『透明人間』(1933年)
この作品はジェームズ・ホエール監督、クロード・レインズ、グロリア・スチュアート主演の透明人間ホラーのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1933年 NRA.../ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆71分
原題◆The Invisible Man
プロット◆透明になって副作用で死に至る話しのようです。
音楽◆Heinz Roemheld(uncredited)
ユニバーサル・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。画面はスタンダードサイズ。
キャスト
クロード・レインズ→ケンプ博士の助手だった透明人間ジャック・
グロリア・スチュアート→クランリー博士の娘フローラ
ヘンリー・トラバース→科学者クランリー博士
ウィリアム・ハリガン→助手のケンプ博士
ウナ・オコナー→パブのジェニー・ホール夫人
フォレスター・ハーベイ→パブの主人ホール氏
E・E・クライヴ→不明
ダドリー・ディッグス→不明
ドワイト・フライ→不明
ジョン・ピーター・リッチモンド→不明
ウォルター・ブレナン→Bicycle Owner (uncredited) これは気がつかなかった。
科学者のヘンリー・トラバースは『疑惑の影』(1943年)でテレサ・ライトの父でジョセフ・コットンにいびられる役で出ています。
パブのジェニー夫人はどこかで見たような。このオーバーアクトなコメディ演技。→『フランケンシュタインの花嫁』(1935年)でメイドのミニーで出ていました。
当時の有名なボードビリアンのコメディアンか?
ジェームズ・ホエール監督の演出はよいと思います。
特に変わったことをやっていませんが全体的に無難にまとめています。結構上手い。
やはりメロドラマな設定があります。さすがハリウッドです。
クロード・レインズは最初から逃げるとこを間違えたようです。村に来ては目立ってしまいかえってまずいと思われます。
で、何故逃げた?とヘンリー・トラバースの方をカットバックで描写してます。ここで薬に副作用があると伏線を張ってます。
村にて警察の取調べの図は何だか『ヤングフランケンシュタイン』(1974年)のようでした。ギャグではなかったようですが。
汽車のミニチュアにクルマのミニチュアがあります。ミニチュアになると事故がおこる?ようです。
英国なのに距離のことをやたらマイルと言ってます。ハリウッド製の英国なのでそんなものらしい。
クロード・レインズは背が低い。
顔は最後まで見せませんでした。クロード・レインズといったら私は『汚名』(1946年)の頃の顔しか覚えがないのでラストの見えるようになった時の若い顔にはビックリ。白塗りの美青年でした。
透明になったことより、その薬の副作用で狂暴になるのがまずかったようです。列車を転覆させたり妄想が過ぎて政府を転覆させようとしたりと悪事を働きます。
透明になったことで異端視され迫害されて死に至るのかと予想してたから面喰らいました。やたら凶暴になって悪事を働き追われて死に至ったようです。
タイトル。
製作はカール・レムリJr.
