『コーマ』(1978年)
この作品はマイケル・クライトン監督、ジュヌビィエーブ・ビュジョルド、マイケル・ダグラス、リチャード・ウィドマーク主演のSFが少し入ってる病院サスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1978年 Martin Erlichman Production/MGM アメリカ作品
ランニング・タイム◆113分
原題◆Coma
プロット◆病院内で昏睡状態が多発する原因を調べる話しのようです。
音楽◆ジェリー・ゴールドスミス
ワーナー発売のDVDにて。画質は普通によいです。スクイーズ収録のフル表示。画面サイズはワイド。上下左右黒味無し。フルスクリーン。
キャスト
ジュヌビィエーブ・ビュジョルド→スーザン・ウィーラー医師
マイケル・ダグラス→マーク・ベローズ医師
リチャード・ウィドマーク→外科部長のハリス博士
リップ・トーン→麻酔科部長のジョージ医師
ロイス・チャイルズ→昏睡したナンシー・グリーンリー
エリザベス・アシュレイ→ジェファーソン研究所のエマーソン
ハリー・ローズ→精神科医モアリンド
トム・セレック→昏睡した患者ショーン・マーフィー
エド・ハリス→病理科で最初に応対した若い男
ロバート・バートン→病理科の男ジム
フランク・ダウニング→保全管理の中年のオッサンのケリー
マイケル・クライトン監督の演出はよいと思います。
それでは『ウエストワールド』(1973年)と同じ出来なのか?、あまり期待出来ないとなります。
ワーナーホームビデオ
メニュー画面になります。
MGM
オープンカーを運転するジュヌビィエーブ・ビュジョルド扮するスーザン・ウィーラー医師が登場。
クルマはグリーンのMG
タイトル
Martin Erlichman Production
一応マイケル・ダグラスはジュヌビィエーブ・ビュジョルドの次に出ています。
ボストン記念病院。ボストンが舞台なのか。
音楽がジェリー・ゴールドスミスです。巨匠ではないか。
病院からアパートのシーンになっています。
どうやらマイケル・ダグラス扮するマーク・ベローズ医師のアパートのようです。
スーザン・ウィーラー医師が来ています。恋人がマイケル・ダグラスではダメじゃん。
シャワーの順番から口論になっています。
このシャワーシーンですがガラス越しですがおっぱいが見えています。
で、スーザン・ウィーラー医師が帰ります。
自分のアパートに帰宅してるスーザン・ウィーラー医師。
電話がかかってきたけど切れています。
ボストン記念病院にて。
手術中のスーザン・ウィーラー医師。
バキュームで血を吸い取ってる。
マーク・ベローズ医師と話し合いのスーザン・ウィーラー医師。
エクササイズとなります。
知人の一緒に運動中のスーザン・ウィーラー医師。
ロイス・チャイルズ扮するナンシー・グリーリーが登場。
ロッカールームで自分の手術について心配してるナンシー・グリーリー。
ボストン記念病院にて。
ナンシー・グリーリーの手術です。
子宮何とか掻爬でリチャード先生が担当。
見習い医師が2人いて麻酔から研修をやっています。こうすると何をしているか映画を見てる人にもわかりやすくなっています。
リチャード先生の手術となります。ここも研修をやっています。
あそこの手術なので脚は当然拘束されています。ここが見どころではないだろうな。
患者ナンシー・グリーリーの具合が悪くなっています。これは大変。
瞳孔はライトを当てても開きっ放しになっています。反応がない。
原因不明で昏睡=コーマ状態となります。
ICUにて。
マーク・ベローズ医師は自分の患者を診ながら運ばれていたナンシー・グリーリーも気になっています。
内線電話でスーザン・ウィーラー医師を呼びます。
スーザン・ウィーラー医師に内線電話です。
子供の患者に内臓移植の話しをしていました。
ICUにて。
スーザン・ウィーラー医師がやってきます。来たところでどうしようもないけど。
カルテを見てるけど原因はわかりません。
何か普通と手順が少しおかしいようなことも言ってる。
何とか研究室にて。
