『トリコロール 白の愛』(1994年)
この作品はクシシュトフ・キェシロフスキ監督、スビクニエフ・ザマホフスキ、ジュリー・デルピー、ヤヌス・ガヨス主演の自己回復ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1994年 フランス=ポーランド作品
ランニング・タイム◆89分
原題◆Trois Coulerurs:Blanc
プロット◆奥さんとよりを戻そうとする話のようです。
音楽◆ズビグニエフ・プレイスネル
BS11衛星放送にて。画質はよいです。
キャスト
ジュリー・デルピー→ヒロインのドミニク
スビクニエフ・ザマホフスキ→さえない男のカロル
ヤヌス・ガヨス→実は自殺志願の男ミコワイ
クシシュトフ・キェシロフスキ監督の演出はよいと思います。
鳩の羽ばたきの音があちこちに挿入されていました。鳩がいなくてもあったような。これはまた映画的となっています。
暗いシーンになったのかと思うとそれが溶暗のようなものでシーン転換していました。これは面白い手法です。
タイトル名の『白』ですが、白とはこういう意味だったんですか。セックスで達して頭が真っ白になるということでした。
ポーランド人のさえない男のカロルは不幸を絵に描いたようなものでした。
フランスにてクレジットカードが使えずに一文無しとなってパスポートも無しで母国に戻るのにマジにトランクの中に入ったり、自分の入ったトランクが盗まれるのが心配だと言ってたらホントに盗まれてしまったり。で、荒れ地にてトランクから放り出されて袋だたきにされたりと散々な目にあっていました。
で、なけなしの2フランが捨てられない。で、この2フランがお守りのようになってもいました。後で身代わりの死体と一緒に棺桶に入れてました。
演じるスビクニエフ・ザマホフスキはこのキャラにハマり過ぎとなっています。
ポーランドを走ってるベンツはディーゼルエンジンでした。ポーランドといえば貧乏となるらしいのなるほどとなります。
さえない男のカロルは羽振りがよくなりつつある時にフランス語を習っていたりしてました。
土地で設けようと危ない橋を渡ろうともしていました。それを元手に輸出入業みたいなことを始めます。で、景気がよくなるとクルマは運転手付きのボルボになってしまいます。もちろんディーゼルエンジンではありません。
もう1人の主人公の男もいいキャラをしていました。
実は自殺志願の男ミコワイはフランスから着いたポーランドの空港でニコリともせずに「トランクの中には友達が入っていた」とホントのことを言うとこがブラックでいい感じです。
演じるヤヌス・ガヨスは名演でした。
自殺騒動が一段落して、いい歳こいた男2人が氷上で遊ぶ図はいいシーンでした。この作品の主役はこの男2人のようです。
プロローグでは離婚裁判となっていてジュリー・デルピーは性の不満とハッキリと言ってます。言われた男のカロルにはきびしくて不幸に拍車をかけます。
クルマを運転するヒロインの図はこの監督の好きな設定のようです。
そんなわけで残念ながらジュリー・デルピーはサポートキャラでしたがよい作品でした。
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