映画感想の加筆改訂のお知らせ

にほんブログ村

« 『驚異の透明人間』(1960年) | トップページ | Hollywood Express #604◆2015.01.17(土) »

2015.01.18

『透明人間』(1954年)

この作品は、小田基義監督、河津清三郎、三條美紀主演の東宝特撮変身人間シリーズの先駆作のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1954年 東宝 日本作品
ランニング・タイム◆70分
原題◆とうめいにんげん
プロット◆透明人間とギャングで色々とある話しのようです。
音楽◆紙恭輔

キャスト
河津清三郎→透明人間/ピエロの南條
三條美紀→クラブ黒船の歌手 美千代
村上冬樹→社会部長 山田
土屋嘉男→新聞記者の小松
高田稔→支配人の矢島
植村謙二郎→矢島の子分 健
藤原釜足→まりのおじいさん
近藤圭子→盲目の少女まり
大友伸→龍田警部
澤村宗之助→代議士
恩田清二郎→警視総監
重山規子→踊り子
汐見洋→不明


小田基義監督の演出はよいと思います。
撮影と特殊指導が円谷英二
全体的に東宝変身人間シリーズになってます。

スカパー! BS255 日本映画専門チャンネルにて。
画質はまあまあ。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声は AAC 2.0ch

東宝のタイトル
タイトルバックはイラストになってます。
特殊技術は東宝技術部になってます。ここに円谷英二の名前はない。
撮影と特殊指導で円谷英二の名前が1枚で出ています。なるほど。
円谷英二は撮影が出来るんだ。それが元々の仕事なのです。しかしこの作品では名前だけで多分撮影はやってないと思う。

街中にて。
走行中のクルマが急停止する。
何か轢いたとなるが何もない。お巡りが来てやじ馬も押し寄せる。
ここに土屋嘉男扮する小松記者が登場。血を発見する。
クルマの下に血が流れ男の姿が現れる。遺書があります。
これ以上は生きていけない・・
自分たちは透明特攻隊だった・・
君は生きてくれ・・
となってます。そうなると他にもいるのか?

路面電車が走ってる。どこ?、路面電車なんて当時はそこら中走っていたし。

街頭TVにて。
これは日本テレビが設置したようです。何しろ日本テレビと表示がある。
チャンネルも日本テレビに固定されてるようです。だいたい最初の頃の民放は日本テレビしかない。
ニュースによると現場は銀座4丁目。

警視総監のメッセージです。
先の戦争で戦略目的のために透明人間の特攻隊が組織されていた。で、玉砕したはずだが生き残りがいる。1名は必ずいる。協力をお願いします。
アナウンサーが日本テレビですとハッキリ言ってます。

ピエロとカウボーイのサンドイッチマンが登場。
それだけ。

アパート平和荘にて。
おじいさんと盲目の女の子が登場。

朝夕新聞社にて。
クルマが到着して小松記者が戻ります。
新聞記者には社用車があるのか。これはまたおいしくてやめられない仕事だ。
小松記者は山田社会部長に報告をしてます。
透明特攻隊関係の西崎教授はすでに死亡していた・・・

運転手付きのクルマです。
クラブ黒船の歌手 美千代に矢島支配人が迎えに来たようです。
このアパートは平和荘の隣です。

平和荘に帰宅するピエロ。
盲目の女の子の部屋に入るピエロ。知り合いらしい。

キャバレー黒船にて。
歌が入ります。ここ生歌、生演奏のダンスホールのようです。
次はダンスの出し物です。まずは女性ダンサー、途中から男のダンサーが入ります。
それから演目の最後は透明人間ネタになってるらしい。
ここはMGMミュージカル風のダンスになってます。そうなるとシド・チャリシーの脚で首を絞められて殺されたいなと思ったりする。

客で山田社会部長と小松記者が来てます。
ダンスで透明人間ネタが入ってるは説明セリフがあります。これでようやくわかった。
それでまた歌が入ってます。

歌手の美千代が楽屋に戻る。
そこに支配人の子分 健が強引に口説きにかかる。
そんなとこにピエロが給料をもらいに来る。支配人の子分はカネを投げつけて怒って出て行きます。
支配人の子分 健は誰が演じてるかと思ったら植村謙二郎でした。なるほど。
美智代はピエロが平和荘に住んでることを知ってます。

