『五重塔の美女 江戸川乱歩の「幽鬼の塔」』(1981年)
この作品は井上梅次監督,天知茂主演のTV土曜ワイド劇場の江戸川乱歩シリーズ第14作のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1981年 松竹/テレビ朝日 日本作品
ランニング・タイム◆92分
プロット◆昔の因縁から色々とある話しのようです。
音楽◆鏑木創
キャスト
天知茂→明智小五郎探偵
五十嵐めぐみ→助手の文代
柏原貴→助手の小林
荒井注→波越警部
片平なぎさ→ナースの川井奈津子
生田悦子→大沢夫人
入川保則→医者の大沢祐司
石浜朗→デザイナーの進藤健三
勝部演之→作家の青木昌作
森次晃嗣→画家の三田村啓介
草薙幸二郎→タクシー運転手の鶴田正雄
南條豊→医者で恋人の榊
宮井えりな→モデルのレイコ
今福将雄→おじいさんの南彦次郎
岡部正純
黒沢拓也
桜川梅八
小田草之助
沖秀一
羽生昭彦
村上記代
本多みちこ
加藤真琴
林享
田木聖一
花野郁子
山口ひろみ
豊原健
佐藤秀美
北村昌幸
斉藤朝樹
上村正仁
竹内久和
菊地順一
井上梅次監督の演出はよいと思います。
全体的に普通の2時間ドラマになっています。
原作の『幽鬼の塔』は読んだ?、全く覚えがない。
おじいさん南彦次郎役の今福将雄は『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)に出ていたような気がする。→大げさなおじいさん役で出ていました。
キングレコード発売のDVDにて。
画質は普通です。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル 2.0ch
キングレコードのタイトル
明智小五郎探偵のモノローグで話しは始まります。
助手の文代が心霊術を見学に着ています。
メガネのオッサンが昔の恋人を呼び出しています。
オッサンのかばんの中は札束に滑車にロープが入ってます。
で、ここを出て行くオッサン。そのまま出ていったので料金はたぶん前払い。
指のミイラが残っています。これをゲットしてる文代。
タイトル
東京心霊術研究会。こんなとこだったようです。
タクシーに乗ったオッサンを尾行する文代。
タクシーは2台ともトヨタ・クラウンのようです。
森林公園にて。
タクシーから降りてオッサンを尾行してる文代。
札束を燃やしながら移動してるオッサン。
燃えてる札束を消しながら尾行する文代。止めないで見物しているだけみたいな文代。いいのか。
それでヒールが取れてオッサンを見失ってる文代。
違う男が歩いています。
また違う男がいて文代とぶつかってる。
それだまた違う男がいる。もうなんだかわからん。
このへんで見たことがある?、この時点は未見かと思ったがあとになって見覚えがあった。
文代が振り向くとオッサンは首吊り自殺をしていました。
驚愕する文代。で、女が逃げていくのを目撃する。
そんなとこにまた男がいる。森次晃嗣です。自分が通報するからといなくなる。怪しい。
時間が経過して現場検証です。
波越警部と部下刑事、明智小五郎探偵に助手2人。
目撃したことを報告してる文代。作家や画家を目撃したらしい。
自殺したオッサンの懐には五重塔の写真が入ってます。
そのへんで身分証を見つけましたと小林が報告する。ナースの川井奈津子。
病院にて。
ナースの川井奈津子から事情聴取する波越警部。
身分証のことを突っ込まれるが知らないと主張してる川井奈津子。
そんなとこにボーイフレンドの医者の榊がアリバイの助け船を出す。
そんなわけで空振りの波越警部はいなくなる。
で、2人のいい雰囲気なとこに上司の大沢医師が声をかける。
この辺の印象はとにかく登場人物が多過ぎる。覚えきれない。
事務所にて。
雑誌の記事から男はデザイナーの進藤健三だと判明する。
どうやら夜中の森林公園に作家にデザイナーに画家がいたらしい。
小林が格子柄の服を着たナースの目撃情報をゲットしてきます。
波越警部が来ます。自殺ではなく他殺だとわかったと言ってます。
自殺した男の持っていた指は男の左手の小指。20年前後経過している。
死体の身元はまだ不明とのこと。
そんなこんなで川井奈津子が怪しいとなります。
デザイナーの進藤健三の自宅アパートにて。
モデルのレイコがいます。まだ結婚していないらしい。
猫の鳴き声がしてドアには五重塔の写真が貼り付けてある。激しく動揺してる進藤健三。
事務所にて。
モデルのレイコが五重塔の写真のことで依頼に来て帰ります。
それから波越警部からの電話で被害者の身元がタクシー運転手の鶴田正雄とわかります。
タクシー会社にて。
上役から事情聴取の波越警部と部下刑事。
色々と喋ってる上役。鶴田正雄をギャンブルに狂っていた。そんなことを言っていいのか?。
