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2008.03.02

『ミスティック・リバー』

この作品はクリント・イーストウッド監督、ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケビン・ベーコン主演の人生は不公平ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
クリント・イーストウッド監督と豪華なキャストと評がいいので見ました。で、過大な期待はしないように見ました。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

2003年 マルパソ・プロ/NPV・エンタテインメント/ビレッジ・ロードショウ・ピクチャーズ/ワーナー アメリカ作品
ランニング・タイム◆138分
原題◆Mystic River
プロット◆ 因縁と偶然と誤解が絡まり人生は不公平なものだという話しのようです。
音楽◆クリント・イーストウッド
ワーナー発売のDVDにて。画質はよいです。

キャスト
ショーン・ペン→コンビニ店主のジミー
ティム・ロビンス→トラウマのデイブ
ケビン・ベーコン→刑事のショーン
マーシャ・ゲイ・ハーデン→デイブの夫人セレステ
ローラ・リニー→ジミーの夫人アナベス
エミー・ロッサム→ジミーの娘ケイティー
トム・ガイリー→ボーイフレンドのブランドン
スペンサー・トリート・クラーク→ブランドンの弟レイ
アンドリュー・マッキン→レイの友達ジョン
アダム・ネルソン→サベージ兄弟のニック
ケビン・チャップマン→サベージ兄弟のバル
アリ・グレイナー→ケイティーの友人イブ
ザベス・ラッセル→ケイティーの友人ダイアン
ケイデン・ボイド→デイブの息子マイケル
スーザン・ウィリス→証人のプライヤ婆さん
ローレンス・フィッシュバーン→ショーンの相棒パワーズ刑事
イーライ・ウォラック→ルーニー酒店の老店主
トリ・デイビス→ショーンの夫人ローレン

クリント・イーストウッド監督の演出はよいと思います。
主要キャラ3人を対比させて話しは進行していきます。殺人事件自体はどうでもよくなっているのかも。
ワイドスクリーンに1人を配置する時は真ん中ではなくどちらかに寄せています。この方が私の好みでいいです。

プロローグでMLBボストン・レッドソックスの選手の名前がTVかラジオ放送からオフで聞こえます。
ティアントといえばルイス・ティアントです。キューバ出身の右投げの投手で、1回後ろを向いてから変則な投げ方をしていました。
フィスクといえばカールトン・フィスクです。ボストン・レッドソックスの強打の捕手です。1975年ワールドシリーズは当時最強でビッグレッドマシンと呼ばれたシンシナティ・レッズを相手にレッドソックスは劣勢を予想されて始まりレッドソックス2勝3敗の後がない状況で迎えた第6戦延長12回にカールトン・フィスクは対戦成績をタイに戻すフェンウェイパークのレフトポールに当たるサヨナラホームランを打って有名です。これで殿堂入りしたようなものです。
というわけでプロローグはボストンの1976か77年頃が舞台だと思われます。→後になってプロローグは25年前のこととわかり計算すると1978年となりました。

まだプロローグで子供3人で路上ホッケーをやっています。
生乾きのコンクリートに名前を書きます。刑事風の男に呼ばれます。
この男が何故かジーン・ハックマンに似てたりします。ハックマンはイーストウッド監督作品に結構出てたりします。
デイブだけが連れ去られて溶暗で省略してつないで時間が経過してからようやく逃げ帰ります。

何年後の字幕も溶暗も無しでいきなり現在になります。
成長したデイブが息子を連れて帰宅します。コンクリートにはまだ名前が残っています。

成長したジミーが可愛い娘ケイティーと話しをしています。
ケイティーは父が自分には甘いのを知っているのか全く恐れてはいません。話しているのを見てるだけでわかります。これは見事な演出と演技です。

ケイティーはクルマ内でボーイフレンドのブランドンと話します。
初めて見るエミー・ロッサムはいい感じです。よくこんな女優さんをみつけてきたものです。ちゃんとオーディションをやっているんだとわかります。

空撮で橋が渋滞しているシーンから成長して刑事となったショーンが事故現場を調べています。相棒のパワーズ刑事も登場。ロケがいいです。
と、キャラ紹介から話しは手堅く進行します。

空撮で移動するカメラのショットが多用されています。
デイブはバーでMLBのTV中継を見ています。そこにケイティーを含む女の子3人がやって来て大騒ぎしています。何を盛り上がってる?

