『キング・コーン 世界を作る魔法の一粒』
この作品はアーロン・ウールフ監督、アン・チーニー、カート・エリス出演のコーンに関するドキュメンタリーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
2007年 ITVS television's independent voice/Balcony Releasing/Mosaic Films inc アメリカ作品
ランニング・タイム◆88分
原題◆King Corn
プロット◆自分でコーン農業を実践したりする話しのようです。
音楽◆不明
スカイパーフェクTV e2 CS342 ヒストリーチャンネルにて。画質は普通です。スクイーズ収録録画でフル表示にすると上下左右に大きく黒味があるのでHDズームにする。そうすると上下左右黒味無しになります。フルスクリーン。
キャスト
イアン・チーニー→ボストンからアイオアヘ行くイアン・チーニー本人
カート・エリス→ボストンからアイオアヘ行くカート・エリス本人
アーロン・ウールフ監督の演出はよいと思います。
全体的に無難にまとめているけど特に目新しいとこや上手いとこはありません。
ITVS television's independent voice
Balcony Releasing (2007) (USA) (theatrical)
Mosaic Films inc
アーロン・ウールフ、カート・エリス、イアン・チーニー
マッコー地球科学研究所にて。
スティーブマッコー博士をカート・エリス、イアン・チーニーが訪ねます。
親より子供の寿命が短くなるのは食事が原因だとのことです。
髪の毛を調べます。髪の毛には食べたものの履歴が出るらしい。
で,2人の髪の毛はトウモロコシで一杯だそうです。正確には原料のコーンのことで、高果糖コーンシロップで一杯です。甘味のことです。
あらゆる食べ物に高果糖コーンシロップが使われてる云々・・。
King Cornのタイトルが入ります。
アイオワ州グリーン フロイド通りのパイアット様宛てに手紙が届く。
差出人はカート・エリス、イアン・チーニーです。
クルマで出発するカート・エリス、イアン・チーニー。
MLBボストン・レッドソックスのホームスタジアム フェンウェイパークの外観が見えます。ですからここはボストンです。
クルマはダッジ・ラム。ピックアップのライトトラック。荷台に屋根を付けてます。
マサチューセッツ州からアイオワ州までクルマでどれくらいかかる?
1600kmだと字幕で出てる。1000マイルです。
アイオワには雪が積もっています。
カート・エリス、イアン・チーニーは畑を借りる手続きをしています。
チャック・ライアットさんに聞いてます。地主なのか?
アイオワ州グリーン、人口1050人。典型的な農業の町だそうです。
2人のことはあっという間に知れ渡ります。そりゃそうです。村社会ですから。
葬儀社経営のジャック・リードに先祖の墓へ案内されます。
2人とも先祖がここの町にいました。
農協のコーンを保存するエレベーターが見えます。
コンクリート製の巨大な塔で、この町の象徴だそうです。
エレベーターに入りきらないコーンが臨時の倉庫のようなところに保存されてて、これも凄い量になっています。
1月
アイオワ大学、農学者リカルド・サルバドール先生の話しです。
コーンはメキシコからアイオワへ。地図にコーン粒が動いて説明となります。
イエローデントという種類が広まったとのことです。
で、町にはコーン成金の御殿があります。
2月
まだ雪が積もっています。
まずはコーンのお勉強から入る2人。
コーン、1エーカー、この条件で話しに入る。
手続きもあります。アンケートもあります。助成金が出るらしい。
どうやら助成金でも結構な儲けになるらしい。コーンの収穫量が多ければ・・
親戚を訪問してる2人。チーニー家の親戚らしい。
供給を制御して高値を保つ。
昔から基本的にはそういうことらしい。
そんな感じで他の畑もみんなコーンになってしまったそうです。
バーの雑談にて。
小さい畑を大きな農場に吸収される。小さい農家は追い出され大きい農場主はもっと大きくなるそうです。
3月
雪はようやくなくなりました。
化学肥料を買いに行く2人。
アンモニアの肥料がここの標準とのことです。これがトレーラーに乗ってるタンクです。量もそれなりに多いわけです。
トラックで引いて帰ります。
ところで主人公の2人はMLBボストン・レッドソックスの帽子を被ってます。
なるほどボストンなわけです。
