『ティコ・ムーン』(1996年)
この作品はエンキ・ビラル監督、ジュリー・デルピー主演のSFドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ジュリー・デルピーが出てるSFということで見ました。
1996年 フランス=ドイツ=イタリア作品
ランニング・タイム◆104分
原題◆Tykho Moon
プロット◆月から地球に帰る話のようです。
BS11衛星放送にて。画質はよいです。
キャスト
ジュリー・デルピー→ヒロインのレナ
ヨハン・レイゼン→追われる男ティコ・ムーン
リシャール・ボーランジェ→殺し屋
ミシェル・ピッコリ→独裁者
マリー・ラフォレ→独裁者の妻
ジャン=ルイ・トランティニャン→医者
エンキ・ビラル監督の演出はまあまあだと思います。
日本語が混じっていたりとリドリー・スコット監督の『ブレードランナー最終版』(82/92年)のバリエーションのようですが出来はそれほどよくなく正直言って眠かった。30分たっても話が進まない。これには参ったな。
ミシェル・ピッコリは弟と2役とか他にも双子の役がいたとかには全然気が付きませんでした。キャスティングはいいのに惜しいとこでした。
ジュリー・デルピーはヌードになっています。必要なのか疑わしいとこでした。まあいいけど。赤い髪に黒い髪、金髪に、衣装も変えて、きれいには撮れているし文句無い扱いでした。
この作品で初めて見ましたが主役のヨハン・レイゼンとなかなか渋くてよかった。
ミシェル・ピッコリはルイス・ブニュエル監督作品でこの手の不条理作品には慣れているのか淡々としたものでした。
リシャール・ボーランジェはパトリス・ルコント監督の『タンゴ』(92年)でも殺し屋をやっていました。無理やりやらされていた、あれが殺し屋といえるならですが。
ジャン=ルイ・トランティニャンは何で出ているんだ?と思わせるどうでもいいようなキャラでした。もったいない。
見終わってからエンキ・ビラル監督は劇画家と知りました。
それなら見なかったかもしれません。マンガのコマ割りと映画(アニメも同じく)のカット割りは別物なのでそこがわかってないと映画は無理だと思えますが。
会話シーンの切り返しがないのは、このせいなのかなるほどと納得出来たりします。
よくあるアニメのことで・・・
原作のマンガのコマ割りの通りカットを割ってショットサイズの大小や、ショット時間の長短を無視して全体の尺数に合わせてつないだだけで原作通りと称するアニメにはうんざりしたものです。
そこのところはエンキ・ビラル監督はわかってはいるとは思えますが、やっぱり映画にはなっていなかったような。話の進行具合はともかく、これだけ豪華なキャストをそろえてこの出来ではそう思えます。
そんなわけで残念ながら『ブレードランナー』にはなれそうもない作品でした。タイトルの歌だけがよかった。
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