映画感想の加筆改訂のお知らせ

にほんブログ村

« 『ダムド 呪いの墓場』(2001年) | トップページ | 『アスファルト・ジャングル』(1950年) »

2008.11.08

『白熱』(1949年)

この作品はラオール・ウォルシュ監督、ジェームズ・キャグニー、エドモンド・オブライエン主演の破滅物ギャング映画です。フィルム・ノワールというには低予算という感じがせずカネがかかり過ぎているように見えたりします。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1949年 ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆113分
原題◆White Heat
プロット◆ギャングが自滅する話しのようです。
音楽◆マックス・スタイナー
ワーナー発売のDVDにて。画質は非常によいです。

キャスト
ジェームズ・キャグニー→マザコンで頭痛持ちのギャング コーディ・ジャレット
エドモンド・オブライエン→潜入捜査官のハンク・ファロン(仮名ビック・パード)
バージニア・メイヨ→コーディの情婦バーナ
マーガレット・ウィチャリー→コーディのママ=ママ・ジャレット
ジョン・アーチャー→財務省のフィリップ・エバンズ課長
フレッド・クラーク→両替屋のウィンストン
スティーブ・コクラン→手下のビッグ・エド
ウォリー・キャッセル→手下のコットン・バレッティ
ミッキー・ノックス→手下のヘット・コーラー
フレッド・コビー→手下のハッピー
アイアン・マクドナルド→ハンクの顔を知っているボー・クリール
ジョージ・パット・コリンズ→読唇術のカーティン
ロバート・オスターロー→ムショで銃を持っているライリー
ポール・ギルフォイル→ビッグ・エドの手下ロイ・パーカー
フォード・レイニー→蒸気を浴びる手下のツッキー・ホンメル
フェーン・イーガン→面会のマーガレット・バクスター
エディ・フォスター→ママの死を伝えるリフェード


ラオール・ウォルシュ監督の演出はよいと思います。
本物の職人監督。それはラオール・ウォルシュ監督のことです。
出来のよい脚本を余計なことをしないでさっさと撮る。
撮影で特殊技術が必要ならとっとと使う。
こんな感じで手早くやっていると思えます。


ジェームズ・キャグニーはマザコンで頭痛持ちのギャング コーディ・ジャレットを熱演しています。
頭痛持ちになる理由がガキの頃に母親の気を引こう頭痛のふりをしていたらマジで頭痛持ちになったというのも凄い。ありそう。

この作品ではビッチなヒロインなバージニア・メイヨの代表作は?
『虹を掴む男』(1947年)
『死の谷』(1949年)
このぐらいか。2本もあれば立派なものです。

タイトル。
カリフォルニア。汽車が走ります。尾行するクルマ。
ジェームズ・キャグニー扮するギャング コーディ・ジャレットが手下と共に登場。
列車強盗となります。
汽車でもホイールスピンをして発進しています。ハリウッドは昔から派手です。
プラスチック爆薬まで使用している。結構ハイテクなのです。
蒸気を浴びる手下のツッキー。
そんなこんなで予定通りには行っていません。
で、成果は30万ドルです。

山中の隠れ家にて。
ほとぼりが冷めるまで隠れているのか?
マーガレット・ウィチャリー扮するコーディのママ
バージニア・メイヨ扮するコーディの情婦バーナ
他の手下達も登場。

食事の手伝いをやらされるバーナ。不満タラタラです。
スティーブ・コクラン扮する手下のビッグ・エドをことは信用していないコーディ・ジャレットです。

頭痛の発作が起きるコーディ・ジャレット。
別室でママ・ジャレットが介抱して力づけています。
「世界一におなり」のセリフがあります。

嵐で道路が通行止めのラジオニュースを聞いて移動となります。
蒸気を浴びた手下のツッキーを始末しろと言うコーディ・ジャレット。
言われたけど結局やっていなかった手下のコットン。