農業従事者リック・ジョンソンから説明を受ける2人。
まずはトラクターの運転から入る。下手くそな運転で呆れられています。
で、トラクターで無水アンモニア68キロの肥料を撒いています。人手は全く使いません。
保存エレベーターの近くにコーンの山があります。そのまま山にしてあるだけです。炭坑のぼた山のようになっています。雨は降らないのかと余計な心配をする。
4月
農場には昔からあるトラクター。その歴史が紹介されます。
馬からトラクターが導入される。これがミニチュアのコマ撮りで説明されています。
1人あたり1000エーカーを担当するのが当たり前だそうです。
農家が統合されて農場になる。人家が無くなればトラクターも動きやすいとのこと。
5月
まだコーンは植えていない。
リバティリンクコーンという種類を植えるようです。
もちろんトラクターで植えます。種まき治具に種を入れます。で、トラクターが走ります。これだけです。
とにかく何をやるにもまずはトラクターでやるようです。
ところでこの2人はトラクターはレンタルなのでしょう?、中古でもトラクターを買っていたら破産すると思う。
種まき3万1千粒。1エーカーが18分で完了だそうです。
そう考えると楽といえばそんな仕事なようです。
地元の店のおばさんが町の人達は時間を持て余してると言ってます。
そうなると何しろボストンなので暇があると2人で野球ごっこをやっいています。
カリフォルニア大学、M・ポーラン先生の話し。
コーンは産業になった。1エーカーで収穫量が5トン?と言ってる。
畑にて。
スティルカメラを据え付けています。雨よけのカバーを設置している。
これは定点観測用のカメラをセットしてるようです。
その定点観測でのスティル画像のモンタージュとなります。
芽が出ます。段々と成長していくわけです。
6月
スプレーの季節。
アブラムシを退治する化学薬品を散布します。
雑草で大麻が生えている話しになっています。気持ちよくはならないとのこと。
で、コーン畑にも雑草は生える。で、専用の化学薬品を散布するわけです。
遺伝子操作でこの化学薬品には大丈夫なコーンを植えたので、この化学薬品を散布すればコーンだけは無事であとの雑草は一掃出来るとのこと。何となく凄い。
先輩に教えられながら散布しています。夜中に散布するのはこのドキュメンタリー撮影の都合で普通はやらないらしい。
ところで畑にトラクター用の道はないようです。コーンの間を走るみたい。
それで大丈夫らしい。だいたいアメリカ人が面倒なことをするわけない。
雨が降っています。だから夜中に散布したらしい。
スティル画像のモンタージュでどんどん成長していきます。
7月
だいぶ成長しています。
小麦ではなくコーンです。今頃そんなことを思いついた。何しろこのドキュメンタリーはコーンだけで小麦のことは全く出しません。
親戚のブルースがやって来ます。農業の先輩らしい。
町のお祭りにて。
ハンバーグを焼いたり、パレードがあったり。
トラクターのパレードになっています。先頭のオープンカーだけはマツダ・ロードスターです。日本のクルマが画面に映ってもハリウッドメジャー作品ではないからカットされません。
飛行機で飛んで畑を見ています。
見渡す限りコーン畑です。
8月
そろそろ収穫か?
味見をしています。生でかじっています。不味いらしい。
そもそもこのコーンは食用ではなく加工食品の原料だそうです。
コーンですが保存エレベーターに集結してそれぞれの目的地に貨車列車で運ばれるようです。そんなわけで2人が収穫したコーンがどこへ行くかは特定出来ないそうです。
それではこのドキュメンタリーの意味がなくなります。このドキュメンタリー作品存亡の危機に立たされてる2人です。
4500キロのコーンが何になるか?
燃料になる。
甘味料になる。高果糖コーンシロップです。
半分が飼料になる。主に牛用らしい。
地図を使って説明となります。牛の飼料になるコーンは?
コーンを食べた牛は長生きしない。食肉用なので別に構わないらしい。
コロラド州 レイにて。
牧場にて。牛がいます。ブレッドソー・キャトル・Co.にて。
食肉用の牛が大量にいます。1万4千頭から1万6千頭だそうです。
これでもコロラドでは普通の牧場だと言ってます。
牛の飼料用のコーンも作ってるとのことです。
畑に物凄く長いパイプがあったけどこれは肥料等を散布する大掛かりな仕掛けでした。
牧草を食べると牛の育成に何年もかかる。コーンなら短くなる。
最近では牛は牧場ではなく飼育場で育てる。動かないので牛は太ります。別に構わないのか?
