『恐怖のまわり道』(1945年)
この作品は、エドガー・G・ウルマー監督、トム・ニール、アン・サベージ主演のドツボ系フィルム・ノワールのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1945年 PRC Pictures, Inc. アメリカ作品
ランニング・タイム◆68分
原題◆Detour
プロット◆ヒッチハイクしてドツボにハマる話しのようです。
音楽◆レオ・エルドディ (as Erdody)
株式会社アイ・ヴィー・シー発売のDVD
画質はまあまあです。アイ・ヴィー・シーにしてはいい画質です。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch
キャスト
トム・ニール→ドツボのピアニスト アル・ロバーツ
アン・サベージ→性悪のヴェラ
クラウディア・ドレイク→売れない歌手のスー・ハーベイ
エドモンド・マクドナルド→詐欺師のハスケル Jr.
エドガー・G・ウルマー監督の演出はよいと思います。
全体的に普通のフィルム・ノワールに出来ています。
IVC international corporationのタイトル
メニュー画面
ちゃんと日本語字幕オンオフが出来るようになったようです。
ここのDVソフトはVHSソフトからそのままDVDに転用して日本語字幕オンオフが出来なかったのが多かったのです。
株式会社アイ・ヴィー・シーはリニューアルというかリストラでもやったのか?
Producers Releasing Corporation (PRC) (as PRC Pictures, Inc.)
タイトル
Detour
この言葉の意味は回り道でした。だから邦題が『恐怖のまわり道』になるようです。なるほど。しかし『ドツボな回り道』にした方がいいような気がする。
夜道にて。
男が歩いてます。
それからいきなりクルマに乗ってる男のシーンになります。
ダイナーにて。
男がいます。。トラックの運転手に夜道の1人走りは退屈だから乗らないか?どこへ行く?と聞かれてる男。
この男は何を言っても愚痴っぽくなってます。
トラック運転手がジュークボックスをかけたらうるさいと文句を言う男。もめ事になってます。トラック運転手とダイナーの主人から文句を言われる男。
この曲このメロディ、いつも同じ曲だ、頭の中で鳴り続けている。
『あなたに愛されるなんて』という曲らしい。俺の横でスーが歌っていた。
ナイトクラブにて。
生バンドが入ってお客がダンスをしています。
スーが歌って男がピアノを弾いてます。
色々なクラブがピアノ弾いていたとモノローグの男。スーがいた。
ピアノの弾いてるとこにスーが来てます。コートを着込んでる。
この男はどうも愚痴が多い。そういう性格らしい。
『夜明けのクラブ』から出て街を歩いてる男とスー。
この街はどうやらニューヨークのようです。ここはリバーサイド・ドライブ。
結婚しようと男がいうと、今はダメ私はハリウッドに行くわと言ってるスー。
どうせ皿洗いだと言ってる男。やっぱり愚痴っぽい。俺はどうなる?と止めてます。
このへんで会話から男の名前がアルとわかります。
会話シーンですが当然切り返しはやってません。低予算なのでそうなる。
お別れになってます。
ナイトクラブにて。
ピアノを自在に弾いてるアル。アップテンポな曲を弾いてる。このシーンが結構長い。
ウエイターがやって来ます。大当たりで10ドルだとアルに言う。
モノローグで10ドルでは何も買えないと愚痴が出てるアル。
そうだ公衆電話をかけようと長距離をかけます。ロサンゼルスのスーにかける。
