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2015.02.01

『老人Z』(1991年)

この作品は、大友克洋原作、北久保弘之監督の老人介護ロボットアクションのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1991年 アニプレックス/テレビ朝日/ムービック/角川書店/東京テアトル 日本作品
ランニング・タイム◆80分
プロット◆介護ロボットで色々とある話しのようです。
音楽◆板倉文/小川美潮

キャスト=VC
横山智佐→看護師学校の三橋晴子 普通に美人
小川真司→厚生省の寺田卓 介護ロボットの責任者
近石真介→西橋商事の長谷川良彦 介護ロボットの提供管理
辻谷耕史→看護師学校の前田満 自称晴子の彼氏
佐藤智恵→看護師学校の大江信子 四角い顔
松本梨香→看護師学校の佐藤知枝→イケイケタイプ
槐柳二→パソコン老人A 小柄で出番が多い
松村彦次郎→パソコン老人B 丸サングラス
青野武 パソコン老人C いつも体温計をくわえている
松村彦次郎→老人の高沢喜十郎 介護ロボットのモルモット
斉藤昌→亡くなった高沢ハル


北久保弘之監督の演出はまあまあだと思います。
全体的にアニメ製作現場のヒドイ状態を考えればまあまあ。絵もきれい音もいいけど作品のクォリティが追いついていないように見えますが。
多少のモタツキはあります。くどいとこがあるのが、いつもながらのマイナスポイントです。ホント、これは実写アニメを問わない日本映画の病気です。

大友克洋は、原作を適当にダイジェストし絶叫芝居にした大失敗作『AKIRA』(1988年)の汚名を多少、挽回したかなとといった感じの作品です。
佳作まではいかないが『アキラ』(1988年)よりはマシといった感じ。
絶叫芝居をやって許されるのは溝口健二監督ぐらいなんです。

大友克洋は脚本を自分で書いたのがプラスになったようです。
脚本家はアテにならねぇと『アキラ』(1988年)で身にしみてわかったでしょう。実写の脚本家にまかせたのは今更ながらダメだなと思う。

サプライズ描写の作画はイマイチです。
ここは切り返しのリアクションショットでやればいいのにと思う。それで充分だと思うけど現場ではそうも行かないんでしょう。こまったもんだ。

『機動警察パトレイバー』(1989年)のフォーマットで作ってあるんだから、いっそのことブルドーザーではなくレイバーでも出せばよかったのにと思える。

CGは使用してます。
最近の作品はみんなこれの使い方は悪くないと思える。下請けにまかせっぱなしがかえってプラスになっているのかな。LOGはロジックの略なのかなと、これまた今日、気がついた。

死んだ女房の名が『はる』と言う。
『2001年宇宙の旅』(1968年)です。
だからコンピューターなのかなと今日、気がつきました。だってコアのデザインが『2001年宇宙の旅』(1968年)のHALそのままなんです。(ランプがそう連想させます) それにヒロインの名も晴子だし。

この作品視覚的とは言いがたい出来です。
説明ゼリフはそんなに多いとは、感じなかったけど。これはVC小川真司のおかげか。セリフがサウンドになってました。

アニメの視覚的なのはホトンド見たことがない。
原作通りと称してマンガのコマ割りをそのままアニメの絵コンテにするとんでもない手抜きか、実写作品と同じで絶叫芝居になるパターンなのです。こまったもんです。
マンガのコマ割りと映画のカット割は別物なんです。

音楽の板倉文は普通でした。
不協和音みたいな感じのが大友の好みなのかね。『アキラ』(1988年)でもこんな感じでした。

アニメでよくあることですが、ヒロインのキャラが相変わらず古臭い。
もう少し近未来してくれよ、こまったもんだ。自分の身の安全を確保しつつ、最善を尽くすとか・・。

アニメの取り柄、ディテールだけが凝っています。
パソコン老人なるキャラは目新しい。いいのはここぐらいか。

アクションの方向(ディレクション)の描き方がデタラメなのがこまったもんです。
見ててどっちを描いているんだかよくわかりません。基本的処置がなってない図です。
マンガ家は同じ向きばかりの顔を描いていると馬鹿にされるんだそうです。なるほどと納得する。
マンガのコマ割りと映画のカット割は別物なんです。

