『マイ・フェア・レディ』(1964年)
この作品はジョージ・キューカー監督、オードリー・ヘップバーン、レックス・ハリスン主演の有名なミュージカルです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1964年 ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆173分
原題◆My Fair Lady
プロット◆飼いならすつもりが逆だったという話しのようです。
音楽◆Andre Previn アンドレ・プレヴィン/Frederick Loewe フレデリック・ロー
ワーナー発売のDVDにて。画質は非常によいです。サウンドは5.1ドルビーデジタルになっています。競馬場にて馬群の移動するとこが効果的によくサラウンドしています。◆後タイトルにドルビーステレオやDTSの表示がありました。リニューアル版を劇場公開したことがあるのかな。
キャスト
オードリー・ヘップバーン→花売り娘のイライザ
レックス・ハリスン→ヒギンズ教授
ウィルフリッド・ハイド・ホワイト→ピカリング大佐
スタンリー・ホロウェイ→イライザの父ドゥーリトル
グラディス・クーパー→ヒギンズ教授の母
ジェレミー・ブレット→若い男フレディ
モナ・ウォッシュバーン→家政婦のピアス
テオドール・バイケル→ヒギンズ教授の弟子のカーパチ
ジョージ・キューカー監督の演出はよいと思います。
この監督は本物の職人監督です。余計なことをせずに脚本の通りに撮るだけ。
俳優さん達にも比較的自由にやらせるようですし。製作側からも俳優からも受けがいい監督となります。
本編の方はまあまあでそんなに退屈ではありません。
173分の長時間もそんなに気になりません。それでもミュージカルシーンは本編が延々と続いていて待ちくたびれると突然ミュージカルになって歌に入る感じがしました。まあいいけど。
この作品は全体的に見ると1930年代風の豪華な作りになっているように思えます。1960年代にカラーで1930年代風の豪華な作りをやるというのがこの作品の特徴と思えます。
プロローグの雨の降る花市場のシーンでは何故か『ブレードランナー最終版』(1982年/1992年)のブリスとJ・F・セバスチャンが初めて会うシーンに感じが似て見えてしまった。
この作品の方が先なので引用したのは『ブレードランナー』の方です。ミュージカルからSFとなるのが面白い。
ミュージカルでは人々が凝固するシーンがあります。これはいい手法です。花市場や競馬場でありました。舞踏会のシーンではなかったか?
時代設定はいつ頃なのでしょう。
ビクトリア朝の頃のロンドンなのか?ガス灯があってクルマも走っていて電話も使えている。いつ頃?架空の世界なのか。
チョコレートでつられる花売り娘のイライザの図。
未見ではないのですが半年のレッスン期間がある設定と初めて知りました。なるほど半年に渡る話しなのか。
レックス・ハリスンとオードリー・ヘップバーンはお似合いには見えないような。
それでは本来主役をやるはずだったジュリー・アンドリュースだったらお似合いなのかというとやっぱりそうではないような。誰がいいのかとなるとどうも思い当たらない。
有名な歌『スペインの雨は主に平野に降る』
『日本の雨は主に長崎に降る』こんな言葉が出てる高橋留美子のマンガがありました。洒落た引用でした。
◆私が考えたのは、『日本の雨は主にサッカー場に降る』Jリーグの試合は雨ばかりなのでマジでそう思えます。
アスコット競馬場にて。ところで大昔にアスコットという名のついたバイクがありました。ダートトラッカータイプのホンダのバイクでした。
この競馬場で大失敗したところから後6週間で舞踏会となります。
その舞踏会はあっという間で次のシーンで始まってしまいます。こんな進行になっていたんだ。100分位で舞踏会のシーンとなります。
102分でインターミッションとなります。
113分で舞踏会は終わります。舞踏会はクライマックスではありません。ここから長そうで実際に長いのです。
オチが結構軽いような感じです。スリッパで終わりかいと面白い。
キャストで・・・
オードリー・ヘップバーンはやはりやせ過ぎに見えます。ところでこの人はベルギー人だっけ?
評判通りにあっという間にきれいになってしまいます。悪いのは発音だけのようです。その発音を直すために特訓の日々となります。
歌は吹き替えのとこですが、これも評判の通り声が違い過ぎます。
もう少し似た声の人にすればよかったのにと思えます。歌になるといきなり声が全く違うのでセリフの日本語から歌の英語へとなる日本語吹き替え版並みの違和感があったりします。
レックス・ハリスンはどこの生まれなんだ?どこから見ても紳士です。
イライザの父ドゥーリトルを演じるスタンリー・ホロウェイは私のディズニー作品での唯一のお気に入り『ふしぎの国のアリス』(1951年)
でのチェシャ猫のVCを担当しています。この人は自前の声で歌っているようです。
若い男フレディを演じるのはTVドラマのシャーロック・ホームズ役で有名なジェレミー・ブレットです。
見ているとシャーロック・ホームズの方がおなじみなので、何だかヤング・シャーロック・ホームズのように見えてしまいます。
歌は吹き替えのようですけど。後半にしか出ていないと思っていましたが最初から出ていたようです。始まって90分頃に吹き替えの歌のシーンがあります。
てことはオードリー・ヘップバーンとジェレミー・ブレット以外は歌の吹き替え無しということのようです。結構情けない2人です。
製作のジャック・ワーナーは仲の悪いワーナー4兄弟の三男です。
映画製作現場担当のジャック・ワーナーと資金調達担当の長男ハリー・ワーナーとは犬猿の仲とのことです。ワーナー兄弟に関してはダリル・F・ザナックの評伝『ザナック ハリウッド最期のタイクーン』に面白おかしく書かれています。
それぞれ何々は「少なくともそう主張していた」というのが笑えます。
ジャック・ワーナーのことはスープを盗むのにポケットをゴム張りにする男でこれだけではなく他にも色々とやっててジャックは本物の悪党だとなっていました。
もちろんミュージカルといえばは1940〜1950年代が最高なんですけど。1970年代もいいような気がします。絶品の3本があるのでそう思います。
『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年)
『トミー』(1975年)
『ロッキー・ホラー・ショー』(1975年)
英国は階級社会ことです。
日本もこのようになるのかな。何しろ日本は国際的には価値が高いカネがうなっている国なのでしょう。自由に使えないだけです。
下層階級出身者が出世するというのは召使いや執事になることのようです。そうなると執事が出世頭か?
日本でサービス業云々と言ってるのは英国のようにしなさいということなのか?これから日本は19世紀の英国になるのか凄い世界になります。若旦那はメイドとやり放題ではないか。
召使いではなくサービス業と称するのか。なるほど。でも、いくらカネがうなっているこの国でも召使いを抱えるほどではないのでは。それとも召使いに寝首をかかれるのが恐れているのかな。
この作品は肝心の英語のなまりがわからないと面白さは何割減となる?10割減?それではなんですから5割減位になるのか?
そんなわけで色々と余計なことを思いついたけど見終わった後に思わずスリッパを買ったくらいのよい作品でした。
« 『ウエスト・サイド物語』(1961年) | トップページ | 『サウンド・オブ・ミュージック』(1965年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1960年代」カテゴリの記事
- 『暗くなるまで待って』(1967年)(2021.11.28)
- 『泳ぐひと』(1968年)(2021.06.20)
- 『ビリディアナ』(1961年)(2020.07.05)
- 『皆殺しの天使』(1962年)(2020.07.04)
- 『不意打ち』(1964年)(2019.12.01)
コメント