『荒野の用心棒』(1964年)
この作品は、セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演の元祖マカロニ・ウエスタンのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1964年 ユナイテッド・アーティスト イタリア=スペイン=西ドイツ作品
ランニング・タイム◆96分
原題◆Per un pugno di dollari
英題◆A Fistful of Dollars
プロット◆元ネタの『用心棒』(1961年)とだいたい同じです。町のボス2人を片づける話しのようです。
音楽◆エンニオ・モリコーネ
在庫のDVDの画質チェックをやったらフル表示では黒枠でした。ガッカリした。
肝心の画質もそんなによくはない。これはBlu-ray録画の方が粒子は粗いけど画質がいいと思えます。
WOWOW放映は音質はいい。鐘の音、笛のような音等がきれいに聞こえます。
BS193 WOWOWにて。
画質はよいです。以前見た地上波TV放映より全然よい。
スクイーズ収録録画のフル表示
画面サイズはワイド。上下に黒味あり。
音声はAACステレオ。音楽も効果音もステレオのような感じ。
キャスト
クリント・イーストウッド→用心棒のジョー
ホセ・カルヴォ→酒場のオヤジ シルバニート
ヨゼフ・エッガー→棺桶屋のじいさん ピリペロ
ダニエル・マーティン→鐘つき係のオッサン ホワン
マリアンネ・コッホ→妾のマリソル
不明→マリソルの旦那フリオ
Nino Del Arco→マリソルの子供ヘスス
ジャン・マリア・ボロンテ→ロホ兄弟のラモン
ジークハルト・ルップ→ロホ兄弟のエステバン
アントニオ・プリエト→兄貴のドン・ベニト・ロボ
マリオ・ブレガ→太ってる子分 チーコ
ウォルフガング・ルスキー→旦那のジョン・バクスター
マルガリータ・ロサーノ→怖そうなバクスター夫人
Bruno Carotenuto→息子のアントニオ・バクスター
セルジオ・レオーネ監督の演出はよいと思います。
全体的にオリジナルの『用心棒』(1961年)と同じになっていて、ウエスタンに変更したとこは上手く仕上げています。
そんな感じでこの作品はリメイクの最高に上手い例になると思います。
MGM
タイトル。赤いバックに影の馬が走るアニメのタイトル。
ちゃんとクリント・イーストウッドと出ています。
英語のタイトル名になっています。
監督はボブ・ロバートソンではなくセルジオ・レオーネになっています。
ジャン・マリア・ボロンテの名を見落とした。
タイトルバックの音楽がそのまま本編まで流れています。
馬に乗った用心棒が登場。
ポンチョ姿のクリント・イーストウッドが登場。
子供が通りを隔てた家に忍び込む。すぐに見つかって追い出されてる。
子供めがけてリボルバーで撃ってる手下達。脅かしとはいえ子供を撃つとは最初から飛ばしています。
で、子供を迎えに来たパパを手下がいじめています。マカロニ・ウエスタンではおなじみの太った手下が出ています。
町にて。
鐘が鳴って首吊りのロープが下がっています。
馬ですれ違った男は背中にあざけりの言葉が描いてある紙が貼られている。
鐘つき係のホワンから声をかけられてる用心棒。
ホワンからパクスター?それともロホ?と聞かれてる用心棒。
バクスターの手下達に絡まれてる用心棒。馬の足元を撃たれて退散しています。
酒場にて。
馬が逃げてしまいぶら下がってるとこで酒場のオヤジと初対面の用心棒。
まずは飯と酒をくれとなります。酒場のオヤジが町の状況説明をする。
棺桶屋のじいさん ピリペロ
鐘つきのオッサン
ここはサンミゲルという町のようです。
このオヤジのキャラははやっぱりオリジナルの東野英治郎の方が全然いい。何しろハイテンションでした。
三船敏郎の用心棒は火の見やぐらに上がっていましたが、クリント・イーストウッドの用心棒は酒場の2階バルコニーに上がっています。
