『アイ ウォント ユー』(1998年)
この作品はマイケル・ウインターボトム監督、レイチェル・ワイズ、アレッサンドロ・ニボーラ主演の風変わりなメロドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1998年 ポリグラム 英国作品
ランニング・タイム◆88分
原題◆I Want You
プロット◆昔の事件に絡んだ事件に唖の少年が絡む話しのようです。
音楽◆Adrian Johnston
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
キャスト
レイチェル・ワイズ→ヒロインのヘレン
アレッサンドロ・ニボーラ→ヒロインの男マーティン
Luka Petrusic→唖の少年ホンダ
Ben Daniels→DJのボブ
マイケル・ウインターボトム監督の演出はよいと思います。
色調がシーンごとに変えていて黄色を強調してる絵が印象的。他の色も結構効果的に使いわけていました。
省力というかジャンプというかやたらと場面が飛んでいました。
プロローグに戻ってくる構成になっていました。これは好きな手法です。
話しは思わせぶりで進行してこれで腰砕けな落ちでしたらガックリするとこでしたがそうならずによかった。落ち自体はありがちですが見てて腰砕けには見えないのでマイケル・ウインターボトム監督の腕前はよいと思えます。
ヒロインを慕う?唖の少年は盗聴が趣味でどうやら少年の姉も公認らしい。
少年の目を通した視界はいつも濁っているような主観ショットになっていました。
シャイなのかそうでないかよくわからんキャラでした。
レイチェル・ワイズ扮するヒロインのヘレンは美容院に勤めているようですがプールのある大きい家に住んでてクルマで通勤していたりと結構ブルジョアな暮らし。
美容院では髪を切る手つきが結構さまになっていて不自然さは感じませんでした。何だかパトリス・ルコント監督の『髪結いの亭主』(1990年)が見たくなります。
このヒロインはディスコに遊びに行って男に絡まれてセックスになるのが嫌らしいが、嫌なら遊びに行かなければいいじゃないと思ってしまうのは野暮ということなのか?。何かわけのわからん描写となっています。
昔の事件はヒロインが14歳の時におきて男がムショに8年くらいこみ、1年待ってまた現れたわれたことになっている。てことはヒロインは23歳ということになります。見た目は結構歳をとってる感じです。熟れてるといったら褒め言葉になるか差別用語になるか、どちらでしょうか?
この作品を少し見たところ何だかにっかつロマンポルノみたいだと思えました。
私の印象ではにっかつロマンポルノとはエッチなシーンがあれば話しは何でもいいという制約で作られた1970年代から1980年代にかけての一連の作品のことになっています。この制約のおかげで結構いい作品が多くてエッチより本編の方が面白いじゃないと作品も少なくなかったものです。とはいえエッチなシーンがある必然でメロドラマがホトンドでした。そりゃそうか。
そんなわけでよく出来たにっかつロマンポルノといった作品でした。私にはそう見えた。
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