『肉の蝋人形』(1933年)
この作品は、マイケル・カーティス監督、ライオネル・アトウィル、グレンダ・ファレル主演の古典的蝋人形ホラーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1933年 ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆77分
原題◆Mystery of the Wax Museum
プロット◆蝋人形を巡って色々とある話しのようです。
音楽◆クリフ・ヘス
ワーナー発売のDVDにて。
画質は結構よい。独特のカラーがいい。
スクイーズ収録のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーステレオ。当然元はモノラル。
キャスト
ライオネル・アトウィル→蝋人形作者のイバン・イゴール
グレンダ・ファレル→フローレンス記者
フェイ・レイ→ラルフの恋人シャーロット
アレン・ビンセント→助手のラルフ
フランク・マクヒュー→新聞社の編集長ジム
ギャビン・ゴードン→どら息子のウィントン
アーサー・エドマンド・ケリー→ヤク中の手下 教授
マシュー・ベッツ→聾唖のオットー
エドウィン・マクスウェル→放火したワース
モニカ・バニスター→自殺した女優 ジョアン・ゲイル
ホームズ・ハーバート→Dr. Rasmussen
クロード・キング→Mr. Galatalin
トーマス・E・ジャクソン→Detective (as Thomas Jackson)
デビット・ジェニングス→Police captain
マイケル・カーティス監督の演出はよいと思います。
この監督は並みの職人監督だと思われます。何でもそつなくというか適当に仕上げるのが特徴の並みの職人監督です。
この作品はカラーなんですが独特の発色をしています。いい感じ。
画質自体も結構いい。
キャストで、
グレンダ・ファレル フローレンス記者
フェイ・レイ ラルフの恋人シャーロット
これを演じてる女優さんを逆だと思い込んで見ていました。実際見ればグレンダ・ファレルが主役です。
イゴールを演じるライオネル・アトウィルは相当な舞台役者といった感じで好演しています。
ワーナー・ホームビデオ
メニュー画面
タイトル
ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズ
バイタフォン・コープ→これはトーキーシステムの会社です。
この作品を実際見れば何だかカラーです。モノクロではない。モノクロだと思い込んでいたのでビックリした。
タイトル部だけ画面サイズが上下に少し黒味、左右に大きく黒味になっています。
本編になると左右に黒味のみになります。
ロンドン 1921年
蝋人形の工房にて。夜、雨が降っています。
外に馬車が止まります。まだクルマは無いようです。男が2人。
蝋人形製作に励むイゴール。そんなとこに来客が2人。
愛想よく迎えるイゴール。
高名な鑑定家ガラタリンが蝋人形を見物に来たようです。初対面らしい。
もう1人は知り合いらしい。
愛想よく蝋人形の説明をしてるイゴール。
ジャンヌ・ダルクやマリー・アントワネットがあります。他にも色々。
蝋人形ですが本物の人間が凝固している。そりゃよい出来の蝋人形となるわけです。
他に蝋人形の描写は作画合成等も使ってます。
工房の照明はガス灯ではなく電気になっています。
君の作品を王立博物館にという話になっています。これいい話しだと歓迎のイゴール。
そんな感じで気持ちよく客人2人を送り出すイゴール。
外には怪しい男が斜めの構図で映されています。怪しい。
その男が勝手に入ってきます。
男はワース、知り合いらしい。知り合いも何もここの出資者です。
ワースはもうここは破産すると話しを切り出す。1万5千ポンドの負債だと。
そんなわけで火災保険を使おうと放火するワース。1万ボンドになるらしい。
止めようとするイゴールとワースの格闘アクションとなります。
それでも蝋人形に火が点きます。これは大変。蝋人形の顔が溶けています。
マリー・アントワネットやジャンヌ・ダルクも溶けています。
イゴールをノックアットしたワースはズラかります。ドアにもしっかりカギをかけています。
溶暗となります。
1933年 N.Y.