スカパー! BS255 日本映画専門チャンネルにて。
画質はまあまあ。元がこんなものでしょう。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
音声は AAC 2.0ch

タイトル
東京テアトル
角川書店
ムービック
テレビ朝日
アニプレックス
presents

原作脚本メカニックデザイン 大友克洋
音楽はステレオで鳴ってます。

下町にて。都電が走る。
木造アパートにて。
ここの老人が呼び出しをする。

厚生省の会議シーン
ウエイトレスのバイトから呼び出される主役の晴子さんが登場。
ここはカットバックになってます。

厚生省の会議にて。
責任者の寺田、機器担当の長谷川が登場。
寺田のVC担当の小川真司は膨大なセリフの量になってます。

いきなり実写です。
毛筆で『老人Z』と書いてます。これがタイトルになってます。

アパートにて。
猫がいます。ウエイトレスの看護士見習いの晴子が来ます。
そんなとこに救急車が来ます。
寺田に長谷川が直々におじいさんを引き取りに来る。
おじいさんは引き取られ、猫は置いていかれます。

看護学校にて。
講義を受けてる晴子。で、新しい看護機械の話題になります。

4人登場してます。
主役が普通に美人の三橋晴子
四角い顔の大江信子
イケイケタイプの佐藤知枝
自称晴子の彼氏 前田満

看護機械の発表会にて。
説明をしてる寺田。
この看護機械は画期的と力説しています。
風呂に排泄、服を着せて、食事に運動、完璧な健康管理、緊急事態にもオンライン対応。第6世代コンピューターを使用。
ディテールですがちゃんとtotoの便器になってます。
4:3の画面サイズのCRTモニターはソニー製。トリニトロンのCRTモニターで当時はソニーが1番でしたと過去形になる。

看護機械の動力は原子力になってます。
さすがにもう原子力には無理がある。原子力でお湯を沸かしてどうする?となる。それに水冷の冷却システムがないとダメなんでしょう?
どうやって発電する?それが知りたい。ボイラーでの発電機は無理がある。

で、ここにかけつけた晴子が抗議するが寺田は適当にごまかしてる。

病院にて。
介護ロボットに収容されてるおじいさん。

看護学校にて。
晴子のパソコンに何やらメッセージが入ってます。
HARUKOの羅列です。
適当にいじってるとそこら中のモニターに日本語で『助けて晴子さん』のメッセージが出ています。
パソコンはモニターも本体もソニー製です。当時はこれがよかったけど現在になるとモニターも本体も無理がある。→ソニーはコンピューターのバイオ部門を売り飛ばしました。現実の方がぶっ飛んでる。

病院にて。夜中です。
晴子一行4人が忍び込んでます。
そんなこんなで晴子の「ボランティアです」の決めセリフと同時に寺田がいたりします。
とりあえず普通に追い返される4人。

しかし抗議する晴子。大騒ぎになります。
そんなとこで介護ロボットか動き始め廊下を走る。
普通のエレベーターには入れない介護ロボット。しかし変形して入り込む。
これはビックリの寺田に長谷川。ここの描写がアレなんです。見てて恥ずかしい。
エレベーターのドアが閉まる。前田だけ重量オーバーで残される。捕まってます。

道路にて。
介護ロボットは3人乗せて普通に走って移動中。

木造アパートにて。
ここに来てる晴子。位牌等を回収してます。
そんなとこに介護ロボットが木製階段を無理に登る。階段が壊れる。

パトカーが押し寄せる。
アパートに猫がまだいたりします。おじいさんの上で寝るのが好きなので介護ロボットに乗ってます。
介護ロボットが変形しています。駆けつけた長谷川が主電源を切り止まります。
溶暗になってます。

