『W/ダブル ステップファーザー』(1988年)
この作品はジョセフ・ルーベン監督、テリー・オクィン主演のファミリー物サイコ・サスペンスのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1988年 ITC・プロ 英国=アメリカ作品
ランニング・タイム◆85分
原題◆The Stepfather
プロット◆理想の家族を捜して殺人を続ける話しのようです。
音楽◆パトリック・モラーツ
株式会社ウエストブリッジ発売のDVDにて。画質は悪い。日本語字幕はオンオフは出来ない固定のようで、スクイーズ収録でもないようです。いかにも500円DVD仕様といった感じです。まあいいけど。
キャスト
テリー・オクィン→家族思いのジェリー・ブレイク
シェリー・ハック→再婚のスーザン夫人
ジル・シュエレン→新しいパパが嫌いなステファニー
スティーブン・シェレン→復讐に燃えるジム・オグリビー
チャールズ・レイニャー→カウンセラーのボンデュラント博士
ロビン・スティーブン→ステファニーの知人カレン
ジョセフ・ルーベン監督の演出はよいと思います。
全体的に結構上手い。
脚本のドナルド・E・ウェストレイクは作家で有名な人らしい。
調べると『殺しの分け前 ポイント・ブランク』(1967年)の原作者でした。これにはビックリ。
キャストで・・・
テリー・オクィンは名演です。
目的は正しいけど、手段が間違っている。このようなキャラのようです。
全体的には何となく『疑惑の影』(1943年)のバリエーションといった感じに見えなくもない。
ジル・シュエレンはニットでノーブラのようです。素敵です。
タイトル
製作元はTVシリーズ『サンダーバード』等でおなじみのITC・プロダクションです。
ある家にて。一軒家の全景です。カメラは動いて切り替わり家の内部に入ります。
最初の殺人のシーンとういうか殺人の後始末のシーンとなります。
下手人の男はヒゲを剃ってカラーコンタクトをつけてます。変装している。
説明セリフを使わずにカメラが移動して状況やキャラを描写する手法を使っています。
リビングルームは血だらけで死体が転がっています。家族皆殺しにしたようです。
口笛で『草競馬』を吹きながら歩いてこの家を離れる男。
フェリーに乗って移動中の男。
証拠の入ったトランクを海に捨てます。
この辺までムダなセリフをありません。上手いじゃん。
1年後・・・
新しい家となります。
ジル・シュエレン扮するステファニーが自転車で帰宅する。
シェリー・ハック扮するママのスーザンとふざけ合う。
そんなとこに人間をモデルチェンジしたテリー・オクィン扮する家族思いのステップファーザー ジェリー・ブレイクが帰宅します。
カウンセラーに通っているステファニー。
チャールズ・レイニャー扮するカウンセラーのボンデュラント博士が登場。
ステップファーザーになじめないステファニー。
学校にて。
ケンカをしているステファニー。問題児ぶりを発揮しています。
ジェリー・ブレイクは仕事中。
不動産の仕事をしているようです。
お客一家を案内をしていて、その小さな娘と話しをしていてさっそくステファニーと前の娘を混同しているジェリー・ブレイク。前途は多難というか伏線がしっかりとしているというか・・・
学校を退学になったらしいステファニー。
知人のカレンと話しています。
自宅にて。
寄宿学校に行きたいとステファニー。
反対するジェリー・ブレイク。
カレンと電話中のステファニー。
ジェリー・ブレイクは地下室で小鳥小屋を作る作業中。
ステファニーとママは話し合い中。
寝室にて。
ジェリー・ブレイクはTVでモノクロドラマを見ています。喋る馬が出ているドラマです。
で、ジェリー・ブレイクとスーザン夫人はセックスとなります。
これが娘のステファニーに聞こえてる。
プロローグで殺人のあった家にて。
地図からここはシアトルらしい。
モリソンと名乗る男が家族を皆殺しにした家です。
1970年代のクルマで男が2人やってきます。
スティーブン・シェレン扮する復讐に燃えるジム・オグリビー。殺されたモリソン夫人の弟らしい。もう1人は新聞記者です。
殺されたビッキー・モリソンは俺の姉だったと新聞記者に話すジム・オグリビー。
ジェリー・ブレイクの自宅にて。
ガーデンパーティとなっています。
スピーチしているジェリー・ブレイク。家族思いが強調されています。
新聞記事に1年前の家族皆殺しの事件が載っています。これが話題となります。
この事件をもう忘れているようなジェリー・ブレイク。でも少しおかしくなっています。
地下室へアイスクリームを取りにきたステファニー。
そこにジェリー・ブレイクが来ます。ステファニーには気がついていない。
何やらわめいて当たり散らしています。
ステファニーに気がつくジェリー・ブレイク。ここは「セールスマンはストレスが多い」とごまかしています。
