『巨人と玩具』(1958年)
この作品は増村保造監督、川口浩、高松英郎、野添ひとみ主演の風俗ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1958年 大映東京 日本作品
ランニング・タイム◆96分
プロット◆宣伝活動の泥沼にハマる話しのようです。
音楽◆塚原晢夫
スカイパーフェクTV707日本映画チャンネルにて。画質はよいです。
キャスト
川口浩→ワールドキャラメルの西洋介
野添ひとみ→スカウトされた島京子
高松英郎→ワールドキャラメルの宣伝部の合田竜次
信欣三 ワールドキャラメルの宣伝部部長の矢代光平
伊藤雄之助→カメラマンの春川純二
藤山浩一→ジャイアンツの横山忠夫
小野道子→アポロの倉橋雅美
山茶花究→ワールドキャラメル専務の東隆蔵
伊藤直保→中崎
飛田喜佐夫→松谷
春本富士夫→下村
夏木章→南
高村栄一→秋村
伊東光一→春岡
大山健二→北
花布辰男→冬崎
潮万太郎→夏木
高見貫→乙骨
武江義雄→金子
松山浩二→運転手A
中江文男運転手B
浜口喜博→運転手C
星ひかる→黒沢
伊達正→栄吉
村田扶実子→キク
南方伸夫→工場技師 猿沢
町田博子→合田鈴枝
阿部脩→ジャイアンツのキャラクタープロレスラー
目黒幸子→岩崎
山川あい子→菊村須美子
堀込久子→藤本みゆき
渡辺鉄弥→ロカビリー歌手
小山内淳→宣伝ブローカー
杉田康→プロデューサー
須藤恒子→老婆
増村保造監督の演出はよいと思います。
マシンガントークとなっています。
原作は開高健、脚本は白坂依志夫。
キャラメルのメーカーが3社で宣伝競争をします。
宣伝活動の一通りの解説のような話しになっています。
高松英郎が大熱演でホトンド主役となっています。
『黒の試走車』(1962年)と全く同じようなキャラですけど・・・
川口浩はいつもの通りです。上手くはないけど悪くはない。普通のスターで親のコネ付きの割には好感が持てるスターだったりします。
山茶花究の出演作品を見てるとは上手いなといつも思う。
タイトル。
歌が入っています。やっぱりタイアップか?
小さな写真が散らばる凝っているタイトルとなっています。
歩くサラリーマン達の描写が入ります。
ワールドキャラメルにて。
高松英郎扮するワールドキャラメルの宣伝部の合田竜次
信欣三扮するワールドキャラメルの宣伝部部長の矢代光平
山茶花究扮するワールドキャラメル専務の東隆蔵
宣伝部の合田竜次の点かないライターのモンタージュが入ります。キャラメル工場とオーバーラップしています。意味がわからん。
宣伝の打ち合わせとなります。
ワールドキャラメル宣伝部にて。
川口浩扮する西洋介が登場。
宣伝部の合田竜次に呼ばれる西洋介。
喫茶店にて。
合田竜次と西洋介。
合田竜次が野添ひとみ扮する島京子を見つけます。宣伝モデルに使うつもりらしい。
大学時代の親友と会う西洋介。
藤山浩一扮するジャイアンツの横山忠夫が登場。
歌声酒場に向かいます。ここはもうつまらんと2人。学生時代とは違うらしい。
キャラメル会社はワールド、ジャイアンツ、アポロ、とあるらしい。
ダンスホールにて。
西洋介とジャイアンツの横山忠夫。
小野道子扮するアポロの倉橋雅美が登場。
宣伝材料に宇宙服のアイデアを提供しているアポロの倉橋雅美。
ワールドの宣伝会議にて。
キャラメル売り出しのオマケは何がいいいとか?
キャラクターとか?
