『チルファクター』(1999年)
この作品はヒュー・ジョンソン監督、キューバ・グッディングJr.、スキート・ウーリッチ主演の巻き込まれアクションです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
1999年 モーガンクリーク アメリカ作品
原題◆Chill Factor
スカイパーフェクTV315スター・チャンネルにて。画質はよいです。
プロット 化学兵器をかかえて悪戦苦闘する話しのようです。
音楽 ハンス・ジマー
キャスト
キューバ・グッディングJr.→トラック運転手のアルロ
スキート・ウーリッチ→コンビニ店員のメイソン
ピーター・ファース→ブリナー大尉
デビッド・ペイマー→ロング博士
ケビン・J・オコーナー→ロング博士の助手
ハドソン・レイク→女性テロリストのヴォーン
ジム・グリムショウ→警官のパパス
ダニエル・ヒュー・ケリー→軍のヴィッテリ大佐
ヒュー・ジョンソン監督の演出はまあよいと思います。
何故か『テルマ&ルイーズ』(91年)のような画調で音楽もハンス・ジマーも同じ人なので何か似ている感じでした。
プロローグ。
デビッド・ペイマー扮する深刻そうなロング博士は化学兵器の実験を強行して18人の死亡者を出すことになります。
デビッド・ペイマー博士に助手がケビン・J・オコーナーでは何の研究にしても失敗しそうなコンビです。
化学兵器は通称エルヴィスとなっていました。何故エルヴィスなのか?、どういう伏線なのかは最後までわかりませんでした。
化学兵器の実験失敗の責任を取らされてピーター・ファース扮するブリナー大尉は10年の懲役刑となります。
そして10年後となります。てっきりすぐに脱走して一騒ぎになるかと思ったら外れました。結構まじめなキャラではないですかと悪役なはずの印象が薄れたりします。
10年後のデビッド・ペイマー博士はまだ陸軍で化学兵器の研究中で、博士の趣味の釣り仲間がスキート・ウーリッチ扮する若い男メイソンとなっています。釣りをしながらの会話で伏線を入れていました。
まじめに刑期を務めたブリナー大尉はテロリストを雇って因縁の化学兵器エルヴィスを奪いにかかります。大尉を加えて4人で集まります。その他にバイク要員2人で計6人か7人だと思う。これだけの戦力なのか。B級ですなとなります。
大尉御一行は陸軍研究所を襲ってロング博士に重傷を負わせます。その博士は深手の負傷で逃亡し化学兵器エルヴィスをスキート・ウーリッチに託して死に至ります。ここで余計な説明描写を省略しているのがいい。
そんなこんなで30分で状況設定がすんで、カーアクションのチェイスシーンとなります。
追跡するバイク2台は珍しく日本製でしたが、やはりというか車種の選定をする間もなくすぐに爆発炎上となりました。なるほどアメリカ製のハーレーにするわけがないなと納得します。
この日本製バイクは真っ黒でメーカー名まで消されていてどこのメーカーかはわからず。形だけから日本製ではと思いました。
スキート・ウーリッチ扮するコンビニ店員のメイソンは瀕死の博士に頼まれたので実行義務が出来て、キューバ・グッディングJr.扮するアイス配達のトラック運転手のアルロは会社のトラックを盗んでいる弱みがあって、化学兵器エルヴィスを積んだトラックを走らせることになります。
この2人は戦闘訓練を受けていない素人となっています。アメフト出身の大学からの転落者のウーリッチ、苦学生のグッディングJr.となっています。
主役2人が乗るボロトラックで肝心なとこで始動に手間取ります。
1時間でこのボロトラックは退場となってアイス会社のある街ミズーラでトラックを調達しようとするが追手が来ることになります。
全編トラックアクションで押し切るのかと思ったらボロトラックは1時間でおしゃかとなって次はボートで川下りアクションとなっていました。これは意外な展開でした。
トラックアクションのネタが尽きてしまったのかな。となると『恐怖の報酬』(52年)は始まって1時間しないとトラックは動かなかったけどラストまでトラックで通していたのは上手かったのですねとなります。傑作と比べては気の毒ですけど。
登場するのはトラックと追手だけではなくて研究所を襲われた陸軍もヘリコプターを飛ばしています。ヘリコプターは絵になります。音もサラウンドで聞こえがいいし。
コンビニ店員のメイソンを演じるスキート・ウーリッチはまあ普通にこなしていました。悪くはないです。
トラック運転手のアルロ演じるキューバ・グッディングJr.は事件に巻き込まれることになる熱血トラック運転手を熱演していました。
主役の2人はまず合格点な出来でした。
首謀者の大尉が大熱演でキャラクターもていねいに描写しているし、10年の刑期もちゃんとつとめていたし最後のシーンまでちゃんと描写していたしとホトンド主役の扱いでした。これはキャラクター描写のバランスからいうと問題なのでは。主役2人がかすんでいます。
何てことはない普通のアクションでキャストで持っていました。女優さんが出ていないのもこまったものです。テロリストに1人いただけ。もっと上手く入れなさいとなります。
悪役の大尉の描写がありすぎで描写バランスを欠いているのと、トラックアクションが途中で終わりというのがマイナスポイントでした。
そんなわけで普通の水準のアクション作品でした。
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