支配人と子分の健。
新聞の透明人間の記事を見てます。それでどうなる。

競馬場にて。
透明人間とその仲間が来て積んである売上金をかっぱらう。クルマで逃走する。大勢います。4、5人はいる。
新聞の見出しは透明人間、競馬場に現る。

銀行総裁の自宅にて。
透明人間とその仲間が来て金庫の金をかっぱらう。
新聞の見出しは東洋銀行総裁自宅に透明人間現る。

港の船にて。
透明人間とその仲間が来て荷物をかっぱらう。
新聞の見出しは東海丸の医薬用麻薬を奪われる。

そんな感じで透明人間ギャングが荒稼ぎしてます。
透明人間といっても顔に包帯を巻いてるだけの騙りです。

このへんの印象ですが円谷英二先生はちゃんと撮影が出来るようです。
そりゃ本職だったからなんてことがないかもしれない。実際は名前貸しだけだと思う。

小松記者が西崎博士の恩師を取材しています。
色々と難しい説明をしてる恩師。何だかわからん。
透明化は偶然の産物だった。可視光線を100%通過させる。透明になる。しかし透明になった体の復元が出来ない。透明人間になったら元に戻れない。

警察にて。
報道陣から取材されてる龍田警部。強引に打ち切ってます。

国会にて。
警視総監を詰問してる国会議員。
透明人間ギャングが大暴れしてるので問題になってるようです。
警視総監にアンタが腹を切ってもしょうがないと言ってる国会議員。「今ここに、すぐ後に透明人間がいるかもしれない」と議会を盛り上げてます。
で、必ず捕まえると言わされてる警視総監。

平和荘にて。
盲目の女の子の自宅です。ピエロのオッサンが来てます。
何が欲しい?と聞いてるピエロ。おじさんは貧乏だからいらないわと言ってる女の子。そりゃ言い過ぎだ。
で、オルゴールが欲しいと言う女の子。『懐かしのジェニー』という曲だそうです。

美智代の自宅アパートにて。
自宅では着物姿の美智代。
支配人が来て美智代に何かやらせようと強要しています。断ってる美智代。

支配人が帰ってから向かいの盲目の女の子と話しをしてる美智代。
おじいさんにお金が入るらしい。

街中にて。
ピエロがいます。小松記者が尾行しています。

宝石店にて。
『懐かしのジェニー』のオルゴールを注文してるピエロ。
受注生産になるようです。納期を確認してる。

新聞社にて。
山田社会部長に報告してる小松記者。
透明人間は普段はどうしてるか?、仕事は何をする?、それは・・・

夜の街にて。
焼き鳥の屋台で飲んでる山田社会部長と小松記者。
そんなとこにパトカーのサイレンが聞こえてきます。
近所の宝石店に強盗が入ったと知らせがる。急行する2人。

宝石店にて。
ここに入り込んで取材してる山田社会部長と小松記者。警察にはどうもで済んでる。
マネージャーにピエロのことを聞いてる小松記者。

ちんどん屋の会社にて。
聞き込みに来てる小松記者。ピエロの自宅は平和荘とわかります。

平和荘にて。
ここで聞き込みをしてる小松記者。社用車を待たせて聞き込みをしてるのでアパート中は何があった?と大騒ぎになってます。
ピエロにはアリバイがあるようです。

社用車で移動中です。
運転手にピエロを尾行してくれと言う小松記者。
途中からクルマを降りて尾行してます。

パチンコ店にて。
小松記者はパチンコをしながら張り込んでる。

キャバレー黒船にて。
支配人室でおじいさんが何やら強要されてます。
美智代が伺ってるのをボーイに見られてます。

街中にて。
ピエロを尾行してる小松記者。
このへんはロケの風景がいい。当時の風景は貴重な映像資料です。

平和荘にて。
ここはロケではなくセットです。
おじいさんと挨拶して帰宅するピエロ。

キャバレー黒船にて。
支配人室です。7、8人集まって打ち合わせをやってます。
どうやら透明人間ギャングはこの一行がやらかしていたらしい。
美千代はまだ伺ってる。そこを出番ですとボーイに呼ばれる。