庭に出たステファニーをジェリー・ブレイクが事件記事を隠そうと折り畳んだ新聞を見つけます。1年前の家族皆殺しの記事が載っています。→ここが『疑惑の影』なのです。
カレンにそのことを話しいるステファニー。
シアトルの新聞社にて。
怒鳴り込むジム・オグリビー。
肝心の殺人犯の顔写真が載っていないと意味がないと怒っています。
これに応対の新聞記者。この事件はもうニュースバリューがなかったというのが言い訳でした。
カウンセラーにて。
話し合いのステファニーとボンデュラント博士。
逃げることも必要だとボンデュラント博士。伏線かと思ったがそうでもなかったような。
自宅にて。
郵便物が届きます。ステファニー宛のこの封筒は何だと勝手に調べるジェリー・ブレイク。そのシアトルから届いた封筒の中身は自分の顔写真でした。ヒゲはあるけど。
自転車で帰宅のステファニー。他の郵便物だけを渡すジェリー・ブレイク。
地下室にて。
イライラのジェリー・ブレイク。さてどうする?
ボンデュラント博士から電話が入ります。居留守のジェリー・ブレイク。
警察にて。
ウォール警部補が登場。ジム・オグリビーが直談判に来ています。
手がかりはゼロとウォール警部補。だから捜査活動は出来ないとなります。
奴がまた同じ犯罪をしないと動けないと言ってます。それでは日本の警察みたいに「殺されてから電話してくれ」と言ってるようなものです。
射撃練習をしているジム・オグリビー。
やる気満々のようです。
学校に行くジェリー・ブレイク。
Mrs. Leitner校長を説得しているようです。理想の家族のために尽力しているわけです。
カウンセラーにて。
ステファニーは学校に戻れるようになったようです。
不動産事務所にて。
ジェリー・ブレイクにマーティンなるお客から電話です。
どうやらカウンセラーのボンデュラント博士がお客マーティンを装ってジェリー・ブレイクと面談するつもりらしい。
ステファニーはボーイフレンドのポールと歩きながら仲良くしています。
このボーイフレンドは大したことがないキャラのようです。
帰宅するステファニー。
シアトルから封筒が配達されています。以前ジェリー・ブレイクが開けたのと同じ物です。中身の顔写真は別人にすり替えられていました。これには気がつかないでごまかされてるステファニーです。
不動産物件の家にて。
お客を待ってるジェリー・ブレイク。
クルマでマーティンを名乗るボンデュラント博士がやってきます。
家を案内となります。
さりげなく家族ネタを振るボンデュラント博士。ところが独身と称したがいつの間にか妻子持ちになっているボンデュラント博士。慣れないことをやったのでボロが出てしまいます。
そんなわけでいきなり角材で殴打するジェリー・ブレイク。殴り殺します。
身分証明を見てボンデュラント博士とわかります。
死体を片付けるジェリー・ブレイク。
夜のハイウェイにて。
死体を乗せたクルマのガソリンに火をつけて道路脇に転落させます。
ボンデュラント博士の死体にもちゃんとシートベルトをするのがそれらしい。
爆発炎上するクルマ。『草競馬』の口笛を吹きながら夜のハイウェイを歩いて引き上げるジェリー・ブレイクです。
自宅のガレージにて。
ステファニーにボンデュラント博士の死を告げるジェリー・ブレイク。
ジム・オグリビーはシアトルの家に来ています。
地下室を調べています。切り取られているページのある雑誌を見つけます。
自宅にて。
小鳥小屋が完成して庭に据え付けています。
ジェリー・ブレイクに謝罪のステファニー。ここまでは小細工が成功したようです。
ベルウェイ図書館にて。
雑誌のバックナンバーを調べているジム・オグリビー。
オークリッジ、ワシントン、姉の仇はここらしい。
街中にて。
ボーイフレンドのポールがステファニーをベスパのスクーターの乗せています。
運転しているステファニー。
自宅に戻ります。
ポールとステファニーがお別れのキスをしているとこにジェリー・ブレイクが出てきて怒鳴りつけます。これでまた以前の疎遠な父と娘の状態に戻ってしまいました。
スーザン夫人はやり過ぎだとジェリー・ブレイクを責めます。これでおかしくなるジェリー・ブレイク。
不動産事務所にて。
ここを退職するジェリー・ブレイク。どうやら今回の家族に見切りを付けたようで、次の家族への準備をしているようです。
ジム・オグリビーもいよいよこの街にやってきています。
誰なのか古いクルマなので見てすぐにわかります。
地元警察で直談判となりますが相手にされていません。
受付の中年女性バーンズを口説いて情報取りをやるジム・オグリビー。
新しいカウンセラーに通うらしいステファニー。
ですが、すっぽかしてボンデュラント博士の事務所に入ってます。ここで机に書かれたメモを見つけます。ジェリー・ブレイクに会う予定。
ジム・オグリビーはあちこち聞き込みをやっています。
この古いアメ車は何だろうね。気になります。
またフェリーに乗っているジェリー・ブレイク。
トイレで変装をしています。
まだ現在の家族を始末していないけどどうするんだ?
