士。
女も潰れるのかと聞くベイトマン。
ここでベイトマンは拷問部屋のドアを開ける。
ベイトマンをリボルバーで撃つヴォリン博士。
しかしベイトマンはジーンとジェリーが出たとこでヴォリン博士を部屋に放り込む。
しっかりとドアを閉めます。これでヴォリン博士は退場になったらしい。
ベイトマンはそのまま死に至る。
ジェリー達はサッチャー判事を救出する。
ジェフリーの嫁さんが大佐夫妻を忘れていたと言うが、大佐夫妻はぐっすりと寝ていました。そういえば睡眠薬をもらってました。
エピローグ。
クルマで移動中のジーンとジェリー。
ベイトマンの話しになります。
ジーンはベイトマンは私たちを助けてくれたと言う。
私がベイトマンの顔を治したかったと話すジェリー。
エンドとなります。
そんなわけで上手い具合にまとめてるよい作品でした。凄いなハリウッドは・・。
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