『大巨獣ガッパ』(1967年)
この作品は、野口晴康監督、川地民夫、山本陽子、小高雄二主演の世にも珍しい日活製作の怪獣映画のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1967年 日活 日本作品
ランニング・タイム◆84分
原題◆だいきょじゅうがっぱ
プロット◆怪獣を捕まえたら怪獣の親が来て色々とある話しのようです。
音楽◆大森盛太郎
特技・効果:富川正蔵
特技・撮影:柿田勇、金田啓治、中村義幸
特技・操演:大隅銀蔵
特技・美術:山本陽一
特技監督:渡辺明
スカイパーフェクTV310衛星劇場にて。
画質はまあまあ。
スクイーズ収録のフル表示では上下左右に大きく黒味あり。HDズームにします。
画面サイズはHDズームでワイド。上下に黒味あり。
音声はビットストリーム ステレオ。元はモノラル。
キャスト
川地民夫→週間プレイメイト記者の黒崎浩
山本陽子→カメラマンの小柳糸子
桂小かん→ギャグ担当の林三郎
小高雄二→生物学者の殿岡大造
和田浩二→殿岡大造の助手 町田
町田政則→オベリスク島の少年 サキ
雪丘恵介→プレイメイト社社長 船津
弘村三郎→細田
押見史郎→大山
藤竜也→ジョージ井上
大谷木洋子→相原
加原武門→オベリスク島の長老
山田禅二→かもめ丸船長
河野弘→対策本部長
長尾敬之助→陸司令
神山勝→教授
杉江弘→新聞記者
伊藤浩→新聞記者
小柴隆→新聞記者
野口晴康監督の演出はまあまあだと思います。
全体的に普通の日活調になっています。
日活のタイトル
前説があります。南太平洋キャサリン諸島。オベリスク島。
タイトル
原案が特技監督の渡辺明になっています。
タイトルバックの音楽がまた日活調になっています。
歌は美樹克彦が担当してるらしい。日活だから。
で、タイトルバックでは船が航行中です。
船にて。
プレイメイト社がスポンサーの探検隊が乗っています。
東京のプレイメイト社にて。
プレイメイト社の船津社長が記者会見しています。
会社5周年記念でレジャーランドを作る。その出し物の動物や原住民を探しに行かせていると主張しています。
船にて。
プレイメイト社と学者側で合計7人います。誰が誰だかわからん。
カメラマン役で山本陽子が何故か出ています。
川地民夫扮する黒崎記者
小高雄二扮する生物学者の殿岡大造
桂小かん扮するギャグ担当の林三郎
あとはわからん。
甲板で釣りをしてる林三郎が巨大な光る目を目撃して大騒ぎしています。
海底地震で船が揺れています。
林三郎に呼ばれて甲板に出る面々。何もいません。
船の近くの島が噴火しています。これがオベリスク島らしい。
船から双眼鏡でうかがってる船の面々。
もう皆さんは探検lルックになっています。オベリスク島に上陸するようです。
オベリスク島にて。
原住民の子供がいます。土人の子供とも言う。
上陸して島の中を進んでいく7人。
一行は村に入ります。
誰もいない。と思ったら隠れてて一行を窺っています。
姿を現す原住民達。長老と子供が出てきます。
長老は日本語が喋れます。中隊長は誰です?と聞いてくる。戦時中に日本語を覚えたという設定らしい。
私ですと言ってる殿岡大造博士。察しがよ過ぎる博士です。
で、万歳三唱してる原住民の面々。結構凄い描写です。
そんなとこでまた火山が噴火しています。
何故か盛り上がってお祭り状態になっています。
