『アイアン・ジャイアント』(1999年)
この作品はブラッド・バード監督の少し反戦のメッセージが入ってるロボットアニメのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1999年 ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆87分
原題◆The Iron Giant
プロット◆正体不明のロボットがやってくる話しのようです。
音楽◆マイケル・ケイメン
ワーナー発売のDVDにて。画質は非常によいです。
声のキャスト
イーライ・マリエンタール→主人公の少年ホーガース
ジェニファー・アニストン→少年の母アニー・ヒューズ
ハリー・コニックJr.→芸術家でスクラップ屋のディーン・マックコッピン
クリストファー・マクドナルド→悪役の政府役人ケント・マンズリー
ジョン・マホニー→司令官
M・エメット・ウォルシュ→目撃者の漁船の老人スタッツ
ビン・ディーゼル→ロボットのアイアン・ジャイアント
ブラッド・バード監督の演出はよいと思います。
人工衛星スプートニクが地球の周りを回っている1957年が舞台。
出だしの嵐のシーンは『パーフェクト ストーム』(2000年)みたいで、漁師の老人が目撃するシーンは『GODZGILLA ゴジラ』(1998年)みたいになってて、これで大丈夫なのかい?と心配しましたが、その後は手堅くまとめられてクライマックスもしつこくなくあまり臭くないのがよかった。ここをこってりやられると見てて辟易するんです。
アニメの動きは実にスムーズでした。
で、フルアニメの気持ち悪さが少なめになっているのがよかった。私は国産のリミテッドアニメに慣れすぎててフルアニメのブルブルと震えるように動くのは何だか不定形な感じがして苦手なんです。フルアニメを見てるといまにも何か別な物に変形しそうな感じします。
主人公の男の子で、美しい母がいて、若い男がいる。悪役の男もいました。わかりやすくていい。
その悪役の政府の役人ケント・マンズリーは出番が多く、悪役を一手に引き受けていました。件のロボットはアメリカ製ではないからいけないとなっていました。どういうロジックなのかと興味深い。
アイアン・ジャイアントは自己修復機能があるロボットとなっていました。
そんな感じでごく普通の正体不明のロボットでした。
劇中のTVで放映といっても実写をわざわざアニメで描写したのは『顔のない悪魔』(1958年)のようです。この作品は有名なの?
声のキャストが豪華でした。
若い母のVCジェニファー・アニストンの映画デビュー作『レプリコーン』(1993年)は見ていたりします。
司令官のVCジョン・マホニーはアメリカの小林昭二といった印象があります。
何かの作品でジョン・マホニーの日本語吹き替えを小林昭二が担当していたのがピッタリと合ってました。
政府の役人ケント・マンズリーの声を担当しているクリストファー・マクドナルドは『テルマ&ルイーズ』(1991年)でのジーナ・デイビスの暴力亭主をやっていた人で似たような役が多いのでちょうど合ってます。
芸術家でスクラップ屋の男の担当のハリー・コニックJr.は無難にこなしていました。アメリカのアニメは歌が付き物なのでハリー・コニックJr.自慢の歌でも出るのかと心配しましたが歌はなかった。よかった。
この話しではタカ派の方々には評判が悪いでしょう。
キャラクターデザインがイマイチです。少年があまり可愛くない。
プロローグ
1957年 人工衛星が飛んでいます。ソ連が打ち上げたスプートニクでしょう。
隕石が地球に向かっています。
メイン州沖合いに落ちます。
漁船のアナベル号が嵐で遭難しています。灯台かと思ったらロボットと衝突する漁船。
この漁船の老漁師は驚愕しています。沈没する漁船。
漁船から転落して海中の老人ですが、気がついたら灯台の側にいました。何かに運んでもらったようです。
郊外の小さな町ロックウェルにて。
自転車の少年ホーガースがママが勤めるダイナーに向かう。
前衛芸術家のディーンが読んでる新聞の見出しがロシアが衛星を打ち上げた云々と出ています。
