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2007.12.16

『下宿人』(1926年)

この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督の連続殺人が絡む下宿人サスペンスです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。


1926年 ブリティッシュ・インターナショナル・ピクチャーズ 英国作品
原題◆The Lodger
IVC発売のDVDにて。画質の方は画質以前の最悪の画質です。
プロット 結局別人だったという話しのようです。
音楽 サイレントなので後付け音楽が鳴りっぱなしとなっています。映画とは全く関係なく鳴っています。音楽は何となく付けられているようです。聞いたことがあるクラシックであまり合っていないような。

キャスト
イヴォー・ノヴェロ→謎の下宿人
ジューン→ヒロインのデイジー
マリー・オールト→デイジーの母
アーサー・チェイニー→デイジーの父
マルコム・キーン→刑事のジョー


アルフレッド・ヒッチコック監督の演出はよいと思います。
俳優の演技はサイレント式の大げさなものです。
サイレント俳優は眼のメイクが凄い。アイシャドウが濃いのです。

あれだけ疑わせておいて急転直下電話1本字幕1枚で疑いははれてしまいます。さぞヒッチコック監督は悔いが残ったことでしょう。これもスター映画の宿命か?
そのスターのイヴォー・ノヴェロでヒュー・グラントが似てます。
ヒュー・グラントが英国伝統の2枚目であるとよくわかります。

刑事が登場しますがお喋りばかりしている。→この刑事はいつ捜査をしてる?
わざとらしくヒロインの入浴シーンがあったりします。
ヒロインが帽子をかぶる時きつくかぶるのが印象的。これが帽子本来のかぶり方?

1926年でこの出来なら当時の観客をくぎ付けにしたことでしょう。
プロローグからこの調子で80分も持つのかと思ったら持ちました。感心しました。だから当時の観客をくぎ付けにしたとつながります。
字幕が少ない。さすが違います。当たり前のセリフは字幕にわざわざ出すことはないとしているようです。

オーバーラップの手法を使っています。
回想も使ってます。とてもスムーズに回想に至ります。これには感心。

本『映画術』で話されたいた通りなシーンがちゃんとあります。当たり前だけどうれしい。
金髪が拡がるショット。
クルマの後ろ姿が人の眼になるショット。
かの有名なガラスの天井ショット。


タイトルとキャストがまとめて出ます。


プロンドの女性が殺されます。
ブロンド殺人が連続しているモンタージュがあります。
アベンジャー=復讐者のメモが残されています。
警察の捜査のモンタージュが入ります。
7人目の犠牲者。マフラーで顔を隠していた。
7人目の犠牲者とタイプライターで打つクローズアップショットから新聞記事へとなるモンタージュがあります。
Muderの見出し。
新聞が出来るまでもモンタージュが入ります。
クルマの後ろ姿を人の顔に見立てるショット。窓が眼になります。

ヒロインのデイジーの紹介があります。
楽屋です。控室か。
着替えのシーンを念入りに撮っています。
ブロンドを気にする女性もいます。

マネキンのシーンが入ります。
洋服屋の仕事らしい。

控室ではブロンドをブルネットにする人もいます。


下宿屋です。
ジョー刑事。旦那と夫人。
娘のエリザが帰宅します。ジョー刑事と恋人同士らしい。
ガス灯が消えかかります。
そんなとこに13と書かれたドアがノックされます。
下宿人登場。これが怪し過ぎとなっています。
マフラーで顔を隠して貸間を求めます。
1月分を前払いする下宿人。
顔に窓枠の影がかかり十字の形がかかります。
小さい鞄を持っています。怪しい鞄です。
絵を裏返している下宿人。金髪の女性の絵です。

有名なガラスの床を歩くとこを下から撮ったショットがあります。
このガラスのの床を歩く下宿人を下から見る下宿屋一家。
足音が見えるシーンとなっています。

下宿人に朝食を運ぶエリザ。

数日後。
エリザとチェスをしている下宿人。
火かき棒を手に取る下宿人のショットを意味深に見せています。怪しい。

ジョー刑事がやって来て無駄話をしています。
ジョン刑事はこの事件の担当になったとデイジーの両親に言ってます。
このへんはカットバックを多用しています。

ジョー刑事がエリザ相手に手錠遊びの図があります。

街の風景が入ります。

夜になり出かける下宿人。
何だか怪しいと下宿屋の夫人。
俯瞰の階段のショットが入っていました。階段の手すりのかける手が見えます。このショットはヒッチコック監督の好みのようです。

