『電撃フリント GO!GO作戦』(1966年)
この作品はダニエル・マン監督、ジェームズ・コバーン主演のスパイアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1966年 20世紀フォックス アメリカ作品
ランニング・タイム◆108分
原題◆Our Man Flint
プロット◆悪の組織を壊滅させる話しのようです。
音楽◆ジェリー・ゴールドスミス→才能の無駄遣いのような気がします。
20世紀フォックス発売のDVDにて。画質はよいです。
キャスト
ジェームズ・コバーン→万能スパイのデレク・フリント
ギラ・ゴラン→ギャラクシーの幹部ギラ
リー・J・コッブ→フリントの上司クラムデン
エドワード・マルヘア→ギャラクシーの幹部ロドニー
ジアンナ・セラ→フリントの彼女ジーナ
シグリッド・バルデス→フリントの彼女アンナ
シェビー・グラント→フリントの彼女レスリー
ヘレン・フナイ→フリントの彼女サキコ
ベンソン・フォンダ→ギャラクシーのシュナイダー博士 ドイツ
レイズ・ウィリアムズ→クルホフ博士 ロシア
ピーター・ブロッコ→ウー博士 中国
マイケル・セント・クレアー→手下のハンス・グルーバー
ロバート・ガンナー→エージェント0008 (uncredited)
ジェームズ・ブローリン→Technician (uncredited)→全く気が付かず。ジョシュ・ブローリンの父親です。キャリアは既に息子ジョシュに抜かれています。
ダニエル・マン監督の演出はまあまあだと思います。
全体的にそんなに下手ではなかった。少なくとも見て7分でこれは駄目だとはなりませんでした。
007のパクリにしては上手く作れているほうでしょう。マンガチックですが結構上手く出来ているようです。
ところでこのタイトル(原題)はエロール・フリンのもじりだと思えます。
like flin=フリンのように上手くやる?、これをどこかで読んだ覚えがあります。このシリーズ2弾目の原題のことですけで。
結構ミニチュアが使われていました。設定からすれば当然です。
映像にはエフェクトをかけない円谷英二方式のミニチュアでした。これはミニチュアだとわかりやすいですが・・・
エネルギー関係の回る変なセットは『地球防衛軍』(1957年)のパクリか?よく似ています。
妙な日本趣味が出てきたりします。
取り巻きの女性の1人が日本人と思われるのとか、マルセイユの店でストリップのコスチュームが和服だったり。
フリント御用達のアイテムに腕時計にライターがあり、初めてTVで見たときには妙に憧れたものでした。
TV『ルパン三世』に引用されている感じもありました。
ラストのデカいスパナを持っての機械の中での格闘とか。これは『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)でした。その他もあるような。
主演のジェームズ・コバーンはこのヒーローを無難にこなしています。
たぶん代表作でしょう。
ヒロインの女優さんはギラ・ゴラン。この作品以外では全く聞いたことがない人です。
役名までギラと同じだからこの作品がイントロデュースだと思われます。ハッキリ言えば素人扱いのようです。プロデューサーの愛人なのかも・・・
これっきりで終わった人なのかな?それとは別にまあきれいでよかった。真っ赤なビキニがイカします。
プロローグ。
天変地異が起こっています。
潜水艦が航行しています。これは悪の組織ギャラクシーの潜水艦です。
ダムが決壊しています。ミニチュア使用。
ワシントンD.C.の当局です。
天変地異に関する対策会議となっています。
有能なスパイが必要となります。
エアパイプで書類が送られてきます。この描写は当時の未来の図でした。インターネットを介した電子メールがない頃なのでこうなります。
有能なスパイは誰かとコンピューターで選ぶことになります。
パンチカードのコンピューターを使用。当時最新の興味深い描写です。
で、デレク・フリントが適任だとなります。
タイトル。
キャストで知っているのはジェームズ・コバーンとリー・J・コッブだけです。
このへんが弱いとこです。女優さんのキャストがイマイチなので致命的。
ジェームズ・コバーン扮する万能スパイのデレク・フリントが登場。
トレーニング中です。
カラテです。
フェンシングです。
お偉いホーキンス将軍がやって来ますが無視しています。こんな調子でキャラ紹介となっています。
