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2015.03.14

『女と銃と荒野の麺屋』(2009年)

この作品は、チャン・イーモウ監督のコーエン兄弟作品『ブラッドシンプル/ザ・スリラー』(1984年/1999年)のリメイク・ブラックコメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

2009年 Beijing New Picture Film Co. (presents)/Film Partner International (presents) (as Film Partner 2009 International) 中国=香港作品
ランニング・タイム◆90分
原題◆三槍拍案驚奇/San qiang pai an jing qi
英題◆A Woman, a Gun and a Noodle Shop
プロット◆殺人から色々とある話しのようです。
音楽◆チャオ・リン

キャスト
スン・ホンレイ→巡回警察官のチャン
ニー・ターホン→麺屋の主人ワン
ヤン・ニー→ワンの妻
シャオ・シェンヤン→間男の従業員リー
チェン・イェ→太ったオッサンの従業員ジャオ
マオ・マオ→女の子の従業員チェン

チャン・イーモウ監督の演出はよいと思います。
全体的に非常にていねいに作られてます。さすが巨匠は違います。

それにしても荒野がきれいに撮れてます。相当あとから色をつけてるみたい。
非常に色彩設計がいいんです。荒野が地味な色彩設計で損をしていた『ジョン・カーター』(2012年)もこれぐらいにすればよかったのにとマジで思った。
何でもない荒野がきれいなこと。昼でも夜でもきれい撮れてます。

オリジナルの『ブラッドシンプル/ザ・スリラー』(1984年/1999年)と設定は同じだけど見た目等は違うように作ってます。上手いじゃん。
チャン巡回警察官を演じてるスン・ホンレイは無表情なのがいい。

コスチュームで、夫人はグリーン、リーはピンク、チャン巡回警察官は地味な色と分けています。クラシックな手法ですがいいものです。1番有名なのは鈴木清順監督の『肉体の門』(1964年)か?

チャン・イーモウとウォン・カーウァイを混同していて。いまだにわからん。
演出手法も無駄な映像美もホトンド同じだと思ってる。

BS193 WOWOWにて。
画質は非常によいです。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声は AAC 5.1ch

タイトル
Beijing New Picture Film Co. (presents)
Film Partner International (presents) (as Film Partner 2009 International)
ちゃんとベースがブランドシンプルと出ています。漢字では『血迷宮』と出ています。合っます。

三槍拍案驚奇
A Woman, a Gun and a Noodle Shop

荒野にて。一軒家です。ワン中華そば店
剣術使いの一座が来て剣舞を披露してる。これで飯にありつこうとしてるのか?
成り行きで夫人が殺す方法はなんて聞くと、これがありますとハンドガンを見せます。これは人類最高の発明品だと言ってる。
3連銃身のリボルバーの値段が10貫です。といっても何だかわからん。とにかく高いらしい。

装填の仕方等をレクチャーし、この場で実包を作りリボルバーに装填してます。
そうなるとあとは撃鉄をコックして引きがねを引けばいいらしい。
ところでここで話してるのは英語です。東宝特撮作品『キングコング対ゴジラ』(1962年)の南洋の土人が話してるのと同じだ。

今度はこれもありますと大砲を持ち出してデモンストレーションで撃つ。
マジで撃ってます。遠くの荒野に着弾して爆発してる。
さすがに大砲は買えません。そんなわけで3連リボルバーだけにしてる。
剣術使い一行は引き上げる。ラクダで移動している。

夫人は間男のリーが相談をしてる。
ジャオが悪い予感がするとチェンに言ってます。

登場キャラですが、
夫人
間男の従業員リー
太ったオッサンの従業員ジャオ
女の子の従業員チェン

あとは主人のワンがいるようです。
絵の顔の部分だけを切り取ってます。意味不明。
そんなとこにジャオが来て夫人がリボルバーを買ったことをご注進する。3銃身のリボルバーだとちゃんと言ってます。
ジャオに褒美のおカネを与えてるワン。

荒野にて
今度は馬の一団が移動してます。警官隊です。

ワン中華そば店にて。
警官隊が来て先ほどのの轟音は何だ?と詰問する。
調べろと言ってるので接待で食事を出します。ここはそばを作る工程の見せ場になってます。
粉をこねてクルクルと交代で回して薄くしていきます。
ここは相当CGが入ってると思う。回し方が上手過ぎ。
でき上がったのがやたらと幅が広い麺です。まずそう。しかし上手そうに喰ってる警官隊。