タホ郡の死体収容所にて。
ジョン・アーチャー扮する財務省のフィリップ・エバンズ課長が登場。
隠れ家で死んでた手下のツッキーの死体の検分です。

当局です。
財務省 L.A.支局にて。
フィリップ・エバンズ課長がたれ込み屋から聞いてる図。
続いて部下と打ち合わせとなります。

ミルパンク・モーテルにて。
手下のツッキーの死体から足がついたことを知るコーディ・ジャレット。

買物中のママ・ジャレット。
尾行がついています。
この尾行するクルマの無線が電話の受話器を使用しているが妙にハイテクなのです。これが面白い。自動車電話といった感じなのです。
尾行には気がついてるママ・ジャレット。

ミルバンク・モーテルに入る尾行のクルマ。
ホールドアップされるコーディ・ジャレットですが反撃してクルマで逃走となります。
カーチェイスとなっています。

サン・ハル・ドライブインシアターに入るコーディ・ジャレットのクルマ。
ママ・ジャレット、バーナと相談となるコーディ・ジャレット。
イリノイ州のモートンがやった事件で自首するとなります。
ここでママ・ジャレット、バーナと別れるコーディ・ジャレット。

当局にて。
証言するママ・ジャレット、バーナ。
適当にごまかしています。
ドライブインシアターに上映されていた作品は『機動部隊』というタイトルらしい。

イリノイ州 パレスホテルの犯行はコーディ・ジャレットという新聞の見出しが入ります。このへんはクラシックな描写となっています。

当局にて。
エドモンド・オブライエン扮する潜入捜査官のハンク・ファロンが登場。
相変わらず態度がでかいエドモンド・オブライエンです。
ムショに入るコーディ・ジャレットとコンタクトすることになります。
打ち合わせとなります。
ハンク・ファロンの面が割れている連中はムショから移すことになります。
ハンクの顔を知っているボー・クリールは入れ違いで出所するとのこと。
コーディ・ジャレットに関しての情報。頭痛持ち、マザコン。等々・・・

ムショにて。
読唇術を使える男カーティンから情報を取っているコーディ・ジャレット。
コーディ・ジャレットにコンタクトを計る潜入捜査官のハンク・ファロン(仮名パード)もいます。

予防注射となります。
ここには入れ違いで面が割れているので出所していたはずのボー・クリールがいて焦るハンク・ファロン(仮名パード)
ごまかすために乱闘騒ぎを起こして独房行きとなります。ルーティンな描写でいい感じ。

4人房に戻るパード。
ムショ内でも情報は入ってるコーディ・ジャレットの図。快適とはいえないけどまあまあな状態のようです。

アジトにて。
スティーブ・コクラン扮する手下のビッグ・エド
ウォリー・キャッセル扮する手下のコットン・バレッティ
ミッキー・ノックス扮する手下のヘット・コーラー
フレッド・コビー扮する手下のハッピー
ママ・ジャレット、バーナとそろっています。
ここはママ・ジャレットが仕切っています。これには不満のバーナ。

ムショにて。
コーディ・ジャレットを事故を装って片づけようとする図。
重いモーターをホイストで投下する作戦です。
ここをパードに助けられるコーディ・ジャレット。

コーディ・ジャレットに面会です。
ママ・ジャレットです。ここでも「世界一におなり」のセリフがあります。
ビッグ・エドとバーナは逐電したと知るコーディ・ジャレット。
ママ・ジャレットはやる気満々でビッグ・エドを片づけると言ってます。それは危ないからよしなさいと止めているコーディ・ジャレット。
ママ・ジャレットはやる気満々で帰ります。

ムショ内の工房にて。
頭痛の発作が起きるコーディ・ジャレット。介抱するパード。
ママ・ジャレットが心配なので脱獄するとコーディ・ジャレット。
寝る時になってもパードと相談しています。

パードに面会です。
ブルネットのマーガレットが面会に来ます。当然当局の者です。
符牒というか単なる小声で打ち合わせをやっています。
無線発信器付きのクルマを手配するようです。

当局にて。
脱獄その後の打ち合わせとなっています。
結構ハイテクな描写が入ります。無線発信器からの電波を2カ所で受信して2本の線の交錯点で発信位置がわかるとなっています。
受信範囲は30キロとなっています。