病院にて。
介護ロボットは元に戻ってます。

会議になってます。
上役の皆川から説教されてる寺田と長谷川。
どうやら長谷川は民間会社からの出向で介護ロボットのコンピューターに色々な機能を追加してテストしてるらしい。
それで長谷川は電話をして皆川に圧力をかける。電話を受けた皆川は大人しくなる。

介護ロボットにて。
おじいさんは夢を見る。
大仏、海、女の子、今は亡き晴子夫人・・・

病院にて。
晴子は先生から説教されてます。老人の看護病棟担当にされる。
ステンドグラスをバックに掃除をしたりする。キリスト教系の病院なのか?

パソコン老人達が登場。
データ保存は容量1.44MBぐらいの3.5インチフロッピーディスクでやってます。当時はこうだったんです。

コンパです。居酒屋『西の家族』にて。
肝心の晴子は来ていない。そんなわけで前田は知枝に口説かれてる。

病院にて。
パソコン老人が介護ロボットにアクセスしようと悪戦苦闘してます。
第6世代コンピューターには興味津々のパソコン老人。
マジで接続出来たようです。
キーワードとは?、晴子に直接話しかけさせています。

介護病院にて。
介護ロボットの部屋を見回る看護師。
おじいさんが誰かと話しをしてる。介護ロボットと話しをしてる。
これはビックリと逃げてる看護師。

病院にて。
介護ロボットの中枢はアメリカ軍製だと推測してるパソコン老人達。
どうやら介護ロボットにアクセスしてリモートコントロールしてるらしい。

介護病院に。
知らせを受けた寺田と長谷川が見に来ます。
介護ロボットはまた変形しています。ドアをブチ破る。次は床をぶち抜いてる。

介護ロボットは外に出てます。道路に出て車輪で移動してる。
パチンコ店の音楽に引き寄せられ無理やり店内に入る。
大騒ぎになってます。パチンコ玉が飛び散ってます。

病院にて。
ここは信子にまかせて晴子は現場に向かう。
晴子がいなくなっても喋ってる介護ロボット。これはビックリのパソコン老人。
会話から鎌倉に行くらしい。

TVニュースにて。
世田谷の関東福祉センターからロボットが脱走、そんな感じのニュースになってます。

病院にて。
パトカーが押し寄せる。寺田や長谷川が来ます。
パソコン老人はボケたふりをして寺田をごまかす。
しかし長谷川がフロッピーディスク2枚をゲットしてる。

晴子は原付スクーターで移動中。
このへんからノンストップでアクションになるようです。その割には何かスッキリしてない。

パチンコ店付近にて。
介護ロボットと対峙してる機動隊。ブルドーザー2台を動員してる。
原付スクーターで着いた晴子ですが声を掛けたので捕まってます。
そんなとこを「離しなさい」と命じる介護ロボット。これはビックリの警察。
ブルドーザーをひっくり返して取り込んでる介護ロボット。

介護ロボットと挨拶してる晴子。
「大丈夫ですか?」と言われてる晴子。

介護ロボットは移動していなくなる。
結局捕まってる晴子。そんなとこに自転車で前田が来て速攻で捕まってる。
前田を見捨てて晴子は介護ロボットを追う。

ヘリコプターにて。
寺田と長谷川が乗り込んでます。
そんなとこに「詰めて下さい」と声がかかり席を詰めてる寺田。
乗ってきたのは晴子でした。そのまま発進してるヘリコプター。

前田の方はTVクルーのワンボックスカーに上手いこと言って乗ってます。

長谷川は西橋商事から出向してきた男。
自信満々で現場を仕切ってます。外資系なのでそうなるのか?
高性能な汎用コンピューター開発に例の介護ロボットを利用してるらしい。