小柳カメラマンからガッパって何かしらという話しになり双眼鏡で見た石像がガッパだろうとなっています。
子供に連れられて石像へ行く黒崎記者と小柳カメラマン。
ジャングルの中を進んでいます。
林三郎が追ってきたら操演の怪鳥と遭遇しています。
ジャングルを抜けて砕石場のようなところに出ます。
石像がありました。ガッパではなく人の顔です。
黒崎記者はイースター島の石像と同じと言ってるけど。これがまた全然違いイースター島の石像に似ていません。石像を作った美術の仕事がいい加減です。
また地震です。石像が倒れます。このシーンはなかなかよく出来ています。
石像が倒れた奥に洞窟が空いています。
接近してはいけませんと言う子供。無視して接近する黒崎記者と小柳カメラマン。
子供は他の学者等を呼びに村に帰します。
倒れた石像を通過する黒崎記者と小柳カメラマン。ここで倒れた石像の描写は結構いい。
遅れて着いた林三郎が洞窟入り口を見つけます。
洞窟内にて。
仕事に関しての弱音を吐く小柳カメラマンに結婚して子供を産んでおしめでも洗濯してろと説教してる黒崎記者。
少し経ったらもう何だか仲良くなってる黒崎記者と小柳カメラマン。そうなるのか。日活だから。
そんなとこに林三郎が追いつきます。
あれは何だ?となります。巨大な卵があります。
また地震です。卵が転がります。自然に卵の殻が割れて孵化したようです。
子供が学者連中を連れてきて合流します。
卵を見に行ったら殻だけで粘液が残っています。
この粘液が続いてます。その先に孵化ばかりガッパがいます。この粘液の描写は目新しい。他の映画会社ではあまり見たことがない描写です。
子供が止めていますがお構いなしでガッパを捕まえてる一行。
村にて。
お祭りになっています。子ガッパは木の檻に入れられています。
何故原住民達は止めない?。一応長老が抗議しています。ガッパが怒る・・
全く聞いてない記者と学者の面々。
黒崎記者はガッパは迷信説だとなっていてガッパの正体は洞窟内の骨だと言ってます。
何だか見てて眠い。『宇宙大怪獣ギララ』(1967年)の方が面白かったぞ。
松竹よりつまらないとは結構情けない日活だとなります。
だいたいこの時期は特撮映画には補助金が出ていたとか。どこか読んだ気がする。
結局補助金かよと思える。
洞窟内にて。
洞窟内の湖面の下が光っています。親ガッパ2頭が浮上します。
船にて。もう航行中です。
船内にはもう木の檻が運び込まれています。
ところでこの船は何の船だ?、漁船ではない。貨物船か。
小柳カメラマンはガッパは可哀想と言ってます。
殿岡博士は研究すると意気込んでいます。
この探検ツアーのスポンサーはどこだ?と主張してこの場を仕切ってる黒崎記者。
船津社長の屋敷にて。
部下2人に図鑑を調べさせてる船津社長。社長の子供の女の子 鶴子は踊りを習っています。
女の子と社長のシーンを延々とやっています。お母さんはどこ?とか。
いくら図鑑を調べても出てこないので連中は何も発見していないでは?となって激怒してる船津社長。
オベリスク島にて。村です。
火山が噴火して大騒ぎになっています。
続いて山腹を破って親ガッパ2頭が出現します。
親ガッパ2頭は歩いて移動し村を破壊しています。
原住民は海岸まで下がりカヌーで脱出しようとする。
そんなとこにアメリカ軍の潜水艦が接近しています。この状況を見て原住民を救援せよとなっています。ホント?