スーザン・ウィーラー医師が入るともう営業時間の6時を過ぎていたのでここの担当者が床でセックスをしていたようです。まあ小ネタです。
中央コンピュータがサンプル患者を選ぶと聞きます。
中央コンピュータ室にて。
スーザン・ウィーラー医師がコンピュータのエンジニアを質問攻めにしています。
サンプル患者を選ぶプログラムはされていないとのこと。
モニタは黒い画面に緑色の数字やアルファベットが並んでいます。古い。
で、この1年の昏睡者リストをプリントしてもらいます。凄い音を立ててプリントしてるからレーザープリンタでしょう。
モニタもレーザープリンタも当時の最先端機器でした。
そのまま病院で寝てるスーザン・ウィーラー医師。
リストが抜き取られています。やったのはマーク・ベローズ医師です。
で、これは違反だと言われるスーザン・ウィーラー医師。
説明してるスーザン・ウィーラー医師。
次の患者です。
建築家のショーン・マーフィーですとトム・セレックが登場。
トム・セレックの特徴のヒゲをちゃんと生やしています。若いなトム・セレック。
ここにいるスーザン・ウィーラー医師ですが外科部長のハリス博士から呼ばれます。
外科部長のハリス博士のオフィスにて。リチャード・ウィドマークが登場。
直々に呼ばれて説教をされてるスーザン・ウィーラー医師。リストを取り上げられます。
精神科医モアリンドの診察を命じられます。
精神科医モアリンドの診察室にて。黒人の男の医師。
言いたいことを全部言ってるスーザン・ウィーラー医師。
病院内を歩きながら報告となります。
精神科医モアリンドが外科部長のハリス博士に説明しています。
スーザン・ウィーラー医師はストレスと偏執症気味だとか・・
これで元通りの状況のスーザン・ウィーラー医師ですが・・
建築家のショーン・マーフィーが昏睡状態になっています。
ビックリしてるスーザン・ウィーラー医師。
麻酔科部長のジョージのことが話しに出ています。
また気になっているスーザン・ウィーラー医師。
マーク・ベローズ医師に説明をしています。これは偶然だと言ってるマーク・ベローズ医師。
このへんでの判断ですがけっこう面白い。
とても『ウエストワールド』(1973年)の監督とは思えません。
昏睡者リストですがもう手書きで手帳に書き写していたスーザン・ウィーラー医師。
カルテ室にて。
お探しのカルテは全部麻酔科部長のジョージ先生が持っていきましたと言われるスーザン・ウィーラー医師。
麻酔科部長のジョージ先生のオフィスにて。
カルテを見せて下さいと頼むスーザン・ウィーラー医師。
やんわりと断られています。
またマーク・ベローズ医師が余計なことをするなと止めています。
波風を立てるんじゃないと説教しています。
同僚のビルのオフィスにて。
話しを聞きに来てるマーク・ベローズ医師。
今度は説教をされてるマーク・ベローズ医師です。スーザン・ウィーラー医師は厄介者だとハッキリ言われています。
そんなわけでスーザン・ウィーラー医師を何とかしろと言われるだけでした。
ナンシー・グリーリーはジェファーソン研究所に送られたと聞くスーザン・ウィーラー医師。
と、思ったらそうではなく病理科へ移されたとわかります。
病理科にて。
最初に応対した若い男がエド・ハリスのようです。
知り合いのジムにナンシー・グリーリーについて聞いてるスーザン・ウィーラー医師。
脳みそを輪切りにしライトテーブルに置いて調べています。
昏睡状態するにはどうするか?、こうやった方がいいとセリフが少しあったエド・ハリスです。
結局シンプルな手口が1番いいとジム。酸素の代わりに一酸化炭素を使うのがいいとなります。
それでも12件全部手術をした人が違うのでこの線はないとなっています。
外科部長のハリス博士のオフィスにて。
また呼ばれて説教されてるスーザン・ウィーラー医師。
麻酔科部長のジョージが怒ってるとか。
週末は休んだ方がいいと言われます。
帰宅しようとするがMGのエンジンがかかりません。
頭にきてクルマをキックしてるスーザン・ウィーラー医師です。キックでエンジンがかるのはバイクです。