街ではまた事件です。
また1人殺されて街中は大騒ぎとなります。
8人目の犠牲者。アベンジャーのメモ。

下宿屋にて。
エリザの悲鳴が聞こえます。駆けつけるジョー刑事。
抱きあってる下宿人とエリザ。怒るジョー刑事です。下宿人と口論となっています。
ここはエリザがネズミに驚いたとオチがつきます。

下宿屋にて。怪しい下宿人は昨夜出かけていたと話しが出ます。
ついにあの下宿人は怪しいと夫人です。同じ夜に外出していたと。

マネキンのシーンが入ります。
見ている下宿人。デイジーの出番です。
ドレスを買う下宿人。

警察です。
ジョー刑事を捜査活動の説明をしています。
地図に印をつけてこの辺が怪しいとやっています。下宿屋の近くです。
警察は連続殺人は下宿屋の方向に向かってるとなります。

下宿屋にて。
下宿人からエリザにプレゼントのドレスが届いています。
で、ドレスを返品しに行く下宿屋の旦那です。

夜です。雨が降っています。
エリザの着替えのシーンを念入りに撮っています。
事件のことを調べている下宿人。

エリザの入浴シーンとなります。
ここを念入りに撮っています。とても1926年製作とは思えないほど念入りに撮っています。

殺人事件が起きる火曜の夜に下宿人とデイジーは外出します。
心配するエリザの両親です。

街にて。
ベンチの下宿人とエリザ。
これをジョー刑事が見つけます。口論となります。
残されたジョー刑事はどうしようか考えています。

下宿屋にて。
帰宅する下宿人とエリザ。
いい雰囲気となってキスシーンとなります。

警察は下宿人を調べにやって来ます。ジョー刑事はいい悪役になっています。
下宿人の部屋を調べて鞄を見つけます。中にはハンドガンや殺人事件の地図や新聞記事等の怪しい証拠が満載となっています。
最初の犠牲者の写真があって妹だと話す下宿人。

警察としてジョー刑事ら数人が押し掛けてきます。
下宿人の部屋を家捜しとなります。
小さい鞄を見つけます。これには慌てる下宿人。
中味はオートマティックのハンドガン。ブローニングM1900か?
印をつけた地図もあります。他に新聞記事等の怪しい証拠が満載となっています。
写真もあります。最初の犠牲者で下宿人の妹だと称しています。
そんなこんなで引っ込みがつかなくなったジョー刑事は下宿人に手錠をかけて連行しようとします。
捕まる下宿人。手錠をかけられます。
下宿屋玄関で隙を見て逃走する下宿人。

ベンチの下宿人を発見するエリザ。
下宿人の回想となります。どうやら殺人鬼ではないようです。

カフェに入る下宿人とエリザ。
手錠隠すシーンがあります。当然怪しまれる下宿人。ここで下宿人が犯人だとなり群衆に追われることになります。
ジョー刑事がやってきます。
電話で警察に連絡のジョー刑事。ここで真犯人が捕まったと知るジョー刑事。
ジョー刑事はこのままでは下宿人がリンチになると止めに向かいます。

逃げるとこで鉄柵に手錠で吊り下がることになる下宿人。
柵の出っぱりに手錠が引っ掛かり吊り下がる下宿人。
リンチ状態となりかけます。このあたりで群衆に交じってヒッチコック監督が出ているようです。
ようやく止めに入るジョー刑事。
もう真犯人は捕まったと号外が出ていたりします。


エピローグ。
病院の下宿人。エリザがいます。
体調がよくなった下宿人。エリザの両親が挨拶に来ています。
このエピローグが少々長い。
めでたいのいいのですがここは長過ぎです。
エンドとなります。


そんなわけでキャリアの最初からヒッチコック監督らしいサスペンスのよい作品でした。


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