当局にて。
大統領からのホットラインの呼び出し音がいい。印象に残ります。
デレク・フリントの自宅にて。
リー・J・コッブ扮するフリントの上司クラムデンがやって来ます。
呼び鈴代わりのスポットライトが面白い。印象に残ります。
同居してる女性にヒゲを剃らせているデレク・フリント。
どうやら女性は4人いるようです。
ジアンナ・セラ→フリントの彼女ジーナ
シグリッド・バルデス→フリントの彼女アンナ
シェビー・グラント→フリントの彼女レスリー
ヘレン・フナイ→フリントの彼女サキコ 日本人の女性もいます。
で、上司クラムデンの依頼を断るデレク・フリント。
ペンタゴンに入る上司クラムデン。
ホットラインが入ってまた出直すことになります。
N.Y.のレストランにて。
女性4人を連れて入るデレク・フリント。
殺し屋がハープで毒矢を放つ図となります。これが段取りが長い。
この頃の20世紀フォックスのスタイルなのかノンビリしています。
→『バットマン オリジナル・ムービー』(1966年)
→『空から赤いバラ』(1967年)
ダンス中のデレク・フリント。
暗殺準備中のギラ・ゴラン扮するギャラクシーの幹部ギラ。
で、ちょうどやって来た上司クラムデンに命中することになります。
これで任務を引き受けることにするデレク・フリントです。
当局にて。
就任あいさつのデレク・フリント。
デレク・フリントの自宅にて。
心臓を止めて3時間のデレク・フリント。
腕時計の仕掛けで目覚めます。これは一応伏線になっています。
当局にて。
打ち合わせとなります。
007御用達のワルサーPPKも仕掛けトランクもいらないとかますデレク・フリント。
ハエを吹き矢でしとめるデモンストレーションをするデレク・フリント。0.3秒だと。
これで充分と称するライターは82種類の仕掛けがあるとしています。ライター本来の機能もいれれば83種類とのことです。
手がかりはマルセイユのブイヤベース。
部屋を出たとこでガードに変装した刺客3人を片づけるデレク・フリント。
なんとなくノンビリしているアクションです。
空港にて。
デルタ・エアラインではなくてプライベートジェットで向かいます。
何故かというかタイアップというかデルタ・エアラインの旅客機が不必要に長く映っているのです。
マルセイユにて。
あちこちで手がかりのブイヤベースを食いまくるデレク・フリント。
場末のストリップバーに入るデレク・フリント。
幹部ギラと子分のハンス・グルーバーがいます。コールドクリームのビン。
またブイヤベースを食べます。どうやらここのようです。
で、エージェント0008とコンタクトのデレク・フリント。
殴り合いをしながら会話となります。
ギャラクシーという組織の名が出ます。
トイレでハンス・グルーバーと乱闘アクションとなるデレク・フリント。
片づけます。
続いて変装します。これはインド人風?
店内に戻るデレク・フリント。
調べてコールドクリームのビンは爆弾とわかり、ハンドガンを乱射して客を店から避難させます。
爆発となります。
こんな感じで秘密兵器のライターは結構使っています。
暗号通信で連絡するデレク・フリント。
次はローマとなります。コールドクリームを買いに行くとのこと。
潜水艦にて。
幹部ギラとエドワード・マルヘア扮するギャラクシーの幹部ロドニー。
本部と連絡となっています。
デレク・フリントの弱点は4人の女だと幹部ギラ。
N.Y.にて。
そんなわけで次々と拉致されるデレク・フリントと同居してた4人の女達。
ローマにて。
タクシーのデレク・フリント。
エキゾチカ・ビューティ・ファクトリーへと向かうデレク・フリント。
エキゾチカ・ビューティ・ファクトリーにて。
幹部ギラに会うデレク・フリント。
夜です。ホテルの1室にて。
デートとなります。
1発やった後で会社のキーを持って部屋を出るデレク・フリント。
エキゾチカ・ビューティ・ファクトリーにて。
戻って調べるデレク・フリント。
金庫を開けて中に入ります。で、外から閉められて閉じ込められるデレク・フリント。
金庫ごと運び出されるデレク・フリント。
この金庫室がキャンピングカーになっているのが面白い。そのまま運ばれます。
で、エキゾチカ・ビューティ・ファクトリーの建物は地下に沈みます。後は道路になった。
上司クラムデン一行が到着しますが何もない状態です。
金庫内のデレク・フリント。
調べています。ライト代わりにもなる腕時計。