他のテーブルでは漁船のオッサンが何かがいたと言ってます。他の方々は信じない。
で、ホーガースのリスが逃げ出して大騒ぎとなります。
ホーガースの自宅にて。町から少し離れた森の側です。
ママに早く寝ろと言われてもTVを見ているホーガースです。
映画を見ています。これは何だ?脳みその怪物が動いているから『顔のない悪魔』(1958年)みたいですが、話しは違うようですが・・・。
TVが映らなくなります。調べに屋根に上るとアンテナが無くなっています。
柵が壊されて変な足跡が森に続いています。
こういう時はレバーアクションの銃を持ち出す少年です。ハンドガン用22口径ロングライフル実包使用の子供用の銃だと思えます。
足跡を追って森の中を行くホーガース。
発電所に着きます。
いきなりロボットが出てきます。鉄骨を食っています。
で、ロボットは高圧線でしびれています。これはこたえているようです。
ママがピックアップトラックで帰宅します。
息子ホーガースがいないのであわてています。
発電所にて。
ロボットが暴れたので送電が途絶えて町全体が停電となります。
発電所のメインスイッチを切って感電しているロボットを助けるホーガースです。
ここで何で発電所にメインスイッチがあるなんて突っ込んではいけません。
ママがピックアップトラックで探しに来ました。
ロボットがいて100フィートだと言ってるホーガース。100フィートを変換して30mと日本語字幕では出ています。
ママが見るとロボットはいません。帰宅となります。
学校にて。
フィルムを上映しています。これが核爆弾が落ちた時の対処法なのです。
こんな方法で助かるわけがありません。当時は大まじめでも、現在見れば背筋の凍るお笑いの対処法です。
噂話で漁師のスタッツさんがどうかしたとか言っています。
町にて。
ディーンがスクラップを買っています。
何者かにクルマが齧られてスクラップとなっているんです。
政府の役人ケント・マンズリーが登場。
街中で聞き込みをやっています。
発電所にて。
聞き込みのケント・マンズリー。
ホーガースの銃が発見します。
ちょっとした隙にケント・マンズリーのクルマが半分食われています。
証人を呼びに行って戻ったら今度はクルマが丸ごとなくなっています。
森に入るホーガース。
トタン板のような材料を持参しています。亜鉛メッキのブリキ?
ロボットが出てきます。逃げるホーガース。
発電所のメインスイッチを持っていたロボット。お礼のつもりらしい。
ロボットとコンタクトを試みるホーガース。
話しをしようとします。
町にて。
市長の事務所で対策会議をやっています。
ケント・マンズリーが何かいると力説しています。
森にて。
帰ろうとするホーガースに付いていくロボット。
列車と衝突するロボット。
さすがにダメージがあります。このロボットには自己修復機能があるようで、自分で直しています。
市長の事務所にて。
列車事故の報告が入ります。
ホーガースの自宅にて。
ロボットを納屋に入れて隠します。
列車事故現場にて。
列車の運転手のオッサンは正直に巨大ロボットと言ってます。
これは報告をしないととケント・マンズリー。電話はどこだとなるとホーガースの自宅が近くにあるということになります。
ホーガースの自宅にて。
ロボットの手だけが家の中に歩き回ってて、この対処に悪戦苦闘のホーガースです。
ケント・マンズリーがやって来て電話を借ります。
報告しますが上役は全く信じていません。証拠がないとダメだと言われています。
ホーガースの名前から壊れた銃を結びつけるケント・マンズリー。
そんなこんながあってようやく帰るケント・マンズリー。
『貸間あり』と出しているホーガースの自宅。
納屋に行くホーガース。ロボットにアメコミ雑誌を見せています。
ロボットが腹が減ったというので出かけます。
マックコーピン・スクラップにて。
ホーガースとロボットが入ります。スクラップを片っ端から食ってるロボット。
ディーンが飛び出してきます。本業はスクラップ・アートの前衛芸術家らしい。
コーヒーを飲みながら愚痴が全開のホーガースです。
ロボットを見てしまうディーン。
37分後、ずっと説得したいたらしいホーガース。
何とかロボットを預かるのは一晩だけだとなったようです。