ステファニーはボンデュラント博士が殺された家を調べに侵入しています。
これは空振りに終わったようです。
ローズデールの街に来ているジェリー・ブレイク。
ここが次の街のようです。
チェスタートン保険会社の面接を受けています。
自宅にて。
気まずい雰囲気で食事の3人。
外に出るジェリー・ブレイク。近所の幸せな家族を見ています。これも意味深なシーンでいい感じです。
ジム・オグリビーは偶然にジェリー・ブレイクの自宅に聞き込みにやってきます。
ジェリー・ブレイクが不在でこの聞き込みは空振りでした。まだここだとは気がついていない。
ジェリー・ブレイクはフェリーで移動中。
次の下準備に励んでいるようです。
ローズデールの新しい自宅にて。
ジェリー・ブレイクは近所の子持ちの女性に声をかけています。
自宅にて。
スーザン夫人が不動産事務所に電話するとジェリー・ブレイクは退職していると知らされます。初めて退職のことを知るスーザン夫人。
ジム・オグリビーは行き当たりばったりの聞き込みを続けています。
偶然ですが今度の聞き込みは当たりで不動産屋のジェリー・ブレイクの顔がわかります。
帰宅するジェリー・ブレイク。
スーザン夫人に退職のことを聞かれます。
混乱しているのか思わず新しい名前を口走るジェリー・ブレイク。この後に名セリフで「俺は誰だっけ?」とカマします。
で、電話中だったものでいきなり受話器でスーザン夫人を殴打するジェリー・ブレイク。受話器本来の目的とは違う使用法でこれはサプライズななかなかのシーンです。
ジム・オグリビーは古いアメ車で急行中。
あまり関連性のないカットバックに思えますがまあいいでしょう。
帰宅するステファニー。
泡食っているようなジェリー・ブレイク。
そんなことには関係なくステファニーは意味もなくサービスシーンのシャワーとなります。
ジム・オグリビーは呼び鈴を鳴らしても誰も出ないので勝手に入ってきます。
で、「やあジム」とあいさつのジェリー・ブレイク。顔見知りなのかい。前夫人の弟なのでそりゃ当然ですか。
で、いきなり包丁でぐさりとジム・オグリビーを返り討ちにするジェリー・ブレイクです。
次はステファニーを追い回すジェリー・ブレイク。
屋根裏部屋に逃げるステファニー。
床というか天井裏を踏み抜いて転落するジェリー・ブレイク。
階段にて。
転落した地下室から出てきたスーザン夫人がジム・オグリビー持参のリボルバーでジェリー・ブレイクを撃つ。弾丸が尽きたとこでステファニーが包丁で刺す。
「愛してる」と言って絶命(そのように見えます。)するジェリー・ブレイク。あくまでも目的は正しいが手段が間違っています。首尾一貫しているのが何となく凄い。
エピローグ。
ステップファーザー ジェリー・ブレイクの作った小鳥小屋を切り倒すステファニー。
ママと自宅に戻ります。
エンドとなります。
そんなわけで目的は正しいが手段が間違っているサイコなキャラが出色の出来なよい作品でした。
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