更に頭にきてクルマのソフトトップを叩いてると怪しい男が目に付きます。
地下鉄で帰宅するスーザン・ウィーラー医師。
怪しい男は乗り遅れています。
マーク・ベローズ医師のアパートにて。
ここに来てるスーザン・ウィーラー医師。
TVで野球中継を見ています。当然ボストン・レッドソックスとN.Y.ヤンキースです。
ボストンの選手は背番号27番と14番が見えます。27番がカールトン・フィスクで14番はジム・ライスです。
そんなに気になるなら調べに行こうとまた病院へ向かいます。
ボストン記念病院にて。手術室です。
全く異常がありません。
海岸にて。
スーザン・ウィーラー医師とマーク・ベローズ医師。週末の風景となります。
港町等で快適な週末となっています。
クルマで帰りにて。
ジェファーソン研究所を通り掛かり寄ることにします。
これはスーザン・ウィーラー医師がそのように主張したからです。
クルマはフィアットです。珍しいセレクトです。普通は医者のクルマならボルボかサーブあたりなんだけど。
ジェファーソン研究所にて。
打ちっ放しのコンクリート張りの建物。あまり人気がない。
スーザン・ウィーラー医師が入ると無愛想なナースが出てきます。今日はダメですとのこと。
このナースは誰が演じてる?、→エリザベス・アシュレイ扮するジェファーソン研究所のエマーソン
しょうがないので帰ることにするスーザン・ウィーラー医師。
ボストン記念病院にて。
いつもの仕事の日々になってるスーザン・ウィーラー医師。
設備保全管理の中年のオッサンのケリーから声をかけられます。あなたの言った通りと言ってる。
夜に管理室に来てくれと・・
管理室にて。
ここに入るスーザン・ウィーラー医師。
その前に中年のオッサンのケリーが殺し屋にやられます。何か液体を浴びせられ配電盤に押し付けられて感電死します。
当然病院内は停電になっています。死体を発見してビックリのスーザン・ウィーラー医師。
これはまた随分と手が早い相手側です。
普通を死人が出ると警察沙汰になって大変なんですが、何せ病院なもので死人で出ても問題がないというか平気なんです。結構凄い。
一段落したところでまた管理室に入るスーザン・ウィーラー医師。
怪しげなパイプを発見します。いかにも後付けっぽいパイプがのたくっています。
このパイプをたどるスーザン・ウィーラー医師。
ハシゴを思い切り高く登ってます。スカートでローアングルなので下着が見えています。
ハシゴを登り過ぎて下を見たりしてるスーザン・ウィーラー医師。
パイプは横に延びています。ハシゴから横穴に移ろうとして靴を落としてしまいます。
そうなるともう片方の靴も脱ぎ落とします。
今度はストッキングでは滑るのでパンティストッキングも脱いで落とします。
横穴を進みます。
パイプには制御装置の箱が付いています。
で、パイプの先は当然手術室です。第8手術室。
麻酔科部長のジョージ先生のオフィスにて。
侵入したカルテを調べてるスーザン・ウィーラー医師。
昏睡、ジェファーソン研究所送り、第8手術室、これが共通しています。
結局手術をする人は関係なかったようです。
警備員がノックしています。適当に答えてるスーザン・ウィーラー医師。先ほどのラジオの野球ネタが入る警備員ではないようです。
これはこまった状態になります。飛び出して逃げます。
知人のジェリー・マーカス医師を見つけて一緒にいるスーザン・ウィーラー医師。
殺し屋がうろうろしています。
この殺し屋の俳優はあまり見たことがないのでわからん。
1人になったところで教室のようなところでかくれんぼ状態のスーザン・ウィーラー医師。
ここに入り照明をつける殺し屋。かくれんぼはやめて姿を見せるスーザン・ウィーラー医師。で、小部屋に逃げます。
小部屋から出てきたらいきなり消火器を浴びせています。階段を転げ落ちる殺し屋。
ハンドガンを出してる殺し屋。
解剖室に入るスーザン・ウィーラー医師。
ドアを破って入る殺し屋。
これはお約束なシーツを被ってる死体がたくさんあります。この中にいるのか?、いませんでした。
次は吊るした死体が並んでる冷凍室?
