『フランケンシュタイン』(1931年)
この作品はジェームズ・ホエール監督、コーリン・クライブ、メエ・クラーク、ボリス・カーロフ主演の有名なフランケンシュタインの怪物ホラーです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1931年 ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆71分
原題◆Frankenstein
プロット◆怪物を作って悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆バーナード・カーン
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。スクイーズ収録のフル表示です。画面はスタンダードサイズ。
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDなのでいつものように日本語を選べから始まっています。ようやくメニュー画面になります。
キャスト
コーリン・クライブ→ヘンリー・フランケンシュタイン博士
メエ・クラーク→ヘンリーの婚約者エリザベス
ジョン・ボールズ→ヘンリーの知人ヴィクター・モリッツ
エドワード・バン・スローン→ヘンリーの恩師ヴァルドマン教授
フレデリック・カー→ヘンリーの父 フランケンシュタイン男爵
ドワイト・フライ→ヘンリーの助手フリッツ
ボリス・カーロフ→フランケンシュタインのモンスター
ライオネル・バリモア→市長
ジェームズ・ホエール監督の演出はよいと思います。
全体的に特に悪いとこはないような感じです。
女優さんはこの作品と続編では違っています。続編の方がいいな。
ヴァルドマン教授役のエドワード・バン・スローンは『魔人ドラキュラ』(1931年)でヘルシング教授も演じています。
前説があります。
舞台に男が登場して口上を述べます。
カール・レムリの名が出てきます。カール・レムリJr.のことでです。ジャック・ワーナーと同じぐらい悪名高いプロデューサーです。関係ないけどオヤジのカール・レムリのあだ名がカネに汚いので『シャイロックおじさん』でした。そのバカ息子でしょう。
心構えをして見てくださいとなっています。後悔をしますよと言ってます。
なかなかハッタリの効いた前説となっています。
これはもしかして初公開からのしぱらくたってらの後付け?そんな感じです。
タイトルです。
キャスト表ですがモンスターが?になっています。
墓場にて。どなたかの埋葬です。
これを近くの物陰から伺うヘンリー・フランケンシュタイン博士と助手フリッツ。
このコンビはいい。真面目に狂っているヘンリー・フランケンシュタイン博士。いい加減に狂っている助手フリッツ。いいコンビです。
やる気満々のヘンリー・フランケンシュタイン博士がいい感じです。
墓掘り人夫が埋め終わったとこで掘り返して荷車に積んでズラかります。オリジナルであるこの作品では雨は降らないようです。→『ヤング・フランケンシュタイン』(1974年)ては雨が降りました。
ですが、効果音がセット丸出しです。これは興ざめのような。トーキー直後だからしょうがないのか。
帰宅途中で絞首刑で吊るされてる死体も回収します。
ヘンリー博士はこの死体の脳ではダメなので助手フリッツによい脳を調達させることになります。
コールドスタット医科大学にて。脳に関することで講義中です。
講義が終わったとこで侵入する助手フリッツ。
見本に使われていた脳(ノーマルブレイン)を持っていこうとするが物音に驚いて落とします。で、代わりの脳(ABノーマルブレイン=アブノーマル=異常なブレイン)を持っていきます。→『ヤング・フランケンシュタイン』(1974年)では、持ってきた脳の名前は「アビー・ノーマルさんです」というギャグをカマしてて最高でした。
ヘンリーの婚約者エリザベス宅にて。
ヘンリーの知人ヴィクター・モリッツが登場。
ヴィクターはヘンリーの婚約者エリザベスと相談となります。話題はヘンリーからの手紙の内容です。
コールドスタット医科大学にて。
棚には頭蓋骨、机には試験管が並んでいます。ハリウッドらしい大ざっぱなセットや小道具です。
ヘンリーの先生であるヴァルドマン教授と相談のエリザベスとヴィクター。
