『フレンチ・カンカン』(1954年)
この作品は、ジャン・ルノワール監督、ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール主演のダンスミュージカルのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1954年 Jolly Film/Franco London Films (in participation with) フランス=イタリア作品
ランニング・タイム◆105分
原題◆French Cancan
プロット◆フレンチカンカンで儲けようと色々とある話しのようです。
音楽◆ジョルジュ・ヴァン・パリス
BS252 IMAGICA BSにて。復元長尺版
画質はよいです。こんなものでしょう。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はAACステレオ。 元はモノラル。
キャスト
ジャン・ギャバン→興行師のダングラール
フランソワーズ・アルヌール→ダンサーになるニニ
マリア・フェリックス→ローラ・デ・カストロ夫人
フィリップ・クレイ→ダングラールの部下の芸人ガジミール
Pierre Olaf→口笛芸人のロベルト
ミシェル・ピッコリ→Le Capitaine Valorgueil 軍服のコメディリリーフ
ジャンニ・エスポジート→某国のアレクサンドル殿下
エディット・ピアフ→歌手のEugénie Buffet
アンナ・アメンドラ→歌手のエステール・ジョルジュ
Cora Vaucaire→歌手のエステール・ジョルジュの歌の吹き替え担当
ヴァランティーヌ・テシエ→Mme Olympe, mère de Nini
Franco Pastorino→ニニのボーイフレンド パン職人のポウロ
Annik Morice→ニニの知人テレーズ
『ガス燈』(1940年)のフレンチ・カンカンのシーンからこの作品をから見ようと思っていてようやく見ました。
ジャン・ルノワール監督の演出はよいと思います。
全体的に普通のミュージカルになっています。
画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子ジャン・ルノワールは映画監督になる。pictureからmotionpictureへ、妙にロジックが通っています。
『ムーラン・ルージュ!』(2001年)はこの作品から相当影響を受けてるようです。当然といえば当然そうなります。
タイトル
Franco London Films (in participation with)
Jolly Film
フランス語が読めないのでフランス映画のタイトルは何だかさっぱりわからん。
タイトルバックはイラストになっています。
作品紹介からこの作品は1888年 パリが舞台とのことです。
この作品本編にはそんな描写が全くない。省略し過ぎです。
パラボン・シノア ベル・アベスの看板があります。
パラボン・シノアは店の名前。ベリーダンサーのベル・アベスの出し物です。
歌って腰振って、これは最高ではないかい。
舞台裏にて。
ここのオーナー ダングラールが口笛芸人に激を飛ばしています。
いよいよ口笛芸人の出番です。何とかこなして受けもいいようです。
客席には無駄話をしてる旦那達がいます。
始まったとこで登場人物が誰が誰だかサッパリわからん。
ジャン・ギャバン扮するダングラールが主役なのはわかるけど。
ダングラール一行はモンマルトルに出かけるようです。
モンマルトルのダンスホール 白い女王にて。
ダンスの群舞になっています。これはいいな。
ここにダンスが上手い女の子ニニがいてスカウトするわけです。
オーナーからダングラールにこの店を買わないか?という話しになっています。
ダングラール一行には御婦人方が3人ほど来ててダンスとなります。
ローラの旦那がバルテール男爵らしい。
ダンスシーンが結構続いてます。
ワルツになってダングラールとニニが踊ります。
これでニニのボーイフレンドが不機嫌になってる。
で、ニニはローラにいつもでもダングラールにくっついてるじゃないと手を叩かれています。
さすがフランス映画なのでキャラ紹介の描写がない。
馬車にて。
ダングラールとローラ。結構いい雰囲気。
ベッドにて。
ローラと寝ていたダングラール。
そんなとこに取り立てがやってきます。カネはないダングラール。
それなら代わりに家財道具の目録を作りますとなって身ぐるみ剥がれるようです。
この取り立てはバルテール男爵の差し金らしい。ローラに入れ込んでる旦那です。
