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2008.01.26

『夕陽のガンマン』(1965年)

この作品はセルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド、リー・バン・クリーフ、ジャン・マリア・ボロンテ主演の有名なマカロニ・ウエスタンです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。

1965年 P.E.A. ローマ/アルトゥーロ・ゴンザレス/コンスタンティン・フィルムズ/ユナイト イタリア=スペイン=西ドイツ=モナコ作品
ランニング・タイム◆132分
原題◆Per qualche dollaro in più
英題◆For a Few Dollars More
プロット◆賞金稼ぎをしつつ仇討ちをする話しのようです。
音楽◆エンニオ・モリコーネ
20世紀フォックス発売のアルティメット・エディションDVDにて。画質は非常によいです。
ドルビーデジタル5.1ch仕様になっています。虫の鳴き声が5.1chしています。
以前の127分から132分になりましたがどこが変わってるかはわからん。
MGM videoのタイトルがしつこく出ています。MGMなんて全く関係ないだろ。

キャスト
クリント・イーストウッド→若い賞金稼ぎのモンコ
リー・バン・クリーフ→敵討ちのダグラス・モーティマー大佐
ジャン・マリア・ボロンテ→賞金クビのインディオ
ルイジ・ピスティリ→駆けつけた手下のグロッギー
マリオ・ブレガ→手下のニーニョ デブ
クラウス・キンスキー→手下のワイルド
アルド・サムブレル→手下のクチーリオ カウントします。
ウェルナー・アブロラト→手下のスリム
ホセ・カナレハス→陽動担当の手下のチコ
ナザレノ・ナタレ→陽動担当の手下のパコ
フランク・ブラナ→陽動担当の手下のブラッキー
パノス・パパドプロス→インディオの親友サンチョ
ホセ・テロン→1000ドルのガイ・キャロウェイ
ホセ・マルコ→2000ドルのカバナー
カーツ・ジップス→ホテル背の低い主人
マーラ・クラップ→夫人のメアリー。
アントニオ・ルイズ→子役のフェルナンド


セルジオ・レオーネ監督の演出はよいと思います。
まず3人のキャラを紹介していきます。それから話しが進みます。『続・夕陽のガンマン』(1966年)も同じ構成です。
オルゴールの伏線がありました。『続・夕陽のガンマン』では首吊りのロープが伏線になっていました。

よい音楽に、銃声の効果音でよく組み立てられています。
私はモノホンのウエスタンも好きだしマカロニ・ウエスタンも好きです。

額をブチ抜くのはなんかマンガチックです。
クリント・イーストウッドは『ペイルライダー』(1985年)でこれをやっていました。マジなウエスタンでしたがこの点だけマカロニ・ウエスタンでした。これもマカロニ・ウエスタン後遺症なのかも。
私はモダン・ウエスタンではクリント・イーストウッド作品以外は見る気がしません。

マカロニなポイント
プロローグでのイーストウッドの妙にきれいきれいなウエスタンルック。
これもプロローグでの見もしないで撃つショット、これはどう見ても当たっていません。
銃声の効果音がこれまた嫌われているやつです。キューンっての、これは何か機械的に作った効果音だそうです。何処かで読んだ。そんなこんなでアメリカではマカロニ・ウエスタンは嫌われています。

本編ではカネを儲けているけど、儲け役ではないクリント・イーストウッド。
これではマカロニ・ウエスタンには嫌気がさすでしょう。
マカロニ・ウエスタンではいつもたっぷりと儲けて終わる「そんなに儲けても(墓場までは)持ってけはしないよ」といった感じのクリント・イーストウッドです。
マカロニ・ウエスタンに出たことでの唯一のデメリットかも。これは一生の不覚です。そんなわけで後のウエスタンではカネは儲けていないようです。

ところでTVドラマの主演級クリント・イーストウッドと映画の悪の手下専門役リー・バン・クリーフではどちらが格が上だったのでしょう。

クラウス・キンスキーは顔面引きつりで演技派してました。何故かホルスターは左用。ホントにレフティなの?