色々と講釈があって、それから宇宙のアイデアを出す合田竜次です。
タクシー会社にて。
島京子の勤め先です。
オタマジャクシを買っている島京子です。
ワールドからお迎えのクルマがきます。でっかいアメ車です。たぶんシボレー。
移動中に暴れている島京子です。
こんなメイクもしていない顔で写真に撮られたくないとダダをこねています。
スタジオにて。
伊藤雄之助扮するカメラマンの春川純二が登場。
変わっているキャラのようです。演じる伊藤雄之助は似合い過ぎとなっています。
ワールドにて。
キャンペーンガール達がいます。
セールスマンの愚痴の図があります。
外ではジャイアンツの宣伝カーが出ていて何故かジグザグデモをやっています。この頃流行っていたのでしょう。
ダンスホールにて。
カメラマンの春川純二。
スカウトされた島京子。
ワールドの合田竜次と西洋介。
離れたとこでアポロの倉橋雅美もいます。
タクシー会社にて。
島京子を迎えに来る西洋介とカメラマンの春川純二。肝心の島京子がいない。
実家に向かいます。
島京子の実家です。
貧乏の典型的な描写がたっぷりと入ります。かなりなものです。
ここでこれが芸術だといった感じで島京子を撮っているカメラマンの春川純二です。
春川純二のクルマを借りてデートの西洋介。
海岸です。アポロの倉橋雅美がデートの相手です。
キスしてから仕事の話となっています。腹の探り合いらしい。
宣伝のモンタージュが入ります。
カメラ雑誌のグラビアを飾る島京子。
島京子と合田竜次。
ライターのモンタージュが入ります。
ダンスホールで打ち合わせとなります。マスコミ対策等。
カメラマンの春川純二に取材です。
島京子は俺が見つけたと言って自分の売り込みをしています。
島京子に取材です。
打ち合わせ通りの模範解答をマスコミに喋る島京子です。
ワールドにて。
合田竜次と西洋介。
マスコミについて喋る合田竜次。要するにマスコミをバカにしています。
合田竜次は宣伝部長の娘を嫁にしているので出世が早いと陰口を言われてりします。
ラジオ局にて。
録音が上手くいかない島京子。ディレクターが文句を言っても全然平気だったりします。
西洋介のアパートにて。
アポロの倉橋雅美と話し込む。結局腹の探り合いとなっています。
ファッションショーにて。
島京子が出ています。付き添いの西洋介。ジャイアンツの横山忠夫がいます。
ワールドにて。
宣伝会議です。
スターは宣伝キャラには向いていないと合田竜次。
商品が強調されずにスターしか目立たないということです。ごもっとも。
喫茶店にて。
合田竜次と西洋介。
島京子と契約するワールド。その場で現金20万円を渡しています。わかりやすい。
アポロの倉橋雅美に文句を言う西洋介の描写が入ります。
合田竜次の自宅にて。
合田竜次の愚痴を聞いてる西洋介。
夫婦関係は悪く合田夫人は覚めています。
宇宙服でプロモーションの島京子。
ワールドにて。
アポロには負けていると文句の専務の東隆蔵。
合田竜次のライターからモンタージュが入ります。
アポロは懸賞で生活資金が当たると宣伝しています。これに負けているということです。
宣伝競争のモンタージュが入ります。
新聞の広告。
宣伝カー。
ヘリコプスターからのビラ撒き。
ジャイアンツの宣伝カーにはブロレスラーの阿部脩が乗っています。
羽田空港にて。花束を渡す島京子。
ピアノコンサートにて。花束を渡す島京子。
後楽園球場にて。花束を渡して観戦の島京子。
疲れているので覚醒剤を飲んで元気を出してる合田竜次の描写が入ります。覚醒剤ってこの当時は合法だったの?