そのローラはダングラールにぞっこんです。そんなわけで身ぐるみ剥がれるダングラール。
男が来てダングラールにダンスを見てくれと実演しています。
で、ローラのコルセットをダングラールが締めてるシーンもあります。
カフェにて。
酒を飲んでるダングラール。ニニを見かけてあとをつける。
ニニと一緒の女の子がつけられてると気がついてます。
昨夜のダンスホールの旦那だと覚えてるニニ。
で、お嬢さんダンサーになりませんかと勧誘してるダングラール。
これはまたストレートです。
自己紹介でダングラール、パラボン・シノアの店主と名乗っています。
ようやく主人公の名前がわかった。フランス映画はキャラ紹介描写はやらないのか?。
ダングラールがいなくなって芸人は体を売るのか?と話してるニニと知人の女の子。
そんなわけでニニはボーイフレンドの所へ行きます。
パン工房にて。
フランスなのでやっぱりフランスパンを作っています。妙に説得力があります。
ここにニニのボーイフレンドがいます。ニニが来て体を売る前にやるとこはやると速攻で1発やってます。
夜にて。
ダングラールとニニ。ギボール先生のダンス教室に行きます。
ギボール先生は太ったおばさんです。
ダングラールはカンカンを教えろと言ってます。
そんなこんなで出し物の名前はフレンチ・カンカンだと言ってる。
ギボール先生がフレンチ・カンカンの見本をダンスしてくれます。
太ったおばさんの先生ですが元ダンサーなので結構ちゃんとダンスしています。
で、ニニはフレンチ・カンカンの特訓となるようです。
ベッドにて。
ダングラールが芸人志望の男と話し込んで新しい出し物の話をしています。
ダンスホール 白い女王を買ったと話してるダングラール。
今度は歌を歌ってる芸人志望の男ガジミール。
ローラとバルテール男爵がやって来ます。
ところでここの部屋はベッドしかありません。なるほど身ぐるみ剥がされてたわけです。
バルテール男爵が取り立ての黒幕です。
なんだかんだで今度はダングラールのスポンサーになったバルテール男爵。
ダンスホール 白い女王にて。
爆薬がセットされています。大爆発でそのへんは大騒ぎ。解体作業らしい。
ダンス教室にて。
ダンサーのオーディションをやっています。ドアの外にはダンサー志願者を押し寄せています。
ニニの知人はダンスは無理らしい。お引き取りになっています。
高そうなモデルみたいな女性が来たけどダンスはダメらしい。
ローラとバルテール男爵。
どこかに来てる。
ダンス教室にて。
特訓をやっています。180度開脚の特訓です。
ピアノ弾きのおじいさんの名前はオスカー。
ローラとバルテール男爵。
どこかへ行きましょうとなってる。
ダンス教室にて。
特訓は続いています。
ダングラールが特訓を見ています。特訓の方は順調らしい。
ローラとバルテール男爵。
バルテール男爵がダングラールと会うとなると一緒に行きたがるローラ。
新しい店の建設現場にて。
ダングラールは店の名前はムーラン・ルージュにすると言ってます。
完成したら風車があるようです。どこかで見たような感じ。それは『ムーラン・ルージュ』(2001年)です。
ニニとボーイフレンド。
建設途中のムーラン・ルージュにて。
大臣が視察に来るとなって準備に大騒ぎになっています。
まずバンドが音楽を演奏しています。
ニニの手にキスをするのが某国のアレクサンドル殿下です。最初から顔を見せてる。
視察が終わり大臣は帰ります。
そうなると何だかもめています。
ローラが暴れています。大騒ぎになります。
そんなところにニニのボーイフレンドまでやって来ます。
こういう時は落ちつくようにとゆったりした音楽を演奏してるバンド。
どさくさに紛れて旦那方から財布をすってる奴もいます。
そんなこんなでニニのボーイフレンドに穴に落とされるダングラール。
ニニのボーイフレンドは逮捕されています。財布をすった奴も逮捕されてる。
病院にて。
どうやらダングラールは大丈夫らしい。ニニが来ています。
建設途中のムーラン・ルージュにて。
それから随分と時間が経過したらしい。怪我が治ってるダングラール。
太った男からカネが入っていません。工事は中止ですと言われてます。
外に出て馬車のローラと話してるダングラール。
カンカンをやめればまた資金が出ると言ってるローラ。
それは無理だと言ってるダングラール。
ホテルにて。
ダングラールに支払いの催促をしてるホテル側。カネはない。
またガジミールの歌が入ってます。
ニニと勢いでキスしてるダングラール。そのままセックスまで行く。
