『憲兵と幽霊』(1958年)
この作品は中川信夫監督、天地茂、中山昭二主演の怪談憲兵ドラマのようです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1958年 新東宝 日本作品
ランニング・タイム◆76分
プロット◆極悪憲兵の末路の話しのようです。
音楽◆外山鶴男
スカイパーフェクTV261チャンネルNECOにて。画質はまあよいです。
キャスト
天地茂→憲兵の波島中尉
中山昭二→田沢憲兵と田沢二等兵
久保菜穂子→花嫁から看護婦へ
三原葉子→ヒロインの紅蘭
万里昌代→ダンサーとなっています。
三村俊夫→子分の高橋
中川信夫監督の演出はよいと思います。さすが巨匠なのでダレていません。
昭和16年秋と字幕が出て始まります。
カメラが執拗にパンして切り返しヒロインに対する悪役の天地茂の執着ぶりを強調していました。
斜めの構図を多用したり、うり二つの弟と元奥さんが並ぶとこで最初の結婚式で並んでいた2人をフラッシュバックさせたりと演出はなかなか凝っていました。
悪役の天地茂は自分で機密書類を盗んでおいて部下を使い花嫁の夫を陥れて死刑にまでしていました。これを細かく描写すること。
例によって容疑者には逆さ吊りの拷問となっていました。自白重視は現在でも変わらないようですが。
死刑は何故か十字架にかけられて銃殺となっていました。
謎の中国人も出ていました。機密書類を買い取ります。
途中からは本格的な怪談映画になっていました。
主役キャスト2人について・・・
死刑になるとこでは中山昭二は大熱演していました。やり過ぎのような気もするけど。
天地茂の方はお見事な悪役ぶりで死刑にした男の母親を病院送りにし自殺させて、奥さんを手込めにして、子供が出来たらおろせと手切れ金を握らせたりとやりたい放題でした。
子分の高橋に絡まれて殺してしまってからはいくぶん勢いがなくなって後は幽霊等に押され気味となって最後は悪行がばれて逮捕されてしまいます。
ところで憲兵は敗戦後はどこに行った?普通に考えると警察にもぐりこんだのではとなりますが。
TV土曜ワイド劇場での井上梅次監督、天地茂の江戸川乱歩・明智小五郎シリーズを見てて新東宝テイストってこんな感じと思っていたけど実は違っていて、TVの江戸川乱歩・明智小五郎シリーズは井上梅次監督のテイストだったようです。新東宝はもっと大まじめな感じでバカをやっていました。
そんなわけで大まじめでバカをやってるまあまあな作品でした。
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