『ブレードランナー ファイナル・カット』(1982年)
この作品はリドリー・スコット監督、ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング主演のカルトなSFドラマの修正版です。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1982年/1992年/2007年 ラッドカンパニー/Run Run Shaw/ワーナー アメリカ=香港作品
◆後タイトルにはマイケル・デーリー/リドリー・スコット・プロとなっています。
1982年の作品を1992年に再編集した最終版を2007年に手直したファイナル・カット版です。
ランニング・タイム◆117分
原題◆Blade Runner:Final Cut
プロット◆レプリカント達がやって来て寿命が尽きる話しと主人公の男とレプリカントのヒロインのラブロマンスの2本立てになっているようです。
音楽◆ヴァンゲリス やっぱりこれは傑作なスコアです。
ワーナー発売のDVD製作25周年記念 アルティメット・コレクターズ・エディション(5枚組み)にて。画質は非常によいです。
ドルビーデジタル5.1chになっています。低音がよく響いていい感じ。
音楽もドルビーデジタル5.1chしています。これが1番よかったりします。
セリフもクリアになっています。
キャスト
ハリソン・フォード→ブレードランナーのリック・デッカード
ショーン・ヤング→実はレプリのレイチェル
ルトガー・ハウアー→レプリのリーダー ロイ・バッティ
エドワード・ジェームス・オルモス→仕事熱心なガフ
M.エメット・ウォルシュ→上司のブライアント
ダリル・ハンナ→レプリのプリス
ブライオン・ジェームス→レプリのリオン
ジョアンナ・キャシディ→レプリのゾラ
ウィリアム・サンダーソン→気の毒なJ.F.セバスチャン
ジェームズ・ホン→眼球製造者
ジョー・ターケル→タイレル社の社長
不明→蛇造りのアプドーラ・ハッサン
ハイ・パイク→チャイナタウンのタフィー・ルイス
リドリー・スコット監督の演出はよいと思います。
全体的に『ブレードランナー最終版』(1982年/1992年)のディテールをクォリティアップして仕上げてるようです。
大幅な変更はないようです。これなら全く別の作品にはなっていません。
日本語字幕は少し変更されているようです。
合成とかは直しているか?→あまり極端には直していないようです。
タイトルは変わらず。
これだけでも傑作だったりします。
屋台にて。
「2つで充分」ですが、相変わらず天ぷらのショットはないので意味はわからず。
もう天ぷらのショットはなくても資料が山ほどあるので意味がわかっています。そんなものです。
デッカードのアパートにて。
デッカードが見るユニコーンの夢?は目を開けているデッカードとカットバックして描写されています。
街中にて。
話題のアイスホッケーマスクのダンサーは1ショットのみ。
デッカードがタフィ・ルイスの店に行く前にあります。
で、街中にて。
画面外から聞こえる声の中で日本語が目立たなくなっています。何でそうなるんだとこれには不満がつのります。
DVDの2層切替が目立ち過ぎていました。
しかもレイチェルのシーンで切り替えていました。こまったものです。
こういう場合はお酒を売ってるおばさんとかリオンあたりで切り替えればいいのにと思ってしまいます。→切り替えではないけどテレシネ過程でのゴミがグレース・ケリーのシーンに映り込んでいた昔のLD『泥棒成金』(1955年)を思い出した。
タイレル社の社長室にて。
ロイ・バッティの「ファッカー」は「ファーザー」に変更されていました。初めて見るとかなり違和感があります。
タイレル社長殺害のシーンでは目に指を直接入れる描写が入っていました。
セバスチャンに対して「すまない」のセリフが入っていました。
ブラッドベリアパートにて。
デッカードの鼻の穴に指を入れるプリスの描写が入っていました。
デッカードがプリスにとどめのブラスターは2発になっていました。
ロイ・バッティが手のひらに釘を刺すシーンでは、釘が手の甲に抜ける描写が入っていました。これも色々な資料からキリスト教的な意味があるような。キリスト教ではない私にはそんなことは全然わかりません。
ロイ・バッティのセリフで・・・
「スポーツマンライク」の日本語字幕はなくなっていました。
「フェア」になっています。当たり前で物足りない。
ロイ・バッティはいつのまにかハトを持っていました。
これは変わらないか。
ロイ・バッティがデッカードを引っぱり上げるショットでの合成は直している?→これはあまり直していないような。
ハトが飛ぶシーンは直してあります。
青空ではない空になっています。
ガフがパトカーで到着するショットはカットされています。
ロイ・バッティ最後の姿の後にぼやけて見えるだけです。
後タイトルは追加があります。
これは当然の処置です。
無難に手直ししている作品でした。ドルビーデジタル5.1ch化が1番よかったりします。そんなわけでこの作品が傑作なのは変わりません。
その他の詳しい感想は『ブレードランナー最終版』(1982年/1992年)を見てください。
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