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2014.02.01

『Grey Zone(謎の青いコート)』(1997年)

この作品は、フランコ・ベルニーニ監督、フランチェスカ・ネリ主演の少し政治の入ったサスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1997年 イタリア作品
ランニング・タイム◆90分
原題◆Le Mani Forti
プロット◆爆破テロから告発に至る話しのようです。
音楽◆ダリオ・ルカントーニ

スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。
画質はよいです。

キャスト
フランチェスカ・ネリ→精神分析医のクラウディア
エンゾ・デ・カロ→恋人のジュリオ
クラウディオ・アメンドラ→謎の患者セレンティーノ、本名ダリオ・カンピージ
トニ・ベルトルリ→コンソリ判事

フランコ・ベルニーニ監督の演出はよいと思います。
脚本から監督の第1作とのことです。全体的に普通に出来ていました。

1993年と1998年のシーンがカットバックの入れ子になっています。
何の前振りもなく前後しているので見てて混乱しますがマイナスにはなっていません。

1993年ではフランチェスカ・ネリ扮する精神分析医のクラウディアがクラウディオ・アメンドラ扮する謎の患者から話しを聞いています。
クラウディアは場所は違うけど自分の妹が爆死した時と同じ状況を聞いて疑問を持つとなります。

精神分析の患者の話しでは爆破テロで死んだヒロインの妹は青いコート着ていたとのこと。
妹は映像では登場せず話しのみで出ていました。妹はアクア・マリンのイヤリングをしていたとも言ってました。

1998年のシーンではクラウディアはいきなり子持ちになっててヘアスタイルもショートカットになっていて最初は別人で違う話しが始まったのかと思いました。
爆破テロは国の諜報部が仕組んだことと告発して国を相手に裁判沙汰になっていてクラウディアは証人喚問で責め立てられます。

裁判では諜報部が相手となります。
トニ・ベルトルリ扮するコンソリ判事は諜報部はマフィアと同じで裁判での切り崩しは出来ると言ってます。日本だとお役人様とヤクザとマスメディアはグルになってるので切り崩しは無理でしょう。

クラウディアスクーターに乗って指導教授に会いに行ったりします。
さすがイタリアです。スクーターはもちろんベスパだと思う。車種不明。

盗聴器を前に謎の患者と偽装のために色恋沙汰を演じるとこがあったりします。
これは『死刑執行人もまた死す』(1943年)の引用です。いいです。

普通のサスペンスか法廷物かと思って見たら大まじめな自己回復自立物のようで、終わってみれば、政治映画の『Z』(1969年)のような感じになりました。見ててビックリしました。
これでどのようなラストになるのかと思ったら証人登場からフェイドアウトで終わりとなりました。

フランチェスカ・ネリは『ハンニバル』(2001年)に出ていたんですか。知らなかった。シュワルツネッガーの『コラテラル・ダメージ』(2001年)にも出ているようです。こっちはあまりよい作品選択ではないと思えます。

そんなわけで予想外の展開のよい作品でした。

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