ムショにて。
食事です。食堂内にて。
今夜決行だとパードに伝えるコーディ・ジャレット。
ですが、今日入所したリフェードから伝言ゲームの要領でコーディ・ジャレットに伝わったのは衝撃の情報でママ・ジャレットが死んだという事実です。
これで錯乱するコーディ・ジャレット。

病院練にて。
拘束衣のコーディ・ジャレット。
銃を持っているらしいライリーが食事を持ってくる。
で、銃を要求するコーディ・ジャレット。
シンプソン医師が電話連絡で見解を述べています。

当局にて。
脱獄その後の計画は中止となっています。肝心のコーディ・ジャレットが拘束衣ではしょうがない。

ムショ 病院練にて。
ライリーの手引きで脱獄となるコーディ・ジャレット。
なんだかんだで総勢6人ぐらいにもなっています。
例のエドの手下ロイ・パーカーもいます。

ハリス医師の運転のクルマでムショの正門をおだやかに突破します。
コーディ・ジャレット
仮名のパード
銃を持っているライリー
エドの手下ロイ・パーカー
読唇術のカーティン
ハリス医師
これで6人になります。まだいたっけ?

どこかの民家でクルマを変えるコーディ・ジャレット一味。
トランクに入っていたエドの手下ロイ・パーカーを始末するシーンがあります。
コルト・ガバメントを連射するコーディ・ジャレット。コルト・ガバメントが作動する状態がよく見えます。
そんな感じになかなか強烈な描写となっています。

アジトにて。
ビッグ・エドとバーナ。
コーディ・ジャレッがお礼参りに来るとこまった状況となっています。
警戒中。といってもドアに開けると鳴るベルを付けてる程度です。
自分だけでズラかるバーナですが納屋のクルマを出そうとしたとこでコーディ・ジャレットと遭遇します。命乞いのバーナです。
で、ビッグ・エドを片づけるコーディ・ジャレット。

元の手下も加わって大所帯となってるコーディ・ジャレット一味。
次の大仕事の相談となります。
タンクローリーを手配して改造するようです。

アジトに男がやってきます。
これがコーディ・ジャレットの知人でした。
フレッド・クラーク扮する両替屋のウィンストンです。サンディエゴのウィンストン。両替屋とは資金洗浄屋のことでしょう。
次の仕事はロングビーチの化学工場。ここの金庫を狙うようです。

夜中です。
外に出るパード。手下に見つかり乱闘となります。
で、コーディ・ジャレットも出てきます。女房に会いに行くとかで何とかごまかすパード。
パードにママ・ジャレットの話しをするコーディ・ジャレット。
ママ・ジャレットの口癖だった「世界一におなり」のセリフが出てきます。

ラジオを修理しているパード。
で、いつのまにかラジオを発信器に改造しています。そんなことが出来るのか?ハイテク過ぎるような気もするけど。原理を逆にすればそうなるんですけど技術的に出来るのか?まあいいけど。
このラジオ改造発信器をタンクローリーに取り付けています。

大仕事にかかるコーディ・ジャレット一味。
タンクローリーが発進します。
GSに寄ります。ラジエーター不調のためです。
トイレの鏡に警察への伝言を書いてるパード。ここはスリル満点な描写となっています。ルーティンな描写なんですがいいのものです。
ペーパータオルが装備してしるGSのトイレです。当時の日本は新聞紙すらないと思えるので豪華なことだと感心する。

工場に入る手引きの運転手が合流します。
これがパードが潜入捜査官のハンク・ファロンと知ってるボー・クリールです。

GSにて。
ようやく鏡の伝言を当局に連絡したようです。

当局は無線受信を装備したクルマを多数手配しています。
妙にハイテクな丸型のアンテナを装備しています。
線の交錯点の場所は?となります。

モンタージュでタンクローリー、無線受信を装備したクルマ、当局の地図。
これらが入ります。

いよいよ化学工場内に入るタンクローリー。
ことが始まります。金庫へと。アセチレンバーナー持参です。
ですが、当局の連中が工場に押し寄せてきます。

ボー・クリールから面が割れる潜入捜査官のハンク・ファロンのパード。
これにはショックのコーディ・ジャレットです。
絶体絶命の状況の割には強気な態度のパードです。何でそうなるの?というとエドモンド・オブライエンが演じているからとなるのか?