朝帰りするホーガース。
貸間にケント・マンズリーが入ったようです。一緒に朝食となっています。
ケント・マンズリーを町の案内するホーガース
アイスクリームを食べるとこでどうやら下剤を混ぜているホーガース。
人工衛星スプートニクの話も出ています。
マックコーピン・スクラップにて。
ロボットを使って芸術作品を作っているディーン。
ホーガースはアメ車に乗ってロボットに振り回してもらいます。超高速メリーゴーラウンドです。普通は死ぬぞ。
捜査中のケント・マンズリー。
怪しい形跡はあるけど、目撃者と証拠がない。こんな状態のようです。
ホーガースのカメラを見つけます。
湖にて。
ホーガースとロボット、それにディーン。
ロボットが湖に飛び込んで大変なことになっています。湖が空っぽになってる。
ホーガースの自宅にて。
風呂場でホーガースのカメラのフィルムを現像しています。
ロボットが写っています。証拠がありました。
森にて。
鹿と触れ合うホーガースとロボット。
その後ハンターに撃たれて絶命する鹿。ハンターの銃を見て反応するロボット。
マックコーピン・スクラップにて。
鹿のことから、生死について等を話し込んでいます。
ホーガースの自宅にて。
帰ったとこでケント・マンズリーに捕まって納屋で尋問されるホーガース。
マックコーピン・スクラップにいると喋ってしまいます。
隣の寝室から見張られてにらめっことなっているホーガースとケント・マンズリー。
これを夜通しやってるようです。
寝てしまいホーガースに逃げられてるケント・マンズリー。
朝です。マックコーピン・スクラップにて。
アメリカ軍隊が押し寄せてきます。
ここはディーンの機転でごまかします。ロボットに妙なデコレーションを施して前衛芸術作品にしていました。
ホーガースからおもちゃの銃を向けされて過剰反応してしまうロボット。
このことをディーンになじられてここを出て行くロボット。
ディーンはあとから銃を向けられると自己防衛本能が働くのかと気がつきます。
で、バイクで後を追います。途中でホーガースを乗せてます。
町にて。
屋上から落ちそうになっている少年2人を助けるロボット。
引き上げ途中の軍隊がこれを目撃していきなり撃ちまくります。
ホーガースを抱えて逃げるロボット。
F86ジェット戦闘機まで出動しています。
崖から転落するロボット、でも飛行能力があり飛びます。
F86ジェット戦闘機と空中戦となります。
で、墜落するロボット。投げ出されるホーガース。
地上軍が攻撃を始めます。
反撃するロボット。
沖合いの戦艦から砲撃もされています。
原子力潜水艦ノーチラスから核ミサイルも準備完了となっているようです。
ホーガースはロボットに向かいます。
身を挺してロボットを止めます。
武装解除するロボット。
司令官に事情を話すディーン。
早く撃てとケント・マンズリー。ハンディトーキーを奪って勝手に原子力潜水艦ノーチラスから核ミサイルを発射させてしまいます。
核ミサイルが放物線を描く。核ミサイルが落ちてきたどうする?
宣伝されてる対核爆弾用の訓練の通りにすれば助かるのか?司令官はそんなことは無駄と言っています。
核ミサイルに迎撃に向かうロボット。
ホーガースとお別れとなります。
で、遥か彼方大気圏外で核ミサイルが爆発したようです。
エピローグ。
公園にはロボットとホーガースの銅像が建っています。製作者はディーン。
司令官からロボットの遺品が届きます。1本のアゴのネジのようです。
ホーガースの自宅にて。
ベッドのホーガース。遺品のネジが無くなっています。
ネジは窓際にいました。窓を開けるホーガース。ネジは窓から出て行きます。
これでロボットの自己修復機能が働いているとこを知るホーガース。
アイスランド、ラング氷河にて。
続々と集まる部品達。復活しつつあるロボット。
エンドとなります。
80分ぐらいで本編は終わり、後タイトルが7分ぐらいあります。
CGが全開だとスタッフの数が膨大なのでこうなります。
そんなわけでよい出来でDVDで衝動買いしても満足な作品でした。
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