これれで町を俯瞰するわけです。眺めがいいというわけです。
2階バルコニーでまたオヤジが説明します。
ロホ兄弟は酒を売り、バクスター家は銃を売る。
ボスが2人もいるので大変だとなっています。
鐘つき人が鐘をつき、棺桶屋が棺桶を作る。
ロホ兄弟のラモンが今はいないが凄腕だ。
・・云々と説明描写となります。
で、仕事始めにバクスターの手下達を片づける用心棒。
その前に棺桶屋に棺桶を3つ注文しています。
見せ場の用心棒の早撃ちのシーンになります。これはいい。
保安官のオッサンが出てきます。ジョン・バクスターと名乗っています。
逮捕するとか処刑すると言ってるが無視してる用心棒。
保安官といえばオリジナルの沢村いき雄の岡っ引きが最高で初登場からヘタレなキャラでラストで三船敏郎の用心棒に「お前は死んでろ」と言われてるのが最高でした。
ロホ兄弟の屋敷にて。
ロホ兄弟の長男に自分を売り込んでる用心棒。で、妾のマリソルとコンタクトしてる用心棒。
で、兄弟2人がもめています。何でアメリカ人に100ドルも払うと言ってるエステバン。
凄腕のラモンはまだ戻ってない。
で、用心棒の部屋にエステバンが挨拶に来たら、ここを出ていくと言ってる用心棒。
ロホ兄弟の話しに出ていたメキシコの軍隊が町に入ります。
用心棒は酒場にいます。オヤジと馬車の中味は何だろうと話しています。
で、馬車を見に行く用心棒。中をのぞこうとするとリボルバーで追っ払われる。
酒場に泊まってる用心棒。同じ部屋にオヤジも寝てる。
マリソルの話しになっています。ラモンの女で・・
用心棒は出かける、オヤジも一緒に行くと言ってる。
メキシコの軍隊はもう町を出て行きます。
何故か国境に向かってるらしい。
国境に向かう用心棒とオヤジ。
国境にて。川です。
物陰に隠れてる用心棒とオヤジ。
メキシコ軍は取引をするようです。相手側は青い制服です。パンツには黄色いラインが入ってるのでアメリカの北軍か?
ところでこんなシーンは初めて見るような気がする。
昔地上波TV放送は90分のカット版。75分の時も多かった。
それに96分版ではない100分版は初めて見ます。
メキシコ軍は金塊、相手側を武器で、その取引らしい。
そんなとこで相手側がいきなりガトリング銃で撃ちまくる。
このガトリング銃を撃ってるのがラモンらしい。というとこは取引を偽装しての金塊強奪となるようです。
メキシコ軍をガトリング銃で皆殺しにしています。
これを見物してる用心棒とオヤジ。
町にて。ロホ兄弟の屋敷にて。
ラモンとコンタクトしている用心棒。
用心棒のリボルバーのグリップはクリント・イーストウッドが持参した蛇のグリップです。
で、ラモンがバクスター家を呼んで話し合いをすると言っています。
そんなわけでバクスターがいる時にオレがいたらこまるだろうと姿を消す用心棒。
この辺の印象ではオリジナルの『用心棒』(1961年)のキャストの素晴らしさがよくわりります。
三船敏郎と仲代達矢、親分が山茶花究と河津清三郎で、山田五十鈴が怖そうなかみさん、それにハイテンションな東野英治郎なんだから。それはまた豪華なキャストなんです。マンガみたいなキャラの加東大介もいたし。
三船敏郎とクリント・イーストウッド、仲代達矢とジャン・マリア・ボロンテ、主役2人は同じくらいですが、サポート役の俳優になると東宝の方が圧倒しています。
酒場にて。
オヤジに平和になったら用心棒はお払い箱だと笑われてる用心棒。
カネがないなら早く町を出てけと言われてます。
ようやく棺桶屋からジョーと呼ばれて名前がわかった用心棒。名はないんだっけ?。
棺桶2つを用意して出かける用心棒とオヤジ。
バクスター家にて。夜です。
ここは若旦那が頼りなくてバクスター夫人がおっかない。亭主を尻に敷いてるパクスター夫人。それでも山田五十鈴にはかなわない。
ロホ兄弟の屋敷に向かいます。
墓場にて。
棺桶2つからメキシコ軍の兵隊の死体を取り出す用心棒。墓の側に置いてる。
それでどうする?