タイトルです。
これが傑作なタイトルなのです。
ライフルで遠距離を撃つシーンです。
音楽がいい。でもこの部分の音楽はモノラルでした。
タイトルは英語表記です。

前説が短く入ります。
命の値段云々・・・

汽車にて。
トゥーカムケアリという町の名前が出ます。
リー・バン・クリーフ扮するダグラス・モーティマー大佐が登場。
強引に汽車を止めてトゥーカムケアリで降ります。

トゥーカムケアリ駅でガイ・キャロウェイ、1000ドルの手配書を見るダグラス・モーティマー大佐。

酒場兼ホテルに入るダグラス・モーティマー大佐。
ガイ・キャロウェイの居場所を聞きます。
感づいたガイ・キャロウェイはドア越しにぶっ放して2階づたいに逃走します。
これをカッコよく仕留めるダグラス・モーティマー大佐。
馬に積まれている4挺のライフル。これがカッコいいのです。
長銃身リボルバーにストックを装着。これがカッコいいのです。
ガイ・キャロウェイの額のど真ん中を撃ち抜きます。何となくマンガチックです。

賞金1000ドルを受け取るダグラス・モーティマー大佐。
カバナー、2000ドルの手配書を見ます。ここから新顔の賞金稼ぎがガバナーを追っているとシーン転換します。

ホワイトロックスにて。雨が降っています。
クリント・イーストウッド扮する賞金稼ぎのモンコが登場。
保安官にカバナーの居所を聞くモンコ。答える保安官。
その保安官はすぐにカバナーの用心棒3人を呼びに行ってます。しょうもない。
ポーカーからカバナーを痛めつけるモンコ。
床屋の途中で駆けつける用心棒3人。これを見事な早撃ちで一瞬に仕留めるモンコです。これがカッコいい。この作品の白眉なシーンです。
続けて後からモンコを撃とうすするカバナーを撃つモンコですが、どう見ても当たっていません。これがマカロニなのかも。
で、リボルバーをホルスターに収めるとこも決まっています。クリント・イーストウッドはヘビのグリップのシングルアクション・リボルバーを使っていました。ホルスターに銃を納めるとこがカッコいい。
カッコよく片づけます。キャラ紹介は順調そのものです。

本編になると音楽はステレオになっています。

ムショにて。脱走です。
ジャン・マリア・ボロンテ扮する賞金クビのインディオが登場。
手下の手引きで楽々に脱走となります。

で、インディオの賞金は10000ドルになります。
この手配書を見るモンコとモーティマー大佐。まだ2人はコンタクトしていない。
モーティマー大佐はインディオのことを知っています。

脱獄してお礼参りをするインディオ。
オルゴールを鳴らしています。
で、自分を売った男を片づけます。
手下の中にクラウス・キンスキーが見えます。
デブの手下 ニーニョが、1の子分らしい。

銀行を訪ねるモーティマー大佐。
警戒の厳重な銀行はどこかと尋ねます。→それはエルパソ銀行です。

エルパソです。
モンコがやって来ます。子役扮するフェルナンドがガイドを買って出ます。
モーティマー大佐はもう来ています。

ホテルに入るモンコ。
強引にいい部屋を空けるシーンがあります。
背の低い主人。夫人のメアリー。

インディオのアジトです。元は教会らしい。
来客です。鐘を撃って鳴らすシーンが印象的。銃で鐘を撃つのはここでやっています。確か『エル・ドラド』(1966年)でもあったような。この作品の方が1年早い。
やって来たのは腕利きの優男グロッギー。中に入れば拍車も撃っています。やることが派手です。
グロッギーから親友サンチョはムショに入ってると聞くインディオ。
エルパソ銀行を襲う打ち合わせとなります。
話しからムショにて同室の男はエルパソ銀行の金庫を作った元大工らしい。脱獄時に話しを聞いたら用はないと片づけたようです。

エルパソ銀行にて。
モーティマー大佐が銀行の話しを聞いています。

エルパソに手下4人が偵察に来ます。
ニーニョ、グロッギー、クラウス・キンスキー、もう1人。

酒場に入るモンコ。手下4人を伺います
モーティマー大佐もいます。ここで手下のキンスキーを挑発するモーティマー大佐です。マッチを使用。
顔面引きつり演技のクラウス・キンスキー。さすが演技派だ。