土曜深夜AM03:00にデイブは血だらけで帰宅します。夫人のセレステに要領を得ない説明をするデイブ。強盗にやられたとのことです。
警察に通報の電話があります。名は名乗らず。

日曜の朝になってジミーのコンビニにブレンダンと口のきけない弟レイがやってきます。
公園では警察が捜索中。ジミーがケイティーのクルマを発見して現場に入り込もうとします。ここで手下のニックとバルのサベージ兄弟が登場。
ジミーに説明するショーン刑事。

ジミーが現場に入り込んできます。止める警官達。
ケイティーは死体となっています。このショットが絵画のように構図も決まって大変に美しく取れています。もちろんそのように意図して撮ったのでしょう。死体マニアの人は必見のショットです。

警察にて、ジミーは娘の死体を確認します。ここもしっかり見せています。
事情聴取となります。パワーズ刑事は時を左手で書いています。何故か気になる。ムショ帰りに偏見を持っているらしい。
昔の話が出てきてデイブの監禁は4日間とのことです。

ブレンダンから自宅で話しを聞く刑事2人。
土曜の夜の事件。ブレンダンのママは口が悪い。
ブレンダンは「ケイティーを愛していたもうこんな気持ちにはなれない」というようなセリフを吐きます。それを受けてショーン刑事が「普通は1度もない」と返します。アンロニーが効いています。
イーストウッド監督作品には珍しく若い男が好意的に描写されています。どういう心境の変化があったのか興味深いとこです。

葬式の打ち合わせをするジミー。
死体のケイティーとまた対面します。ところでケイティーはキャサリンの愛称のようです。

刑事2人は捜査中。
犯行に使われたリボルバーはS&Wの38口径で犯罪歴があるとわかります。そのリボルバーの行方を追って捜査していてイーライ・ウォラック扮するルーニー酒店の老店主が登場します。この老店主からレイ・ハウスの名が出てきます。

イーライ・ウォラックはまだしっかりしているようです。でもイーライ・ウォラックなら『続・夕陽のガンマン』(66年)みたいに「世の中には2種類の人間がいる・・」のセリフとか首にロープを巻いて出なければと思ったりします。ここでは当然そんなことはしていません。それにしてもこの手の楽屋落ちのキャスティングをするとは珍しい。イーストウッド監督にどんな心境の変化があったのでしょう。→この時期ちょうど『続・夕陽のガンマン』をリストアでイーライ・ウォラックと仕事をしたのが快適な思い出になっていたのが出演のきっかけだと思われます。

デイブと夫人のセレステが話します。
件の男2人の名はヘンリーとジョージ。吸血鬼に狼男。トラウマの深さが描写されています。

パワーズ刑事は盗難車ということにしてデイブのクルマを勝手に調べます。シートとトランクに血がついていたとわかります。
警察でデイブを尋問となります。ところが盗難車だからトランクの血が誰がつけたか特定出来なくなってしまい証拠にはならなくなってしまいます。困る刑事2人です。

ケイティーの墓を買うジミー。そこに手下のサベージ兄弟が来ます。
デイブが容疑者だと知らせます。
不在の容疑者レイ・ハウスのことを先輩捜査官に聞きに行く刑事2人。
レイは司法取引きの材料でジミーを売っていたとわかります。
デイブ夫人のセレステは事件当夜にデイブがAM03:00に帰宅したことをジミーに話してしまいます。
ブレンダンを警察で尋問する刑事2人。
不在の父レイは月500ドルをかかさず送金してくるとのことです。
そんなこんなで捜査は難航している描写が積み重ねられます。