電話交換手のシーンから電柱のシーン、また電話交換手とつないでスーで出ます。
典型的なモンタージュのシーンになってます。昔の映画はいい。
しかし電話料金10ドルがどんどん減っていきます。
スーと話しをするアル。
やっぱりスーはウエイトレスをやってるとか。それでスーを励ますアル。珍しく愚痴ではない。
俺はロサンゼルスに行くと言ってるアル。何だっていい。這っても行くと言ってます。
ロサンゼルスに着いたら結婚だと言ってます。
ニューヨークからロサンゼルスの旅です。
地図のモンタージュになります。ヒッチハイクで行くアル。
ニューヨーク、ピッツバーグ、シカゴ、オクラホマシティとなってます。
ヒッチハイクは空振りが多い。クルマがなかなか止まらない。
バス代が浮くがヒッチハイクは危険だとモノローグ。
あの日アリゾナで俺を待っていたのは・・
クルマが止まります。高級車のコンバーティブルです。普通のオッサンです。
ヒッチハイクにマナーはあるか?のモノローグ。
それは乗った方は当然いい話し相手になるようにするのが普通だと思える。
いきなりハンドルを持ってくれと言って何か飲んでるオッサン。
ようやく話しになってロサンゼルスまでこのペースで行けば2年で行けると言ってるアル。自虐的になってます。
何故かこのオッサンはロサンゼルスまで行くと言ってる。
彼の右手の傷跡に気が付いたとモノローグが入る。数ミリの赤い線が3本。
傷跡の説明をするオッサン。ニューヨークで女を乗せてもめて放り出した。その時についたとか。
他の傷跡を見せているオッサン。これはガキの頃にサーベルを持ち出してチャンバラをやらかして付けたとた。
父親に見つかって医者に電話をする。その隙に逃げた。それっきり実家に戻っていない。15年実家に帰っていない。そう言ってます。
腹が減ったのでダイナーに入ります。
私がおごると言ってるオッサン。このへんでようやくオッサンの名前がハスケルだとわかる。
競馬関係をやってるとか。景気はいいらしい。
食事です。
食事が終わると釣りはいらないととカッコいいことを言ってるハスケル。
クルマで移動中です。
今度はアルが運転してます。ハスケルは助手席で寝てる。
アルは妄想の世界へ突入する。スーが歌っています。
妄想から戻ります。まだ運転してるアル。
雨が降ってきます。
クルマを止めてルーフをセットしようと寝てるハスケルを起こすアル。起きないハスケル。しょうがないので1人でやってます。
ここが岐路だったとモノローグが入る。
何気に助手席のドアを開けたら寝ていたハスケルが倒れて落ちてしまう。そのまま転がってる石に頭をぶつけてます。打ち所は悪いみたい。
偶然に頭をぶつけて死んだ。そんな話しを誰が信じる?とモノローグ。
時々シーンがプロローグのダイナーに戻ってます。
クルマにて。
どうやらマジでハスケルは死んだようです。それでどうする?
逃げれば疑われる。警察に駆け込んでも疑われる。
そうなるとアルはハスケルの死体を引きずって運んでます。
道路から入った茂みにハスケルの死体を隠す。
クルマにガス代が必要だ。死体にはカネは使えない。高級車に自分の服は似合わない。
そんなわけでハスケルの死体から身ぐるみはがしてるアル。もう立派な犯罪者です。
ハスケルの現金や免許証も持っていきます。
クルマにて。
戻ってるアル。もう服装も変えてます。ようやくルーフをかけています。
そんなとこに白バイが止まります。ここは事故が多いので止めてはいかんとのこと。
次から気をつけろと白バイは走り去る。
アル・ロバーツの荷物は捨てた。ここげ死んだのはアル・ロバーツだとモノローグが入る。
そうなるのか。それでどうなる?