この1件で競争相手がいることを知るモンコです。

エルパソ銀行を偵察中です。
数をカウントするクラウス・キンスキー。カウントのリレーの描写となります。
パンフォーカスではなく合成のような感じのシーンがあります。
手前に顔のアップは合成のような感じなのです。マカロニ・ウエスタンにしては凝った手法です。
そんなこんなで引き上げる手下4人。

望遠鏡で偵察のモーティマー大佐。
双眼鏡のモンコに気がつきます。

新聞社で過去の記事を見るモーティマー大佐。
ホワイトロックスでマート兄弟3人を片づけたモンコの記事を見ます。

情報屋のじいさんを詰問するモンコ。
汽車が通過すると揺れています。ギャグ?
モーティマー大佐の名が出てきます。

ホテルにて。モーティマー大佐の部屋にて。
アジア人のボーイが勝手に荷物をまとめて持ち出します。
これはモンコがやらせたことです。
で、表に出てモンコ対モーティマー大佐となります。
決闘ではなく帽子の飛ばしっこをやっています。
で、話し合いとなります。インディオの手下は14人いるらしい。
ブラッキー、ワイルド、ニーニョ、フリスコ、手下の名前です。
話しの成り行きでモンコが潜入することになります。インディオの親友サンチョを手土産にすることになる。

オルゴールの話から回想となります。
インディオは若い夫婦を襲い旦那を撃ち殺す。

ムショにて。
サンチョを脱走させるモンコ。ダイナマイトを使って派手にやってます。

アジトにて。
インディオ一味に合流するモンコ。
明日銀行強盗だとインディオ。
陽動作戦でチコ、パコ、ブラッキー、そしてモンコが行けとなります。

移動中の休憩にて。
陽動作戦の4人です。
ここで3人を一瞬で片づけるモンコ。

インディオ一味は幌馬車も使ってエルパソに向かう。

偽の電信を打たせるモンコ。
これでエルパソを警備している連中は出払うことになります。

移動中のインディオ一行。
インディオの指令で電信を撃って切るグロッギー。
電柱の碍子が吹っ飛ぶとこが、妙に印象に残るシーンです。

ホテルのモーティマー大佐。準備中といった感じ。

移動中のモンコはエルパソに入る。
隠れて様子をうかがうモンコ。

エルパソ銀行襲撃が始まります。
若い警備員はパンを食べています。
カウントするモンコ、モーティマー大佐。
突然爆発して金庫が引っ張り出されます。
若い警備員はあっさりと撃たれます。
幌馬車に金庫を積み込み引き上げるインディオ一行。仕事の早いこと。
これは予定外のことらしいモンコとモーティマー大佐。

追うモンコ、モーティマー大佐も続きます。
もうこれきりだとモンコ。モンコを撃ってキズを付け、これで戻れば怪しまれないとモーティマー大佐。
インディオ一行を北へ行かせるようにモンコに言ってます。

アジトではなく途中の落ち合う地点にて。
金庫を撃ちまくるインディオ一行。キャビネットが割れて金庫本体が出てきます。
モンコ1人が戻ります。当然怪しまれます。
クビのケガでまあいいでしょうとなるモンコです。

北ではなく南にしようとモンコ。
天の邪鬼なインディオは南でも北でもない東にしてます。
アグアカリエンテへと向かうことになります。

アグアカリエンテです。
到着したインディオ一行。

1人で町に行かされるモンコ。初めてのお使いか?
町側から3人出てきます。
モンコのデモ撃ちを見て3人は退散しています。わかりやすい。
で、モーティマー大佐も来ていました。

酒場で打ち合わせとなります。
遅れて到着のインディオ一行。
ここでモーティマー大佐を見つけるクラウス・キンスキー。名前がワイルドとようやくわかる。傴僂の設定なので背中にこぶを付けていました。何回も見ていたけど今回見て初めて気がついた。

モーティマー大佐にお礼参りとなるクラウス・キンスキーではなく役名ワイルド。
手下のクチーリオがカウントします。
隠し持っていた小型拳銃デリンジャーでワイルドを片づけるモーティマー大佐です。

