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2008.03.21

『スペース カウボーイ』(2000年)

この作品はクリント・イーストウッド監督主演、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー主演の宇宙飛行物アクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

2000年 マルパソ・プロ/ビレッジ・ロードショー・ピクチャーズ/ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆130分
原題◆Space Cowboys
プロット◆謎の衛星を修理に行く話しのようです。
音楽◆レニー・ニーハウス
ワーナー発売のDVDにて。画質は非常によいです。

キャスト
クリント・イーストウッド→偏屈パイロットのフランク
トミー・リー・ジョーンズ→曲乗りパイロットのホーク
ドナルド・サザーランド→女好きでエンジニアのジェリー
ジェームズ・ガーナー→牧師でナビゲーターのタンク
ジェームズ・クロムウェル→悪役の高官ボブ・ガーソン
ウィリアム・ディベイン→管制官のユージン・デイビス
マーシャ・ゲイ・ハーデン→ミッション担当のサラ・ホランド
ブレア・ブラウン→女医のアンナ・カルザース
バーバラ・バブコック→フランクの奥さんバーバラ
ローレン・ディーン→若い飛行士のイーサン
コートニー・B・バンス→若い飛行士のロジャー、黒人
ジョージア・エメリン→ジェリーのガールフレンド シェリー
Rade Serbedzija→ロシアのボスコフ将軍

クリント・イーストウッド監督の演出はよいと思います。
出だしから快調です。X2でのテスト飛行。私は特撮のミグ31が飛ぶイーストウッド監督主演の『ファイヤーフォックス』(82年)が結構好きなのでこの一連のシーンはよかったです。

キャラ紹介も快調でした。ここはクリント・イーストウッドの師匠セルジオ・レオーネ監督の『夕陽のガンマン』(65年)と同じような感じでした。これが一つのフォーマットなのでしょう。

手堅い作りで最初から最後まで安心して見ていられます。かといって予定調和とは思わさない作りでした。上手いものです。
宇宙遊泳でシールドにスモークがかかったら陽が当たる、この編集のタイミングがいい。等々どのシーンも手堅くまとめられていました。

シャトルが発進して4時間で問題の衛星アイコンに着いてしまうとのこと。これはエライ早いなと思いました。気持ちの整理をしている暇がないのでは。

若いパイロット2人の扱いはこの作品は老人チームが活躍する話しなのでお引き取りを願ったといった感じです。ムダに事故死させたりせずに殺さなかったのでまあいいんじゃないですか。

衛星のアイコンは無人のくせにレーダーに反応するデバイスが仕込んであったりとなかなかの凶悪ぶりを発揮しています。これはやるもんです。

スペースシャトル映画は初めて見ますがシャトル内部は結構広いのですね。まるで『ウルトラマン』(66年)での科特隊のビートルのようです。『ウルトラセブン』(67年)でのウルトラホーク1号は設定によるとシャトルに比べると大型過ぎるので、ここは科特隊のビートルのようですとなります。

スペースシャトルの滑空での着陸時にジェット2機が伴飛行するのは速度を維持するペースメーカーの役割もあるのでしょう。着陸速度を間違ったら大変なことになるからとなるほどと勝手にそう思いました。

ラストは月に到達していたホーク。宇宙服のシールドに写る地球。これは限りなくファンタスティックに近い描写なのかもしれませんが絵的には素晴らしい。悪くはない。


キャストで・・・
クリント・イーストウッドはTVウエスタンからマカロニ・ウエスタン経由でハリウッドに進出したので差別され苦労していて結構屈折しているようですが、これがマイナスではなくプラスになっているのがいいとこです。

ドナルド・サザーランドとクリント・イーストウッドが共演してるのは痛快戦争アクション『戦略大作戦』(70年)だけなようです。もっとあると思ってました。

ジェームズ・クロムウェルは悪役の高官ボブ・ガーソンを演じて悪役を一手に引き受けていました。このシステムには欠陥がある等と一々イーストウッド扮する主人公に嫌みをかましてます。
それまで嫌みばかり言ってたのがラストには老人組が帰還に成功したのでこれは自分のプラスになると判断して一転褒め称えていたりしてあくまでも悪役に徹していました。ここまでやれば大したものです。このようなタイプの人種が実際そこらへんにいくらでもいるからこまったものなのです。

ウィリアム・デベインはアルフレッド・ヒッチコック監督の『ファミリー・プロット』(76年)でしか知りませんでしたが、まだ現役で頑張っていたのですか。たいしたものです。

マーシャ・ゲイ・ハーデン演じるミッション担当のサラ・ホランドは地味に実務家といったキャラでした。
美しく撮れてるマーシャ・ゲイ・ハーデンが見たかったらコーエン兄弟の『ミラーズ・クロッシング』(90年)がお勧めです。

カルザース女医さんは誰なのかと思ったらブレア・ブラウンでした。
ケン・ラッセル監督『アルタード・ステーツ 未知への挑戦』(80年)のヒロインではないですか。その他の女優さん達もそれなりに歳を取った人達がそろっていました。

そんなわけで、あまり期待しないで見たせいもあった一気に見れました。
脚本の通りに上手い演出で撮ってスター達も勝手なことを言わなかったようで、いい出来でバランスの取れた娯楽作のよい作品でした。



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コメント

お久しぶりです。最近のクリント・イーストウッドの映画は凄いですね。
スペース・カウボーイも少し前の作品ですが、流石ですね。
またお邪魔しますので今後もよろしくお願いします。

ディープインパクトさん、毎度どうも・・・

トラックバックはしっかり了解しました。


イーストウッド監督作とあったので、どんな内容かよく知らずに観ましたが いい映画でした。
前半、イーストウッド特有のユーモアとスパイスのきいたコメディータッチで進み、後半は一転 本格的な宇宙映画で手に汗握りました。
70歳の老人にあんなことができるのか・・・いささか無理もありますが、さすがはイーストウッド監督、それらしく見せてしまうのは大したものです。
ジェームズ・クロムウェルを、長身のイーストウッドが見上げていたので調べてみたら、2メートルを超えているのですね。 現役俳優では最長身でしょうか。

ナカムラ ヨシカズさん、コメントありがとうございます。

クリント・イーストウッド監督は本物の職人監督なんでしょうね。早撮りがそんな感じです。
私は早撮りの監督というだけで腕前がいいと思っています。少なくとも撮影現場で何をやってるかを把握してるわけですから・・・


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