『アリゾナ・ドリーム』
この作品はエミール・クストリッツァ監督、ジョニー・デップ主演のオフビートなドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
少し見てオフビートでよかったので見ました。
1992年 UGC フランス作品
ランニング・タイム◆135分
原題◆Arizona Dream
プロット◆各人の夢を追う話のようです。
音楽◆Goran Bregovic
スカイパーフェクTV260シネフィル・イマジカにて。画質はまあまあ。
キャスト
ジョニー・デップ→魚マニアのアクセル
ジェリー・ルイス→アクセルの叔父レオ
ビンセント・ギャロ→レオの手下で映画マニアのポール
フェイ・ダナウェイ→飛ぶのが夢のエレイン
リリ・テイラー→自殺マニアのグレース
ポーリーナ・ポリスコワ→ポーランド人花嫁のミリー
エミール・クストリッツァ監督の演出はよいと思います。
話は湿っぽいけど全編乾いた感じがいい感じです。
いい作品は会話シーンの切り返しを見てるだけでいいのです。
合成の魚が空中を泳いでいるシーンはいいです。
何故か常に犬が背後に配置されています。魚や犬とは押井守監督と共通しています。
ジョニー・デップ扮するアクセルは飲まされて寝てるうちにN.Y.からアリゾナへ連れていかれてしまいます。
クルマでそんなに簡単にN.Y.からアリゾナに行けるのか疑問ですが見てて大丈夫なのが不思議なとこです。
ジェリー・ルイス扮するアクセルの叔父レオの年の離れた花嫁はポーランド人です。
なるほどこの花嫁は買ったのですかとブラックなギャグ。思わずどこで買ったんですかと聞きたくなりました。
ジョニー・デップとジェリー・ルイスが並んでると俳優としての能力でジョニー・デップの方が上に見えます。これはまあ妥当なとこです。
フェイ・ダナウェイは男好きで飛ぶのが夢のエレイン。ジョニー・デップと絡んでも見劣りしませんでした。さすが大女優です。
飛行機に乗って飛ぶシーンでは最初は特撮でしたが2度目はホントに飛んでいました。ここでビンセント・ギャロは『北北西に進路を取れ』(59年)の飛行機に追われるケイリー・グラントを演じていました。
リリ・テイラーはメイクが濃い時は1940年代のローレン・バコール風なのでしょう。タバコをくわえているとこが多かったし。→参考でフィルム・ノワールの『三つ数えろ』(46年)
黒い服の男で映画マニアのビンセント・ギャロはコメディリリーフに徹してました。大まじめにギャグを飛ばしてていいです。
ビンセント・ギャロが「舞台に出るんだ」は言うたびに「舞台に出るのではなくてオーディションなんだ」とジョニー・デップが毎回突っ込みを入れるのもいい感じです。
映画マニアなので劇中映画がたびたび登場します。モノクロのボクシング映画『レイジング・ブル』(80年)(未見です)が上映されているとこ舞台に上がって物まねパフォーマンスすれば他のお客から迷惑がられて物を投げられていました。当然のことです。
他でも俳優の名を上げている中でそばにジョニー・デップ本人がいるのにそのジョニー・デップの名を出す楽屋落ちがありました。これはビンセント・ギャロのアドリブですか。
何かのコンテストで『北北西に進路を取れ』のケイリー・グラントを完璧に演じても点数が低いのはお気の毒でギャグになっていました。
アクセルの叔父レオが死んだら早速ポーランド花嫁にくっついているのもギャグでした。
犬と一緒にTVで『ゴッドファーザー』(このシリーズは未見なのでどれだかわからん)を見ていたりもします。
キャデラックディーラーのアクセルの叔父レオが燃費のことを言いだした従業員に「それならフォードに乗れ」と言います。このセリフは1950年代のMLBピッツバーグ・パイレーツのホームランキング ラルフ・カイナーが「ホームランキングはキャデラックに乗る、シングルヒットしか打てないのはフォードに乗る」から来ているのでしょう。
そんなわけでこれは奇妙な佳作でした。私は押井守監督作品で不条理物の『紅い眼鏡』(87年)がよかったのでこれも楽しめました。
『紅い眼鏡』は夢落ちの連続にマシンガントークと音楽にシンクロしたカット割りがよいこれも奇妙な佳作でした。
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