で、1発やったあとで昔はソムリエをしてたとか言ってるダングラール。
ローラと軍服の男といます。
この軍服の男を演じるのがミシェル・ピッコリなのか?、当然若い。
ダンス教室にて。
今はここに居候してるダングラール一行3人。
ニニのボーイフレンドがやって来ます。会話からようやく名前がポウロとわかる。
ポウロはニニに待っていると伝えてくれと言ってます。
ダンス教室の向かいのアパートに歌う女性がいる。
これが実物のエディット・ピアフらしい。
洗濯場にて。
会話からニニの知人の名前はテレーズというらしい。
丘の上にて。
ニニが外に出たらあの殿下と会う。
バラの花を持ってて一生待ってると言ってる殿下。口説いてるようです。
殿下にローラのせいでムーラン・ルージュが建たないと訴えるニニ。
カネは出すと言ってる殿下。
建設工事が再開したムーラン・ルージュにて。
近所のカフェの常連客の会話で殿下がここを買ったとわかります。
工事と平行して出し物の練習もやっています。
そんなとこにローラと殿下がやって来ます。
ローラがニニを呼んで一悶着あります。みんなの前でニニにダングラールと特別な関係であるとこを言わせてしまう。
ローラにここから去ってくれと言ってる殿下。それでどうなる。
夜になります。
ひたすら待ってる殿下。そんなとこにダングラールとニニが一緒に出てきます。
絶望して拳銃自殺する殿下。
痴話げんかがこじれてるようです。
病院にて。
ローラは謝罪するがもう元には戻らないと言ってるニニ。
殿下のキズは浅いとわかります。これでよかったとなるのか?
殿下に呼ばれてるニニ。
殿下は出し物に自分のキャラを入れてくれと言ってるか?、思い出になるとも言ってる。
パリの街で出し物を見てるニニと殿下。
歌が入ります。マダム・アルチューニュは語り継がれる・・。
他にも歌が入っています。よくわからん。
デートが終わります。
殿下からプレゼントをもらうニニ。
ムーラン・ルージュの権利書まで渡してる殿下。
階段を登ったとこでポウロと会うニニ。
何だかもめています。忙しいニニです。
ポウロはパンの店を持つことになったようです。
ニニにダンサーとは結婚は出来ないとか色々と言ってるポウロ。
開店のムーラン・ルージュにて。
風車が完成して回っています。風車の部分はミニチュアの合成みたい。
開店前の準備で大騒ぎになっています。
開演になります。
満員の客の前で口上の述べるダングラール。
まずはガジミールの歌が入ります。
ローラも出演しています。ベリーダンサー上がりなので芸人なので出れます。
Anna Amendola扮するエステール・ジョルジュの歌が入ります。客席で歌っています。
口笛芸人の名前がロベルトとわかります。この作品は全くキャラ紹介描写をやっていません。
ダングラールはもう他の女と一緒にいるのを見て楽屋でストライキをするニニ。
これで大騒ぎになっています。
そんなわけでフレンチ・カンカンはまだですと告知すると客席からブーイングが起こる。
楽屋裏はまだ大騒ぎ。
ダングラールはオレはかごの鳥にはなれないと開き直っています。説得になってない。
そんなこんなでストライキをやめて楽屋からら出てくるニニ。
ようやくフレンチ・カンカンが始まります。
ガジミールが口上を述べる。
そんな感じでここまで引っ張ってフレンチ・カンカンが始まる構成になっています。これが普通の構成なんですが現在では無理なんです。
現在の作品は最初から最後までクライマックスになっています。
これだと全体的に逆にだれるんですけどプロデューサーがそうしろと言うので全編クライマックスになっているんです。この手の作品は結構多い。
客席のあちこちからフレンチ・カンカンのダンサーが沸いて出てきます。
舞台ではく客席の中心で群舞するようです。
いよいよクライマックスのフレンチ・カンカンとなります。
舞台裏のダングラール。
客席のポウロ。隣にニニの親友テレーズがいる。どうやら一緒になるらしい。
これがフレンチ・カンカンとカットバックされています。
カットバックして本編の話しを結末を付けています。あとはフレンチ・カンカンだけを見てればいいわけです。
ダングラールは客席に移動しています。
フレンチ・カンカンは大受けです。
たっぷりとフレンチ・カンカンを見せてフルショットでエンドとなります。
余計な描写は付け足さずスパッと終わっています。
昔の作品は後タイトルがないのでマジでスパッとエンドになっています。素晴らしい。
そんなわけで名高いだけはあるよい作品でした。
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