日が変わってクルマで移動中です。
運転してるアル。カリフォルニアとは州境にかかります。検問がある。
検問所にて。
登録証と免許証。ハスケルと名乗ってるアル。チャールズ・ハスケル Jr. 茶色の目、黒髪・・・
ここは何とか切り抜けるアル。
クルマで移動中です。
眠いと愚痴が出ているアル。
モーテルに入るアル。
アルは寝ています。夢を見ています。
ハスケルさん死なないでとやってるアル。俺が殺したと思われる・・
ノックの音がします。掃除婦でした。30分待ってくれと追っ払ってます。
ハスケルのトランクを調べるアル。
で、ハスケルを演じ続けるのは危険だと判断するアル。
ハスケルは詐欺師だ。クルマを処分しないとまずい。捨てよう。小さな街では目立つのでロサンゼルスで捨てようとなってます。
768ドルの現金。これは大金です。
手紙。父親宛ての手紙です。讃美歌集のセールスマンを装っていたハスケル。父親をだます手紙らしい。
ハスケルは楽天的で気前のいい金持ちでなかったようです。
モーテルを出てクルマで移動してます。
GSに入るアル。
ラジエーターに水を補給してるアル。そこにヒッチハイクをしてる女が登場。
女に声をかけるアル。声をかけなければよかったのに・・・
この女ですが何だか怖そう。噛みつきそうな顔つきをしています。
何となくアシュレイ・ジャッドに似ています。
アルの方はブラッド・ピットに似ている。随分と安くした感じですが。
マジで女をクルマに乗せてるアル。
クルマで移動中です。
女の行き先は適当です。ロサンゼルスに行くならとなってます。
女を美人だとモノローグで言ってます。名前はヴェラ。
眠り込んでくヴェラ。彼女は眠ってしまった、ハスケルと同じようにドアに頭をもたれてとモノローグが入る。
あと数時間でお別れだ、ヴェラと別れてスーを探すとモノローグ。
いきなり目を覚ますヴェラ。
死体はどこ?とかまします。ハスケルはあんたじゃない。これはビックリのアル。
ハスケルとはルイジアナと一緒だったと言ってるヴェラ。
どうやらヴェラはハスケルが放り出した女のようです。これは偶然だ。
ヴェラをクルマに乗せたのが運の尽きだったとモノローグ。
ヘレンやマリーを乗せていればと後悔先に立たず状態のアル。
またダイナーに一瞬戻ったりする。
ハスケルがクルマから落ちた?そんなこと誰が信じると正論のヴェラ。
アルはとりあえず真実を話したようです。
あんたが捕まっても何の得もない。カネは?となって有り金を巻き上げられてます。これでは足りない。ハスケルは楽園という馬に3000ドル賭けると言ってたと主張してるヴェラ。
ハスケルは単なる大ほら吹きだと言うアル。
警察に行きたいの?強弁になってるヴェラ。押されてるアル。ボスはあたしよとなってます。
サンバーナーディナーあたりでクルマを処分するつもりなんでしょと図星のアル。
思い切りバカにされています。罪悪感も脳みそもないのねと言われてる。
放置されたクルマの所有者は捜索される。ディーラーに売れば安全と言ってるヴェラ。
数時間で俺達はハリウッドに着いたとモノローグ。でも旅は終わらない。
まだクルマは売ってません。ホテルに入ってます。
ハスケル夫妻の名でホテルを借りた。クルマを売るためとヴェラに押し切られた。
ホテルにて。
折りたたみベッドがあります。当然こっちにアルが寝る。
まずは風呂に入ってるヴェラ。
私がいい人でなければ今頃は刑務所暮らしなのよと恩着せがましいヴェラ。
今更ですが俺は殺していないと主張してるアル。全然バカにしてるヴェラ。
酒ビン1本が空になってます。
「人生は野球よ、来たボールを打って、気付けば9回なのよ」と言ってるヴェラ。
あんたはいつも愚痴ばかりと正論のヴェラ。
そのうちに命談義になってます。生きてるだけでいいのよ・・・
タバコを吸って話しの種が尽きた。会話が途絶えた。それでどうなる?