介護ロボットはモノレールの高架軌道を移動中。
対向してくるモノレールと正面衝突しそうになるが上手い具合にすれ違って無事です。

ヘリコプターで追跡してるけどヘリコプターは航続距離が短いのか?
介護ロボットに向かって止まれと命じてる寺田。当然止まらない。

晴子ともみ合ってるうちに寺田がヘリコプターから落下する。
介護ロボットはアームを出して寺田をキャッチする。

高沢の妻 晴子と名乗ってる介護ロボットコンピューターと寺田。
介護ロボットから血圧が上がってると指摘されてる寺田。
そんなこんなで話し合いになってます。
海に行ければ戻ると言ってる介護ロボット。

今度はキャタピラで道路を移動してる介護ロボット。
介護ロボットに泣き落としをしてる寺田。

トンネル付近にて。
待ち伏せしてる警察と長谷川。晴子もいます。
トレーラーで何やら運んできてます。

介護ロボットから降りてきた寺田が合流する。
まずは長谷川に無事でしたかと言われてる寺田。死んだと思われたてたらしい
おじいさんに海を見せれば収まると長谷川に伝えるが、長谷川は本気にしない。
とりあえず介護ロボットを通してます。

トレーラーから軍用試作ロボットを下ろす長谷川。
これは何だ?と驚愕してる寺田。欠陥ロボットは潰すと長谷川。

介護ロボットと軍用試作ロボットの対決になってます。
押され気味な介護ロボット。パソコン老人が何やら加勢してるらしい。よくわからん。
そんなこんなで逃走する介護ロボット。トンネルに入る。

トンネルを抜けると・・・
看護ロボットの前にはヘリコプターを取り込んだ軍用試作ロボットが突進してくる。
トンネル内で激突する介護ロボットと軍用試作ロボット。
高圧電気ケーブルを軍用試作ロボットに押し付けてる介護ロボット。
そうなると軍用試作ロボットのリモートコントロールが効かなくなる。

相手の軍用試作ロボットも変形してます。
コンピューターは同じ仕様なのでそういう機能はあるようです。

介護ロボットはおじいさんを切り離して晴子に渡す。
受けとってるは寺田ですが。
そんなとこに前田が救急車で助けに来ます。
晴子が救急車で介護ロボットを追ってとお願いするので特攻する前田。
救急車まで相手の軍用試作ロボットに取り込まれつつあります。

トンネルを抜けたとこで介護ロボットも相手の軍用試作ロボットも合体してわけがわからない物体になってます。

救急車の窓から外に出ている晴子と前田。
おじいさんと寺田は後部に閉じこめられている。

何故か通信は出来ているパソコン老人から弱点のコア部分を潰せと指示が出る。
寺田から酸素ボンベを渡されて突撃する晴子。
長谷川も大事な試作コンピューターを壊されては大変と追ってきます。

ようやくコアを見つけた晴子は酸素ボンベを投げ込む。
それで介護ロボットはアームを使い酸素ボンベを爆発させて自爆しています。

救急車から救出されているおじいさんと寺田。

病院にて。
よかったよかったとなってます。充実してるパソコン老人達。

現場にて。
晴子が見に来てます。そんなとこに寺田がおじいさんを連れてくる。
念願の夕陽を見てるおじいさん。
コア部分を猫がくわえてどこかへ行く。

エピローグ
TVニュースで西橋商事の長谷川らが捕まってるニュースを放映してます。
しかし実際は全く違う事件になってます。

介護病院にて。
寺田が取材されてます。適当にまとめてる寺田。
そんなとこにおじいさんを見舞いに晴子ら4人が来てます。

お見舞いしてるとこで近くで爆発がある。
その正体はコア部分から再生したはる夫人の人格を持った物体でした。
本体は大仏であとは色々と合体してます。別に猫もいます。

これを拝んでる晴子達。ここの間が微妙に長い。
エンドとなります。


そんなわけで全体的に物足りないがまあまあな作品でした。


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