『銀幕のヒーロー ジョン・ウェイン』(1997年)
この作品は、ケリー・ジェンセン監督のジョン・ウェインのドキュメンタリーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1997年 Van Ness Films (as Van Ness Films)/Twentieth Television (in association with) (uncredited)/Foxstar Productions (in association with)/A&E Television Networks (in association with) (as A&E Network) アメリカ作品
ランニング・タイム◆91分
原題◆Celebrity:John Wayne/American Legend
プロット ジョン・ウェインのドキュメンタリーです。
音楽◆トム・ジェンキンス、クリス・マニー
スカイパーフェクTV315スターチャンネルにて
画質は全体的によいです。色々な作品が見られます。古い作品でも結構よい画質でした。
私のジョン・ウェインに関しての知識のホトンドは大林宣彦の本『ぼくのアメリカンムービー』から仕入れています。
キャストはありません。
スタッフのクレジットはカットされていて監督は判らず。
ケリー・ジェンセン監督の演出はよいと思います。
ヨイショだけではなく結構シビアに描写されていました。この点はいいと思います。
マリオン・モリソンが本名で芸名ジョン・ウェインとなったそうです。
ジョン・ウェインは声がいいです。柔らかい声なのがいい。
『ビッグトレイル』(1930年)、『駅馬車』(1939年)、『赤い河』(1948年)。この3作でホップステップジャンプといった感じに思えました。
『ビッグトレイル』(1930年)はワイドスクリーンを上映出来る映画館が少なかったのと恐慌が重なってヒットしなかったそうです。
アカデミー主演男優賞に関しては『駅馬車』(1939年)で取ってもいいし『赤い河』(1948年)や『捜索者』(1956年)で取れてもおかしくはないと思います。
ですが取ったのは『勇気ある追跡』(1969年)になってます。ジョン・ウェインはアカデミー主演男優賞が取れてホントにうれしそうでした。特別とか功労が付く賞でなくてよかったと思います。
『勇気ある追跡』(1969年)の原題はTrue Grit、本当の勇気となっています。
この原題はいいです。この原題を『勇気ある追跡』した邦題も悪くはない。いいセンスだと思います。
『ラスト・シューティスト』(1976年)にロン・ハワードが出てるとは知りませんでした。ジョン・ウェインと親しかったそうです。ロン・ハワードって老人キラーなのかい。
大学のアメフト時代にクララ・ボウのお世話になったとどこかで読んだ覚えがあります。クララ・ボウはチーム全員とやったそうです。その中の1人が未来のジョン・ウェインだったそうです。
クララ・ボウはサイレント映画のセクシー系スターで映画がトーキーになったのとセックススキャンダルで消えてしまった。
『赤い河』(1948年)を見たジョン・フォード監督がジョン・ウェインのことを「あの野郎にも演技が出来るのか」と言ったそうです。正直というか凄い言葉です。で、この後の自分の作品では演技派のキャラをやらせていました。
TV放映でジョン・ウェインの日本語吹き替えが納谷悟朗や小林昭二なのが親しみを感じたのかもしれません。
実際に日本語字幕の映画でジョン・ウェイン本人の声を聞いてみれば、小林昭二の方がジョン・ウェイン本人の声に近いようです。こんな柔らかい優しそうな声なのかと思ったものです。この声は若いときから歳をとっても全然変わっていませんでした。
ジョン・ウェインは3回目の結婚は成功だったようです。
ハンフリー・ボガートと同じで2度目の結婚がひどかったのも同じようです。
「ジョン・ウェインのように歩くんだ」のセリフがある作品がありました。→『Mr.レディMr.マダム』(1978年)
マレーネ・ディトリックと発音してました。英語ではこうなるようです。
ジョン・ウェインが入れ込んでいた女優さんのゲイル・ラッセルが見れました。ブルネットで先入観のせいか神経質そうな感じのルックス。
タカ派映画で悪名高い『グリーン・ベレー』(1968年)のことも取り上げられていました。
批評は悪いけどアメリカではヒットはしたみたいです。この作品がヒットしてたとは知らなかった。これはビックリ。
ウェイン本人の印象はリーダータイプですがリーダーの資質があるとは思えない。これが正直な印象です。
ところでスカイパーフェクTVで放映していたワーナー何周年記念の番組はジャック・ワーナーのことを見ている方が恥ずかしくなるほどヨイショしていました。
私の好きな映画本『ザナック ハリウッド最後のタイクーン』によると『ジャズシンガー』(1927年)をしゃべる小細工とみなして撮影を何とか止めようダリル・F・ザナックを電報責めにしたとか(ワーナー記念番組とは全然違う逆のことをしている)、ジャック・ワーナーのことを評して「ジャックは本当の悪党だ、スープを盗むのにポケットをゴム貼りにするような奴だ」となっていたりと色々と東スポより面白く書かれてました。
ところで市川雷蔵のちゃんとしたドキュメンタリーは作れるのかな。
出来るとしたらぜひ見たいものです。見てるほうが恥ずかしくなりそうなのはかんべんしてほしいものですが・・・。
そんなわけで普通のドキュメンタリーのよい作品でした。
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