『キラークラウン』(1987年)
この作品はスティーブン・キオド監督、グラント・クレイマー、スザンヌ・シュナイダー、ジョン・アレン・ネルソン主演のB級SFコメディのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1987年 Chiodo Brothers Productions アメリカ作品
ランニング・タイム◆88分
原題◆Killer Klowns from Outer Space
プロット◆ピエロ星人に悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆ジョン・マッサリ
スカイパーフェクTV318FOXMOVIESにて。
日本語吹き替え版
画質はまあまあ。フォワード発売ののDVDよりはいい。
スクイーズ収録録画のフル表示。
画面サイズはスタンダード。左右に黒味あり。
音声はドルビーデジタル2.0ch
キャスト
グラント・クレイマー→若い男のマイク
スザンヌ・シュナイダー→マイクのガールフレンド デビー
ジョン・アレン・ネルソン→デビーの元恋人の警官デイブ
ジョン・バーノン→偏屈な警官ムーニー
マイケル・シーゲル→アイスクリーム売りのリッチ・テレンジ
ピーター・リカシ→アイスクリーム売りのポール・テレンジ
ロイヤル・ダノ→すぐにやられたおじいさん。
スティーブン・キオド監督の演出はよいと思います。
全体的に無難にまとめられています。ギャグの入れ方もまあまあ。これが下手な見せ方だと見るに堪えなくなるので演出の重要なポイントなんです。
音楽がまたシンセな音楽で1980年代しています。ジョルジョ・モルダーみたい。
ベテランのキャストで・・・
ロイヤル・ダノとかジョン・バーノンが出ています。
2人とも大ベテランで印象的なサポート役が多い俳優さんです。
ロイヤル・ダノは、
『大砂塵』(1954年)では普通の悪役?です。
『ハリーの災難』(1956年)ではマザコンの保安官補の役です。
ジョン・バーノンは、
『殺しの分け前 ポイント・ブランク』(1967年)では素っ裸で屋上から投げ捨てられ死ぬ役です。
『ダーティハリー』(1971年)では俗物の市長役です。
まだ携帯電話がない時代です。
この街はクレセント・コーブという地名です。
プロローグ
ハンバーガーショップ ピッグ・トップ・バーガーにて。
ジョン・バーノン扮する偏屈な警官ムーニーがパトロール中。
メガネの金髪のあんちゃんと女の子がジープに乗ってビールを運んでいます。
缶ビールですが白い缶にビールとあるだけ。小道具のようです。
このメガネの男がジープに乗ってるわけです。黄色いジープ
→ Jeep CJ-7
公園でビールを配って宴会となっているようです。
並んでるクルマが古い。初代のマツダ・サバンナRX7とか黄色い初代ワーゲン・ゴルフとか。ゴルフですがアメリカではラビットという名前になってます。
→ 1981 Mazda RX-7 [FB]
→ 1978 Volkswagen Rabbit I [Typ 17]
→ 1971 Volvo 142 De Luxe
アイスクリーム売りのバンがやって来て迷惑がれて物を投げられています。
→ GMC Value Van [P-10]
このアイスクリーム売りは兄弟2人でやっていて、どうやらコメディリリーフらしい。
グラント・クレイマー扮する若い男のマイク
スザンヌ・シュナイダー扮するマイクのガールフレンド デビー
の2人が登場。いちゃついております。黄色いゴムボートの上でシャンパンを飲んでます。
夜空を見ていると光る物体が飛んできます。アニメで描写されています。
デビーが光る物体が落ちた場所に行きたいと駄々をこねるのでクルマで向かうことになります。
→ 1983 GMC Jimmy [T-15]
森にて。
森の中の汚い小屋に住んでるロイヤル・ダノ扮する老人が近くに何か落ちてきたぞと見に行きます。これはカネになると喜んで犬を連れて出かける老人です。
光る物体の落ちた場所にはサーカスのテントがありました。サーカスのテント型UFOというわけです。面白い。
接近する老人ですが犬が網でさらわれてしまいます。丸く窓が開いてそこから網を出していました。
続いて老人もピエロ星人と遭遇してクルクル光線銃でやられます。ロイヤル・ダノの出番はこれで終わりです。
警察にて。
ムーニー警官がチンピラ2人を捕まえてきます。
ジョン・アレン・ネルソン扮する若い警官デイブが登場。主人公のようです。
ムーニー警官とデイブ警官はあまり上手く行ってないようです。
森の中です。
マイクとデビーがやって来てサーカスのテント型UFOに接近しています。
で、簡単にテント型UFO内部に入ります。さすがに中は宇宙船のようになっています。内装の配色がピエロ星人らしくサイケな感じになっています。こういうのは好きだな。
ここでデビーの5歳の時の話しで出てきます。
サーカスでピエロに結果的に脅かされたと言っています。もしかして伏線?