船にて。
船津社長の乗った船が接近してきます。どうやらもう日本に着いてるらしい。
疑っていた船津社長ですが本物のガッパを見てビックリしています。
殿岡博士はしばらくは口外しないでくれと言ってる船津社長。
学術的でなはいと反論しガッパを巡ってもめています。
きれいごとを言うなとか、スクープ目当てだろうとか、学会で有名になるつもりだろうとか、結構もめています。
他の週刊誌の見出しでプレイメイト社が大失敗か?と載っています。
まだ船津社長はガッパで一儲けだと意気込んでいます。
東都大学生物研究所にて。山のふもとらしい。
子ガッパはここにいます。ヘルメットを被せられています。
クルマで船津社長一行がやって来ます。
何だか騒ぎが起こっています。どうやら船津社長が電気ショック棒で子ガッパを調教しているようです。
潜水艦が航行中。
原住民の子供が寝かされています。ガッパのことを訴えています。
ちゃん聞いてるアメリカ軍。この潜水艦は横須賀に行くらしい。何だか凄いな。
そんなとこに国籍不明の潜水艦2隻が接近中と報告があります。これが親ガッパだったらしい。
親ガッパ2頭は浮上して飛び去ります。
羽田空港にて。管制塔です。
飛行中の親ガッパ2頭は旅客機とニアミスしています。
管制塔とレーダーに2機映ってるので管制官が通信しようとしています。これは親ガッパ2頭なので無理です。
ニアミスした旅客機のパイロットが記者会見しています。
東都大学生物研究所にて。
このTV中継を見ている研究所の面々。黒崎記者もいます。
熱海にて。
そうなるといきなり旅館で宴会のシーンになってます。わかりやすい。
海が光り親ガッパ2頭が浮上する。母ガッパはタコをくわえています。
上陸する親ガッパ2頭。暴れ回ります。ビルを破壊しています。宴会を踏みつぶしています。
まだタコをくわえてる母ガッパ。
戦車隊がやって来ます。攻撃します。
攻撃されてようやくくわえていたタコを落としてる母ガッパ。
いよいよ口から青い熱線を吐くガッパ。これは光線作画です。
ジェット戦闘機隊が発進しています。
親ガッパ2頭は軽く飛行して熱海城に来ています。
ジェット戦闘機隊からのミサイル攻撃となります。
青い熱線でジェット戦闘機を撃墜する親ガッパ。
熱海城を破壊してる親ガッパ2頭。
離れたとこで見ている黒崎記者と殿岡博士の一行。
飛び去る親ガッパ2頭。富士山に向かって飛んでいます。
湖で釣りをしている人達が驚愕しています。湖に入る親ガッパ2頭。
輪転機が回るモンタージュが入ります。
プレイメイト社の雑誌が印刷されています。
売れに売れてるプレイメイト社の雑誌のモンタージュが入ります。
防衛会議にて。
殿岡博士も出席しています。ガラスの灰皿をペンでこすって人間にとって不快な音を出すシーンがあります。
この音を拡声器で湖の底で出せばガッパが水面に出てくるはずと提案する殿岡博士。
湖にて。
無人のリモコンモーターボート4隻が用意されています。拡声器を搭載しています。
東都大学生物研究所にて。
原住民の子供がアメリカ人に連れられてやってきます。
子ガッパと感激のご対面の原住民の子供。
殿岡博士は原住民の子供は素朴だからガッパと交流が出来ると言ってる。それは偏見だと思うけど。
湖にて。
拡声器を搭載したモーターボート4隻を使い親ガッパ2頭が水面に出てきたところをミサイル攻撃する段取りのようです。
ここに居合わせてる黒崎記者と小柳カメラマンがそれとは別に君は殿岡博士が好きなんだろうとかの話しになっています。日活だから。
結局黒崎記者も殿岡博士も嫌いと言ってる小柳カメラマン。日活だから。
拡声器を搭載したモーターボート4隻が発進しています。
アメリカ人に連れられて原住民の子供が来ています。
ところでどこへ行ってもアメリカ人はフリーパスで出入りしています。何だか凄いな。洒落になっていない。
会話からアメリカ人はドクター・マクドナルドという名前だとわかる。
子ガッパを島に帰してくれと訴える原住民の子供。
帰す帰さないと黒崎記者達がもめています。
