『紳士協定』(1947年)
この作品はエリア・カザン監督、グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア主演の社会派ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1947年 20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆118分
原題◆Gentleman's Agreement
プロット◆ユダヤ人を名乗って色々とある話しのようです。
音楽◆アルフレッド・ニューマン
キャスト
グレゴリー・ペック→人気ライターのフィリップ 通称フィル
ドロシー・マクガイア→ミニフィの姪キャシー
ジョン・ガーフィールド→ユダヤ人のデビッド
アルバート・デッカー→週刊スミスの編集長ミニフィ
セレステ・ホルム→出版社の同僚のアン
アン・リヴェール→フィルの老いた母
ディーン・ストックウェル→フィルの幼い息子トミー
ジェーン・ワイアット→キャシーの姉ジェーン
20世紀フォックスにしてはキャストが豪華です。
エリア・カザン監督の演出はまあよいと思います。
ユダヤ人の気持ちを知るにはユダヤ人と名乗ればいいと気がつくのに30分もかかるのか、それは長過ぎなのでは思えてしまった。演出がイマイチなのかもしれない。
全体的に演出はさすが元は舞台の監督なので俳優の演技力で見せるようになってます。
出来るだけカットを割らずに俳優の演技、表情で描写しているようです。
紳士協定とはこの国での行政指導と同じようなものなのか?
でもこの作品は批評はよくなかったとおもえます。ユダヤ人差別がこんなことでわかるのかとか、きれいごとだとか色々言われたことでしょう。
ユダヤ人のことをやっぱり「ジュー」と言ってます。
このような言い方はてっきり『マーラー』(1974年)だけかと思っていたから意外でした。ケン・ラッセル監督の趣味でそのように言わせているんだと思っていました。
作品としてはごく普通のメロドラマでまとまっている感じです。
描写バランスもまずまずでラストは盛り上げて終わらせています。この作り方には感心する。ちゃんと娯楽作として作り上げているからです。さすがダリル・F・ザナック製作となります。
ユダヤ人差別をテーマに取り上げたのは話題になるから、ただそれだけってのがホントだったようです。ダリル・F・ザナックの伝記『ザナック ハリウッド最後のタイクーン』に書かれたいた通りの出来でした。
キャストで・・・
グレゴリー・ペックは大根との評判ですが私にはいまだにわかりません。
但し瞳に表情が無いってのにはなんとなくそんなものかなと思えたりする。それでもごく普通のスター俳優だと思えます。
ヒロインを演じるドロシー・マクガイアはきれいに撮れています。
ジョン・ガーフィールドは何となく印象的な名前です。
ディーン・ストックウェルはまだ子役です。凄くキャリアの長い俳優なのです。
この作品は20世紀フォックスなのにポール・ダグラスが出てません。ポール・ダグラスはこの時期の20世紀フォックス作品によく出ていました。
セレステ・ホルムの方はは出ていた。フォックスのサポート専門女優です。
この作品を『十字砲火』(1947年)と混同してて、どうしてこんなに長いランニングタイムなんだろうと思って見てました。損をした。
そんなわけでそくなくまとまっている普通の作品でした。
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