とうやらヘンリーは人間の死体を集めて再生するらしい。これを止めてくれとなっています。
エリザベスは結構強引でヴァルドマン教授を説得してヘンリー・フランケンシュタインに会わせて説得させるようです。
山の上の研究所にて。
フランケンシュタイン男爵家の所有の古い見張塔らしい。
ヘンリー博士は助手フリッツをこき使って実験にかかっています。この何にでも忠実な助手というのがいいキャラです。
いよいよ実験は最終段階になるようです。
そんなとこに来客です。
エリザベスとヴィクターとヴァルドマン博士の3人です。
助手に追い返すように言いますが結局入れます。
問答となります。ヘンリー・フランケンシュタインに「君は狂っている」なんて言ってるヴィクター。正直な友人だ。
で、頭にきたのか3人に実験を見せるヘンリー・フランケンシュタイン。
光線で生命を与えるということらしい。台を上がり、下がります。
手のクローズアップショット。動いています。実験は成功のようです。で、溶暗となります。
ヘンリーの実家フランケンシュタイン男爵家にて。
エリザベスとヴィクターが訪問中。
ヘンリーの父フランケンシュタイン男爵が登場。結婚式を急ぐ父です。
エリザベスとヴィクターがフランケンシュタイン男爵を説得しています。そんなことにはお構いなしなフランケンシュタイン男爵。市長が会いに来ますが追い返します。
市長より偉い権力者らしいフランケンシュタイン男爵で市長のことを疫病神なんて言ってます。
山の上の研究所にて。
一休みといった感じのヘンリー・フランケンシュタインとここに残っているヴァルドマン教授。
意見するヴァルドマン教授。使われた脳は大学から盗まれた犯罪者の脳だと言います。これは事実です。
助手が盗みに行った時に講義をしていたのはヴァルドマン教授だったようです。
モンスターは成長すると反論のヘンリー・フランケンシュタイン。
で、そのモンスターが登場となりまます。ここがこの作品の白眉なシーンです。
ドアが開いて最初は後ろ向きです。それから振り返るモンスター。顔のクローズアップショットも入ります。これは凄い。当時の観客を震え上がらせたと思われます。
言葉もわかりますとヘンリー・フランケンシュタイン。
そんなとこに助手フリッツがたいまつを持って急にやって来ます。で、火を見て暴れるモンスター。一騒ぎとなります。
暴れたのでモンスターは地下室で鎖に縛られることになります。
調子に乗って火で脅かしてる助手フリッツ。
しばらくして助手フリッツの物凄い悲鳴が聞こえ駆けつけるヘンリー・フランケンシュタインとヴァルドマン博士。
どうやらいじめをやり過ぎた助手フリッツはモンスターに片づけられたらしい。
ヴァルドマン博士がヘンリー・フランケンシュタインに注射器を持ってこいと言ってます。何とか背中に麻酔を注射してモンスターを眠らせることにします。やけに協力的なヴァルドマン博士です。
そんなとこに来客です。
ヴィクターがエリザベスと父フランケンシュタイン男爵が来ると知らせに来ます。
これは大変だとモンスターを隠したりと小細工に励むことになります。
エリザベスと父フランケンシュタイン男爵が来ます。
応対中に倒れるヘンリー・フランケンシュタイン。実家に連れていかれます。
で、ヴァルドマン博士とモンスターと残るようです。
時間が経過して。
眠らせたモンスターを検査しているヴァルドマン博士。これからモンスターを解剖すると研究ノートに書いています。
ヴァルドマン博士はモンスターを解剖にかかります。
ですが薄目のモンスターはヴァルドマン博士を片づけて研究所を抜け出します。
実家で静養中のヘンリー・フランケンシュタイン。
エリザベスと一緒で快適な状態です。
「どうかしていた」なんて言ってるヘンリー・フランケンシュタイン。
結婚式の準備となります。
ヘンリーをヤング・フランケンシュタインと称しています。その通りです。
父のフランケンシュタイン男爵は話し上手です。面白いセリフを連発しています。
乾杯となります。町はこの結婚式でお祭り騒ぎとなっています。
池にて。ここも白眉なシーン。
モンスターは女の子マリアとコンタクトとなります。
花を池に投げる遊びをして、花が無くなったので女の子マリアを投げてしまうようです。これは当時としては凄いシーンです。
花遊びから女の子を湖に投げ込むモンスター。しっかりと映像であります。カットしてあったのでは?