1980年代の作品だけあってデビーの髪形がそれっぽい。ふわふわパーマでファラ・フォーセットのような感じなんです。
服装は緩いブラウスにジャンパースカート、スカートの下にはタイツです。
内部を進むと大きくて深い立て坑のようなとこに出ます。
火花がバリバリでいかにも動力施設といった感じです。
今度は工場のようなとこに入ります。
何かがぶら下がっています。大きいサヤのような物で綿飴で覆われています。これはジャック・フィニーの『盗まれた街』ではないですか。定番な描写でやっています。
→映画化されたのが『ボディ・スナッチャー 恐怖の街』(1956年)
ピエロ星人に見つかるマイクとデビー。逃げます。
ポップコーン銃を撃ってくるピエロ星人。
ようやく外に出るマイクとデビー。
ピエロ星人は風船で作った猟犬?を使って追ってきます。
マイクとデビーはクルマで脱出となります。
2人に逃げられたピエロ星人達は町に向かうようです。
マイクとデビーは警察に駆け込みます。
若い方の警官デイブが一応話しを聞きます。ピエロと聞いたとたんにもうダメです。
当然ムーニー警官は全く信じていません。
ピエロ星人達ははもう町に入っています。
警官デイブはパトカーにマイクとデビーを乗せて出ます。
→ 1981 Dodge Diplomat
途中でデビーの自宅に寄ってデビーを下ろします。
この脚本は結構上手く出来ているような感じ。
これで調べに行ってる間に町が襲われて少人数が残るということか?
ピエロ星人が何かやるたびに色々と見せるのがいい。アイデアを詰め込んでいます。
指人形の出し物で若い男を片づけます。
クルクル光線銃を指人形が撃つわけです。
ドラッグストアにて。
店内を荒らし回るピエロ星人。中年男の主人があたふたしています。
この店の前にいた若い女2人はもう繭になっています。
ピザ配達人のピエロ星人が若い女の自宅を訪ずれ片づけます。
同じようなパターンで次々と片づけて繭にしています。
デビーを自宅に送り届けます。ここでデビーはパトカーから降ります。
デビーを巡ってマイクと警官デイブの痴話げんかのような状況にもなります。
ところでデビーが自宅にいるとかえって危険なのではと思えたりします。
ドラッグストアでは延々と店内を荒らしているピエロ星人。
それを見ている中年男の主人。
警官デイブとマイクは円盤がある現場付近に着きます。
円盤テントどころか何もありません。で、手錠をかけられるマイク。
街にて。暴走族がたむろしています。
そこに自転車に乗ったピエロ星人がやって来ます。
ピエロ星人に絡む暴走族ですが何だかんだあってノックアウトされる暴走族の1人。で、あとの暴走族の連中は逃げてしまいます。
ハンバーガーショップにて。
店の外で店内の女の子の気を引いてるピエロ星人。
自宅で心配そうなデビーの描写が入る。
結構こまめにカットバックしています。丁寧に作られているとわかります。
帰りに公園内を通るデイブとマイクを乗せたパトカー。
何か異常な状況のようです。調べるデイブ。
ジープにはクモの巣のような物が、ピンクの綿飴でした。シートにはメガネが残されています。
マイクの手錠を外すデイブ。こんな状況なので少しは信じてるらしい。
メガネの男はボブ・マクリードという名前らしい。マイクがそう言ってる。
警察にて。
留守番のムーニー。ピエロが出たと電話がかかってきますが信じていません。
勤務中に酒を飲んでいます。大丈夫かよ。
ドラッグストアの主人ワイヤットからも電話が入ります。まだ本気にしていない。
シーンは変わって、クルマの男がピエロ星人とカーチェイスとなっています。
激しくぶつけられて転落するクルマ。
→ 1970 Ford LTD
ところでピエロ星人は何に乗ってた?よくわからん。
デビーの自宅にて。
B級作品では定番のシャワーにするデビー。でもヌードは無しです。
ポップコーン銃に撃たれたので服についてたポップコーンが落ちています。これがピエロ星人の卵のようです。
ハンバーガーショップ ピッグ・トップ・バーガーにて。
ゴミ箱にポップコーンの卵を入れているピエロ星人。
ゴミを捨てに来た店員がゴミ箱に引き込まれています。
パトカーにて。
証拠の綿飴を州警察のラボで調べてもらうと警官デイブ。
バス停にて。
バスが到着して発進するとそこにはピエロ星人がいます。この出し方もいい。
待っている人達を相手に指の影絵の芸を見せるピエロ星人です。特撮でむちゃくちゃな影絵になっているのがいい。
途中からパトカーのデイブとマイクがこれを目撃して焦っています。
ピエロ星人は恐竜の影絵を作って見ている人達をまとめて恐竜が飲み込んでしまいます。
衝動的にパトカーを暴走させてぶつけるマイクですがピエロ星人は飛んでズラかっています。
ムーニーに無線で連絡するデイブ。
全く本気にしていないムーニー。
アイスクリーム売りのバンはまだそこらをうろついています。
マイクはこのテレンジ兄弟に合流します。兄弟をだましてデビーの自宅に向かいます。
パトカーのデイブは警察に戻る。
警察にて。
