『スネーク・アイズ』(1998年)
この作品はブライアン・デパルマ監督、ニコラス・ケイジ、ゲーリー・シニーズ、カーラ・グギノ主演のサスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1998年 タッチストーン/ブエナ ビスタ アメリカ作品
ランニング・タイム◆99分
原題◆Snake Eyes
プロット◆兵器調達トラブルに巻き込まれしまう話しのようです。
音楽◆坂本龍一
ブエナ ビスタ発売のDVDにて。画質はよいです。
キャスト
ニコラス・ケイジ→市警察刑事リック・サントロ
ゲーリー・シニーズ→警備担当のケビン・ダン中佐
カーラ・グギノ→ヒロインのジュリア・コステロ
ジョン・ハード→武器屋のオーナーで事件のスポンサー
ブライアン・デ・パルマ監督の演出はよいと思います。
最初はTVサイズのフレームでその中にタイトル文字が収まっていてフレームがワイドになるとタイトル文字も広がります。こういうの好きなギミックです。
売りのプロローグの13分間のワンシーンワンショットはそんなものかなといった感じです。
ボクシングの試合のシーンを見せないのはいいと思えます。ボクシングの試合の出来の方が気になってしまうもので賢明な判断だと思えます。
この作品で目立つ「痛みを知れ」のセリフ。でもブライアン・デパルマ監督作品で印象的なセリフは『ファントム・オブ・パラダイス』(1974年)等での「信頼しろ」の「Trust Me」なのではと思った。
途中でネタバレはアルフレッド・ヒッチコック監督を意識してそのように演出しているのでしょう。
10分間を越える長回しも同じくアルフレッド・ヒッチコック監督作品の『ロープ』(1948年)の1巻分の時間10分を越えることだけが目的なのでしょう。ここらへんがブライアン・デ・パルマ監督らしい。
長回しでゲーリー・シニーズを撮るために素早くパンニングするとこは『ロープ』で「ニワトリは嫌いだ」というファーリー・グレンジャーに素早くパンニングするとこと同じような感じに見えました。
非常階段でニコラス・ケイジとカーラ・グギノが座っているシーンは作画合成みたいでした。
モニター室にて。ゲーリー・シニーズがニコラス・ケイジを買収しようとする息詰まる会話シーンのバックではタイアップと思われる広告が流れていました。何でこうなるのかよくわからん。
TVサイズのフレームで終わります。と思ったらオマケのハッピーエンドのシーンがありしまた。
後タイトルのクレジットの文字がバカみたいに小さい。
ビデオのことを考えていない?、で、最期の柱に埋め込まれてきる赤い宝石の意味は知らなければ全然わかりませんでした。そんなシーンがあるらしいけど気がつかなかった。真犯人は途中でネタバレしてるのに何てこのような謎解きがあるのか理解に苦しみます。でもこの辺のいいかげんさがブライアン・デ・パルマ監督のよいとこなのでは・・・。
同じ時間と場所を違う視点から回想するギミック。
この辺はブライアン・デ・パルマ監督のテクニック全開でした。ボクサーの視点からの回想。ケビン・ダン中佐の視点からの回想。ジュリア・コステロの近眼の主観ショットの回想。この辺は上手いものです。
ニコラス・ケイジのシャツ。最初は金ラメ柄シャツで、途中からキャラクターの変化に合わせて爽やかな青いシャツに細身の黒のネクタイになります。
途中から喋り方が何となくジェームス・スチュアートみたいに聞こえました。そういえば10分テイクで有名な『ロープ』にはジェームス・スチュアートが出てました。
そんなこんなでハッピーエンドでよかったじゃないとなります。
ヒロインのカーラ・グギノの変装?ブロンドのカツラは下手な変装です。素人ということなのか。何で変装してたの?となると特に意味はなくてブライアン・デ・パルマ監督の趣味としかいいようがない。
カツラを取った後のショートカットが素敵。
眼鏡に白のスーツ。血を洗い流した後は黒のジャージに白のスカート。そのまた後は男物のグレイのシャツ。ラストはグレイのニット。結構素敵でした。
このショットが撮りたいというのを最優先して話しはそれに合わせればいい。このような演出になっているようです。
ショット優先というのがアルフレッド・ヒッチコック監督と共通しています。それがもっといいかげんなのブライアン・デ・パルマ監督ですが・・・。
そんなわけでカネがかかっていて演出もよい作品は見られるのはめったにないのでとてもよくて、ブライアン・デ・パルマ監督らしいいいかげんなよい作品でした。
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