牛の飼料がコーンだけではよくないと言ってる他の牧場主のシーンが入ります。
牛の胃の中を直接見てるシーンです。
アイオワ大学のアラン・トレンクル先生が説明しています。
昔は牧草で穀物は食べさせなかった。最近はコーンばかり。
コーンの食べ過ぎで牛が病気になる。その対策でコーン飼料に抗生物質を混ぜる。典型的な悪循環です。
で、飼育場からでる廃棄物も問題になってるそうです。
コーンは安くて高カロリーな飼料らしい。
先生はコーン飼料の牛は野生の牛の肉とは違うと言ってます。
ハンバーガーショップに行く2人。
チーズバーガーをを注文します。この肉はホトンドが脂肪だそうです。
牧草が飼料の牛は高価だそうです。コーン飼料の牛は当然安い。安い方が売れる。だからコーン飼料を使っているんだと牧場主のシーンが入ります。
9月
古いコーンを保存する建物を取り壊し現場にて。
燃やして取り壊すらしい。消防車が待機してて燃やしながら放水しています。
回りに見物人がいます。
ミニチュアでコマ撮りの説明が入る。
耕作地が増えたのは政府の方針でした云々・・。
甘味料の開発の話しになります。高果糖コーンシロップのことです。
工場に電話してアポを取ってるがどこの工場でも断られてます。
で、コーンシロップの広報担当のような女性と面会しています。もちろん都合のいいことしか言いません。
電話でコーンシロップの製造法を聞いています。
で、2人でコーンシロップ作りを実践しています。
何とか出来たようです。たいしたものです。味見しています。
加工食品用砂糖は高果糖コーンシロップになってるそうで、何しろ安いのがポイントらしい。そんな感じでシェアを独占してるそうです。
収穫となります。
農家の先輩が収穫の予想をしています。
コーンスターチの大量生産の説明が入ります。
コーン1粒の構成で黄色がスターチ、青が蛋白質、大部分が黄色のスターチです。
基本的には栄養価はない。代謝にも悪く、カロリーもない。取り柄は甘いだけらしい。
70パーセントが飲み物の甘味になるとのことです。
ニューヨーク、ブルックリンにて。
ブルックリンで大量の炭酸飲料が消費される。
タクシー運転手の話です。ペプシかコカコーラは区別するがコーンシロップのことは気にしない。
ハーバード大学の先生の話し。
20年ぐらい前から人々は飲み物からカロリーを取るようになった。
タクシー運転手ですが昔は太っていた。炭酸飲料を飲むことをやめたら痩せた。
で、糖尿病になると言ってる先生のショットが入る。
糖尿病の説明です。
ブルックリン病院の女医さん2人の話しです。
糖尿病は治らないとのことです。最初からカマしています。現実は厳しいな。
安い食べ物は健康に悪い。炭酸飲料が最も悪い。こんな感じの主張でした。
タクシー運転手のオヤジは糖尿病で指を切断したとか。
マクドナルドを食べることは、コーンを食べることです。
コーンで育った牛肉。
炭酸飲料は高果糖コーンシロップ入り。
フライドポテトもカロリーの半分は揚げてるコーン油から。
みんなアイオワのコーンです。
ところでこの作品でマクドナルドの看板がバッチリ出てるけど揉めなかったのか?
10月
知り合いを訪ねて収穫の話しになります。
地元の農家はコーンなんて食べない。コーンは売るだけだそうです。
農業協会エレベーター会社。
ここにコーンを持ってくればおカネになるということらしい。
コスト計算をやっています。
どうやら赤字になったようです。
農家の先輩から助成金で何とかなるよと言われます。
結局助成金頼りとなるようです。この町の最大収入源が助成金らしい。
先輩は政府が助成金を出さなければ誰もコーンは作らないと言ってます。実際そんなものらしい。
R・バッツ元農業長官が1970年に改正したのがそもそもの原因らしい。
スーツで決めてR・バッツ元農業長官を訪ねる2人。
もうだいぶ老人になってるR・バッツ元農業長官。それでもちゃんと面会はしています。
一応コーンの過剰生産のことを突っ込んでる2人。
結論は昔より農業生活が豊かになったからいいじゃないかとなっています。
その副産物として消費者の人々が肥満と糖尿病となったわけです。
このR・バッツ元農業長官は電動車イスで移動しています。
夜は畑にて。
取っ手の長いランタンをぶら下げています。ホワイトガソリン燃料のランタンです。燃える音がちゃんとしています。この「シューッ」という音がいいんです。
畑で一晩過ごす2人。夜が明けます。
11月
刈り取られていない部分があるコーン畑。
トラクターで刈り取ります。刈り取りから1粒にするのをトラクターだけでやっています。なるほどこれなら楽で効率がいい。
ライトトラックの荷台にコーンをそのまま積んでいます。これはドキュメンタリー向けの演出なのか?
昔は100キロで豊作だったのが今は5000キロも収穫出来る。これが平均とのこと。
そんなわけでコーン栽培は素人が始めてやっても大丈夫だったようです。
畑にて。
知り合いがそろってワインで乾杯となります。
素人でもちゃんと出来たので乾杯となったようです。
ライトトラックに積んだコーンを運びます。コーンを積んだトレーラーも引いてます。
保存エレベーターに着きます。
荷台のコーンを吸い取って、トレーラーのコーンは落として回収しています。
6ヶ月後
オークション。この町の農家が農業を畳んで出て行くので開かれてるオークションです。
もう随分と歳をとってる農家です。もう引退してフロリダにもでも行くのか?
カントリーソングが流れます。
また2人の野球遊びのシーンになります。
エンドとなります。
誰か関係者が亡くなったようで、そのクレジットも入っていました。
そんなわけで一発アイデア倒れになりかけましたがよい作品でした。
農業だけではなく何の仕事にしても結局借金させて働かせる、これが基本かい。そんなことを思いついた。
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