雪の降る中を男が歩く。
アイピングという村に入るようです。
村のパブ『ライオンヘッド』にて。英国なのでパブがあります。
常連客達が酔っぱらって騒いでます。そんなとこに異様な風体にした男が入ってきます。
宿を取りたいと男。違和感あり過ぎの凄い雰囲気で客全員が注目しています。
宿のジェニー夫人がカウンターから出る時に3枚のちょうつがいの板を開け閉めして出入りしています。何でそんなに手間をかけると何となく気になります。
宿を取った謎の男が食事です。辛子を忘れたのでジェニー夫人が届けに行ったとこで慌てて顔を隠す男、男の口の部分が透明であるのが描写されています。
研究所にて。
クランリー博士のところに娘フローラが来て、いなくなったジャックの話をします。
助手のケンプ博士も来ます。こっちはジャックの悪口を言ってます。
村のパブ『ライオンヘッド』にて。
駅に預けた荷物を持ち込んで研究をしている男。
どうやら透明から元の体に戻る研究の途中のようです。
1週間たって、まだ宿代が未払いなので追い出されそうになる男。
夫人に尻を叩かれてパブの主人が追い出しに来ています。泣き落としが通じずに逆切れして主人を叩き出す男です。
叩き出された主人が転がり落ちてきて下では大騒ぎになってお巡りが呼ばれます。
それでもまだ強気な男。ここで私の正体を知りたいかと透明人間と化す男です。包帯、付け鼻、ゴーグルを取る。体が透明です。これは大変だと逃げ出すやじ馬達。
透明人間はバカ笑いをして暴れ回ります。お巡りの首を絞めています。殺してはいない。
パブの外に出たらしい透明人間。
これで村中は大騒ぎとなります。お巡りは本署に連絡するが信じてもらえません。
研究所にて。
科学者クランリー博士と助手のケンプ博士。
残された書類等を調べています。書類は燃やされています。ケンプはまたジャックの悪口を言っています。
モノケインなる薬品の解説をするクランリー博士。色素を奪う効果があり凶暴になる副作用があるとのこと。この副作用のことをジャックは知らないそうです。
ケンプにジャックと薬のことを口止めしているクランリー博士です。
ケンプの自宅にて。
透明人間が入ったようです。そのような描写があります。
ラジオでは村で騒ぎのあったとニュースをやっています。
で、ケンプに話しかける透明人間。ジャック・グリフィンだと名乗ります。驚愕するケンプ。ケンプに座れと怒っています。凶暴になる副作用が全開です。
食事だと催促しています。タバコも吸っています。体の中に煙が見えるシーンがあったような気がしたけど、この作品ではないようです。
色々と支度をさせています。包帯、手袋、パジャマ、ガウン等々・・・
電話をかけようとするケンプですがここではやめています。
村のパブ『ライオンヘッド』にて。
署長一行が来ています。調べたけど何も出なかったと怒っています、で、この騒ぎの調書をとるようです。
ケンプの自宅にて。
ケンプにこれまでの話をする透明人間のジャック。透明になることに成功したと言ってます。ケンプは一応モノケインは劇薬だからと突っ込みをいれてます。
パワーを手に入れたと誇大妄想気味な透明人間のジャック。お前はパートナーと言ってるけど、どうみても単なる子分でパートナーではなさそうです。
このパワーで殺し、列車の脱線、何でもやり放題だと言ってるジャック。
で、ここと村までの距離は15マイルだと言ってるジャック。大事な書類を取りに行くとなります。で、クルマで出かけます。
村のパブ『ライオンヘッド』にて。
調書をとっている署長。とうやらこの件は全部気のせいにするつもりらしい。
そんなとこにケンプを窓下に待たせて中に入る透明人間。書類を窓下のケンプに投げ渡します。
で、透明人間はパブで大暴れとなります。で、最後に署長を絞殺しています。
クルマでズラかります。
警察前にて。
レーン警部補に会いに来てるクランリー博士。号外が出てるで買います。
ケンプの自宅にて。
透明人間の制約についてケンプに話してる透明人間のジャック。
雨、霧、食事直後・・・
で、包帯を取って寝る透明人間。
村のパブ『ライオンヘッド』にて。
透明人間対策会議になっています。新しいお偉方が来ています。この人がレーン警部補?