ドリームランドにて。
お化け屋敷に入るカップル。進藤健三の首吊り死体を発見します。
お化け屋敷の現場検証にて。
ここで川井奈津子を目撃した明智小五郎探偵。川井奈津子はズラかってます。
クルマは白いマツダ・ルーチェ、4ドアのピラードハードトップ。正直言って非常にカッコ悪い。
で、青木、三田村、進藤の3人は富士北市出身とわかる。
モデルのレイコが来てショックを受けています。進藤健三の死体を見てあなたと呼んでるけどいいのか?。
富士北市にて。
クルマでやって来た明智小五郎探偵と波越警部。クルマはマツダ・ルーチェ。
富士北高校で事情聴取をしています。
20年前のことなら当時の同級生の児玉に聞いてくれとなります。
漁協か農協にて。
同級生の児玉から事情聴取してる明智小五郎探偵と波越警部。
杉村のたたりだと言ってる児玉。岩崎三郎を殺して自殺した杉村。
岩崎三郎が南志津枝を強姦したので杉村が殺して自殺したと言ってる児玉。
クルマで五重塔に向かいます。ちゃんと富士山が見えています。
五重塔にて。
南志津枝の回りには7人いた。
鶴田
進藤
青木
三田村
大沢
杉村
岩崎
事務所にて
大沢医師が依頼に来ています。自分には五重塔の写真が送られているとか。
それで全員そろってから話しをするとなります。
大沢の自宅にて。
明智小五郎探偵と波越警部。
大沢夫人が登場。青木と三田村も来てます。話しになります。
回想となります。
7人で女の子を囲む。土蔵で霊媒をやっていた南志津枝。
杉村が棒で岩崎を殴って殺す。その後土蔵で首吊り自殺をする。
いわゆる情痴殺人となってます。
そんなわけで残り3人になっているようです。
その3人が森林公園に行ったとこを突っ込まれる
三田村は森林公園には偶然で行ったと主張しています。
で、3人とも南志津枝から電話がかかってきて呼び出されたとなっています。
鶴田が持ち歩いていた小指を見せられる3人。
どうやら鶴田はこれをネタに3人からゆすりをやっていた。
まだ隠していたことがある3人。話します。
ところで南志津枝がその後の消息は知らないようです。
そんなとこで大沢夫人が黒猫を見て悲鳴を上げる。そのへんを捜索するとベッドには五重塔の写真を置かれています。
自宅外では川井奈津子が来たけどいなくなる。
これをしっかり明智小五郎探偵が目撃しています。で、大沢夫人がまたあの女だと言って夫婦仲が悪いことを言ってます。
何だか違う話しになっています。
寮にて。
タクシーで戻ってる川井奈津子。そんなとこに明智小五郎探偵がいて話しを聞こうとする。
森林公園にもドリームランドにも行っていないと主張する川井奈津子。
出身が富士北市なのかとも聞かれています。
で、質問がしつこいので途中で逃げてる川井奈津子。
またルーチェで富士北市に入る明智小五郎探偵。
病院にて。
レイコが大沢医師に会って住所録のことを話しています。聞いてる大沢医師。
お墓にて。
杉村家の墓を掘って調べています。首を吊った杉村の指はちゃんとそろっています。
地元刑事に南志津枝のことを聞いてる明智小五郎探偵。調べると言ってる地元刑事。
事務所にて。
病院からレイコから電話です。明智小五郎探偵は外出してると答えてる文代。
ルーチェは南志津枝の実家に入ります。
まき割りのおじいさん 南彦次郎から話しを聞く明智小五郎探偵。
五重塔で話しをする南彦次郎。
あのナース川井奈津子は志津枝の娘だと言ってます。
父親は岩崎三郎で強姦ではなく普通に付き合っていたとか。
高校生の奈津子が訪ねてきて母親の墓参りしたとか。奈津子はしつこく聞いていた。
で、明智小五郎探偵に何とかしてくれと頼んでる南彦次郎。
レイコの自宅アパートにて。
入浴してるレイコ。そんなとこに格子柄の服を着た女性が迫る。
で、ロープで思いきりレイコの首を絞めています。そのままズラかります。
ズラかるとこは他の住人に目撃されている。
現場検証にて。
目撃情報が報告されます。これで川井奈津子はますます怪しくなっています。
寮にて。
文代がいてそこにクルマで波越警部がやってきます。
川井奈津子は不在。文代はクルマに乗る。
秋山医院にて。
ナースから話を聞いてる明智小五郎探偵。
入院していた鶴田に若い女性が面会に来た話しを聞きます。
若い女性はナースだったと言ってるナース。専門用語を使っていたとか。
大沢の自宅にて。
川井奈津子が来ています。仕事に呼ばれたらしい。川井奈津子に迫る大沢。
事務所にて。
大沢夫人が来ています。旦那の浮気の証拠を探して欲しいとか。夫婦仲の悪いとこをみせています。
大沢の自宅にて。
大沢にナイフで切りつけて逃げる川井奈津子。
逃げ去るとこを部下刑事にしっかり目撃されいます。
そんなとこに波越警部と文代のクルマが到着する。
波越警部一行はそのまま大沢の自宅内に入ってます。いいのか?