5000ドルで金庫を開けてやろうと持ちかけるモーティマー大佐。
そんな特技もあったのか。

金庫を開けるモーティマー大佐。
1ヶ月はほとぼりを冷ますためにカネを隠せとインディオ。
手下のニーニョと一緒にカネを隠すために運ぶインディオです。トランクや倉庫のドアには厳重にカギをかけます。

夜です。
カネを取りに忍び込むモンコ。先客のモーティマー大佐がいました。
既にカネはバッグに入れてあります。
元通りにトランクを閉めてるモーティマー大佐。手配書を入れています。

倉庫を出たとこで捕まるモンコ。とっさにカネは木の上に隠します。
おなじように捕まるモーティマー大佐。

インディオから捕まった2人に手に付けろと渡される革製の物はなんでしょう。いまだにわからん。
リンチ状態のモンコとモーティマー大佐。ボコボコにされています。

この時点はまだカネは倉庫のトランク内だと思っているインディオ。
だからモンコとモーティマー大佐は殺されなかったようです。
トランクを元通りに閉めたモーティマー大佐の処置がよかったようです。

深夜です。
手下のスリムを片づける手下のニーニョ。ナイフを盗んでいます。

で、モンコとモーティマー大佐を逃がす手下のニーニョ。
どういうつもり?指図したインディオの考えらしい。
インディオはモンコが賞金稼ぎだと最初からわかっていた。
賞金稼ぎと子分を撃ち合いにさせて自分はニーニョと高飛びするつもりのインディオ。もしかしてインディオとニーノはゲイの仲=ホモダチなのか。

インディオは賞金稼ぎ=バウンティ・キラーと言ってます。

手下のクチーリオは自分のナイフでスリムが殺されたことに驚愕しています。
で、逃げて撃ち殺されます。
銃声で起き出してきた手下達に逃げた賞金稼ぎを殺せと命じてるインディオ。

夜が明けます。
準備OKなモンコとモーティマー大佐。
帽子までちゃんとしているモーティマー大佐です。

手下のニーニョがグロッギーにナイフでやられます。
インディオにカネはどこだと詰問のグロッギー。
トランクにはカネはなかった。手配書のみ。このインディオの手配書があざ笑います。
カネを探し回るグロッギーですが、そんなものはない。

撃ち合いとなります。
手下達とモンコとモーティマー大佐。
このクライマックスの撃ち合いのシーンは意外と短い。あっさりと手下達を片づけます。

グロッギーとインディオ。
オルゴールのことを聞くグロッギー。
回想となります。自殺した女。

インディオを呼び出すモーティマー大佐。
残っているのはインディオとグロッギーだけです。

モーティマー大佐対インディオとなります。
優位になってオルゴールを鳴らすインディオ。
オルゴールが重なって聞こえてきます。モンコでした。
これでモーティマー大佐対インディオの決闘となります。見守るモンコ。

賞金クビ達の死体を荷馬車に積み込むモンコ。
賞金が足りないと小ネタが入ります。
グロッギーが残っていました。意外と出番の多いキャラでした。

モーティマー大佐と別れるモンコ。荷馬車で引き上げます。
エンドとなります。


そんなわけで有名なだけはあるよい作品でした。

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コメント

脇役の役者の名前をほとんど知らなかったので,記事には感激しました!
荒野の用心棒と並んで,首ったけのマカロニ秀作です。何回も見ました。今だに時々見ています。
裏切りで手にした家族を「俺の家族でもある…」と部下に命じて葬るインディオ。凄まじく残虐な極悪人の道理です。オルゴールの決闘で元の仲間を殺す冷静さと,ニーニョにマリファナを急かす不安定さのアンバランス。この辺から,インディオのキャラはもうたまりません。

横浜太郎さん、コメントありがとうございます。

私の感想に感激してもらって非常にうれしく思います。重ねてありがとうございます。

好きな作品は何回でも見れる。私もそうです。私の場合は好きな作品が多すぎて見る時間がなくてこまっています。

インディオがお気に入りのキャラなんですか。渋い好みでいいですね。
私は手下のクラウス・キンスキーがよかったりします。

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