わけのわからんオヤジは怒って帰ってしまった。
バクスター家にて。
もうロホ兄弟の屋敷から戻っています。
バクスター夫人の部屋に用心棒が侵入しています。亭主を呼ばせます。
ロホ兄弟の金塊強奪の真相をバラしています。これで500ドルをゲットする用心棒。
ロホ兄弟の屋敷にて。
ここに来ている用心棒。何やら情報を出してるらしい。バクスター家の動向が情報です。
で、ここでも500ドルをゲットする用心棒。
バクスター家一行が墓場に向かっています。
兵隊から証言を取ればロホ兄弟を逮捕させることが出来る。
ロホ兄弟一行も墓場に向かう。
用心棒は子分の大半がいなくなったロホ兄弟の屋敷を家捜ししようとする。
見張りの太った子分を庇を撃ち落下させノックアットして倉庫に入ります。
用心棒は樽をリボルバー銃尻で叩いて調べています。
ようやく金塊の入った樽を探し当ててます。
この辺は家捜しと墓場がカットバックしています。
墓場にて。
バクスター家一行が到着する。待ち伏せする。
ロホ兄弟一行も到着する。
いきなりラモンが発砲して撃ち合いになります。
メキシコ兵の死体を撃つラモン。
これで用は済んだ。死人に口無しだとあざけるラモン。
で、金塊を発見したとこでマリソルが入ってきてノックアットしてしまう用心棒。
そんなとこにロホ兄弟一行が戻ってきます。
マリソルを抱えて隠れてる用心棒。
いつのまにかバクスター家の息子を人質にしています。エステバンの手柄らしい。
そんなとこで見張りやられいてマリソルがいないとラモンが大騒ぎしています。
バクスター家にて。
マリソルをここに運んでいた用心棒。
これで息子と人質交換が出来るとバクスター夫人。また謝礼を用心棒にやっています。
町中にて。昼です。
鐘が鳴っています。人質交換となります。
酒場から見物してる用心棒。
ここでマリソルの小さな息子ヘススが酒場から出てきてお涙ちょうだいの一席となります。
マリソルの旦那フリオも出てきて殺されそうになるが酒場のオヤジがショットガンを持ち出して止めてる。
戻ってきた息子をビンタするバクスター夫人。山田五十鈴と同じです。
酒場の中に戻って用心棒にこの件を説明する酒場のオヤジ。
オリジナルの東野英次郎の「女房がお多福だったら云々・・」のセリフが傑作。なんたってその女房がお多福どころか司葉子なんだから妾にされるわけです。亭主役が土屋嘉男でした。
ロホ兄弟に屋敷にて。
宴会をやっています。
余興で鎧を撃つシーンになっています。まずは用心棒がリボルバーで撃ち、少し離れた階段からラモンがウィンチェスターのレバーアクションのライフル銃が撃つ。
ここは伏線になっているシーンです。
日本語字幕ではライフルと出ていますがウィンチェスターと言ってます。
ラモンは出かける。飲んでる用心棒。
酔いつぶれて子分のチーコに自室まで運ばれてる用心棒。
用心棒をベッドにほっぽり投げてる子分のチーコ。
で、用心棒はすぐに正気に戻って行動を開始します。
荒野を走る馬。用心棒が走らせているようです。
マリソルが囲われてる家にて。
ここに入り見張りの手下達を片づける用心棒。
牛刀を使いその回りを適当に荒らしています。
これはバクスター家の子分達がやったことにする偽装らしい。
どうやらここは町から少し離れてるだけのようで、銃声が聞こえたとなってロホ兄弟の屋敷から大勢向かいます。
マリソルの旦那は隣の小屋にいるんです。
少しでもマリソルの近くにいたいというわけです。
マリソルを連れて出る用心棒。
旦那と息子とマリソルを逃がします。自分の有り金を全部渡してる用心棒。
恋人が云々と言ってる用心棒。ここはオリジナルでは三船敏郎の用心棒が「礼なんて言うんじゃない」という素晴らしいセリフがあるんです。
ところで徒歩で逃げてるのか?、馬車ではないの?