次は囚人が護送されてきます。これが姦通した2組。
ここで巡回警察官のチャンが登場。
隊長とチャン巡回警察官が色々と話し込みながらリボルバーを隠した水差しのフタをととったり動かしたりと冷や冷やの夫人とリーが大変になってます。
ようやく警官隊が出て行きます。
リーは姦通囚人を見たので心配しています。夫人はまだ余裕がある。

警官隊はお城に入ってます。

ワン中華そば店にて。
主人が夫人に嫌味を言ってます。
リボルバーを買っただろうとか、子供も産めないとか。それからキセルの尻に押し付ける。虐待というかDVをやってます。

荒野にて。
チャン巡回警察官が馬で移動中。

ワン中華そば店にて。
主人が事務所にやって来たチャン巡回警察官と面会する。
夫人とリーが不倫してる報告するチャン巡回警察官。
時期はかなり前から、馬車の中でやってる・・
主人がムショにぶち込むだけでは物足りないと言う。

荒野にて。これがきれいに撮れてます。
馬車が走ってます。
主人とチャン巡回警察官が徒歩で移動してます。どうやら馬車を見つけてるらしい。
馬車にはリーと夫人がいます。何をしてるのか思ったらやけどの治療中でした。それがオチかい。
そんなとこに主人が踏み込んで夫人を折檻する。
頭に来た夫人が3連リボルバーを持ち出して主人を追っかける。逃げる主人。
そりゃ撃ちたくなるでしょう。
で、妙に冷静なチャン巡回警察官。

夫人とリー。
こんな状況だが夫人は店に戻るつもりです。リーはおっかなくて戻れない。
離婚届を出すと意気込んでる夫人。
口論になってリーは置き去りにされる。

早回しで昼から夜になってます。月が出ています。

ワン中華そば店にて。
チャン巡回警察官が来ます。また事務所で主人と会う。
不倫は偶然に目撃したと言ってるチャン巡回警察官。
主人は2人を殺せと言い出す。報酬は10貫。警官の月給は250文。数年は暮らせる金額とのこと。
2人は駆け落ちしたことにすると主人。
アッサリと承知してるチャン巡回警察官。報酬の交渉になります。15貫とふっかけてます。
主人と値切り合戦になるが15貫ということでまとまります。
で、手付金10貫を要求するチャン巡回警察官。受け取ります。

金庫を開けてカネを渡す主人。
この金庫にはそろばんみたいに数字を合わすカギがついてます。

荒野にて。
夜になってリーは震えてます。

ワン中華そば店にて。
夫人は離婚届を書いてます。誰か来てます。片づけてる夫人。
いきなりキセルで主人の絵を叩く。

荒野にて。
馬で移動中のチャン巡回警察官。絵がきれいです。

夜が明けて主人が馬で移動中です。
アリバイ作りで店からいなくなる。

店に戻っりたリーは馬車で夫人とまた出かけます。
誰か歩いてる主観ショットがあります。

荒野にて。
馬車を見張ってるチャン巡回警察官。馬車を伺い接近する。
どうやら2人とも寝てるらしい。

ワン中華そば店にて。
ジャオとチェン。
金庫の開け方がわかったと言ってるジャオ。未払いの給料を取り返すと意気込む。
それは泥棒なのではと突っ込むチェン。

チャン巡回警察官が来てます。事務所に入ります。
いつのまにか戻っていた主人と面会する。
何をするのかと思ったらキセルに火をつけてるだけのチャン巡回警察官。

殺した証拠を見せています。2人を服の切れ端です。刀で切り裂かれ血まみれです。
それで死体は埋めたと言う。
証拠を受け取る主人。信じたようです。カネを出す時に証拠品を金庫にしまってます。

報酬を渡す主人。
オリジナルの「二度とくるな、顔も見たくない」のセリフがそのままあります。
実は3連リボルバーを持っていたチャン巡回警察官。いきなり撃つ。
血を流しぐったりとする主人。

金庫から証拠品をとり出そうとするがもうカギがかかってます。これは大変。
石で叩いて開けようとするが開かない。

そんなとこにジャオとチェンが接近してきます。
チャン巡回警察官は刀を持って待ち伏せる。

しかし待ち伏せるのはやめ引き上げるチャン巡回警察官。
3連リボルバーは置き方を少し変える。金庫は元通りにする。
それで窓からズラかります。
ジャオとチェンは大声を出したりするが結局戻ってます。

