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2008.06.07

『さまよう魂たち』(1996年)

この作品はピーター・ジャクソン監督、マイケル・J・フォックス、トリーニ・アルバラード主演のホラー・アクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ピーター・ジャクソン監督作品と面白そうなプロットで見ました。

1996年 ユニバーサル・ピクチャーズ ニュージーランド=アメリカ作品
ランニング・タイム◆111分
原題◆The Fringhteners
プロット◆死神相手に悪戦苦闘する話のようです。
音楽◆ダニー・エルフマン 鳴り過ぎで少し浮いていました。
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。

キャストは豪華です。
マイケル・J・フォックス→霊能力者フランク
トリーニ・アルバラード→女医のルーシー・リンスキー
ピーター・ドブソン→ルーシーの夫
ジェフリー・コムズ→コメディリリーフ?で足を引っ張るFBI捜査官ミルトン
ジェイク・ビジー→殺人鬼ジョニー・バートレット
ディー・ウォーレス・ストーン→殺人鬼の恋人パトリシア
R・リー・アーメイ→墓場の鬼軍曹『フルメタル・ジャケット』(1987年)のそのまま。
アンジェラ・ブルームフィールド→フランクの亡き妻のデブラ
トロイ・エバンズ→ウォルト・ペリー保安官
エリザベス・ホーソーン→被害者の中年女性マグダ


ピーター・ジャクソン監督の演出はよいと思います。
始まってワンショットでカメラが家の中に入ってしまいます。現在の撮影技術は凄いです。元ネタは『サイコ』(1960年)のプロローグシーンでしょう。
でも、会話シーンで徐々に寄ったりするカメラの移動が少しうるさい感じです。会話シーンではカメラは動かないで切り返しの方がいいと思えます。
あちらこちらでお気楽な描写があります。これには辟易します。→赤ん坊で遊ばないで下さい。

『サイコ』そのままな家があり、階段を降りるとこを足だけ捉えたショットがありました。『サイコ』とは逆で降りるとこですから大丈夫でしょうと思って見てました。これが大丈夫だったりします。そのままではなく少しは変えてある良心的な例でした。

この作品ではないけど、よくあるのが引用ではなく全く同じコピーで頭の中は脳みそではなくコピー機ゼロックスが入ってるのでは思わせるパターンが多いのにはこまったものです。

二本立ての話かと思ったらちゃんとつながりました。殺した数の記録更新に燃える殺人鬼ジョニー・バートレットでつながっていた。
クライマックスの亡霊と邪魔なFBI+ショットガンを撃つ人との亡霊と実体ダブル対決は凝っています。マイケル・J・フォックスは忙しいこと。いいものです。

ポンプ式ショットガンに懐中電灯をくくりつけて照準器替わりに遣うのはロジカルでいいです。日本映画の『丑三つの村』(1983年)みたいに頭に懐中電灯を付けるよりはいい。この格好は間抜けですし。やっぱりアメリカの方が合理的です。

ヒロインのトリーニ・アルバラードはピーター・ジャクソン監督の好みなのかな?そんな感じに見えます。
家の中ではガウンにソックス姿がいいです。アクションシーンではパンツにロングブーツもいいです。
医者の設定が生きるマイケル・J・フォックスを冷凍化して幽体離脱させて死神との戦いをサポートするシーンがありました。
乗ってるクルマはジープ・チェロキーでした。

マイケル・J・フォックスのクルマは黄色い大昔の古いボルボ、回想では同じボルボの1984年型ワゴン。何故かボルボにこだわっていました。
インチキ霊媒師ぶりを見て、インチキな人達は普通はあれこれと自分からは言わないと思う。まあいいけど。

見始めたらロバート・ゼメキス製作総指揮なようで、これは私の趣味ではないなと不吉な感じがしましたが大丈夫でした。よかった。
ロバート・ゼメキスがマイケル・J・フォックスのため作った作品となるはずが何か妙なノリになってしまったようです。
さしずめお気楽描写なロバート・ゼメキスとトリッキー描写なピーター・ジャクソンの戦いといった感じにも見えました。といっても私はロバート・ゼメキスもピーター・ジャクソンの作品を見たことがありません。

ピーター・ジャクソンの作品で気持ち悪そうな『バッド・テイスト』(1987年)とかケイト・ウインスレットが怖そうな『乙女の祈り』(1994年)も見ていません。
マイケル・J・フォックスはブライアン・デ・パルマ監督の『カジュアリティーズ』(1989年)だけは見ています。これはベトナム戦争物の陰々滅々な話でした。
ロバート・ゼメキスは全く見る気がしない。

クライマックスの現在と過去がいれこになっている描写は見てて楽しい。これは面白い。
そんなわけで映画ならではの手法でお見事なよい作品でした。



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