『フィールド・オブ・ドリームス』(1989年)
この作品はフィル・アルデン・ロビンソン監督、ケビン・コスナー主演の野球が絡んだ自己回復ドラマです。
なおこの文はネタバレ全開となっています。
ジョン・セイルズ監督の『エイトメン・アウト』(88年)よりは出来が落ちると予測し、比較するために見ました。この類の作品が『フィールド・オブ・ドリームス』(89年)だけだった見なかったと思う。
1989年 アメリカ作品
原題◆Field of Dreams
BS11にて。画質はまあまあ。ステレオでしたがホトンド意味がなかった。通りがかりのクルマの効果音が左右に移動するだけでした。これならモノラルでも変わりません。
プロット 主人公の自己回復物語でした。野球は刺し身のツマでした。ジョー・ジャクソンもフェンウェイ・パークも刺し身のツマだった。
音楽 ジェームズ・ホーナー
キャスト
ケビン・コスナー→レイ・キンセラ
エイミー・マディガン→アニー・キンセラ
ギャビー・ホフマン→カリン・キンセラ
レイ・リオッタ→シューレス・ジョー・ジャクソン
ティモシー・バスフィールド→マーク
ジェームズ・アール・ジョーンズ→テレンス・マン
バート・ランカスター→ドク "ムーンライト" グラハム
フランク・ホエーリー→アーチー・グラハム
ベン・アフレック→エキストラ(ノンクレジット)
マット・デイモン→エキストラ(ノンクレジット)
Ben Affleck→Fenway Park scenes extra (uncredited)
Matt Damon→Fenway Park scenes extra (uncredited)
IMDbで調べたらこんなことがわかりました。見ててわかるわけがない。
フィル・アルデン・ロビンソン監督の演出はイマイチだと思います。
ミドルネームをアルデンではなくアンデルだと思い込んでいました。童話作家で有名なアンデルセンからそうなった。
見始めてこれはSFなの?と思ってしまい、そのままイマイチな印象になってしまった。そもそもジョン・セイルズ監督の『エイトメン・アウト』(88年)とはコンセプトが全然違っていて比較にはなりません。
リアルとファンタジーの辻褄合わせを無理にしているのでイマイチになります。
肝心のトウモロコシ畑の中のフィールドは15分過ぎにはもう出来てしまい、ジョー・ジャクソンはそのすぐ後に登場しています。話しは早い。
これでどんな風に展開していくのかと思っていたら自己回復物語となっていったわけです。
それにしても左では投げて右打ちのジョー・ジャクソンには違和感があり過ぎ。これは左で打って欲しかった。この点だけでも『エイトメン・アウト』のほうがいいです。
このジョー・ジャクソンを始めとする幽霊の方々は自分が幽霊という自覚があるようです。なんか変だな。
そのうちジョー・ジャクソンが幽界の渉外担当って感じになっています。
これもイマイチになります。いかなる文献、資料から推測してもジョー・ジャクソンは渉外担当をやるタイプとは思えないからです。右打ちはこのためのものか?右打ちになって性格も反対になったの?→ジョー・ジャクソンは右投げ左打ちなのです。てことはまるっきり正反対なわけです。なるほどと妙に納得してしまう。
フェンウェイ・パークが出てきます。
ボストン・レッドソックスのホーム・グラウンドです。
シンメトリーではない変形フィールドの素晴らしいボールパークです。1912年完成だから古い。
やっぱりグリーンモンスターのすぐ後ろは道路になっているようです。さすが市街地にあるボールパークです。
アイオワ・ボストン・ミネソタとクルマで移動しています。
クルマはワーゲン・デリバリー。映画等によく出てくるクルマですが設計は古くてエンジンは非力でとても実用的とは思えませんが・・・
アメリカはモーテルがあるからいいと思う。これならクルマでブラリと出かけられそうな感じがしたりするから。
フィールドを維持出来なくなりその為に見物人1人20ドルとは何かイマイチ。
ラストにその見物人達のクルマのヘッドライトの列になりますが駐車場はどうするんだろうと余計な心配までしてしまった。とても美しいシーンとは思えなかった。こまったもんだ。要するに描写バランスが悪いのでしょう。
キャストで・・・
ケビン・コスナーはあまりというか全然好きなタイプではない俳優なので、これでだいぶマイナスとなっています。なにをやっても説得力皆無に見えてしまいます。こんなことをしていなで実生活みたいにナンパでもやってればとなります。
ケビン・コスナーは中々芽が出ずに苦労を重ねていたそうです。でも、そうなると苦労に苦労を重ねて元々曲がっていた根性が更に曲がったタイプなのではと思えてしまいます。
レイ・リオッタのジョー・ジャクソンはミスキャストではないと思えます。
それでもレイ・リオッタのいつものキレたキャラでいきなりバットで人を殴り殺すのはではないかと見えないこともない。
どこかのレイ・リオッタのインタビューで「ジョー・ジャクソンが右投げ左打ちなら練習して演じることが出来たのに」と読んだことがあります。ということは左投げ右打ちは監督のせいだとわかります。
ジェームズ・アール・ジョーンズの声はダース・ベイダーの声でした。いい声です
ですが、見ていてダース・ベイダーの声のようだと思えるくらいだから演出はイマイチとなります。アニメの演出評価のバリエーションになってしまった。→アニメでイマイチな演出だとVCの声が他の作品のキャラを連想してしまうのです。
エイミー・マディガンですが、MLBに関する歌を集めたCD『Baseball : A Film By Ken Burns』で冒頭のナレーションを担当していたのは、この作品からだと思われます。いい声です。
そんなわけでやたら批評がよい割りには私には全く合わなかった。
最初の印象は悪くはなかったのですが、だんだんと印象がイマイチになってしまったのです。
この程度の出来なら劇中映画としてチラッと出てくる『ハーヴェイ』(50年)のほうがよかった。話しはぶっ飛んでいるし、ジェームズ・スチュアートが出ているし。
この作品は『トウモロコシ畑のキャッチボール』と邦題が付くはずだったそうです。この出来ならそれもいいのではと思えたりします。
« 『ペイヴメント 静かなる追跡者』(2002年) | トップページ | 『エイトメン・アウト』(1988年) »
「映画」カテゴリの記事
- 『彼らは忘れない』(1937年)(2022.02.27)
- 『ギャングを狙う男』(1953年)(2022.02.26)
- 『ブラック・リッジ』(2020年)(2022.02.20)
- 『フローズン・ストーム』(2020年)(2022.02.19)
- 『私は逃亡者』(1947年)(2022.02.13)
「1980年代」カテゴリの記事
- 『燃えよNINJA』(1981年)(2021.05.23)
- 『SFソードキル』(1984年)(2021.05.22)
- 『フライングハイ』(1980年)(2021.04.25)
- 『フライングハイ2 危険がいっぱい月への旅』(1982年)(2021.04.24)
- 『ナイト・オブ・ザ・コメット』(1984年)(2020.08.16)
「野球映画」カテゴリの記事
- 『甦る熱球』(1949年)(2021.02.14)
- 『勝利の大王アレキサンダー』(1952年)(2021.02.13)
- 『ジャッキー・ロビンソン物語』(1950年)(2021.01.17)
- 『17番のプライド』(1952年)(2021.01.16)
- 『狙われたカージナルス』(1934年)(2020.11.22)
コメント