外はハンドマイクの拡声器で毎度おなじみな描写で「無駄な抵抗はやめろ」とやっています。面白い。
潜入捜査官のハンク・ファロンのパードは人質だとコーディ・ジャレット。

一方当局側ではコーディ・ジャレットのことはどうでもいいのので司法取り引きをもちかける情婦バーナ。あっさりと拒否されて逮捕となっています。
なかなかビッチなキャラでいい感じ。当時はしては強烈なキャラでしょう。

催涙ガス弾を打ち込む当局。
ポンプアクションのショットガンをぶっ放すコーディ・ジャレット。
何となく脱出して当局側に合流の潜入捜査官のハンク・ファロンのパード。何でそうなるのと意外な展開となっています。

上に逃げるコーディ・ジャレット一味。
ガスタンクに登るコーディ・ジャレット。
自分に付いて行かず投降する手下のライリーを撃つコーディ・ジャレット。

狙撃されてかなりヨタヨタなコーディ・ジャレット。
狙撃してるのは合流した潜入捜査官のハンク・ファロンのパードです。なんか嫌な奴だな。エドモンド・オブライエンが演じているのでなおさらそう思う。
ガスタンクのガスを漏れて火がついています。
これを見て避難する当局の面々。逃げ足は速い面々です。

コーディ・ジャレットと共に大爆発するガスタンク。
爆発は編集でつないで処理していました。ここは割り切っているラオール・ウォルシュ監督です。さすが本物の職人監督は違います。
これがコーディ・ジャレットの「世界一」ということらしい。
エンドとなります。


日本語吹き替え、カット、カラライゼーション版を見ています。
近石真介の吹き替えでコーディ・ジャレットのラストのセリフが「やったぜ母さん、世界の頂点だ」でした。凄いものです。


そんなわけで、この当時の『スカーフェイス』(1983年)のようなよい作品でした。これは凄い。



« 『ダムド 呪いの墓場』(2001年) | トップページ | 『アスファルト・ジャングル』(1950年) »

映画」カテゴリの記事

1940年代」カテゴリの記事

コメント

こんにちは。お久しぶりです。僕もこの映画を観ました。ジェームズ・ギャグニーの設定が特異な感じもするけれど、面白い映画だと思って観てました。でも、やっぱりラストシーンは強烈に印象に残っています。

ディープインパクトさん、毎度のコメントありがとうございます。

この作品のラストですがあれが世界一とはどういうこったいと思えたりもしますが、見ている時はそんなものかなと思えてしまうのはジェームズ・ギャグニーの熱演のせいでしょう。

私もギャング映画とマフィア映画の違いはわかりません。ギャング映画にホームドラマが入るとマフィア映画なの?そんなわけないか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『白熱』(1949年):

» 映画 白熱(1949) 僕にとって、伝説的なギャング映画だね [ザ・競馬予想(儲かるかも?)]
にほんブログ村 映画ブログ  よく昔の映画には、ギャング映画というジャンルがあった。最近はギャングというよりマフィアと言った方がいいのかな{/eq_1/}  悲しい事に僕には、ギャング映画とマフィア映画の違いがわからないけれど、実はこの白熱という映画は、昔から機会があれば絶対に観たいと思っていたギャング映画{/ee_2/}  昔からこの映画は面白いと聞いていたのだが、たぶん大学の時の友達から聞いたのをズ〜ット覚えていたのだろう{/face_warai/}  この映画の主演がジェームズ・キャグニー... [続きを読む]

« 『ダムド 呪いの墓場』(2001年) | トップページ | 『アスファルト・ジャングル』(1950年) »

月齢

無料ブログはココログ
フォト
2023年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

バイクフォト

  • ヤマハ トリッカー XG250
    私が買ったバイクです。ヤマハばかり。