『ウエスト・サイド物語』(1961年)
この作品はジェローム・ロビンス/ロバート・ワイズ監督、ナタリー・ウッド、ジョージ・チャキリス他主演の有名なミュージカルです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1961年ロバート・ワイズ・プロ/ユナイト アメリカ作品
ランニング・タイム◆152分
原題◆West Side Story
プロット◆ロミオとジュリエットの焼き直しの話のようです。
音楽◆レナード・バーンスタイン
作詞◆スティーブン・サンドハイム
20世紀フォックス発売のDVDにて。画質は非常によいです。
キャスト
ナタリー・ウッド→ヒロインのマリア
ジョージ・チャキリス→シャーク団のベルナルド
リタ・モレノ→ベルナルドの恋人アニタ
ホセ・デ・ベガ→シャーク団のチノ
リチャード・ベイマー→ジェット団の兄貴分トニー
ラス・タンブリン→ジェット団のリフ
タッカー・スミス→ジェット団のアイス
サイモン・オークランド→シュランク警部
ウィリアム・ブレムリー→クラプキー巡査
ネッド・グラス→店の主人ドク
ジェローム・ロビンス/ロバート・ワイズ監督の演出はよいと思います。
脚本はアーネスト・レーマン。
プア・ホワイト系のジェット団とプエルトリコ系のシャーク団が対立する設定。
ケンカもダンスで描写されています。
さすがに有名な作品だけあって聞いたような歌が多くあります。
話しの方は定番なロミオとジュリエット物のようです。
序曲があります。
線が何かをかたどっていてバックの色が次々に変わります。線にオーバーラップしてN.Y.のビル街となります。これはソウル・バスのデザインのようです。
後タイトルもかなり凝っていて、そんなタイトルに付き物な読みにくさはそんなになかった。さすがタイトルデザインの巨匠は違います。カイル・クーパーなんてデザイン凝り過ぎで肝心の文字が全然読めないからこまったものです。
俯瞰で都市N.Y.を映し出しています。MLBファンの私にはヤンキー・スタジアムが印象に残ります。まだN.Y.メッツはないのでシェイスタジアムはないようです。
何だかこの作品のよいところはタイトルのみような気がする。
ダンスホールにて。
マリアとトニー互いに一目ぼれする描写がありました。私にはあなたしか見えないのというとてもわかりやすい描写でした。ギャグではないようです。
複数の歌がオーバーラップする手法がありました。ジェット団、シャーク団、アニタ、マリア、トニー。これはよかった。
素手でケンカしてカタをつける筈が両者ともナイフを携帯してて殺し合いとなってしまいます。殺したらケンカにならないということのようです。
で、ジェット団のリフ、シャーク団のベルナルドが死に至ります。
正直言ってベルナルドを演じるジョージ・チャキリスが退場してからは、この作品のボルテージはかなり落ちます。ラス・タンブリンが退場するのは別に構わないのですが・・・。
そんな感じでナタリー・ウッドだけではもたないような感じです。恋人役のリチャード・ベイマーはしまらないルックスですし。
白人でもポーランド系移民は階級が下のようです。これはいつものことです。ポーランド系というと何故か東宝特撮でおなじみなニック・アダムスを連想します。ニック・アダムスはハリウッドではポーランド系の役が多かったような。
ジェット団の次のリーダーはアイスとなっているようです。
シャーク団のリーダーはチノのようです。
結局リーダー2人はあまり重要なキャラではなかったようです。
マリアとトニーのバレバレの逢瀬の図がありました。
それにしても何か行動を起こす前に事実確認をしてからの方がいいように思えます。見てて全然クールではなかった。こまったものです。
この終わり方ですとはかなり陰々滅々のラストでした。カタルシスも救いな描写もないようです見終わってもどうもスッキリしません。
主要キャスト3人・・・
ジョージ・チャキリスはやせてるジョン・トラボルタといった感じに思えました。マリアの兄という設定。
ナタリー・ウッドはルックスから当然ラテン系のシャーク団関係者でした。
ジェット団の兄貴分トニーを演じるリチャード・ベイマーは何となくピーター・ギャラガーに似ています。正直言ってリチャード・ベイマーは魅力薄です。
他のキャストで・・・
ドラッグストアのような店をやってるドクを演じるネッド・グラスはどこかで見たような。
ネッド・グラスは『『シャレード』(1963年)に出ていました。IMDbで調べるとノンクレジットで『『北北西に進路を取れ』(1959年)にも出ているとわかりビックリ。ケイリー・グラントを怪しむグランドセントラル駅での切符売りで出ていたのか。それでは目立つわけです。
人種問題はアメリカでは受けますからアカデミー受賞となったのでしょうと思ってしまった。
ミュージカルは何も考えずに歌とダンスだけでのいいのではとなります。
そんなわけで評判はいいけど私的にはまあまあな作品でした。
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