金庫の扉をライターのバーナーで焼き切って引っ張っているクルマを盗聴しています。
ガレージに入るキャンピングカー。
金庫を開けると中でデレク・フリントは死んでいます。
棺桶に入れて写真を撮ります。この写真を当局に送ります。
当局にて。
デレク・フリントが死んだと動揺している面々。
TVジャックされます。3人の科学者からメーセージが入ります。
デモンストレーションのマグニチュード4.9の地震を起こします。
45分以内に返答せよとなります。
潜水艦にて。
本部の島に入ります。滝をくぐり抜けて内部に入ります。
棺桶内にて。腕時計の仕掛けで蘇るデレク・フリント。
島の中です。
いつのまにか作業員になっているデレク・フリント。
水着姿の女性でいっぱいです。
上の方はローブウェイが通っています。合成使用。
本部内にて。
棺桶を開けたらデレク・フリントではない別の死体がでしたの図。
これで窮地に陥る幹部ギラ。
ギャラクシーのボス3人。
ベンソン・フォンダ扮するシュナイダー博士はドイツ系。
レイズ・ウィリアムズ扮するクルホフ博士はロシア系。
ピーター・ブロッコ扮するウー博士 中国系。→誰かに似ていると思ったが、戸浦六宏に似ているのです。
アラート音で呼びよられる人々。
見張り代わりのペットのワシに見つかるデレク・フリント。捕まります。
工場内へ連行されます。
本部内へ。
失脚する幹部ギラ。洗脳室送りとなります。
ここでライターをデレク・フリントに渡しています。
何故かデレク・フリントを説得にかかる科学者3人。
結局処刑となるデレク・フリント。
処刑室にて。
難なく脱出のデレク・フリント。
当局にて。
降伏するように空気になっています。
洗脳室にて。
1960年代的なサイケなディスクが回っています。これで洗脳しているらしい。
洗脳中のギラを救出するデレク・フリント。
通信室は?とデレク・フリント。
ソープランドのようなところにて。
ここに入るデレク・フリント。
ゴーゴーダンスの図があります。これはまた1960年代的な安いイメージとなっています。
で、彼女4人を救出します。
工場内に入るデレク・フリント。
通信室に入り連絡となります。
空母の上司クラムデンは通信を受け取りギャラシー本部の島に向かいます。
工場内にて。
機械を止めるデレク・フリント。
大きいモンキースパナを使用。何となく『ルパン三世 カリオストロの城』(1979年)のような感じです。もしかしてここが元ネタ?
ゆるいアクションとなります。
で、爆発となります。あくまでもルーティンに話しは進む。
科学者3人は幹部ロドニーに片づけれて、その幹部ロドニーは自滅しています。
これも何となくというか間が持たない描写です。
5人の救出するデレク・フリント。
到着する空母。
ドラム缶に女性を入れて滝から落として脱出させます。
滝が止まったのでダイビングとなるデレク・フリント。
空母からのボートで救出される5人の女性。
遅れてデレク・フリントに空母に入ります。
島は大爆発となります。ギャラクシーの他の方々はこれで全員全滅となったようです。全くその描写がないのがかえって凄い。
よかったよかったという描写が入りエンドとなります。
そんなわけで全く緊張感のないノンビリしたアクションのまあまなな作品でした。
ガキの頃に地上波TVで見た時は傑作だと思っていましたが今回見ると何ともゆるい出来でした。これもこれでいいけど。たまに見るのにはいい作品です。
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>ノンビリしたアクションのまあまあな作品
というのは、現在時点の評価になります。
まともな評価を参考にするのなら「ぼくの採点表2」P430を眺めてください。
投稿: 三田皓司 | 2009.08.09 09:52
三田皓司さん、厳しいコメントありがとうございます。
「ぼくの採点表」ですか、映画批評家の双葉十三郎の名著ですね。
私も双葉十三郎の映画批評は参考にしています。
双葉十三郎といえば日本映画の批評が凄いのが印象に残っています。本「映画の学校」での1948年から1950年の日本映画批評は名文だと思います。特にこき下ろしが名文でした。
双葉十三郎「ぼくの採点表」の『電撃フリント GO!GO作戦』の評価は☆☆☆★★★と高評価でした。なるほど。
投稿: ロイ・フェイス | 2009.08.10 19:23