ここにぶら下がっていたスーザン・ウィーラー医師。死体の列を押して殺し屋に次々とぶつけています。その隙に脱出したようです。
いきなりシーンが飛んでいます。
マーク・ベローズ医師のアパートにて。
一生懸命に説明してるスーザン・ウィーラー医師ですけどあまり聞いてないマーク・ベローズ医師。
冷静過ぎる対応なのて何か怪しいマーク・ベローズ医師。
そのうちに内緒で電話しています。これは怪しいとアパートを出るスーザン・ウィーラー医師。
自宅アパートか、どこかのホテルらしい。
ベッドで寝ていたスーザン・ウィーラー医師。飛び起きています。それで全裸で寝ていたのか?
電話して伝言があるか確認しています。現在いるところの電話番号を聞かれているのでホテルらしい。
ジェファーソン研究所にて。
MGで到着するスーザン・ウィーラー医師。遅れて見学ツアーに加わっています。
他のクルマですがAMC・ペーサーが目立ちます。
見学ツアーです。あの無愛想なナースが説明しています。
名札でEM・・と読めます。調べるとElizabeth Ashley ... Mrs. Emersonとわかります。
死体ではなく昏睡状態の患者をワイヤーで吊るしてある部屋に入ります。
大勢の患者が吊るしてあります。床ずれがしないと説明しています。メリットはそれだけかい。
見学ツアーはこれで終わりです。早い。
他の方々はパンフレットを貰って帰ったようです。
当然スーザン・ウィーラー医師は残っています。
オフィスにて
ナースのエマーソンとコンピュータ担当のノーマンが仕事中。
ナースのエマーソンはナースではなくここの所長のような感じです。
仕事は臓器の競売です。ネットを使ってやっています。まだ電話回線かもしれないけど。
手術室に潜入するスーザン・ウィーラー医師。
ここでは昏睡したトム・セレックが臓器を摘出されています。
で、オフィスでは摘出したばかりの臓器を競売にかけています。
何だかこれまでミステリアスな話しだったのがいきなり俗っぽくなっています。やはりカネかい。
警備員詰め所にて。
駐車場にまだMGが残ってることが発見されています。残ってる者がいる捜せとなります。
捜せではなく捕獲せよとなっています。そうなると捕獲されたら速攻で臓器摘出になるのか?と思わせます。
建物内を走って逃げてるスーザン・ウィーラー医師。
どうやって逃げる?、何処かの部屋に入ってガラスを割る音がします。
警備員達が入り窓が割れてるので外を探します。実はスーザン・ウィーラー医師はこの部屋の天井裏に隠れています。
外へ行くと見せかけて中にとどまってるという作戦でした。なるほど。
天井裏を移動してるスーザン・ウィーラー医師。
例の昏睡状態の患者達が吊るされてる部屋の上に来ています。
で、天井裏にある吊るす治具に触れてしまい1体だけが揺れてる状態になります。
ナースのエマーソンが接近してきます。それでも警備員が触れたと思ってるらしく天井裏までは見ていない。
救急車が到着しています。
この救急車は患者ではなく臓器運搬車でした。
上手いとこ移動したスーザン・ウィーラー医師が臓器入りの箱を開けて確認しています。
箱にはちゃんと human transplant organs と表示されています。妙なとこが律義です。
で、発進してる救急車。スーザン・ウィーラー医師はどうやったのかわかりませんが救急車の屋根の上にしがみついています。これで脱出です。
何というかとても素人とは思えない行動力です。
ボストン記念病院にて。
戻ってるスーザン・ウィーラー医師。病院に戻っても何も出来ないと思えるけど。