馬車にて。
死んでいないリーと夫人。寝過ごしただけでした。
10年我慢したと言ってる夫人。

ワン中華そば店にて。馬車は戻ってます。
1人で酒を飲んでる夫人。

あっという間に夜になってます。
夫人は酔っぱらって寝ています。
事務所の主人ですが血が流れているシーンがちゃんとあります。

荒野にて。
馬が走ってます。チャン巡回警察官が移動中。

ワン中華そば店にて。
店の連中は全員寝てます。
チャン巡回警察官は寝ている夫人を見ています。
それから事務所に入る。金庫を開けようする。ハンマーとたがねを持参しています。

リーが目を覚ます。
馬車の3連リボルバーがありません。これはビックリのリー。店の水差しにもない。
で、寝床に戻ってるリー。また出かけるリー。忙しい男だ。
リーは夫人を起こしてます。起きない夫人。

事務所にて。
いよいよここに来てるリー。チャン巡回警察官は刀を抜いて待つ。
入る前からリーは想像力がありすぎて主人に刀で切りかかられ1人でビックリしています。
そんな感じで怖がりのくせにどんどん前進していきます。
ここでチャン巡回警察官は窓から引き上げる。

主人と対面するリー。オッカナビックリでまずは挨拶から入る。
血が流れているのでこれはビックリのリー。しかも3連リボルバーがある。
そんな感じで1回逃げているリー。

夫人を起こしてるリー。起きない夫人。

井戸から水を汲んでるリー。
そうなると桶を持って流れた血を掃除するわけです。一生懸命やってます。
3連リボルバー主人の懐に入れて、いよいよ主人の死体を運び出す。

夜の荒野にて。
死体を馬車に積んで移動中のリー。怖がりなので大変なんです。

チャン巡回警察官は一休みしてます。

馬車にて。
何やら接近してきます。警官隊のようです。これは大変のリー。
慌てて脇道に隠れてやり過ごします。上手い具合に警官隊は通過する。

シャベルを引きずってるリー。
上手い具合に穴が空いてるところがあります。主人の死体を運びます。
それてまだ主人が生きていてこれはビックリとなるリー。

まずはカネを出してる主人。次は懐の3連リボルバーを出してます。
3連リボルバーは不発です。リボルバーを取り上げようとするリー。なかなかとれない。

ようやく3連リボルバーを回収するリー。
小石が挟まっていましたと主人に言うリーですが、小石を取り除いたのでいきなり暴発して主人にとどめを刺してます。
見ててこれはビックリしました。オリジナルのシーンなんです。ああ驚いた。

心底驚いたリーは急いで埋める。怖がりは何をするかわかりません。
一段落したらまだ一部が埋まっていない。埋めます。

夜が明けてます。ワン中華そば店にて。
ジャオがチェンを起こす。リーが出かけていない。
そんなわけで金庫に突撃します。

夫人を見に行くと爆睡してる。
顔だけ切り取られた絵ですが何故かしつこく描写されてます。
ハサミを持ち出すジャオ。武器代わりらしい。

事務所にて。
いきなり声を掛けているジャオ。チェンは笑い出す。
そんなわけで誰をいないと思って入ります。
いよいよ金庫を開けます。ダイヤル代わりにそろばんみたいなカギがついてます。
数字を合わせるジャオ。開きました。これはビックリ。

カネがあります。まずは給料800文を頂きます。これは泥棒ではないはず。
今度は欲をかいて利息分とは言ってるジャオ。

血だらけの服の一部を見つけます。主人が2人に呪いをかけていたと推測してるジャオ。それは違うと思うけど。
リーに見せてやると持ち出しています。そうなるとますます話しがこじれます。

入れ替わりにチャン巡回警察官が窓から入る。
主人の死体がありません。金庫が開いてる。これはビックリ。
当然お目当ての血まみれの服の一部はありません。これじゃダメじゃん。

刀を持って夫人のところに来ているチャン巡回警察官。
まだ爆睡してる夫人。

ジャオはまた金庫に来てます。
風呂敷を広げて金庫から有り金を出してます。これは泥棒です。
そんなとこにチャン巡回警察官が来る。いきなり鎖でジャオの首を絞める。
ジャオはまだ主人が生きてると思ってるらしい。チャン巡回警察官の顔が見えていないのでそうなる。そのまま死に至る。

