『嵐が丘』(1992年)
この作品はピーター・コスミンスキー監督、ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ主演のドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
少し見てジュリエット・ビノシュがよかったので見ました。
エミリー・ブロンテの原作は未読です。
ルイス・ブニュエル監督の1954年版は見てます。シュールでした。
ウィリアム・ワイラー監督の1939年版でのローレンス・オリビエのヒースクリフとの比較はと興味深い。
で、この1992年版にはシャルロット・ゲンズブールが出ているのでは勘違いしてました。出てるのは『ジェイン・エア』(1995年)でした。どちらも同じようなものかも?
1992年 パラマウント 英国=アメリカ作品
ランニング・タイム◆105分
原題◆Wuthering Heights
プロット◆復讐する男の話のようです。
音楽◆坂本龍一
パーフェクTV311パワームービーにて。画質はまあまあ。
キャスト
ジュリエット・ビノシュ→ヒロインのキャシー/キャサリン
レイフ・ファインズ→復讐する男ヒースクリフ
ジェレミー・ノーサム→復讐される男の1人ヒンドリー
ソフィー・ウォード→隣りの娘
サイモン・シェファード→復讐される男の1人エドガー、キャシーの旦那。
ピーター・コスミンスキー監督の演出はよいと思います。
女性のナレーションで始まるゴシック・ロマンの定番作品『レベッカ』(1940年)のような出だしでした。どうせならカメラが門の格子をすり抜けてくれればもっとよかったんですが。
誰のナレーションしてる→これは作者のようです。わかりにくい。
開始12分で子役からレイフ・ファインズになります。ジュリエット・ビノシュも同じ。話が早いというかスター至上主義となっているようです。
レイフ・ファインズは1回いなくなりますが10分もしないで戻ってきます。それで2年が経っていることになっています。
ジュリエット・ビノシュのキャシーはあっさり死んでしまいます。でもすぐに娘のキャサリンで再登場。なるほどこれなら簡単に死ねます。そっくりだと言われてもそりゃ本人ですよとなる。
対戦相手のヒロインが親子2代の展開になってもレイフ・ファインズが全然老けないので見てて混乱します。この作品はSFなのかなんて思わないけど妙な感じです。スター重視のアメリカの資本が入ってるからかも?。
そんな感じで転生して親子2代で攻めるジュリエット・ビノシュに対してレイフ・ファインズの方はどうも分が悪そうに見えます。あまり悪い人に見えないし。でも繊細な感じでただの乱暴者に見えないのがいい感じです。
全編に渡り荒野の風の音が印象的に聞こえます。これはいいです。
似てない肖像画。絵はこの作品と直接関係はないからこれはセオリーで似ていないようにしているようです。ヒロインのジュリエット・ビノシュを美しく見せるのが最優先ですから。→これは『めまい』(1958年)でのカルロッタの肖像画から思いつきました。
ラストにはプロローグに戻る構成になってます。これが私の好きな手法なんでいいのです。
そんなわけで退屈なコスプレ物ではなくこれは意外と面白い作品でした。やっぱりスターが出てるといいです。
1939年版でのローレンス・オリビエのヒースクリフと1992年版のレイフ・ファインズのヒースクリフの比較ですが、タイプが違うので簡単に比較は出来ないような。私としては両方いいのではとなります。
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