首吊り状態になってる大沢を発見して救出しています。結果オーライのようです。
病院にて。
入院してる大沢。見舞いに来てる青木と三田村。
明智小五郎探偵と波越警部もいます。波越警部は逮捕は時間の問題と自信満々です。
寮にて。
川井奈津子が戻ってくると榊が待っています。
この恋人の榊は全く無関係なキャラのようです。単なるいい人です。
部下刑事が川井奈津子を逮捕しに来ます。
警察にて。
事情聴取の川井奈津子ですが、回りには明智小五郎探偵や恋人の榊もいます。
波越警部が厳しく尋問しています。
明智小五郎探偵がおじいさんに会ってきた話しをする。
川井奈津子は父が誰に殺されたか知りたいだけと主張する。
で、適当なとこで明智小五郎探偵が川井奈津子を解放する。
文句が出ている波越警部。自分のキャリアが危ないのでそうなる。
ところでCMに入るアイキャッチが省略されています。
事務所にて。
体操をしてる文代。そんなとこに電話です。
川井奈津子から明智小五郎探偵を森林公園に呼び出す電話です。
森林公園にて。
マツダ・ルーチェで来ている明智小五郎探偵。
待っていると川井奈津子が来ますが自分も電話で呼ばれたとか。
事務所にて。
波越警部が来ています。榊がやってきます。川井奈津子と待ち合わせたとか。
話しが違うことに気がつきます。電話の声が違うことを指摘する榊。
そんなわけでクルマで急行する。
森林公園にて。
色々と話し込んでる明智小五郎探偵と川井奈津子。
病院で鶴田に会ったことを話してる川井奈津子。で、あなたの父を殺した奴に会わせると約束する鶴田。
それで当日関係者が森林公園に全員集合となったいたらしい。
川井奈津子は鶴田の首吊り死体を見て逃げたわけです。
明智小五郎探偵は何故か川井奈津子が2人いて違う場所でそれぞれタクシーに乗った話しをしています。
このへんの印象ですが何だか普通の2時間ドラマだなといった感じ。
低予算でももっとぶっ飛んでいた初期の作品の方がよかった。
クルマ ニッサン・セドリックで移動中の波越警部一行。
明智小五郎探偵と川井奈津子はマツダ・ルーチェで戻ります。
しかし後席にはクルマのイグニッションキー連動で時限爆弾が仕掛けられていた。
とても素人の仕事とは思えません。まあいいけど。
走行中のマツダ・ルーチェにて。
犯人の目星はついたと離してる明智小五郎探偵。
ようやく時限爆弾に気がついています。これは大変。
それで大爆発になります。爆発するクルマがマツダ・ルーチェからトヨタ・コロナマークIIに変わっています。
波越警部一行がクルマで駆けつけるが死体はない。
爆発シーンをバックに新聞の見出しのモンタージュになっています。
明智小五郎探偵と容疑者が死亡・・・
事務所にて。
焼香に来ている大沢、青木、三田村の3人。
犯人の川井奈津子が死んだのでこれで事件は解決としてる3人。
それで波越警部が招待状を読んで富士北市の土蔵で交霊をやるので3人を招待する。
富士北市 土蔵にて。
全員そろっています。クルマはニッサン・セドリック、マツダ・コスモAP、3台目はわからん2ドアハードトップ。
霊媒とおじいさんの南彦次郎が登場。
やたらと口上がなめらかで仕切りも上手い南彦次郎です。
南志津枝の霊を呼び出しています。色々と質問に答えてる。
岩崎三郎は6人に殺された。
6人はそれぞれ遺書を書いたが自殺したのは杉村だけだった。
そんなわけで杉村1人の仕業にして6人はだんまりを決め込んだ。
1番の秀才 鶴田は電気会社に就職したがギャンブルに狂い落ちぶれてタクシー運転手になった。これは問題がありそうな設定です。
延々と喋りまくる南彦次郎。
進藤は犯人に気がついたので殺された。
愛人のレイコは色々とかぎ回ってるので殺された。
3人の中に犯人はいると霊媒が指さしたのは大沢でした。
で、霊媒は川井奈津子でした。そうなると明智小五郎探偵は?となります。
そんなとこに大沢夫人が来ました。旦那の電話で呼び出されたとのこと。
見せ場の明智小五郎探偵の変装を解くシーンになります。
一応合成で2人の南彦次郎のシーンもあります。ここはかなり上手く合成しています。
延々と謎解きをやってる明智小五郎探偵。
大沢夫婦の愁嘆場でけりがついたようです。普通の2時間ドラマです。
明智小五郎探偵のナレーションが入る。
エピローグ。五重塔にて。
明智小五郎探偵、川井奈津子、榊、南彦次郎等関係者が集まっています。
これからのことの話しがあってエンドとなります。
そんなわけで普通の2時間ドラマのまあまあな作品でした。
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