エレベーターでも怪しい雰囲気になっています。
外科部長のハリス博士に直訴となります。
で、話しを聞いてわかった、酒でも飲んでくれとなって飲んでるスーザン・ウィーラー医師。
何だか体調がおかしくなってる感じのスーザン・ウィーラー医師。
壁に掛かってる免状でハリス博士のファーストネームがジョージだとわかります。
酒に睡眠薬ではなく腹膜炎を起こす薬がしこまれていたらしい。
で、正体を表わす外科部長のハリス博士。第8手術室で盲腸の手術をやろうとなります。ついでに昏睡状態にするつもりらしい。
第8手術室にて。
手術の準備になっています。ナースから医者の患者が1番面倒だと言われてるスーザン・ウィーラー医師です。何だか凄い言われようです。
側にはマーク・ベローズ医師がいます。付添でもやるようです。ここまで全く役にたっていないマイケル・ダグラスです。
ポケベルが鳴ります。内線を取って自分の患者を診に行くとマーク・ベローズ医師。
この様子だとどうやらマーク・ベローズ医師は一味ではなく単に事情を知らないだけのようです。ようやくわかりました。
小ネタが入ります。
違う手術室にして下さいとなるが第8手術室ではないとダメだと主張してる外科部長のハリス博士。
さすがにマジになって管理室に入り例のパイプを探してるマーク・ベローズ医師。
手術が終わるのが先かとのカットバックとなります。
ハシゴのとこにストッキングがぶら下がっています。
ここを登るマーク・ベローズ医師。登って横穴に入ります。
ようやく制御装置の箱を見つけます。こう見るとロッドアンテアが付いてるのでラジコンでコントロールしてるようです。
で、制御装置を壊すマーク・ベローズ医師。
第8手術室にて。
スーザン・ウィーラー医師が昏睡か?、気がつきました。無事です。
これには驚愕してる外科部長のハリス博士。
駆けつけたマーク・ベローズ医師に手術はやめてと言ってるスーザン・ウィーラー医師。心配ないと言うマーク・ベローズ医師
手術室の外には警官が来ています。
外科部長のハリス博士にオフでご同行下さいと声がかかる。
エンドとなります。
そんなわけで病院は物騒だなと面白いよい作品でした。
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コーマが取り上げられているなんて、驚いてブログ訪問しました。こん睡状態の人間多数が、ワイヤーで吊れているシーンは忘れられません。ありがとうざいましたヽ(´▽`)/。
投稿: キハ58 | 2011.10.15 20:21
キハ58さん、コメントありがとうございます。
感想にも書きましたが、こん睡状態の人間をワイヤーで吊るメリットが床ずれがしないというのには、いきなり俗っぽくなって見ててずっこけました。
それでも『コーマ』は意外と面白かったです。この作品のファンは結構多いのかもしれません。
投稿: ロイ・フェイス | 2011.10.16 19:24
マイケル・クライトン監督の「コーマ」を紹介されていますので、コメントしたいと思います。
ジュヌビエーブ・ビュジョルドの健気な頑張りが楽しめる医学ミステリーの映画化 でしたね。
この映画「コーマ」の原作は、ロビン・クックの医学ミステリーで、脚色と監督は、アクション小説を書き、SF小説も書き、医学ミステリーも書くベストセラー作家で医学博士でもある才人マイケル・クライトン。
ヒロインは、ボストン記念病院に勤める若い外科医(ジュヌビエーブ・ビュジョルド)で、高校時代からの親友が、簡単な手術なのに麻酔から醒めず、コーマ(昏睡)の状態のまま、死んでしまいます。