ニューヨーク・エキスプレス新聞。
大晦日から新年の大騒ぎになっています。
イゴールは生き残ったようです。ビルの1室にいます。
救急車が到着する。死体を収容しています。
新聞の見出し描写が入ります。自殺、ジョアン・ゲイルが自殺。
怪しい男が通りを歩く。ビルに入る。電話をしてます。
何かの手配をしています。
死体安置所にて。
影が迫ります。これはドイツ表現主義の描写です。
職員2人の会話からどうやら大晦日から新年のようです。
で、運び込んだばかりの死体が起き上がる。気にしない職員。気にしてる職員に防腐剤のせいでよくあると説明しています。定番の描写です。
職員2人が出ていったら死体ではなくベッドに隠れていた奇怪なマスクの怪しい男が起き上がるわけです。
お目当てのジョアン・ゲイルの死体を捜して窓からロープで降ろしています。
何故か窓の高さがベッドの高さと合っていて仕事がスムーズになっています。
外には男2人が待機しています。ここも影で描写しています。
溶暗になります。
新聞社にて。
複数の新聞記者がタイプライターをエライ勢いで打つ。電話をかけまくる。
ここにフェイ・レイが登場。だと思い込んでいましたがあとで調べるとグレンダ・ファレル扮するフローレンス記者でした。
ジム編集長とやり合うフローレンス記者。ネタを取ってこいと言われてる。そうでないと首にすると言われてる。
場所不明。
地下に箱を運んでる4人。
取り扱い注意の表示がしてある箱。棺桶と同じサイズです。
あの男がヤク中の男を叩き出しています。よくわからん描写です。
警察にて
SPレコードが回ってる。ここもパーティをやってたようです。
フローレンス記者がネタをとりにやって来ます。
お巡りのケリーと話しをしています。ジョアン・ゲイルの話しが出ています。
富豪のどら息子ジョージ・ウィントンが容疑者で拘留中らしい。
ジョアン・ゲイルの検死がモルグで行われるとか。
そんな感じでネタをもらってここを出るフローレンス記者。
死体安置所=モルグにて。
フローレンス記者が来ています。
別の死体を検死しています。麻薬中毒者だったらしい。
次はジョアン・ゲイルの死体の番です。そんなとこにジョアン・ゲイル死体がありませんと報告が入る。大騒ぎになっています。
ネタをゲットしてるフローレンス記者です。電話しています。
新聞に富豪のどら息子ジョージ・ウィントンが殺人容疑で逮捕の見出し。
ここの写真からつながって警察になります。
警察にて。
留置されてる富豪のどら息子ジョージ・ウィントンに面会のフローレンス記者。
デタラメを書くなと怒ってるジョージ・ウィントン。
ジョアン・ゲイルの死体が盗まれたことを知らせてるフローレンス記者。
そんなこんなで色々と聞き込んで取材してるフローレンス記者。
このへんは何だかロマンティック・コメディのような感じになっています。
新聞社にて。
ジム編集長に取材したネタを書かせてるフローレンス記者。
ここニューヨークで18ヶ月の間に8つの死体が盗まれてるとか。
富豪のジョージ・ウィントンのことをじいさんが先住民をだましただけとか言ってるジム編集長。これはホントのことです。
交渉して君に任せると言質をとったフローレンス記者です。
街にて。
ゴミを片づけてる風景。
ロンドン蝋人形館 アメリカに初お目見え、の看板が見えます。
蝋人形館の会場にて。
まだ準備中といった感じになっています。
クルマイスのイゴールがいます。弟子のラルフを厳しく指導しています。
イゴールの助手は3人、
若い男のラルフ
聾唖のオットー
ヤク中のダーシー教授
イゴールはあの火事でクルマイス生活で両手も使えなくなっています。
このような設定でした同じ設定の1953年版をもう見ています。
来客です。
ダーシー教授が完成した蝋人形を持ってきます。
箱のフタを開けます。ブルネットの蝋人形が入っています。
ダーシー教授から報告を受けるイゴール。いい物がそのうち入るとか。
アパートにて。
ラルフの恋人シャーロットがラルフから電話を受ける。食事をしようとなります。
ルームメイトがベッドで寝てるフローレンス記者です。
フローレンス記者は玉の輿狙い。ラルフのことをケチな彼氏と言ってる。