サベージ兄弟にクルマで連れていかれるデイブ。
プロローグと全く同じショットになっています。これも意図的な演出なのでしょう。
バーでサベージ兄弟と飲んでるデイブ。ジミーがやって来ます。ジミーはデイブに対して詰問尋問人民裁判となっています。
デイブは事件当夜のことを話しますがジミーは信じない。ジミーの思っていることを言わせます。それではデイブは嘘の回想をしているのかは思っていました。
そして無理やり自白させてからデイブをナイフで刺します。ジミーは自分を売ったレイも同じようにしたとのことです。

ブレンダンは犯行に使われたリボルバーの隠し場所を知っていました。だが自宅に隠されていたリボルバーはなくなっています。弟のレイが持っていたとわかります。事件の真相を巡って一騒動となったとこに刑事2人がやって来て収まります。

次の日にショーン刑事は皮肉な知らせを持ってジミーに会いに来ます。2人の話しから件の連れ去り事件は25年前のことのようです。
ショーン刑事はジミーにケイティーを殺したのは少年2人だと話します。動機がまたハッキリしていません。先程のブランドンの話しとは違う動機になっています。これも?が付きます。

そんなわけで何とも奇妙な描写バランスな話しとなっています。
これは一体の何の話なのかとわけわからん。それでも全編に渡り緊張感があって俳優陣も全員好演していてケチのつけるとこはありません。


主要キャストの3人ともが監督をやったことがあるので撮影現場はどうなのか興味深いとこです。
演技の方は3人とも実力通りの好演といった感じです。特に違いはありません。
でもイーストウッド監督はティム・ロビンスのキャラに思い入れがあるようです。

ティム・ロビンスは背が高い。クリント・イーストウッドと並んでいる写真をみたことがありますが・イーストウッドより背が高いです。この作品では背が高いのは目立たないように撮ってあります。細心の注意を払って撮ったのでしょう。特にショーン・ペンはあまり背が高くないから普通は違いがわかる筈ですけどわからないように上手く撮ってあります。

ところで『ミスティック・リバー』に出演しているショーン・ペンの弟クリス・ペンは既にイーストウッド作品の『ペイルライダー』(85年)に出ていたりします。イーストウッド作品に兄より先に出たと弟は兄に一生自慢出来るのではと思えます。→クリス・ペンは既に故人ですが・・・

少ない登場シーンながら印象的なエミー・ロッサムの他の作品を見たいとなりますが大味SFスペクタクル『デイ・アフター・トゥモロー』(2004年)では見る気がなくなります。他にいい作品はないものか?これからのお楽しみにしましょう。→その後の作品もあまりいいのがないのがこまったものです。もっとポップだと思っていたがオペラっぽいのイマイチなミュージカル『オペラ座の怪人』(2004年)もそんなに見る気はしないし、アドベンチャーと割り切れば『ポセイドン』(2006年)はまあまあといった感じで、で最新作がドラゴンボールの実写版『Dragonball』(2008年)とは、原作に全く興味がないのでこれまた見る気がしません。こまったものです。


公開当時に毎日新聞で読んだクリント・イーストウッドへのインタビュー記事の通りにホントに人生は不公平に描写されています。
そんなわけで何とも不思議な描写バランスになっている作品でした。悪くはないと思えます。



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コメント

 流石はロイ・フェイスさんですね。ここまで細かく僕には説明する事は出来ないですね。
 映画撮影の技術を、これだけ説明出来るとは素晴らしい。あんまり気に入った映画では無かったみたいですが、私の我がままを聞いてもらったみたいで、ありがとうございました。
 ミリオン・ダラーベイビーの感想もまたよろしくお願いします。ありがとうございました。
 

ディープインパクトさん、コメントありがとうございます。

『ミリオン・ダラーベイビー』の方は気長に待っていてください。
まだ見てないのでいつになるかわからんのです。
それにしても『ミリオン・ダラーベイビー』ですが『ミスティック・リバー』と続けて見るとどちらも力作なので疲れそうですね。

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