また歌が入ります。
しかし支配人だけ残ってあとは出かけてます。これが歌いながら気になる美智代。
そんなわけで急いで楽屋に戻って着替えようとする美千代。そんなとこに支配人がお呼びです。

港にて。
透明人間ギャング団は倉庫から荷物をかっぱらい船に乗せる。
荷物を乗せた船は引き上げる。
仕事が済んだとこで透明人間は守衛室に戻りカギを返すついでに、おじいさんを後から首を絞めて殺す。報酬の札束も回収してます。これはひどいな。
誰かが来たようで急いでズラかる透明人間。
来たのは同僚の守衛です。死んでるおじいさんを見て電話で通報する。

倉庫街にて。
パトカーが通過してる。美千代が来てます。
しかし美千代にはキャバレーの尾行が付いていました。先ほど呼びに来た従業員がつけていたんです。随分と仕事熱心だ。

新聞の見出しのモンタージュです。
透明人間がついに殺人、芝浦の倉庫で老守衛が無残に殺される。

平和荘にて。
泣いてる盲目の女の子。近所のおばさん達が来てます。
ピエロのオッサンも泣いてる女の子を見てビックリ。

自室に戻るピエロ。
手袋をとると手がない。そんなとこに誰かいます。小松記者が入り込んでいました。
何でつけ回すと詰問するピエロ。
新聞記者だと名乗る小松記者。
興奮して自分は透明人間だと言ってしまうピエロ。犯人ではないと主張する。
人間の姿を軍隊に盗まれた。母親の死に目にも会うことが出来ない。で、ピエロになって生きてきた・・・
自分の名を騙るギャングを捕まえてやると意気込んでるピエロ。
そんな感じの話しになってます。

軍国主義が作り出したかたわ物の姿を見せてやると透明人間映画によくある見せ場になります。
顔のピエロメイクを拭きとると透明になり、ピエロのコスチュームを脱ぐと透明になります。
これでギャングを捕まえてやるとなります。小松記者も協力するのか?

宝石店にて。
小松記者が取材に来てます。透明人間も透明になって来てるようです。
透明人間の質問を小松記者が代わりに喋って聞いてます。
声が二重に聞こえて何だか妙な感じになってる支配人。面白い。

街中にて。
心当たりはある、倉庫番のおじいさんがいた。近いうちに10万円が入ると聞いた。
そんなこんなでここで別れようとなります。

アパートにて。
盲目の女の子のとこに透明のままの透明人間が入ってきます。女の子は普通に話す。
透明だけど盲目の女の子には変わらないようです。
ホントはピエロをコスチュームで来てれば衣擦れしたりするから全く違うすぐわかと思うがまあいいです。映画的な描写です。

オルゴールの話しをする透明人間。
で、おじいさんのことを聞く透明人間。
貯金通帳を見せてもらう。10万円なんてない。
おじいさんのまわりに変な人はいなかった?→向かいのお姉さんのとこにいた男から声を掛けられたとか。キャバレー関係の人らしい。
それで部屋から出ていく透明人間。

公衆電話にて。
電話してる透明人間。ダイヤルを回してる。
新聞社に電話してます。小松記者に黒船で待ってる・・

キャバレー黒船にて。
またダンスの出し物があります。女性4人のダンス。
酒を運んでるホステスがお盆ごとひっくり返す。誰かにぶつかったと主張するホステス。
これで小松記者は透明人間が来てるとわかったようです。

支配人室にて。
支配人と子分から美千代が仕事をしろと強要されてます。

そんなわけで子分に地下室まで連れていかれる美千代。
中では吊られて鞭打ちの女性がいたりします。誰なんだ?、とにかく何かの見せしめでそうなってるらしい。
これを見て仕事を引き受けてる美千代。

地下室には透明人間が来てます。
チンピラ3人を片づけてる。吊られてる女性を抱き上げる。

キャバレーにて。
透明人間の話しが出てます。小松記者がそれはないと否定を入れてる。

都電にて。
乗り込む美千代。
怪しいオッサンはエスクァイア誌を読んでいます。結構いい趣味してる。
品物を渡してる美千代。オッサンは都電から降りる。

そなんとこで関係ないカップルがつり輪が1つだけが妙な動きをしてるのに気がつく。
透明人間がいると大騒ぎになります。
そんなわけで美千代だけが取り残される。
透明人間はピエロの南條と名乗って話しかける。日比谷音楽堂で待ってくれと言う。
警官まで来て撃つぞとなるが結局撃たない。
そんなこんなでこの騒動は終わる。

