『最高殊勲夫人』(1959年)
この作品は増村保造監督、若尾文子、川口浩主演のロマンティック・コメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1959年 大映 日本作品
ランニング・タイム◆95分
プロット◆結局結婚してしまう話しのようです。似たような話しでラストでアメリカに行くのは何の作品でしたっけ?→『美貌に罪あり』(1959年)みたいです。
音楽◆塚原哲夫
パーフェクTV261にて。画質はまあよい。
キャスト
若尾文子→野々宮家三女 野々宮杏子
宮口精二→父 野々宮林太郎
滝花久子→母 野々宮杉子
亀山靖博→長男 野々宮楢雄
川口浩→三原家三男 三原三郎
丹阿弥谷津子→一郎夫人の三原桃子 元野々宮家長女
船越英二→三原家長男 三原一郎
近藤美恵子→二郎夫人の三原梨子 元野々宮家次女
北原義郎→三原家次男 三原二郎
金田一敦子→大島商事社長令嬢の大島富士子
柳沢真一→富士子の兄 大島武久 TVプロデューサー
東山千栄子→富士子の母 大島千代子
八潮悠子→芸者ポン吉
小林勝彦→宇野
野口啓二→野内
三宅川和子→岩崎豊子(三原商事社員)
市田ひろみ→舟橋邦子(三原商事社員)
小山慶子→夏木久子(三原商事社員)
三角八郎→大島商事の若い社員
金沢義彦→大島商事給仕
水木麗子→女給あけみ
夏木章→テレビプロデュサー
藤巻公義→テレビ・フロア・マネージャー
渡辺鉄弥→テレビ主演俳優
伊達正テ→レビ俳優A
湊秀一→テレビ俳優B
本山雅子→テレビ俳優C
島田裕司→テレビライター
中根勇→テレビ演出部員
米沢富士雄→眼鏡の社員
小山内淳→ぎょろ目の社員
高村栄一→大平化学社長
渡辺久雄→経理部員A
井上信彦→経理部員B
村上文二→経理部員C
三島愛子→宿の女中
杉森麟→書道の先生
松村若代→あんみつ屋のおばさん
小笠原まり子→ロカビリーの少女
高田宗彦→ロカビリーの司会者
飛田喜佐夫→井上
山口健→結婚式場の進行係
潮万太郎→演説するひげの紳士
増村保造監督の演出はよいと思います。
全体的に何てことはないプログラムピクチャーです。それでも立派なロマンティック・コメディになってるのがいい感じです。
増村保造監督独特の乾いたタッチはもうこの頃からあります。
この作品はまだ例の独特のセリフ回しの喋り方にはなってないけど。
タイトルデザインは凝っています。
ビルをバックに名前の色違いとか窓を原稿用紙のますめに見立てて配置していい感じです。師匠の市川崑監督作品かと思わせます。
ちゃんと川口浩と若尾文子を左右に分けて登場させてます。
セリフもいい。テンポもいいということない。設定もいい。
電話の会話を盗み聞きする交換手のアップあり。このようなお遊びショットもいい。
川口浩はいい。増村作品の男優では1番だと思います。
船越英二は史上最良のサポートです。この頃は俳優としての能力を十二分に出し切っていたと思う。いい時期だったようです。
若尾文子の親父役は誰?→宮口精二でした。名優ではないか。全体的にキャストは非常にいいです。
この当時はオフィスレディではなくビジネスガールといってます。ビジネスガールは売春婦のことなので死語にしたようです。
ロケの風景。丸の内ロケ等で当時の風景風俗の映像が見れます。
東京駅のすぐそばにあるビルの屋上も出てきました。これが丸ビルなの?
丸の内に路面電車が走ってました。他にも聖橋下の外堀通りにも路面電車が走っていました。
ディテールで・・・
当時のTVセットがあった。でもこれはとても写りそうにもなくダミーに見えます。
鬼怒川はこの頃からもう観光地として完成してたようです。
プロローグ
野球ネタから『最高殊勲夫人』についての説明が入ります。
若尾文子扮するヒロインの野々宮家三女の野々宮杏子の2人の姉はそれぞれ三原家の男と結婚しています。
ですから次は野々宮杏子の番だということになります。3人目が結婚に成功すればトリプルプレイが完成となると意気込んでる姉2人。どういうロジックなんだと面白い。
もしかして男が女に捕まってアウトとなるのか。それならロジカルです。
勧められるとかえって反発するもので「絶対に三原家の男とは結婚しない」と宣言する野々宮杏子となります。
こういうのがロマンティック・コメディのルーティンでいい感じなのです。
三原商事の社長秘書に就職した野々宮杏子には色々と男が言い寄ってきます。
川口浩扮する三原家三男 三原三郎にも婚約者の大島富士子がいたりします。この顛末もアッサリしていい感じなんです。
船越英二扮する三原家長男 三原一郎が温泉にて浮気をしようとしたり。他にも色々とありますが、結局、野々宮杏子と三原三郎は結婚するのでした。
そしてプロローグに戻ります。3回目の結婚式。
これでトリプルプレイが完成となるそうです。あくまでも野球ネタになっています。
そんなわけで普通に出来たロマンティック・コメディのよい作品でした。
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