警察にて。
ジョージ・ウィントンが釈放となっています。
出迎えは男2人。ゲイツともう1人。
蝋人形の会場にて。
ラルフに会いに来たシャーロット。
イゴール先生がラルフに準備中で忙しいから食事はダメと言いつつシャーロットを見つけて注目しています。
フローレンス記者は会場に入り込んで蝋人形を調べています。
先ほど運び入れた蝋人形はジャンヌ・ダルクでした。
イゴールはシャーロットに話しをする。
マリー・アントワネットの話しとなります。もうシャーロットをマリー・アントワネットと同一視しています。
フローレンス記者はジャンヌ・ダルクの蝋人形の荷札をゲットするが隙を突かれて抜き取られています。
新聞社にて。
戻ってるフローレンス記者。ジム編集長と打ち合わせです。
ジョアン・ゲイルの写真を見せてもらいます。どうやらジョアン・ゲイルがジャンヌ・ダルクの蝋人形になってるらしい。
ジム編集長にジョアン・ゲイルの蝋人形があったと言ってるフローレンス記者。
これを信じないジム編集長。で、ゲットした荷札を見せようとするが当然ありません。
ジョージ・ウィントンが南米に逃げる情報を伝えるジム編集長。
ジョージ・ウィントンが男と打ち合わせ中。
謝礼を払っているジョージ・ウィントン。これから南米へズラかるらしい。
電話です。フローレンス記者からです。
取材ついでにデートに誘ってるフローレンス記者。釣られるジョージ・ウィントン。
蝋人形の会場にて。
受付をやってるラルフ。お客の入りは悪い。
クルマイスのイゴールが蝋人形の説明をやっています。
色々な歴史的な事件を簡単なジオラマで再現してるようです。
フローレンス記者とシャーロットがやって来ます。
さっそくジャンヌ・ダルクのとこへ行くフローレンス記者。
イゴールに何か報告してる手下の教授。奴には大きな借りがあると言ってるイゴール。
客の入りの方はイマイチなのでラルフはもう帰っていいと言われてる。
フローレンス記者は蝋人形を削ってます。証拠になるのか?、この時代ではまだDNA検査はないし。
フローレンス記者にダーシー教授が紹介されています。
ラルフとシャーロットと別れてダーシー教授を尾行するフローレンス記者。
そんなとこにジョージ・ウィントンがクルマで通りがかる。タクシー代わりに使うフローレンス記者。尾行しています。
ダーシー教授はあるビルに入る。
ジョージ・ウィントンに張り込みをやらせてビル内に入るフローレンス記者。
ビル内にて。
どうやらダーシー教授は放火したワースとコンタクトしているようです。
ダーシー教授はヤク中です。尾行されてると言ってる。
不法な家宅侵入で突撃取材のフローレンス記者。地下倉庫にたどりついてる。
マスクの男が階段を降りてきます。隠れてるフローレンス記者。
不気味なマスクは当時としてはかなりの出来になっています。このへんも影を生かしたドイツ表現主義で描写しています。
マスクの男は電気を消して階段を上っていなくなります。
慌てて逃げるフローレンス記者。
街中にて。
クルマ内で張り込み中のジョージ・ウィントンは刑事2人に絡まれています。
刑事の不審尋問に悪戦苦闘しています。
そんなとこにフローレンス記者が助けを求めて出てきます。
ビル内に踏み込む刑事やお巡り。
地下倉庫に死体があると主張してるフローレンス記者。
ダーシー教授は出てきたとこを刑事に捕まってる。
ドアを破って部屋に入る警察。捜査令状無しでいいのかと見てる方が心配になります。当時の警察はこれが普通かもしれないけど。
調べたけど異常なしです。地下倉庫だと主張するフローレンス記者。
地下倉庫にて。
怪しい棺桶サイズの箱を開けます。死体や蝋人形てはなく酒瓶が入っていました。
この当時は禁酒法の時代なので蝋人形とは別の十分な証拠にはなっています。
ワースと言う男を追っていたと証言してるダーシー教授。
偶然にワースはジョージ・ウィントンと知り合いです。留置所から出してもらった時に世話になったらしい。
酒瓶を持ち出そうとしてるフローレンス記者ですがからくり仕掛けを見て悲鳴を上げてる。酒瓶を割ってしまいます。
第12分署。警察にて。
取り調べられてるダーシー教授。ヤク中なので放っておけばヤクが切れて喋ると踏んでる警察の面々。