総動員をして透明人間を探せとなっています。
色々なモンタージュが入ります。
透明人間のニュースがラジオで流れています。
貴重な情報には1000ポンド。
ドアに鍵を掛けるモンタージュが入ります。
寝てる透明人間のショットも入ります。
ケンプの自宅にて。
起き出して居間に入るケンプ。クランリー博士に電話して事情を伝えます。
クランリー博士の自宅にて。
フローラにこの件を伝えるクランリー博士。
透明人間の捕まえ方を電話で話している男達のモンタージュが入ります。
ケンプの自宅にて。
警察の電話しているケンプ。
クランリー博士の自宅にて。
クランリー博士はジャックはイカれてると説明しますが本気にしていないフローラ。
ジャックに会いに行くとフローラはクランリー博士と一緒に出かけます。
ケンプの自宅にて。
透明人間のジャックが起きてきてまたパートナーとか言ってます。
そんなとこにクルマが来ます。通報したなと透明人間。ですが降りてきたのはクランリー博士とフローラです。
面会することにする透明人間のジャック。
フローラとジャック。フローラのために有名になりたかったとジャック。タダの化学者ではダメだと言ってます。そんなとこから言うことがまた誇大妄想気味になっています。
モノケインの副作用の話をするフローラ。
そんなとこに家の周りは警官が押し寄せてきてます。
フローラを部屋から出して逃げる準備の透明人間。
警官達は透明人間対策で手をつないで円陣を作り、この円陣を狭めて透明人間を捕まえようとしているようです。
ケンプに対して殺人予告をして外にでる透明人間。
外に出た透明人間はお巡りのズボンを奪う等大暴れしています。で、次にズボンに追いかけられてるどこかの御夫人のシーンとなります。こんな感じにギャグを入れています。
警察にて。
事情聴取です。クランリー博士とケンプ。ケンプをすぐにジャックの名前を出しています。
山狩りにて。
透明人間に崖下に突き落とされる男達。これで死人が出たらしい。
列車を脱線転覆させる透明人間。
鉄道員を殴り倒しポイントを切り替えて列車は崖下へ。ミニチュア使用。これで大勢の死人が出たらしい。
銀行にて。
引き出しごと外に持ち出す透明人間。カネをばらまきます。
そんなわけで山狩りで20人死亡。列車転覆で100人死亡となったらしい。
クランリー博士の自宅にて。
フローラを慰めているクランリー博士。
警察にて。
室内を網を持った警官が1列に並んで部屋の端から端へと歩きます。
これで透明人間がいないことになったようです。捜査会議となります。
ケンプもいます。どうやらケンプをおとりにして透明人間を捕まえる作戦のようです。当然嫌がっているケンプです。
ケンプの自宅前にて。
警官と網に囲まれて徒歩で警察へと移動のケンプ。
警察に着いたケンプはすぐに警官の服装で自宅に戻ります。
そのまま自分のクルマで遠くに逃げるようです。
警察にて。
スプレーで塗料を吹きつける作戦もあるようです。
塀の上の猫が塗料だらけになっています。これもギャグらしい。
逃走中のクルマのケンプですが透明人間が乗っていました。
驚愕するケンプ。縛られてクルマごと崖下に落とされます。ハリウッドなので当然クルマは爆発炎上となります。これに高笑いの透明人間です。
対策会議です。
さてどうしたものかとあまり進んでいない。報告待ちらしい。
透明人間の方はどこかの納屋に入って寝てます。
老人が来ていびきを聞きます。当然通報となります。
雪が降ってきています。
警察に老人がやって来て通報しています。とりあえず出動する警察。
納屋を包囲する警察。
完全に周りを取り囲んでいます。納屋に火をつけます。いきなりそうするのか?
逃げ出す透明人間ですが雪に足跡が残る。
足跡のあたりを撃つ警察。命中したようで雪に透明人間の倒れた形が残ります。
エピローグ。病院にて。
医者はもう警備の必要はないと言ってます。このように間接的セリフで描写するのがいい。何でも直接説明セリフはダメです。
ジャックに面会するクランリー博士とフローラ。
フローラと話をする透明人間のジャック。反省はしているようです。
死に瀕して透明人間から戻りつつあるジャック。骨格から段々と元に戻っています。
とても若いクロード・レインズになったとこでエンドとなります。
今回見て思ったのはジェームズ・ホエール監督は結構いい腕前とわかりました。特に変わったことはしていないけど見ていられます。
そんなわけでさすがに名高いだけはあるよい作品でした。
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