『最後の億万長者』(1934年)
この作品はルネ・クレール監督の風刺コメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1934年 フランス作品
ランニング・タイム◆91分
原題◆Le dernier milliardaire
プロット◆利用したつもりが利用された話のようです。
音楽◆モーリス・ジョベール
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質はそれなりに悪い。
キャスト
マルト・メロー→カジナリオの女王
ルネ・サン=シール→イザベル王女
ジョゼ・ノゲ ロ→宮廷楽団の指揮者
マックス・デアリー→バンコ氏
マルセル・カーペンティア→ブラウン探偵
この作品はルネ・クレール監督のコメディということで見ました。
ルネ・クレール監督の演出はまあまあだと思います。
あるとこにあるカジナリオ王国が舞台です。モナコがモデルだそうです。
景気の良い前説で始りますが実情はそうでもないとなります。
実際にはカネが尽きて物々交換になったカジナリオ王国は王女の結婚を餌に銀行家バンコ氏の資金を得ようと画策しますが・・・
バンコ氏は民衆への挨拶ついでに何をどうやったのか権力を手に入れます。
そうはさせじとバンコ氏襲撃をする2つのグループが鉢合わせとなり、何も起こらずとなるとこをバンコ氏お付きの探偵が余計なことをしてバンコ氏は気が狂ってしまい国中大混乱となります。
で、気が狂ったバンコ氏暗殺を企てますがアタマを殴るだけになってしまいバンコ氏は元に戻ってしまいます。
元に戻った時は既に情勢は変わりバンコ氏は破産していた・・・
で、バンコ氏は王女ではなく女王と結婚して年金を当てにするとなります。
オチはフランス風に皮肉を効かせてあるようです。これをフランスのエスプリというのか。
全体的に風刺が効きすぎてギャグの切れ味が鈍っているような感じ。もう少しとぼけた感じになっていればと思いました。
同じクレール監督の『奥様は魔女』(1942年)では何故か18世紀の処刑場でポップコーンを売ってるギャグがありましたがこういう感じなのがよかったりします。
同じ曲が何回も繰り返し使われています。
指揮によってテンポが変わるギャグとなっています。
物々交換ではニワトリで払っておつりにヒヨコと卵で受け取るとか軽いギャグがありました。これはまあまあ。
カジナリオ王室楽団の指揮者といい仲のイザベル王女ですが、実は指揮者とイザベル王女は内密の結婚生活3年で子供も2人いましたとのこと。
この作品はドイツの大資本家クルップとヒットラーのことを風刺しているそうです。
それほどアイロニーは感じませんでした。よくわからんというのが正直なとこです。
そんなわけでルネ・クレール監督してはまあまあな出来の作品でした。
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