ワールドにて。
アポロの方が安くて宣伝効果があると文句の専務の東隆蔵。
文句を言われている合田竜次です。状況は不利になっています。
タクシー会社にて。
オタマジャクシは最後の1匹が死んで全滅しています。
放ったらかしになっていたようです。何の象徴なのかはわからん。
カメラマンの春川純二と合田竜次。
TVについての会話となっています。映画なので当然TVの悪口となります。実際そうなんですけど。
TV局にて。
女性プロデューサーがいます。これがやり手らしい。
落ち目の女優もいます。
売れないタレント達の噂話で売れるには男3人を見つけないとダメとやっています。
現在はもっと凄い状況になっているようですけど。
英語の辞書を買う図。
西洋介と島京子。
島京子に口説かれてる西洋介。断っています。一応伏線のようです。
ワールドにて。
宣伝会議です。
合田竜次はもっとカネをつぎ込むと意気込んでいます。
アポロの工場が火事とニュースが入ります。
アポロの対策会議では何か台詞まわしが変?→俳優達が増村保造監督の演技指導を聞いてないか出来なかったようです。
ワールドキャラメル専務の東隆蔵を演じていた山茶花究は上手かったけど。これは俳優の能力の差のようです。
ワールドにて。
宣伝会議です。
娘婿の合田竜次から失脚されらる宣伝部部長の矢代光平。影の薄いキャラなんですが演じる信欣三が似合い過ぎとなっています。
合田竜次の現代の人間についての講釈が入ります。赤ん坊、犬、それ以下だとやっています。何も考えないでTVを見ているだけとなっています。→2009年現在でも同じようですけど。
ワールド工場のモンタージュが入ります。
大増産となっています。
檄を飛ばす合田竜次。
倒れる女子工員。
接待の合田竜次。
こんなモンタージュとなっています。わかりやすい。
西洋介とアポロの倉橋雅美。
プロポーズする西洋介。あっさりと断られます。
島京子にマネージャーが付いてると知る西洋介。
ワールドにて。
宣伝会議です。
合田竜次に売り上げは落ちている宣伝費はこれ以上かけないと説教する専務の東隆蔵。
島京子の実家にて。
西洋介がコンタクトをとりに来たが島京子は不在です。住所もわからんとのこと。
喫茶店にて。
すっかりと変わってスター気取りの島京子がやってきます。
ようやく会って交渉となる合田竜次と西洋介。
非協力的な島京子。逆に契約の不備を突かれています。
そんなわけで西洋介に島京子と特別な関係となってコントロールしろと命令する合田竜次。結局承知する西洋介です。
舞台でショーの島京子。
出し物はジャングルダンスとなっています。
歌詞で土人と言ってます。この頃はよかったようです。
楽屋に押し掛ける西洋介。
島京子を口説きますが邪見にされます。
マネージャーは誰だと詰問する西洋介。
そのマネージャーはジャイアンツの横山忠夫でした。
外に出て話し込みます。
ジャイアンツを辞職して島京子マネージャーになった横山忠夫に逆に説教されている西洋介です。
サラリーマンを続けて結局いくらになる?だから辞めたと言ってる横山忠夫です。こっちの方がロジックが通っているからこまったものなのです。
合田竜次の自宅にて。
報告に駆けつける西洋介。合田竜次は不在です。
合田夫人は常軌を逸しています。
バーにて。
カメラマンの春川純二にはワールドのこまった事情を知られています。
ワールドにて。
暗い事務所に1人いる合田竜次。
口説くのに失敗したと報告の西洋介。
ブチ切れて辞職すると西洋介ですが、そうはいかないと合田竜次。
口論となりますが、会社を飛び出す西洋介。
結局思い直し会社に戻る西洋介。宇宙服のコスプレをしようとする合田竜次を殴り倒して自分でコスプレとなります。
夜の繁華街にて。
人ごみの中を宇宙服のコスプレをして歩く西洋介。
「笑うのよ」と声をかけるアポロの倉橋雅美。これは本心で言っているようです。
笑って歩き続ける西洋介。
エンドとなります。
この年代製作作品にしては珍しく後タイトルがあります。
そんなわけでよく出来た内幕物プログラムピクチャーのよい作品でした。
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