一段落したとこでラモン一行が到着します。
ラモンはバクスター家がやったと思い込み引き返します。
隠れている用心棒。そのままズラかります。
そうすると最初に用心棒が来ていたのはここでした。
ここから町に移動するシーンが省略されていたのでわからなかった。
このへんで効果音がステレオなっていることに気がつく。
馬の移動がステレオになんています。何となく音楽もステレオみたい。
そんな感じで馬で荒野を移動するシーンが長めにあります。
ラモン兄弟の屋敷にて。
戻ったとこで警戒態勢になっています。もうバクスター家と戦争するつもり。
自室に戻る用心棒。ですがラモンが待ち伏せていました。
そんなわけでマリソルを逃がしたことがバレた用心棒。
リンチにあってる用心棒。痛めつけられています。
嫌な笑い方をしてるがロホ兄弟のエステバンらしい。
マリソルはどこだとしつこく聞いてるラモン。
用心棒を半殺し状態にしていったん引き上げます。
で、また用心棒を痛めつけようと戻る子分2人。太った子分ともう1人。
ドアを開けたとこで奥から樽が転がってきます。やられる子分2人。
これは用心棒がやったことです。この隙に逃げる用心棒。立てずに這って移動となる用心棒。
取りあえず廊下の影に隠れている。
そんなとこにラモン一行が戻る。捜せと命令してるラモン。
用心棒は壊れた樽に火のついたマッチを投げて火事騒ぎを起こします。その隙に這って逃げる。
床下に隠れている用心棒。その上にいたりするラモン。
酒場にて。
酒場のオヤジを痛めつけてるラモン一行。知らないと言ってるオヤジ。ホントに知らないんです。
棺桶屋にて。
棺桶屋に逃げ込む用心棒。用心棒が小声で呼んでも誰かが呼んでると大ボケをカマしてる棺桶屋に自分が入ってる棺桶を運ばせます。
ラモン兄弟はバクスター家を襲撃します。
まではダイナマイトで爆破する。幌馬車を乗りつけて樽を転がす。
樽を割って油を流す。点火して炎上させます。
家から出てきた手下達を狙い撃ちして片づける。降伏すると言ってる手下達も撃っています。
棺桶屋が馬車で棺桶を運ぶ。大通りに出たとこで棺桶屋を止めて棺桶のすき間から見物してる用心棒。
ところで太った手下はまだ生きています。このへんがイタリア的いい加減なところ。
バクスター家の旦那と息子がもうこの町から出て行くと降伏して出てくるが、やはり撃つラモン。
バクスター夫人が出て撃たれロホ兄弟に対して呪い言葉を吐くが死に至る。
これでロホ兄弟がこの町のボスとなるようです。
見物は終わりでとまた移動させる用心棒。
廃坑にて。
鉄板を撃ってる用心棒。何回も撃って強度をテストしてるのか?
鉄板を細工してる用心棒。切り出してやすりでこすっています。
そんなとこに棺桶屋が悪い知らせを持ってきます。
食事を持ってくるとこでシルバニートが捕まったとのこと。シルバニートって誰?、酒場のオヤジの名前でした。ここで初めて名前がわかった。脚本が悪い。
棺桶屋はちゃんと用心棒のガンベルトとリボルバーのセットをゲットしてきました。用心棒に渡してます。
それにダイナマイトを少々を用心棒に渡しています。
で、出動する用心棒。
町にて。
縛られて吊るされる酒場のオヤジ。痛めつけてるラモンとエステバン。
そんなとこでいきなり町の向こう側でダイナマイトが爆発しています。
煙の中から用心棒が姿を現します。カッコいい。仮面ライダーみたいです。
ラモン達は合計5人です。これは大事な数です。
アメリカ野郎=リンゴと言ってます。それではリンゴキッドってアメリカキッドということなのか?
用心棒の心臓付近をライフル銃で撃つラモン。倒れない用心棒。
ここが見せ場なのです。オリジナルから変更している部分だし。
ライフル銃の弾丸が尽きたとこでポンチョをめくって仕込んだ鉄板を見せて落とす用心棒。驚愕するラモン。
リボルバーを5発撃ってラモンのライフル銃を落とし残り4人を片づける用心棒。
最後の1発は酒場のオヤジが吊るされてるロープを切断に使う。これで計算が合います。
シングルアクション弾倉固定のリボルバーとレバーアクション、チューブ弾倉のウィンチェスターライフル銃との実包装填からの勝負となります。
実包装填はリボルバーの方が早い。撃たれるラモン。
撃たれたラモンの主観ショットがあります。ここが結構印象に残ります。
近くの建物2階から水平2連ショットガンが狙いを付けられてる用心棒。
ここは酒場のオヤジが同じ水平2連ショットガンで片づける。狙っていたのはロホ兄弟のエステバンでした。まだ生きていたのか。
鐘を鳴らしてる係のオッサン。
アッサリと酒場のオヤジと別れの挨拶となります。用心棒は町を去ります。
乗ってるのが馬なのかラバなのかがわからん。
棺桶屋は死体の寸法を測っています。
エンドとなります。
released ユナイテッド・アーティストの表示があります。
MGMのタイトル。
そんなわけで有名なだけはあるよい作品でした。
でもオリジナルの東宝の方がいいなと素直に思う。
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