そして、次の日にも若いスポーツマンが、手術の原因不明の失敗でコーマに陥り、ジェファースン研究所という、植物人間の療養施設に送られます。
これらの事に不審の念を抱き、過去にコーマの患者が意外に多いのを知って、原因究明に乗り出す女医のジュヌビエーブ・ビュジョルド。
越権行為だと怒られたりしながら、それでも調査を続けると、命を狙われて、夜更けの病院内を必死で逃げ回ったり、換気口の長い梯子をよじ登ったり、果ては救急車の屋根に腹ばいになって逃走したりと、まるで女ジェームズ・ボンドといった大活躍をするので、楽しくてしかたありません。
しかも、このビュジョルドさん、小柄な体に思い込んだら命がけという、ヒステリックな目つきをして脅えながら走り回ったりするので、もうその健気で必死の頑張りには、手に汗を握ってハラハラしながら、応援したくなってきます。
彼女がほとんど出ずっぱりのひとり舞台なので、おかげで他の俳優さんたちは、演技のしどころがなくなって、気の毒になってきます。
彼女には同じ病院に勤める外科医の恋人(マイケル・ダグラス)がいて、彼女の引き立て役的な存在です。
そして、外科部長になるリチャード・ウィドマークが、なかなかいい味を出していて、老優、衰えず、さすがの存在感を示しています。
マイケル・クライトン監督の演出は、前半部分がかなり単調で、ラブシーンもどことなくぎこちない感じですが、さすがにスリラーとしての場面では、冴えた演出をしています。
ビュジョルドに情報を提供しようとした機械室の職員が、電流で殺されるシーンは、ハッタリが効いていて、なかなか凄まじいものがあります。
その犯人に追いかけられて、夜更けの病院内を逃げ回ったあげく、ビュジョルドが必死の反撃をするシークエンスが特に素晴らしい。
それが三分の二あたりまで進んだところで、次にジェファースン研究所へ入り込むシークエンスは、コーマの患者をワイア・ロープで吊って、宙に寝かしてある病室が、SF的風景で非常に面白いのですが、ここでの追いかけ回されるサスペンスは今一の感があります。
そこで、最後に真相がわかって、ボストン記念病院でのクライマックスになるわけですが、そこのサスペンスの演出もやはり今一なので、映画全体として尻すぼみの感じがします。
もし仮に、アルフレッド・ヒッチコック監督だったら、もっとうまく演出するのになあ---などと無いものねだりをしながら観ていました。
しかし、病院内をビュジョルドが逃げ回る場面では、拳銃を持った相手を、彼女が死人の応援でやっつけるというところは新手の手法で、一見の価値がありましたので、このようにもっと映画の細部にまで気を使って、小味なスリラーに徹すれば良かったのに、マイケル・クライトン監督のハッタリ性が、邪魔をしたような気がして残念でなりません。
投稿: 陽炎 | 2023.04.06 22:53
陽炎さん、長文のコメントをありがとうございます。
ジュヌヴィエーヴ・ビジョルドは若い頃は可愛いし歳をとってもいい感じです。
出演作は結構見ています。
『まぼろしの市街戦』(1966年)→とても若くて可愛いです。
『愛のメモリー』(1976年)→親子2役を見事に演じてます。
『タイトロープ』(1984年)→長身のクリント・イーストウッドと並ぶと小さいです。
『氷の接吻』(1999年)→主役のアシュレイ・ジャッドの正体を知る医者の役です。
そんな感じでどの作品のジュヌヴィエーヴ・ビジョルドも魅力的です。
手短な返事になりますがご了承ください。
投稿: ロイ・フェイス | 2023.04.08 17:44