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2009.06.28

『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)

この作品はロバート・ワイズ監督、ジュリー・アンドリュース、クリストファー・プラマー主演の有名なミュージカルです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1965年 ロバート・ワイズ・プロ/20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆175分
原題◆The Sound of Music
プロット◆普通のミュージカルかと思ったら国境を脱出する話しでもあるようです。
音楽◆リチャード・ロジャース
作詞◆オスカー・ハマースタイン2世
編曲◆アーウィン・コスタル
20世紀フォックス発売のDVDにて。画質はとてもよいです。サウンドも5.1ドルビーデジタル。日本語吹き替え版のキャストは武藤礼子に金内吉男でいいなと思ったが増山江威子が出ているで見る気が半減した。増山江威子はあまり好きではないのです。

キャスト
ジュリー・アンドリュース→修道院から来たマリア
クリストファー・プラマー→トラップ大佐
カミアン・カー→16歳のリーズル
ヘザー・メンジーズ→13歳のルイーザ
アンジェラ・カートライト→10歳のブリギッタ
エリナー・パーカー→男爵夫人
リチャード・ヘイドン→マックスおじさん
ギル・スチュアート→執事のフランツ
ダニエル・トルフィット→郵便配達のロルフ

ロバート・ワイズ監督の演出はよいと思います。
脚本がアーネスト・レーマン。
舞台は1930年代のオーストリアのザルツブルクとなっています。

ランニング・タイムが175分もあります。
この作品は普通のドラマの本編にミュージカルナンバーを加えてあまり編集してカットせずにそのままに足して175分となったようです。ミュージカルは本編が貧弱というか退屈なのがマイナスポイントと思っていますが、あまり本編の方がだれないのはロバート・ワイズ監督の腕前のおかげでしょう。
175分という作品の長さは問題ではないと思います。エモーションが持続出来るかが問題なのでしょう。

ワイドスクリーンの使い方はあまり上手くなくて人物が真ん中に配置されているだけのようです。これはマイナスポイントになります。人物をどちらかに少し寄せるのがいいのです。

修道院からトラップ大佐の家に家庭教師としてやってくるマリアと話しは進行します。
トラップ一家の7人姉弟の1番年上の16歳のリーズルは郵便配達のロルフといい仲という設定になっています。

100分位経過したとこで修道院から来たマリアが大佐の家を出たとこでインターミッションとなります。

もどったらすぐにマリアと大佐は結婚します。
新婚旅行から戻ったとこですぐに国境の山越えとなっています。大佐のオーストリアを脱出することもあっさりと描写されていました。
どこで時間を使っているというとコンテストが歌うシーンと表彰のシーン。それに修道院での脱出サスペンスに時間を使っているようです。

ラストでドイツ軍の追跡を阻止するためにクルマの部品を外すとこではちゃんと点火系の部品を外していました。修道院の尼僧がどこでそんな知識を仕入れたんだ?と面白い。

ミュージカルナンバーではどの歌もいいですけど有名な『ドレミの歌』が1番いいです。英語の歌詞の訳した日本語字幕だと前後のセリフは合わせてやさしい音楽のお勉強といった感じで非常にいいです。こういうとこが映画のいいところです。
シではなくてティーと言ってます。これも不思議。
小学校で習ったこの歌の日本語専用の歌詞はただのごろ合わせで何だかわからんというか単なるムダだと思えてきます。よく思い出すとそうでもないかな。教えられたことがわかってなかったのかもしれません。

キャストの人達はあまり知りません。
7人姉弟の人達をこの作品以外では全く無名なようです。この作品のためにはそれでよかったのかもしれません。

ジュリー・アンドリュースは役柄を考えてもあまり美しくありません。ジャンヌ・ダルクのようなヘアスタイルです。
サービスなのか突然クローズアップでソフトフォーカスになるとこもあります。
『ムーラン・ルージュ!』(2001年)のニコール・キッドマンより当然美しくありません。作品、女優のタイプが違うといえばそれまですけど。

ジュリー・アンドリュースの旦那はブレイク・エドワーズ監督ですが、この人はボンクラ監督だと私は思っています。少なくとも上手くはない。数本見ていますがあまり上手いとは思えない。

よく似ている名前の女優さんが2人・・・
エリナー・パウエルはタップダンスの人で、エリナー・パーカーは『探偵物語』(1951年)のヒロインとなります。この作品のエリナー・パーカーはサポートで出ているだけでした。正直言って必要がないキャラのような感じ。

この作品はミュージカルですけどファミリー物でもあるようです。
私はミュージカルに限らず1960年代の作品はあまり好きではなかったりします。
何か中途半端な年代だと思えます。1950年代までのハリウッド的豪華さと1970年以降のリアル趣向のちょうど間で、豪華とリアルの描写バランスが悪いように感じるのです。

何故か私のアタマの中では『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年)と『マイ・フェア・レディ』(1964年)がセットになっています。特に関連はないのですけど・・・

そんなわけでファミリー物ミュージカルの標準的なよい作品でした。



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コメント

映画史上名高いこの映画を初めて観ました。
2~3年前、同じ題材のドイツ映画「菩提樹」を観たことがあります。
これはマリアの自伝に基づいたドラマ仕立てだったので、「サウンド~」も音楽シーンが多いドラマだと思っていたら、半ばミュージカル仕立てなので少し面食らいました。
ロイさんもおっしゃっているように、どっちつかずの中途半端な感じでした。
しかし、さすがはロバート・ワイズ監督作だけに、その半端感を上回る力があり、名作と言われるのもむべなるかなと思います。
「菩提樹」では、マリアを演じたルート・ロイヴェリックがなんとも素晴らしかったが、「サウンド~」ではジュリー・アンドリュースもさることながら、クリストファー・プラマーがとても印象的でした。
この俳優は初めてですが、男の優雅さを見事に演じていましたね。
それと7人の子供の可愛いこと・・・ 
クリストファーや子供たちの歌は自前なのでしょうか。
冒頭の雄大な大自然の映像や、中世を思わせる町並みは素晴らしいです。

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