『僕らはみんな生きている』(1993年)
この作品は滝田洋二郎監督、真田広之、山崎努主演の内戦のタイを舞台にした風刺ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1993年 メリエス/松竹 日本作品
ランニング・タイム◆115分
原題◆ぼくらはみんないきている
プロット◆内戦に巻き込まれて悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆清水靖晃
地上波CXにて。画質はよかったと思う。
キャスト
真田広之→三星建設の高橋啓一
山崎努→三星建設の現地支店長 中井戸浩
岸部一徳→ライバル会社 IBCの富田賢造
嶋田久作→IBCの升本達也
ベンガル→井関修次郎
蛍雪次郎→雀崎
田根楽子→昭子
早見優→高橋啓一の恋人 美由紀
Kovit Wattanakun→運転手のセーナ
Toon Hirunyasup→開発担当相のカッツ大佐
他はタイの方々です。もちろん誰だか全然わかりません。
滝田洋二郎監督の演出はよいと思います。
結構マジに作ってありお気楽戦争物ではなかった。
少なくとも『戦略大作戦』(1970年)よりはマジな展開になっていました。
オチは『リオの男』(1963年)みたいに日本に戻るのと予想したら、現地でのストップモーションで終わってしまった。この点は外れた。
私が見たのはTV初放映でしたすが、この作品はもうTV放映はされないのでは思ったりします。理由は話しをマジに描き過ぎてるや企業名等の固有名詞が出過ぎているとかがあります。
会社名が実名でソニー、三菱、何でも出てる。日立や松下も出てた。
日本は半導体に埋もれているんだって。そんなセリフがあった。
ところで乞食は放送禁止用語ではないの?
そんなこんなでTV放映はもう無理そうに思える。
この作品のマジな描写バランスは結構なんですがメッセージ色が強過ぎて滝田洋二郎監督作品の特徴なギャグのてんこ盛りがなかった。この点は物足りなかった。
どうして日本の映画作家はこうなってしまうのでしょうか。エモーションオンリーで通せないのか?
戦闘シーンではクローズアップショットで被弾するシーンを必ず入れてお気楽戦争物にならないようにして緊張感やリアル感を出そうと努めているようです。
余り多くないギャグですが・・・
草加煎餅。ヘビに絡まれる。これくらい、もっとあった方ががよかった。
ポルノ映画時代の滝田洋二郎監督作品並みを期待するのが間違ってのかもしれない。
ディテールで、
現地の下っぱに文句を言っても始まらないんですがね。こまったもんだ。
テレックス1枚で任期2年延長とはこれはリアルでやり切れない。こまったもんだ。現在ではインターネットで電子メールになるでしょう。
冒頭の輸送飛行機の種類はなんでしょう。
今時ダグラスDC-3ではないような気がするけど
大事に描写になるデジタル無線の解読はまだ出来ていない筈ですが。これはまあいいです。映画だから。
特別出演の早見優は現地人のキャラかと思ってたら日本人のOLでした。現地人のキャラだったら出演するわけがないでしょう。
キャスティングでどんな傾向の作品か予想がつくのが日本映画の特徴です。この作品は独立系のキャスティングでした。ですからそのノリになってます。
同じ日本人を助けようと悪戦苦闘するとこはリアルに思えず。
これが正直な感想です。実際そんなものだ。助けに行かないエクスキューズはヤマほど考えつくでしょう。
任期が簡単に2年延長となり発狂した中小駐在員はちと演技過剰で見ててこまった。どうなることやらと思っていたら市街戦でアッサリ被弾して死亡してしまいます。
まあこの辺が順当な描写バランスかもしれません。それにあまり引っ張りすぎると映倫やスポンサーに問題にされそう。
挿入歌でさだまさしの『関白宣言』がありました。
しみじみじっくりと聞かせてくれます。正直言ってじっくりとは聞きたくない歌です。こまったもんだ。一体どんな意図があってこんなのを入れたんだろ?
見終わって正直なところ後味はよくはない。1回限りです。ソフトで買わないでよかったがホントのとこです。助かった。
そんなわけでまあまあな作品でした。
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