しばらく進んだとこでモーターボートを沈めます。湖底で拡声器を作動させます。
親ガッパ2頭は浮上します。段取り通りにミサイル攻撃が行われます。
その前に原住民の子供が湖に入り込んで止めるシーンが入ります。お涙ちょうだいの浪花節が全開になっています。正直言って毎度の描写でしょうもないと思う。
湖から飛び立つ親ガッパ2頭。
そのせいなのか津波が起こっています。ここの合成は結構上手い。
日光にて。
中禅寺湖、華厳の滝、東照宮等がシーンが入る。
そんなところに親ガッパ2頭が飛来します。五重の塔上空を通過しています。
華厳の滝付近に来てる親ガッパ2頭。少し合成の比率がおかしいけど。親ガッパが大き過ぎます。
陸上を移動してる親ガッパ2頭。送電線にかかっています。
対策本部にて。
小柳カメラマンが子ガッパを帰してあげてと訴えています。
船津社長は反対です。結構ロジカルな言い分で反対しています。
成り行きで黒崎記者が会社なんて辞めてやると言ったりしてもめています。
船津社長の娘の女の子がパパなんて大嫌いとやってるし。
もう何が何だか・・・
船津社長の言い分を無視して子ガッパを輸送する作業にかかっています。
網に入れた子ガッパを飛行船2隻で吊り、これをヘリコプター2機で引っ張って移動するようです。
子ガッパをどこに運ぶ?。だいたい東都大学生物研究所はどこにあった?、このへんの描写がありません。
親ガッパ2頭は工業地帯に入っています。となると京浜工業地帯か?
ここを破壊してる親ガッパ2頭。
クルマ2台で移動してる黒崎記者と殿岡博士の一行。
どうやら羽田空港に到着したようです。
羽田空港にて。
子ガッパに滑走路に下ろされます。最初は四つんばいですが立ち上がっています。
一行は子ガッパの発信音がまだ親ガッパに聞こえていないと推測しています。
それで林三郎が録音してた子ガッパの鳴き声を拡声器で流します。
そんなとこに船津社長が到着します。
滑走路に立ってる子ガッパを送迎台から見ている一行。
黒崎記者から船津社長の女の子まで勢ぞろいしています。
親ガッパ2頭も到着して子ガッパと感激の涙のご対面となります。
マジで涙を流してる親ガッパ2頭。わかやすいといえばわかりやすい描写です。
子ガッパがなかなか飛べない小ネタの描写が入ります。
飛行の見本を見せる親ガッパ。一回りして着地します。
今度は飛べる子ガッパ。親ガッパも飛び立ちます。
小柳カメラマンは会社を辞めるとなります。
殿岡博士から言われて小柳カメラマンのあとを追う黒崎記者。
歌が入り太陽に向かって飛ぶ親ガッパ2頭と子ガッパ。日活だから。
夕陽だと思いこんでいましたが時間経過からすると朝陽のようです。
エンドとなります。
そんなわけで普通の怪獣映画のまあまあな作品でした。
« 『宇宙大怪獣ギララ』(1967年) | トップページ | Hollywood Express #478◆2012.07.29(日) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1960年代」カテゴリの記事
- 『暗くなるまで待って』(1967年)(2021.11.28)
- 『泳ぐひと』(1968年)(2021.06.20)
- 『ビリディアナ』(1961年)(2020.07.05)
- 『皆殺しの天使』(1962年)(2020.07.04)
- 『不意打ち』(1964年)(2019.12.01)
「特撮 怪獣映画」カテゴリの記事
- 『大怪獣ヨンガリ』(1967年)(2019.09.08)
- 『プルガサリ 伝説の大怪獣』(1985年) (2019.09.07)
- 『シン・ゴジラ』(2016年)(2017.10.28)
- 『クリーピング・テラー』(1964年)(2017.06.18)
- 『怪獣ウラン』(1956年)(2017.05.28)
« 『宇宙大怪獣ギララ』(1967年) | トップページ | Hollywood Express #478◆2012.07.29(日) »
コメント