『顔のない悪魔』(1958年)
この作品はアーサー・クラブトゥリー監督、マーシャル・トンプソン、キム・パーカー主演のクリーチャー物SFドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1958年 アマルガメイテッド・プロ 英国作品
ランニング・タイム◆74分
原題◆Fiend Without a Face
プロット◆思考から実体化した怪物に悪戦苦闘する話しのようです。
音楽◆Buxton Orr
TCメディア/ニューライン/オルスタックピクチャーズ発売のDVDにて。画質は結構よいです。スクイーズ収録のフル表示。画面サイズはワイドで上下黒味無しのフルスクリーンです。
キャスト
マーシャル・トンプソン→ジェフ・カミングス少佐
キム・パーカー→ヒロインのバーバラ
キナストン・リーブス→そもそもの原因のウォルゲート教授
スタンリー・マクステッド→バトラー大佐
テレンス・キルバーン→警備のアル・チェスター大尉
ギル・ウィンフィールド→検死のウォーレン医師
マイケル・バルフォア→カスパー軍曹
ジェームズ・ディレンフォース→ホーキンス町長
ロバート・マッケンジー→保安官のギボンズ
ローレンス・マーシャル→ボンクラのメルビル副町長
ピーター・マッデン→町のブラッドリー医師
この作品はニール・ジョーダン監督の『ブッチャー・ボーイ』(1997年)にTVの画面に少し出てて妙に印象的でした。それで見たようなものです。
アーサー・クラブトゥリー監督の演出はよいと思います。
英国製作のカナダを舞台でアメリカ空軍が主役ですが全体的には英国スタイルにこじんまりとまとまっていました。
そんな感じでここは英国が舞台と思ってしまいます。撮影は実際そうなんだけど。
この作品は本編が面白い。ちゃんと演出されています。
俳優さんはあまりおなじみではないけど。
レーダーのショットはアーカイブ・フッテージの流用だと思うけど。
クローズアップショット等が結構新鮮な感じです。流用のセンスがいい。
プロローグ
飛行場にて。
アメリカ空軍のカナダの基地。
レーダーが動いてます。
見張りの兵隊に怪しい音が迫る。別の男がやられています。発見する兵隊。
何か最初は妙に外しているような感じがします。
タイトル。
アシスタント・ディレクターにダグラス・ヒコックスの名があった。
後に監督に昇格しているダグラス・ヒコックスだと思われます。
飛行場にて。
マーシャル・トンプソン扮するカミングス少佐
テレンス・キルバーン扮する警備のチェスター大尉
の2人が登場。
死んだのはジャック・グリゼル(37歳)で牧場をやっている。
妹がバーバラ(24歳)がいるらしい。
カミングス少佐は上司のバトラー大佐に呼ばれます。
キム・パーカー扮するバーバラとホーキンス町長がいます。
話しを聞きます。
バーバラをジープで送るカミングス少佐。
飛行場にて。
レーダーが回る。
で、レーダーのテストとなります。
設定がアメリカ空軍なので英国作品ですが距離の単位はマイルを使っています。
テストが不調で原子力発電の出力を上げろとバトラー大佐が無理を言います。
無理に出力を上げてもレーダーのテストは不調で終わりました。
レーダーのテストをして原子炉の出力がどこかに消えてるとやっています。
死んだジャック・グリゼルの埋葬です。
上空にはレーダーテストから帰還するジェット機の轟音が響く。このような描写を入れるのが英国作品らしい。日本映画では無理です。
ジェット機にXB47と表示が見える。Xがつくとテスト中の機種となっています。
納屋にて。
おばさんが襲われます。続いて旦那のおじさんも襲われます。
襲われたのはアダムス夫妻でした。
ここはかなり緊張感もあっていい感じ。
地元からアメリカ空軍に苦情が入ります。
電話で応対のバトラー大佐。悪いことは何でもアメリカ空軍が原因になってると愚痴が出ています。→そんなこと日本では言わないけど。マスコミが出さないだけのなのが現実みたいですが・・・
検死です。
後頭部に穴が2つ、脳髄と延髄を吸い出されているとのこと。
ジープでバーバラに会いに行くカミングス少佐。
シャワー中のバーバラ。これは定番な描写でいい感じ。
バーバラはウォルゲート教授の秘書仕事をやっているらしくてテープレコーダーや資料があります。
ウォルゲート教授は思考コントロール云々の研究をやっています。
オープンリールのテープレコーダーがでかい。現在ならICレコーダーです。超小型で取扱もしやすい。便利になったものです。
ロバート・マッケンジー扮する保安官のギボンズが唐突にやってきてカミングス少佐にけんかを売って殴り合いとなります。
で、バーバラにあなたが悪いと怒られるカミングス少佐です。
基地に戻るカミングス少佐。
バーバラの資料からウォルゲート教授を調べる手配をします。
ホーキンス町長宅にて。
あの音がします。姿は見えず。で、アッサリとやられます。
村の男たちが集まって騒ぎます。
この場は保安官のギボンズが仕切っています。
森にアメリカ空軍兵隊の殺人犯がいるとなって山狩りに向かいます。町の自警団で勝手に山狩りをやっています。凄いな。
基地にて。
FBIからウォルゲート教授の報告が入ります。
出かけるカミングス少佐。
ウォルゲート教授宅にて。
カミングス少佐がやってきます。
バーバラがいます。
