『ジャズ大名』(1985年)
この作品は岡本喜八監督、古谷一行主演のミュージカル・コメディ・時代劇のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1985年 喜八プロダクション/大映映像 日本作品
ランニング・タイム◆85分
プロット◆ジャズが大好きになる話しのようです。
音楽◆筒井康隆/山下洋輔
BS2にて。画質はよいと思う。伏せ字セリフがありました。大昔でもない1985年の作品でもあるようです。
キャスト
古谷一行→クラリネットの海郷亮勝
財津一郎→石出九郎左衛門
神崎愛→フルートの文子姫
岡本真実→松枝姫
殿山泰司→やぶ医者の玄斉
本田博太郎→鈴川門之助
今福将雄→由比軍太夫
小川真司→中山八兵衛
利重剛→過激派の赤坂数馬
ミッキー・カーチス→メキシコ商人 アマンド
唐十郎→薩藩 益満休之肋
ロナルド・ネルソン→ジョー
ファーレズ・ウィッテッド→ルイ
レニー・マーシュ→サム
ジョージ・スミス→アンクル・ボブ
細野晴臣→不明
山下洋輔 →不明
タモリ→不明
この当時の大映は徳間書店の傘下の会社でした。現在は角川書店の傘下になっています。徳間書店より角川書店の方がいくらかはマシかもしれない。
岡本喜八監督の演出はよいと思います。
全体的にところどころで多少ダレる感じもしないでもないが面白いからいいです。
岡本喜八監督作品ですが筒井康隆原作作品でもあります。原作の面白さを十分に生かしてます。いい仕事をしています。
この作品は筒井康隆原作を最高に幸せに映画化したものです。
この点に関しては大林宣彦監督の趣味が色濃く出てヒロイン原田知世が目立った『時をかける少女』(1983年)は及びません。
最高の監督に最高の音楽監督(山下洋輔で原作者の筒井康隆とも親交があります。)言うことありません。いいものです。
殿様がクラリネットを吹くに至るまで1時間も掛かっているんです。それでも見てて面白いのでいいのです。
所々に入るサイレント式字幕がいい。ギャグになっています。
アメリカにてシーンは日本語吹き替え版になっています。これもいい。
境界線ギャグが最高です。
アメフトのファーストダウンを計るチェーンの代わりに槍で境界線までの距離を計っているのがいい。これで境界線の微妙なところに転がっている死体は我が潘とは関係ないと判断します。こういうは好きだな。
殿様の古谷一行に家老の財津一郎がいいコンビで笑わせます。
日本映画でちゃんと笑えるコメディは珍しいので多いに笑わされました。この作品を見てると俳優には責任はないと再確認出来ます。責任は全部監督にあるのだ。
「無用」の繰り返しギャグはよかった。
奥方の子供が出来たけど時期が合わないギャグもいいし、オチの奥方は男と逐電しましたというのもいい。面白い。
時代考証はこれでいい?
フラッシュバックで現在のシーンを挟んでいるだけですから。完全に新旧混合とはいかないけどいいものです。完全に考証したら退屈で見るに耐えなくなるでしょうから適当でいいのかな
この作品の出来自体は非常によいです。
そんなわけでコメディと音楽が組み合わさって見てて楽しいよい作品でした。
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コメント
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当時、この映画にはほのかに期待してました。
岡本喜八の凄さは、今はもうあまり伝わってはいないのですが、それまでの歌舞伎を元にした活動写真っぽさの抜けない日本映画のセンスを一気にモダンに革命してしまったのが、岡本喜八や増村保造や篠田正浩なんですが、残念ながらプログラム・ピクチャーがベースでしたので、今はそれが全く伝わってません。
岡本喜八に、その才能に見合うように日本映画が投資していたら、もっと面白い商業映画が沢山撮られていたに間違いはありません。
というわけで、この突き抜けた面白いセンスが久しぶりで発揮されるかと、実はもっと期待していたのですが、残念ながら岡本監督に少々「疲れ」が見え、当然このくらいの作品はできますよ、というレベルで終わってしまったのがちょっと残念でしたね、当時は。。。
投稿: lalaki | 2009.12.24 14:40
lalakiさん、コメントありがとうございます。
『ジャズ大名』の出来ですが私はもうこれで充分でした。
そう言われればキャストが少し物足りないですか・・・
『ああ爆弾』(1964年)の伊藤雄乃助
『殺人狂時代』(1967年)の仲代達矢、私はこの作品の仲代達矢が1番いいと思っています。
このような方々と比べると気の毒です。そんな感じで『ジャズ大名』はこれでもう充分なのです。
投稿: ロイ・フェイス | 2009.12.25 20:10