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2009.06.06

『カジュアリティーズ』(1989年)

この作品はブランアン・デ・パルマ監督、マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン主演の陰々滅々戦争映画のようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1989年 コロンビア・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆119分
原題◆Casualties of War
プロット◆強姦騒ぎを傍観していたら殺されかける話しのようです。
音楽◆エンニオ・モリコーネ
ソニー・ピクチャーズ発売のDVDにて。画質は非常によいです。

キャスト
マイケル・J・フォックス→四面楚歌のエリクソン上等兵
ショーン・ペン→破れかぶれのミザーブ軍曹
ドン・ハーヴェイ→いかれてるクラーク伍長
ジョン・C・ライリー→ボケ役のハッチャー
ジョン・レグイザモ→補充要員のディアズ
ダン・マーティン→ホーソン伍長
エリック・キング→早口の黒人兵ブラウン
ツイ・ツウ・リー→気の毒なベトナム少女/電車のアジア系女性
ビング・レイムズ→大人の判断のライリー中尉
デイル・ダイ→告発が迷惑なヒル大尉


ブランアン・デ・パルマ監督の演出はよいと思います。
キャスティングには恵まれています。オールスターキャストではないですか。

この時期のアメリカは徴兵制でした。徴兵制はドラフトと言います。志願はボランティアです。
ベトコンをのことをBCと言っています。VではなくBなのがいい加減というか大雑把なアメリカらしい。

前説字幕があります。
実話に基づいている・・・・

プロローグ。
アメリカ国内 路面電車内にて。
マイケル・J・フォックス扮するベトナム帰りのエリクソンが登場。
アジア系の女性を見ています。
回想となります。

ベトナム。夜。ジャングルにて。
戦闘中です。
ショーン・ペン→破れかぶれのミザーブ軍曹
ドン・ハーヴェイ→いかれてるクラーク伍長
ジョン・C・ライリー→ボケ役のハッチャー
エリック・キング→早口の黒人兵ブラウン
ビング・レイムズ→大人の判断のライリー中尉
等が登場。豪華なキャストです。

地下にベトコンのトンネルがあると気が付くハッチャー。
迫撃砲で攻撃されます。

そんなとこで地面にハマるエリクソン。
地面に入るカメラ。何だかセット丸出しなような。いかにもブランアン・デ・パルマ監督らしいシーンです。
トンネル内ではナイフをくわえてエリクソンに迫るベトコン。
で、ミザーブ軍曹に助けられるエリクソンです。
トンネルから出てきたベトコンをM16の水平撃ちをやっているミザーブ軍曹です。

村に入るミザーブ軍曹の一行。
クレーンショットが印象的てす。
アメリカ兵の言い分としては、何をやっても「悪かったな」で済むらしい。
おっさんをベトコンなのかと調べてるミザーブ軍曹。
黒人兵のブラウンと話し込むエリクソン。
そんなとこをベトコンの急襲となります。撃たれるブラウン。

救出のヘリコプター2機がやってきます。
運ばれるブラウン。

ウルフ基地にて。
クレーンを使った俯瞰ショットがあります。
戻るミザーブ軍曹の一行。

雑談となります。ここでも遠近合成の得意の手法が見られます。
21:00までオフ。翌朝06:00から偵察任務となるとのこと。
ブラウンは死んだと伝えるミザーブ軍曹。