ウォルゲート教授と話し込むカミングス少佐。
ウォルゲート教授はアメリカ軍が原子炉とレーダーを組み合わせてテストしていることを知っています。雑誌の記事から推測したと言ってます。
これには困惑のアメリカ軍のジェフ・カミングス少佐です。
話しに熱中し過ぎてウォルゲート教授の具合が悪くなってバーバラにまた怒られるカミングス少佐です。
山狩りです。
保安官のギボンズとベックの2人。
例の怪しい音がします。
保安官のギボンズがいない。大声で呼ぶベック。いません。
山狩りで1人がいなくなったとこは溶暗を使っています。
効果的です。
ディテールから気になったこと。日本語化について。
どうしてflashlightが懐中電灯になるんだよ。だいたい懐中電灯がもう死語ではないかい。カタカナでフラッシュライトというのも全くおなじみではないし。こまったものです。
村にて。
保安官のギボンズは行方不明で大騒ぎになっています。
メルビル副町長を呼んで対策会議となります。
カミングス少佐、バーバラも参加しています。
会議中の何だか外で怪しい叫び声がしてきます。気のふれた保安官のギボンズが戻ったからです。
ウォルゲート教授は怪しいとバーバラに言うカミングス少佐。
で、1人で墓地を調べに行くカミングス少佐。
ウォルゲート教授がいます。これに気がつかないカミングス少佐。
地下室に入るカミングス少佐。
棺桶に死体が入っています。どうやらホーキンス町長らしい。
で、カミングス少佐は閉じ込められます。
懐中電灯が切れてロウソクを点けますが、ロウソクが消えます。酸素濃度が低くなったからです。そうなるとジェフ・カミングス少佐も危険な状態となります。
基地にて。
カミングス少佐が行方不明と心配のチェスター大尉。
バーバラに電話して向かいます。
墓地に捜索に来たバーバラとチェスター大尉。
何とか発見してカミングス少佐を救出します。
ウォルゲート教授宅にて。
カミングス少佐とバーバラ、チェスター大尉がやってきます。
ウォルゲート教授の思考を原子力発電のエネルギーを利用して実体化させる設定らしい。
墓地の地下室で拾ったパイプがきっかけに話しをするバーバラとチェスター大尉。
基地に戻って原子力発電を停止を進言するカミングス少佐。
渋るバトラー大佐ですが結局停止することにします。
ですが原子力発電所から制御棒が壊されていると連絡が入ります。これは凄いなシャレにならないような。
制御棒が壊されていて、予備もない。
だから原子炉が停止出来ない。凄い状況です。危機管理は全くダメだし。
ブラッドリー医師が教授宅に来る。
主要キャラが集まり5人そろう
思考の実体化についてウォルゲート教授が回想に入ります。
伝統的も描写でやはり雷が鳴っています。それだけではなく雷のエネルギーが実験装置に伝わったともなっています。
実体化した生命体を実験の機械と記録を破壊してズラかったとのことです。それでは野放しではないか。そうなっているようです。
家の外に生命体がいます。姿は見えない。
電話線は切られたようです。
ろう城することになります。窓に板を打ち付けたりしています。
原子力発電所では出力が勝手に上がっています。
作業員がやられます。
アナログメーターでは出力がデンジャーゾーンに入ります。
エネルギーが120パーセントでいよいよ姿が見えてくる生命体です。
この生命体は脳髄に脊髄だけで移動出来るのかと疑問でしたが空想の実体化なのでロジックは通っているようです。
ウォルゲート教授宅にて。
家の外には姿を表した生命体がうようよいます。
暖炉から1匹入ってきた、副町長がやられます。
ハンマーで生命体を片付けます。脳の部分をハンマーで直撃します。血だらけになって絶命する生命体。ストップモーションでも結構グロい。
カミングス少佐はダイナマイトを取りに外に出ます。
生命体を出現させた張本人のウォルゲート教授も私が何とかすると外に出ますがあっさりとやられます。これはまた意外な展開でした。
ダイナマイトを調達して原子力発電所に入るカミングス少佐。
作業員はみんなやられています。
ウォルゲート教授宅にて。
生命体はしっぽ?でハンマーを持って行ってしまった。
で、ハンマーは使わないけど次々に中に入ってくる生命体。ハンマーは伏線かと思ったが関係なかった。
軍人2人で繰り出してくる生命体を次々と撃ち殺しますがキリがないようです。
原子力発電所にて。
制御装置を爆破するカミングス少佐。随分とアバウトな処置です。
原子炉はどうなったと突っ込みを入れたくなります。英国でも放射能に対する認識はこんなもののようです。
ここにも生命体はいます。生命体を片付けるカミングス少佐です。ストップモーションで血が流れるとこは結構グロい。
ストップモーションですが操演のピアノ線も見えます。これは何で?
ウォルゲート教授宅にて。
生命体に取り付かれるバーバラは間一髪で助かります。
エネルギーを絶たれた生命体は溶けて流れてしまいます。グロい。ガキの頃に見たら夢に出そうです。
ジープでウォルゲート教授宅に向かうカミングス少佐。
バーバラと再会のカミングス少佐。
エンドとなります。
そんなわけで生命体のデザイン等も含めてグロくて、全体的になかなか上手くまとまっているよい作品でした。
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