ムーニーは朝鮮戦争上がりのようです。そんなとこにピエロ星人が現れます。これは大変です。
ピエロ星人に手錠かけるムーニー。手首だけが外れます。
ピエロ星人を留置場にぶち込むムーニー。格子越しに吹いて伸びる風船?で首を絞められるムーニー。やられます。面白い。
デイブが戻ります。ムーニーがいない。
床にピエロ星人の足跡が付いています。これがピエロらしい足跡なんです。
留置場内にと繭があります。チンピラ2人が繭になっていすま。
事務所に戻るデイブ。そこにはピエロ星人がいます。対峙するデイブ。
ピエロ星人はムーニーを腹話術人形扱いにして話しをします。ちゃんとムーニーの頬を赤くメイクしてピエロ風にしています。これは面白い。
話が終わってムーニーを投げ出すとピエロ星人の手は血まみれです。
デイブはリボルバーを撃っているうちにピエロ星人の鼻を撃ったらやっつけられました。どうやらピエロ星人の弱点は鼻とわかります。
無線で応援を要請するデイブ。
この状況は信じていないようですがとにかく応援は来るようです。
ここでデビーのことを思い出すデイブ。
アイスクリーム売りのバンにて。
マイクとテレンジ兄弟は移動中。街中で山車を行進させているピエロ星人達を見てビックリしています。ピエロ星人達は山車で繭を回収しています。
とにかくマイクとテレンジ兄弟はここからズラかります。
デビーの自宅にて。
シャワーから出たところで孵化したばかりピエロ星人達に襲われます。
何かのスプレー等を使って撃退しているデビー。
ドアの外からマイクの声がするので開けるとそこにいるのはピエロ星人です。驚愕するデビー。
窓から脱出しようとすると外にはピエロ星人達がトランポリンを用意して待っています。驚愕するデビー。
自宅内にも入ってくるピエロ星人達。何か違う銃で撃たれて黄色い風船に閉じこめられるデビーです。
ようやく到着するアイスクリーム売りのバン。
デビーの風船をつないだクルマをスタートさせるピエロ星人。
追うアイスクリーム売りのバン。
カーチェイスの途中からデイブのパトカーも参加します
ですが運転するテレンジ兄弟が急停止させたのでパトカーは追跡不能となります。
まだ使えるアイスクリーム売りのバンで追跡となりますがもうピエロ星人のクルマがいない。こまった状態になります。
ピエロ星人はどこに隠れる?となります。
ピエロを隠すのは遊園地だとなって遊園地に向かいます。このようなアイデアがいいんです。
遊園地にて。
風船をつないだクルマが到着します。もう閉園ですとガードマン。
このクルマのベースがわからん。エンジン音は何だか2サイクルエンジンのような音をしています。
クルマから次々と降りるピエロ星人。クルマの定員以上にいるような感じです。ここは何となく『極北の怪異/極北のナヌーク』(1922年)のカヤックから降りるイヌイット一家みたいです。
ピエロ星人達のパイ投げの標的になるガードマン。やられます。
アイスクリーム売りのバンが到着します。
ピエロ円盤が見えます。円盤に潜入する4人。
途中でテレンジ兄弟は行方不明となります。
テレンジ兄弟は風船プールにいます。巨乳のピエロがいたりする。最高じゃん。
工場内に入ります。
繭が大幅に増えています。作画合成で増えています。
太ったピエロが来て繭からストローで中身を吸っています。
デビーの入った黄色い風船を探します。見つけてリボルバーで風船を撃ちデビーを救出します。
ピエロ星人達がやって来ます。逃げる3人。
何か普通のアトラクションのような感じになっています。
綱渡りのようなこともやっています。
セットでサイケな色で歪んだ形のドアを開けたりしています。いい感じ。
ドアを何枚も開けて出たところでまたピエロ星人達が押しかけてきます。
バットやゴルフクラブ等を持っています。
そんなとこにアイスクリーム売りのバンが突っ込んできます。テレンジ兄弟でした。
テレンジ兄弟は拡声器でピエロ星人のボスを演じてピエロ星人達を解散させます。
バンの上にはピエロの張りぼてが付いてるからちょうどいいんです。
そんなとこに頭上から本物のピエロ星人のボスというかピエロ怪獣のようなのが現れアイスクリーム売りのバンを破壊します。
ピエロ円盤は光り始めます。どうやら飛び去るようです。
ようやく援軍のパトカー6台が到着します。
警官バッジでピエロ怪獣の鼻を破壊するデイブ。
爆発するピエロ円盤。
ピエロカーが降ってきます。
その中からデイブが出てきます。助かったようです。
テレンジ兄弟も助かっていました。
最後の方になったら英語と日本語がかぶっています。何だいこりゃ。凄いな。
助かった3人にパイが投げられたとこでいきなりちょんぎってエンドとなっています。
後タイトルはカットなのかもしれません。よくわからん。
そんなわけで見てて楽しいB級のよい作品でした。
さすがIMDbで評価5.5だけあって結構よく出来ていました。IMDbは最近の作品の評価は当てにはならないけど古い作品の評価は当てになります。
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