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2008.08.03

『二十四時間の情事』

この作品はアラン・レネ監督、エマニュエル・リヴァ、岡田英次主演のアートシアター物メロドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
広島ロケがあるので見ました。フランスが見た広島というのが興味深い。

1959年 フランス作品
ランニング・タイム◆90分
原題◆Hiroshima mon amour
プロット◆二十四時間の情事ではなくなってしまう話しのようです。
音楽◆Georges Delerue/Giovanni Fusco
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質はよいです。

キャスト
エマニュエル・リヴァ→フランスから来た女優
岡田英次→日本の建築家

アラン・レネ監督作品で見たことがあるのは『去年マリエンバートで』(1960年)です。この作品は全然わかりませんでした。覚えてるのは窓にカメラが寄っていくショットが印象的なくらいでした。似たようなショットが『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年)であったような。

邦題が上手いです。原題『Hiroshima,Mon Amour』の通り『広島・・・』なんて付けたら引いてしまいそうですから。『・・・情事』なんて付けばエロがあるかと思わず見たくなってしまいます。

アラン・レネ監督の演出はまあまあだと思います。
前半は結構わかりやすい、使われている手法はフラッシュバックくらいなので十分ついていけます。
演出意図でわざわざノイズを拾っているようです。情事の最中にチャルメラの音がしたり、会話シーンでは道路を走るクルマの音が大き過ぎる感じもします。教会の鐘の音もしました。広島にも教会があるのかとまた私の偏見が出る。

会話シーンでも切り返しはやってません。ドキュメンタリータッチのわけがないけどそうなっていました。
「どーむ」という喫茶店が出てきました。凄い名前です。もちろん原爆ドームのそばにあります。

後半は広島とヒロインの彼女の故郷のヌベールという町がカットバックされます。
私は広島で君はヌベールとなる面白いラストです。これはシュールです。→わけわからんとも言う。

広島の1959年当時の風景が十分に見られます。
この日本ロケは大映が関係しているようです。
広島の街の道路はやけに広々としていました。原爆で焼き尽くされて区画整理のための立退きの手間が省けたのかもしれません。
本編内で見られる原爆投下後の記録フィルムで後ろ脚の片方がない3本足の黒犬が歩いていました。この犬は死んだのだろうね。

広島といえばさすがに現在ではあまり出さなくなったのか「あやまちはくり返しません」なる言葉が印象的です。
原爆で死んだり負傷した広島の人達はあやまちを犯してはいないのではという意見があったりしますが、この意見に対する完璧なエクスキューズは用意されているのでしょう。でもこの言葉は史上最大の詭弁に思えます。
原爆を投下したアメリカは政府も民間レベルも責任はないそうで日本の政府も責任は感じてないようなので、残っている広島市民だけがあやまちを犯したことになるのですか。なるほど筋は通っている。我慢はならないけど。

エマニュエル・リヴァは着物姿なんか見せてくれます。これはまた妙な感じがしました。
HOTEL NEW HIROSHIMAにて。何でドアのノブの位置があんなに高い?エマニュエル・リヴァが小人かと思ってしまった。
このホテルのすぐそばに原爆記念碑がありました。観光地浅草に浅草ビューホテルがあるのと同じようです。
出かけるときは何故かナースルックになります。一応映画撮影のために来日しているのでこういう役なの?撮影現場では白いネコを撫でていた。
鏡の自分と会話するシーンがありました。これもシュールです。

岡田英次の吸うタバコは『いこい』です。そんな銘柄があったようです。
フランスの女優を相手でも見劣りがしないのはいい感じです。この作品は日本の広島が舞台ですが全編フランス語なので岡田英次の日本訛りのフランス語が聞けます。上手かないけどこれで十分です。日本人が外国語を喋ってて日本訛りで何が悪い?と思えます。

前半は広島の社会科見学映画で後半は不条理映画でした。
手ごわい後半の見方はヒロインのエマニュエル・リヴァを眺めて岡田英次のフランス語を聞く、これで乗りきれる筈がいつしか心地よい眠気が・・・
岡田英次がフランス語を喋ってる珍品にも見えないことはない。広島とヒロイン、どっちの方が不幸か?な不幸自慢になっていないとこは評価出来ます。

そんなわけでアートシアター物にしては面白い作品でした。


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