シャワー中の3人。
エリクソン
クラーク
ハッチャー
何てことがない会話のシーンです。

夜になって街に繰り出そうとするがミザーブ軍曹の一行の計4人。
ゲートで止められます。
これに怒りを爆発させるミザーブ軍曹。これで暴走のスイッチが入ったようです。

ジョン・レグイザモ扮する補充要員のディアズが登場。
偵察任務を説明するミザーブ軍曹。
1時間早く出てニア・ハン村に寄り女を調達すると言っています。

この件を別の知人に話すエリクソン。
もちろん本気にしていない知人。

ニア・ハン村にて。
マジで女を調達しています。
ミザーブ軍曹とクラーク伍長が主犯。
これは冗談ではなかったとなります。

そのまま行軍となります。
ミザーブ軍曹と話すエリクソン。

ディアズと話すエリクソン。
やりたくないと言っているディアズです。
神妙な演技のジョン・レグイザモは珍しい。

ベトコンと間違えて水牛を撃つハッチャー。
当然ミザーブ軍曹に怒られています。

またミザーブ軍曹と話すエリクソン。
女はベトコンのフッカー=売春婦だと言ってます。

話しは陰々滅々ですが、ロケの風景だけは美しい。
この辺で行軍中にヘビが少し出るとこをちゃんと覚えていました。

ボロボロの小屋があります。
川が30mほど離れたところにあると報告が入ります。
ここをベースにするとミザーブ軍曹。

レイプは嫌だとエリクソンに訴えるディアズ。
協力してくれと言ってるディアズ。

女の手当をするエリクソン。

レイプを断るエリクソン。
怒りを爆発させるミザーブ軍曹。
指名されたディアズは断りきれなくなります。
エリクソンにレイプしないなら殺すと脅すミザーブ軍曹。

レイプとなります。
4人でやります。
で、やたらとビールを欲しがっているハッチャー。ジョン・C・ライリーはボケ役なのか?。

夜、雨になっています。

翌日の昼。川に出ます。
ベトコンのエンジン付きの船がいます。
応援を要請します。これはアメリカ軍のガンボートを呼んだらしい。

小屋にて。
エリクソンと攫われた女。
女のロープを解くエリクソン。
女の具合をみるエリクソン。具合は非常に悪い。

川にて。
いよいよ戦闘になりつつあります。
ここでクラークがやる気満々でやって来ましたがエリクソンと女を一緒にするなとミザーブ軍曹に追い返されます。

小屋にて。
女を逃がそうとするが上手くいかないエリクソン。
もたもたしていたので戻ってきたクラークに見つかります。面倒だと3人とも戦闘状態に入りつつある川に移動となります。

川にて。
船からトンネルに物資を運んでるベトコンの面々。
無線でヘリコプターを呼びます。攻撃ヘリ5機がやってきます。このヘリコプターが映画的というか飛んでるだけで見事なシーンになっています。機種は映画でおなじみなベル UH-1 イロコイです。
女を連れてきたのはいいが咳がひどくて見つかるとまずいとなり、女を殺せとエリクソンに命令するミザーブ軍曹。
クラーク伍長はやる気満々ですが指名しません。
エリクソンからハッチャー、ディアズともめているとこをベトコン側から撃たれて戦闘が始まります。
女を咳云々ではなく、これだけ騒いでいれば見つかります。

ここでも遠近合成のシーンが目立ちます。
ブランアン・デ・パルマ監督は上手いものです。

攻撃ヘリ5機からのナパーム弾攻撃で味方のガンボートまで巻き添えにして戦闘は終ります。ここはミニチュアを使用しています。

ヘリコプターで運ばれるエリクソン。
ローターが見える主観ショット。ここから野戦病院につながります。

この件を告発しようとするエリクソン。
まず別の部隊の知人に話します。そんなとこにクラーク伍長が口止めにきたりします。告発した方がいいと知人は言う。

まずライリー中尉に報告するエリクソン。
ライリー中尉を演じるのがビング・レイムズで、これが名演となっています。
淡々と人種差別されて刑務所入りしたことを話しています。
そんな感じで大人の判断で現実的処置となります。これには不満のエリクソン。

また別部隊の知人と話すエリクソン。
この知人を演じているのが誰だけわからん。
今度はもっと上官のヒル大尉に話すとエリクソン。
そんなとこで地雷が爆発となります。新兵が死んでいます。

次はヒル大尉に報告するエリクソン。
演じてるのがデイル・ダイです。白髪の他の作品でもよく見る俳優です。
『アウトブレイク』(1995年)
『ミッション:インポッシブル』(1996年)
どうやらモノホンの軍隊上がりの人らしい。『フルメタル・ジャケット』(1987年)での鬼教官役のR・リー・アーメイほど有名ではないようですけど。
ヒル大尉は最初から迷惑そうで結局説教されただけのエリクソンです。

トイレにて。
手榴弾で狙われるエリクソン。ここはジッポーのライターを落とした偶然に助けられます。
偶然通りがかったハッチャーがクラーク伍長の名前を出したので下手人がわかります。

さすがに頭にきたエリクソン。
シャベルを持って文句を言いに行きます。
クラーク伍長を思い切りシャベルで張り倒します。
エリクソンにお前はいかれていると言うミザーブ軍曹。エリクソンにしてみればアンタには言われたくないか?

バーにて。
別の上官?に話しかけられるエリクソン。
この人はメソジスト派の牧師でした。自分はルター派と言ってるエリクソン。宗教ネタはよくわからん。
ここから事件が公になります。

事情聴取されるエリクソン。
死体はまだあると証言します。

その現場です。
死体はありました。あれからずっと放ったらかしだったようです。これもこれで凄い。

軍事裁判?軍法会議?がとなります。
被害者の女性の名前はトラン・ティ・ワンとわかる。
それぞれの面々の証言となります。
後悔しているとディアズ。いつ脱線するのかと思っていましたが終止にわたって神妙な演技のジョン・レグイザモでした。珍しい。
ブランアン・デ・パルマ監督作品の常連グレッグ・ヘンリーに似た人が弁護人をやっていました。激しくエリクソンを責め立てています。
結局有罪にはなったけど当然執行猶予なのか?
有罪の面々ですがそれぞれエリクソンにお礼参りの予告をやっています。

エピローグ。
唐突に路面電車内に戻ります。
アジア系の女性がスカーフを忘れたので追って手渡すエリクソン。
この描写で多少は救われたような感じになっています。
エンドとなります。


公開当時見てまずが今回DVDで見ましたがホトンドのシーンを覚えていました。
そんなわけで佳作です。よく出来た戦争映画のよい作品でした。


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