そのまま逃げるモンスター。
実家にて。
エリザベスはヘンリーを呼び出してヴァルドマン博士が来ない、悪い予感がする何かが起こると話しをします。
ヴィクターが駆けつけてヴァルドマン博士がモンスターに殺されて、モンスターが逃げたと知らせに来ます。
ヘンリー・フランケンシュタインとヴィクターは屋敷内を捜索しています。何か違うことをしてるような。他にやることがあるのでは?と思える。
エリザベスの部屋にモンスターが侵入します。
気を失ったエリザベス。モンスターは逃げます。
ヘンリーはモンスターを始末してくるとヴィクターに告げて出かけます。
町の広場にて。
娘マリアの死体を抱いた父親が歩きます。領主の息子が結構式お祭り騒ぎから違う騒ぎとなります。
父親は市長に直訴となります。誰がやったと大騒ぎです。
実家にて。
ヘンリー・フランケンシュタインは結婚式のためにモンスターを殺さなくてはいけないと言ってます。間違ってはないけど何でそういう考え方になるんだ?
ヴィクターに「私がいなくなったらエリザベスを頼む」と言ってるヘンリー・フランケンシュタイン。何となく嬉しそうなヴィクター?。正直な友人です。
町では。
市長が指示を出して山狩りの捜索隊が編成されます。
ヘンリー・フランケンシュタインも指揮を取るために参加しています。
山狩り一行は怪しいと見ればすぐに吊るしたがる正直言って危険な連中です。
山狩りとなります。
発見されるモンスター。
1対1でモンスターと対峙するヘンリー。あっさりとノックアウトされて風車小屋に運ばれています。
風車小屋にて。
ところで何でこんなとこに風車小屋がある。ここはオランダか?
風車小屋の上の方で格闘となりますがモンスターにヘンリー・フランケンシュタインは投げ落とされます。風車に当たってそれから地面に激突してます。これだと普通は死んでいます。それでもまだ生きているようです。
風車小屋に火を放たれてモンスターは火に包まれます。少しかわいそう。
この作品の紹介では風車小屋ではなく水車小屋となっているのもあります。
何で?もしかして実際に作品を見ていなくて批評の引用の引用の引用を重ねて伝言ゲームみたいに言葉が違ってしまったのかも?
エピローグ。
男爵家にて。
結構くつろいでるメイド達がヘンリー・フランケンシュタインに特別なワインを持ってきます。
受け取る父のフランケンシュタイン男爵。息子はまだ具合が悪いからと自分で飲んでしまいます。
エンドとなります。
後タイトルのキャスト表にはモンスター=ボリス・カーロフの名がありました。
実はメル・ブルックス監督の快作パロディ『ヤング・フランケンシュタイン』(1974年)の方を先に見ていたりします。何となくおかしな感想になっているのはそのせいです。
そんなわけでさすがに有名だけはあるよい作品でした。
« SHOWBIZ COUNTDOWN 2010.04.19(月) | トップページ | 『フランケンシュタインの花嫁』(1935年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1930年代」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『早すぎた埋葬』(1935年)(2021.11.07)
- 『帽子から飛び出した死』(1939年)(2021.11.06)
- 『血に笑ふ男』(1937年)(2021.10.31)
- 『猫とカナリヤ』(1939年)(2021.10.03)
「クラシックホラー」カテゴリの記事
- 『笑ふ男』(1928年)(2021.11.14)
- 『夢の中の恐怖』(1945年)(2021.11.13)
- 『早すぎた埋葬』(1935年)(2021.11.07)
- 『死体を売る男』(1945年)(2021.09.05)
- 『呪われた城』(1946年)(2021.09.04)
« SHOWBIZ COUNTDOWN 2010.04.19(月) | トップページ | 『フランケンシュタインの花嫁』(1935年) »
コメント