日比谷音楽堂にて。屋外の施設。
美千代が待ってるとこでピエロの南条が来ます。
今の生活ではダメだと美千代に説教してるピエロ。それでどうする。
一緒に助け合っていかないかと口説いているのか。世間並みの付き合いは出来ないとピエロが言うと何故なの?と突っ込む美千代。
いいことで支配人と手下達が押し寄せる。捕まる2人。
透明人間にはまだ使い道があるとうそぶく支配人。

キャバレー黒船の地下室にて。
ピエロは鞭打ちになってます。子分の健がやってます。
適度に痛めつけたとこで支配人は銀座に捨ててこいと命じる。道路に捨てて交通事故にする予定らしい。死体になればこいつのせいになる。
ピエロの衣装を脱がして顔のメイクを落とす。透明なったとこでシートでくるむ。

銀座にて。
そんなわけでステーションワゴンから放り出される透明人間。
ダンプカーが通り過ぎる。

警察にて。
警部が容疑者を取り調べています。
山田社会部長と小松記者が来ます。それだけ。

キャバレー黒船にて。
上手くいったと支配人と手下達は宴会になってます。
そんなとこで何やら雰囲気がおかしくなってます。グラスが浮いてビールがかけられる。
それからドラムス、トロンボーン、アコーディンにピアノが演奏される。サービス満点になってます。
イスを投げつける手下。透明人間はビールビンを投げる。で、めくらめっぽうで撃ってるギャング団。
支配人のハンドガンか奪われる。それから見えない透明人間相手に格闘アクションになってます。

地下室にて。
美千代が捕まってます。支配人と健が来ます。透明人間も追ってきます。
しかし粉の袋が破れてまき散らされる。そうなると透明人間の足跡が残ってしまう。
撃ちまくる支配人と健。血が流れています。

そんなこんなで支配人と健は美千代を連れてクルマで逃げる。
透明人間はそのへんにあるスクーターで追う。
無人のスクーターが走ります。ここは見えないように補助輪をつけてロープで引っ張ってそれらしく見せています。

警官隊がキャバレー黒船に押し寄せる。
手下達を逮捕してます。

逃げるクルマに追う無人スクーター。

警官隊も逃げたクルマを追うようです。
しかしどこに逃げたのかわかるのか?

クルマは立入り禁止の工場に入る。ガスタンクがあります。
無人スクーターも来てます。ちゃんとサイドスタンドを出して止まる。丁寧に撮ってます。

ガスタンクに登る支配人と健と美千代。
健は脱落する。
警官隊も押し寄せてます。何でここだとわかったのかは不明。

支配人はガスタンクの上に登る。
東京を火の海にすると大きく出ている支配人。
このへんは『白熱』(1949年)のクライマックスのシーンみたいな感じになってます。

透明人間もガスタンクの上に来てるようです。
格闘アクションになってます。ハンドガンが暴発して隣のガスタンクに火がつく。これは大変。
そんなこんなで支配人は転落する。透明人間も転落したようです。

実体化してる透明人間と最後のお別れをする美千代。
まりちゃんとをよろしくと言って死に至る透明人間。

で、オルゴールか聞こえるまりちゃんのシーンが入る。
それでまた現場に戻り、まりちゃんにあげるはずだったオルゴールが鳴っています。
エンドとなります。


そんなわけで普通の変身人間シリーズのよい作品でした。


« 『驚異の透明人間』(1960年) | トップページ | Hollywood Express #604◆2015.01.17(土) »

映画」カテゴリの記事

1950年代」カテゴリの記事

特撮 怪獣映画」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『透明人間』(1954年):

« 『驚異の透明人間』(1960年) | トップページ | Hollywood Express #604◆2015.01.17(土) »

月齢

無料ブログはココログ
フォト
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

バイクフォト

  • ヤマハ トリッカー XG250
    私が買ったバイクです。ヤマハばかり。