手荷物から高価な懐中時計が出てきます。これは怪しい。
誰の懐中時計?、ラムジー判事のです。誰?、これまで出てこない名前です。
こういうとこが結構いいかげんでアバウトです。さすがワーナー作品。
蝋人形の工房にて。
煮立ってる巨大な釜があります。蝋が煮立ってるらしい。
マスクの男が袋詰めの死体を運んでます。
警察にて。
フローレンス記者はここを出てジョージ・ウィントンのクルマで新聞社に向かいます。
マジでタクシー代わりにしています。
クルマにて。走行中です。
君に惚れたと言ってるジョージ・ウィントン。
玉の輿狙いなのでまんざらでもないフローレンス記者。
結婚してくれと言われると資産はいくらと聞いてます。玉の輿狙いなのでそうなる。
新聞社にて。
フローレンス記者はジム編集長と打ち合わせです。
警察にて。
ダーシー教授が取り調べられています。懐中時計は落ちていたと主張する。
ヤクが切れるを待ってる警察。
蝋人形の会場にて。
シャーロットが来ます。ラルフを呼んでるシャーロット。
覆面を被ってる怪しい人物が待ち伏せてます。
聾唖の男を怖がるシャーロット。そこにイゴールが来ます。
ラルフに会いに地下に降りるシャーロット。部屋に閉じこめられる。秘密の地下へのドアが開き降りるシャーロット。
そこは蝋人形の工房でした。
ドアが開いてクルマイスのイゴールが出てきます。
案内しようとクルマイスから松葉杖にするイゴール。
で、自分で立ち上がってるイゴール。ビックリしてるシャーロット。
シャーロットことを私のアントワネットと言ってるイゴール。
クルマで到着するフローレンス記者とジョージ・ウィントン。
ドアにカギがかかってます。入れない。
ちょうどよくラルフが来ます。ドアのカギを持っています。
渋るラルフを新聞に大きく記事を載せて宣伝すると言ってドアを開けさせるフローレンス記者。
会場で蝋人形を調べてるフローレンス記者。
警察にて。
いよいよ自白となるダーシー教授。
死体は蝋人形に変わったと言ってます。イゴールのことを先生と呼んでいます。
で、行方不明の判事はボルテール像になってるらしい。
蝋人形の工房にて。
もみ合ってるうちにイゴール顔が崩れてマスクの男になってます。どうやらマスク被っていたのではなく火事騒ぎでこうなったようです。普段は普通の顔のマスクを被っていたいたわけです。素顔になるマスクの技術の方が凄いと思うけど。
悲鳴が上の蝋人形会場に聞こえてきます。
地下に行くフローレンス記者、ジョージ・ウィントン、ラルフの3人。
蝋人形の工房にて。
どうやらイゴールは恨みがあるワースをもう殺していたようです。死体をシャーロットに見せています。
ラルフとフローレンス記者が駆けつける。ラルフはアッサリとノックアットされる。
フローレンス記者は逃げる。
何だか格闘アクションは結構本格的。ワーナーらしい。
イゴールはスイッチを入れる。いよいよシャーロットでマリー・アントワネットの蝋人形を作るようです。
やはり釜には蝋が煮立ってるようです。ワックス・テンパチャーと表示のアナログメーターが見えます。
助っ人を呼んでるフローレンス記者。秘密のドアが閉じられる。
すっかり腰が引けてるジョージ・ウィントンは逃げようと言ってます。
ようやく警察が大勢やって来ます。秘密のドアを破り入ります。
結構元気なイゴール先生はお巡り相手に格闘アクションで奮闘しています。
クルマイスを投げつけたりしている。で、撃たれてやられるイゴール先生。蝋が煮立ってる釜に転落する。
間一髪のとこでラルフに助けられるシャーロット。
新聞社にて。
タイプライターを打つフローレンス記者。特ダネをゲットしました。
フローレンス記者とジム編集長。外にはクルマのジョージ・ウィントンが待ってる。
オレと結婚しろと言ってるジム編集長。対等の条件ならとフローレンス記者。
そんなこんなでやっばりジム編集長がいいとなるフローレンス記者。
エンドとなります。
そんなわけで結構よく出来ているよい作品でした。カラー作品なのがビックリ。
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