ジャオの死体を調べるチャン巡回警察官。
お目当ての服の1部を見つけます。これで用事は済んだ。
それからジャオが持ち出した有り金を頂きます。無表情なのに結構なものです。とんだ悪徳警官です。

鎖は元に戻します。他にも色々と片づけています。
それからジャオの死体を運んでます。デブなので運ぶのが大変です。
脚に引っ掛かってるのは動物キャラの何だかわからん。
デブの出っ歯が1つ欠けて落ちてます。落ち着いて拾い口に入れてます。

さすがに途中は省略して馬でジャオの死体を運ぶチャン巡回警察官。
どこかへ埋めに行くようです。荒野なので埋める場所はたくさんあります。

馬車でリーで戻ってます。それだけ。

適当なとこに穴を掘ってるチャン巡回警察官。
スコップがない。刀で掘ってます。これは大変。
ようやくジャオの死体を埋めています。大変な仕事でした。
引き上げます。

リーが馬車で戻る。で、偶然にジャオの死体を埋めたとこでトイレタイムになる。
何やら拾います。キセルです。これはチャン巡回警察官の物です。
何気なくそのままそこらへんに放り投げてるリー。

チャン巡回警察官はキセルがないことに気がつき戻ります。
戻ったけどキセルは見つからない。ハエの効果音が入ってます。死体を埋めたせいなのか?
緑色の袋が落ちてます。これを拾うチャン巡回警察官。それでどうする?
そのまま引き上げます。

夜が明けてます。このシーンだけもきれいに撮ってます。

ワン中華そば店にて。
目を覚ますチェン。同僚の男2人がいない。これはビックリ。
金庫を見に行くと空っぽです。
これは大変は荷物をまとめて夜ではないけど夜逃げするチェン。
マジでたくさん荷物を持って徒歩で逃げてます。

ようやく夫人が目を覚ます。当然何もわからん状態です。
で、土まみれの主人がいたりします。俺が簡単に死ぬかとか、離婚届には絶対に署名するものかと、相変わらず嫌味です。
主人が離婚届を放るといきなり紙吹雪になり映像美が全開です。これはいい。

目を覚ます夫人。夢でした。そりゃそうだ。
ようやく馬車が戻ってきます。リーがやってくる。

そんなわけで一晩中どこにいたと詰問する夫人。
3連リボルバーを出すリー。じきに必要になると夫人に渡す。全ては解決済みだと言う。
当然夫人は何だかわからん状態。

そんなとこにいきなり外から矢が飛んできてリーを貫く。これはビックリの夫人。
また矢が飛んできます。出入り口の戸を貫いてくるわけです。
中の動きを読んで正確に矢を射ってきます。リーは早く逃げろという。

矢は吊るしてある瀬戸物を落としたり水の入った革袋に穴を開ける。
ここも映像美で見せてます。巨匠の凝りまくり映像美が堪能出来ます。
カメラの性能が上がってスローモーションが美しいこと。スローモーションとカットバック組み合わせた手法が得意だったサム・ペキンパー監督に現在のスーパースローモーションカメラを使えたたらと思えます。

矢がなくなってので刀を持って踏み込んでくるチャン巡回警察官。
リーの持ち物を調べています。お目当ての物はないみたい。
で、緑色の袋をここに落としてます。緑色ということは夫人の物です。

階段登ってるあちこち探してるチャン巡回警察官。
いよいよ夫人が隠れてる部屋に来ています。夫人は3連リボルバーを構えてる。

窓から手を突っ込んで戸の閂を外そうとするチャン巡回警察官。
ここで落ちていたハサミを拾ってハサミでチャン巡回警察官の手を壁に止めてる夫人。痛そう。

痛いの我慢して刀で壁に穴を開けてるチャン巡回警察官。
ここで穴から光りが差し込むシーンがあります。最後はパンチで穴を開けてる。

ここで3連リボルバーの3発目を撃つ夫人。これで3発全部使います。つじつまが合ってます。
撃たれて吹っ飛ぶチャン巡回警察官。

オリジナルと同じ決めセリフが入ります。
「ワンなんて怖くない」と夫人。
「あの世に行ったら伝える」とチャン巡回警察官。
それで何だか変なシーンが入りエンドとなります。

マジでホトンド同じように作ってあります。
しかも監督の個性は出ている。さすが巨匠は違うと感心しました。
そんなわけでちゃんとリメイクしてるよい作品でした。


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