咳をしてるヴェラ。椿姫の話しをするアル。
椿姫を知らないヴェラですが肺病なのねとわかってる。
私に死んで欲しい?とアルに絡んでるヴェラ。あんたは解放される。
そんなこんなでクルマを売るまでは従ってもらうと宣言してるヴェラ。
寝室にカギをかけてるヴェラ。
アルは内緒で電話をかける。電話機にコートをかけてダイヤルを回す音が漏れないようにしてる。
スーに電話するがやっぱりまだと切ってるアル。明日かけようとなります。
溶暗になります。
翌日にて。
これがフィクションならヴェラと結婚するか、ヴェラは命を絶つだろう。そんなモノローグのアル。
で、もう昼だとヴェラをせかしてるアル。早くクルマを売ろうと焦ってるアル。
クルマ出移動中です。
出来るだけ高く売る、クルマを売ればおさらばだ、別の男を探せと言ってるアル。
ディーラーにて。
早速交渉になってます。
まずはディーラーは1600ドル。それでは話しにならないとアル。
それでは1850ドル。モノローグで最後は俺達が妥協した・・・
結局1850ドルで決まります。
オフィスにて。
ディーラーから保険の種類は?会社名は?と聞かれてわからんアル。こまった状況です。
で、クルマのヴェラはダッシュボード内で何かを見つけてます。
アルがこまってるとこでヴェラが入ってきてクルマは売らないとアルを連れて引き上げる。
クルマで移動中にて。
カネを捨てるとこだったとヴェラ。ドライブインで食べながら説明する・・
ドライブインにて。
ここはクルマまでサンドイッチ等を運んでくる店です。
ドアにトレイを乗せて食べます。
どうなってる?とアル。
新聞記事を見せるヴェラ。見出しは、チャールズ・ハスケル Sr. が危篤状態、息子のチャールズ・ハスケル Jr. を捜索中・・
ここで実家に乗り込んで遺産相続すればいいとヴェラ。やるのよと強制する。
そりゃ無理があり過ぎだと断るアル。絶対にバレると主張する。
父親が死ぬまで待ってそれから乗り込めばいいとヴェラ。個人資産1500万ドルを相続出来る。
他のカモを探せと言ってるアル。
財産を相続してハスケルとして生きればいい。分け前は半々でいい、私たちは似た者同士なのよとヴェラ。
もめてるとこで溶暗になります。
ホテルにて。
モノローグでヴェラの計画は変わらなかった・・・
どうやらチャールズ・ハスケル Sr. が死ぬのを待ってるようです。
口論が絶えないアルとヴェラ。
アンタが密告したらあたし達は絞首刑なのよとヴェラ。
シーザーは欲張ったので負けたと言い返すアル。
クルマを売ろう。クルマの1850ドルと所持金700ドルで十分だろうとアル。
頭に来たヴェラが通報するわよと言う。
勝手に呼べよとヤケ気味なアル。警察に君も仲間だと言う。
マジで電話をかけてるヴェラ。ヴェラとアルのチキンレースになってます。ここはヴェラが折れたみたい。
アルはハスケル Jr. の母親の名前も知らないと主張する。知らないことが多すぎる、無理なんだ・・
また警察に電話するとヴェラは主張する。ヴェラの手をひねり上げて電話しないと約束しろと脅迫するアル。
それから窓を開けろ開けないと何でも口論になってます。
いきなり電話機を持って寝室に立てこもるヴェラ。マジで通報するみたい。
手をひねり上げられた仕返しをすると言ってるヴェラ。
これを止めようと閉じたドア越しに電話線を思い切り引っ張ってるアル。ずっと引っ張り続ける。
寝室のヴェラが静かになったのでドアを破って入るアル。
ヴェラは電話線が首に絞まっていて死亡していました。これは故意ではないけどアルが直接手にかけています。思い切り電話線を引っ張っていた。
またドツボに入ってるアル。
人は疑い深い。俺をその1人とモノローグが入る。
俺はハスケルを殺していない。ヴェラを殺してしまったが計画性はなかった。
どうしよう?となってるアル。
証拠を処分しないと、しかし目撃者は処分出来ない。逃げようとなります。
サックスの曲が頭に残る。俺の愛の歌は葬送歌になった・・
部屋を出るアル。
プロローグのダイナーに戻ります。
状況は変わらない。アル・ロバーツは二度と生き返らない。ニューヨークにもハリウッドにも行けない。
自分はハスケルだと思われる。スーとは二度と合うことは出来ない。
ダイナーを出るアル。
ヴェラの死体から夫のハスケルが捜索されてる。
ハスケルで始まりハスケルで終わる。死人を探してる。
夜の道にて。歩いてるアル。
全部忘れたいとモノローグのアル。いつかは目の前でクルマが止まる・・・
ハイウェイパトロールのパトカーが止まります。不審者のアルをパトカーに乗せます。
エンドとなります。
そんなわけでドツボ系フィルム・ノワールのよい作品でした。
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