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2008.09.28

『サドン・デス』(1995年)

この作品はピーター・ハイアムズ監督、ジャン=クロード・バン・ダム主演の巻き込まれアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ピーター・ハイアムズ監督作品にジャン=クロード・バン・ダムで見ました。このコンビの『タイムコップ』(1994年)が、よかったのもあります。

1995年 ユニバーサル・ピクチャーズ アメリカ作品
ランニング・タイム◆111分
原題◆Sudden Death
プロット◆ゆすり騒ぎに巻き込まれる話しのようです。
音楽◆John Debney
パーフェクTV313にて。画質はよいです。

キャスト
ジャン=クロード・バン・ダム→偶然居合わせたスタジアム関係者ダレン・マッコード
パワーズ・ブース→強迫者ジョシュア・フォス
ホイットニー・ライト→エミリー・マッコード
ロス・マリンガー→タイラー・マッコード
レイモンド・J・バリー→ダニエル・ベンダー副大統領
ドリアン・ハレウッド→ホールマーク


ピーター・ハイアムズ監督の演出はよいと思います。
さすがに撮影は凝ってます。カメラはやたら動いてクレーン撮影も多い。凝りまくりでした。
ショットの切り返しの細かいこと。カットバック全開でした。カットバックが大好きな私の1番のお気に入りのサム・ペキンパー監督の『ゲッタウェイ』(1972年)に負けないくらいでした。

この作品の舞台となるピッツバーグというとMLBのパイレーツ、NFLのスティーラーズで、NHLのペンギンズはあまりよく知りませんでした。

プロローグで子供を死なせてしまいます。
子供を死なすというのはかなりデリケートな問題なので扱いが難しいと思います。→そして2年後となる。

やたら時間の字幕が出てます。ですがアイスホッケーは20分間3ピリオドだとようやく思い出した私には全然字幕の効果がなかった。
ピッツバーグ・ペンギンズ対シカゴ・ブラックホークス第7戦で、NHLが舞台となる設定はこのためにあったのかとわかったブザービーターの図。これだけのためにNHLが必要だったようです。

調理室やアイスホッケーのロッカー等では映画のセオリーに従ってその場にあるアイテムを用いて戦いに挑みます。この設定は好きだな。
アイスホッケーのロッカーでは鏡が割れる効果が多用されてました。
妙に理詰めな描写と何でもありのファンタスティックな描写がどうもバランスが悪いように思えました。

ジャン=クロード・バン・ダムとマスコットペンギンとのアクション対決は、マスコットの間抜けな外見とエグイやられ方のアイロニーが効いてて中々よかったです。やっぱり少しやり過ぎな感じがしますけど。このいうのは好きだな。

そんなこんなで色々あり、ライターオイル入り水鉄砲+ライター=火炎放射器のあたりから何でもありの設定になってるようで。後はもう突っ走ってました。このあたりで見てる方も何でもありにシフトしておかないとついていけなくなりそうです。

ジャン=クロード・バン・ダムが何のためにペンギンズのゴールキーパーになったのかよくわからん。
このときはまたゴールキーパーからの主観ショットが多くなったりしてました。撮影は凝っています。

散々な1日を終えれば別れた奥さんから「二度と子供と会わないで」と言われるだろうなと心配になります。

パワーズ・ブースの声は小林清志そっくり。
そっくりといえばパワーズ・ブースを汚くするとオリバー・ストーンに似てます。パワーズ・ブース主演で面白そうな伝記映画が出来ます。自分に都合のいいことしか書いてない自伝ではないですよ。

アイスホッケーの選手のことを「氷上の猿回し」なんて言ってます。
でも現実では長野県知事が1998冬季オリンピックのスピードスケートの選手のことを「ミズスマシ」のようだなんて言ってるから現実の方が凄いではないか。こまったものです。

あれだけのことをしたのだからなのかパワーズ・ブースの死に方は少し引っ張り過ぎでこれでは何だかこちらの方が主役で悲劇的な死に方に見えてしまいます。ピーター・ハイアムズ監督がこれくらいことに気がつかないのかと思えてしまいます。

全体的にみると少しやり過ぎで辟易する感じがしないでもない。
邪魔物、人質はやたら殺すのにはやっぱりやり過ぎだと思います。なまじ主役のジャン=クロード・バン・ダムと会話をしてるから殺さなくてもいいのではと思えてしまいます。思い入れを強くするようにはなってなく不快なだけでした。会話抜きでただの障害物キャラにしとけばよかったかもしれません。

ハリウッドは子供の生死まで自由に出来ると思ってるんだろうか。こまったものです。
もし子供が殺されてしまったら後味は悪くてダメで、助かったとしてもあざとさが残るだけでダメでしょう。あんまりよい設定ではないと思います。
アルフレッド・ヒッチコック監督が『サボタージュ』(1936年)で子役に爆弾を運ばせて引っ張ったあげくに爆死させてしまい観客の支持を失う失敗してるのはあまり有名ではないのかな。

『タイムコップ』がよかったのはミア・サーラが出て思いきりロマンティックだったからかもしれないと思ってしまいました。
そんなわけでカットバックに関してよいのです全体的にはもう少しといった具合で、もしかしたら『ゲッタウェイ』並みになったかもしれない惜しい作品でした。



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